


イシミカワ(タデ科)
お皿に乗ったごちそうのような、イシミカワの実が色づきました。この実のことをトンボノカシラとも言うそうです。イシミカワとは面白い名前ですが、語源は不明。ブルーに見えるのはがくで、中に本当の実が入っています。

ママコノシリヌグイの葉

イシミカワの葉
イシミカワとママコノシリヌグイは、どちらもつる性で逆とげがついて三角の葉、とよく似た姿ですが葉の脈で見分けがつきます。ママコ・・・の三本の主な脈は葉の端から出ていますがイシミカワの三本の脈は葉の端から少し入ったところから出ています。葉柄がママコ・・・では葉の端につきイシミカワでは端から少し入ったところにつくわけです。
雑草としては困りものなのでしょうが、この時期になるとあんまり可愛いのでどうか刈られてしまいませんように、と思ってしまいます。

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ヤブマメ(マメ科)
葉がササゲに似ているなと思って調べたら“ヤブマメ”でした。これが地上に咲く花で、これとは別に地面の中に閉鎖花を作り、そちらにも豆ができるそうです。来年も同じ場所を地中の豆で確保し、あわよくば地上の豆で勢力拡大を図ろうという、確実さと積極性を兼ね備えたがめつい戦略。そのわりに、あたり一面生い茂って・・・という状態にはなってません。地中の豆は食用になるようです。



イネ科の?
これの名前が分かりません。畑のふちにすくすく育って、秋の空に気持ちよさそうに伸びあがっていました。高さ1メートルを超えています。一見、メヒシバかな?と思ったのですが穂の数が違いますし、先が細くなっていく形も違う。図鑑で調べた中では“アシボソ”かな、と見えるのですが。

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イボクサ(ツユクサ科)
春にトキワツユクサを調べたとき間違えかけたイボクサ。写真で見る可愛い姿にいつか出会いたいと思っていたら、咲いてました咲いてました田んぼの隅に!
想像したより小さくて地味な感じ。名前の由来はイボにつけると取れるからとか。
優しい姿と白地に薄紅色のかかった色合いの愛らしさ。赤ちゃんの小指の爪のようです。


イボクサの近くで見つけたツユクサの仲間。はじめ普通のつゆくさのいじけたやつかと思ったんですが(笑)どうも別の種類のようです。ご覧のようにとても小さくて見逃しそう。拡大して見るとどうしてどうして美人です。これの名前が分からないのですが、どなたかご存じないですか?

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ジュズダマ(イネ科)
ジュズダマ、全体的には減っているんじゃないでしょうか。10年ほど前、近所で見つけた時はものすごく久しぶりで感動したものです。その後排水路にそって毎年下流へと数を増やしています。
姿はトウモロコシに似ています。背は1mから1.5mくらい。実のように見えるのは葉鞘が変化した包だそうです。雌花は中に3個の花がありますが働くのは1個だけ。下の方にショロリンと柔らかい糸のようなものを出しているのがそれです。上の方で稲の穂のように包から飛び出しているのが雄花です。
秋になると、この包が黒く熟し、日が経つにつれ、黒→灰色→白と変化していきます。硬くて、表面に琺瑯(ほうろう)か陶器のようなつやがあって、袋に入れるとチャラチャラといい音がします。昔はお手玉に入れたようですね。これを糸を通してつないで数珠。私はネックレスにしていました。

つやつやのきれいな実

伝来の茶器のよう

糸を通してつなぎ始めたら止まらない(笑)
今ではビーズとセットになったジュズダマのキットもあるようです。
たくさん実っていてもだれも採りません。女の子がいたら一緒に遊ぶのですが。
詳しく知りたい方は下記のホームページが分かりやすいです。
http://www.kobe-c.ed.jp/shimin/shiraiwa/juzudama/juzu6.html

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イタドリ(タデ科)
遅めに咲いたイタドリの花。別名スカンポ。酸味があって、春にタケノコのように伸びだした中空の茎を折ると“カポン”と音がするのでスカンポ。スイバとも言います。昔は子供のおやつだったと聞いていますが、私は酸っぱいのは苦手でなめただけでポイ。
子供の頃、これの名前を覚えたと思うと、周りの人が違う植物をスカンポだスイバだと言うので混乱しました。同じタデ科に、よくギシギシと間違えられる「スイバ」があってこの「スイバ」のこともスカンポと言うのですね。
ネットで調べたら料理法がずらりと出てきました。よく食べる地域と食べない地域があるようです。私は身近でこれを料理した話は聞きません。やってみようという方はこちらをどうぞ。ただし今は全然シーズンじゃないので、春の楽しみですね。
http://www.i-kochi.or.jp/prv/kunio/itadori/index.html

雌雄異株ということでどっちかな?と思うのですがいまいちピンボケではっきりしません。雄花はおしべが目立つようなのでこれは雌花かな?

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チョウジタデ(=タゴボウ・アカバナ科)
今日は一日雨。少し前にとっておいた写真をアップします。
アメリカミズキンバイを調べたときに名前の手掛かりにしたチョウジタデ。これも見てみたいと思っていたら、何のことはないアメリカミズキンバイのすぐ横に生えているのを見つけました。アメリカ・・・に押されて遠慮気味です。同じような環境のところに生えるので、どうも不利な感じですが頑張って生き延びてもらいたいものです。

チョウジタデの花と実
姿がタデに似て、子房の長い花の形がスパイスに使われる丁子(フトモモ科の木)に似ているのでこの名がついたようです。(余談ですが私はスパイスに使う丁子は実だとばっかり思っていました。花のつぼみを乾燥させたものだったんですね。今回調べて初めて知りました。)

タカサブロウ(キク科)
これによく似たアメリカタカサブロウというのがあるのですが、この写真のは花が大きいので(径1㎝)もともとのタカサブロウだと思います。もっと花の小さいアメリカかな・・・と思うのもそばに生えています。日本産とアメリカ産だとたいていアメリカ産の方が派手かと思うんですが、これは例外みたいですね。と言っても結局地味なものですが。
花より実の形が面白くて印象に残ります。実を採って一粒一粒の形を見れば国産かアメリカ産かきっちり分かるようです。

タカサブロウの花 拡大して見ると面白い形です

茎が、枝別れの下のところで軽く膨れます。アメリカ・・・はもっと膨れるみたいです。
名前に味があるので由来を知りたいところですが“不明”とのこと。

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ヒガンバナ(=曼珠沙華 ヒガンバナ科)
杉の垣根のところに今年もヒガンバナが咲きました。
お彼岸のころに咲くからヒガンバナ。
曼珠沙華は赤い花を表わす梵語。(葉が出る前にまず花が咲くから“先ず咲き・真っ先”だったのがこの梵語と結びついたのかも、と牧野図鑑に。)
別名は死人花、幽霊花、地獄花など。葉がなくて真っ赤な派手な花だけが咲く異様さや、お墓によく咲いて有毒であることがお彼岸と結びついたんでしょうか。
子供のころはこれが咲くと、触ると死ぬとか、風が吹いてきただけで死ぬとか、指さしてもいけないとか、大騒ぎする子がいました。
アルカロイド系の毒を持っていますが、これは水に溶けやすいので、昔は水にさらして鱗茎からでんぷんを採り、食用にしたようです。あぜに多いのは救荒作物として植えた名残りだと言われます。

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