フィリピンは12日、台風30号の直撃から5日目の朝を迎えた。壊滅的な被害を受けた同国中部レイテ島では水や食料が極度に不足。航空機の運航が再開した空港などから島を脱出する住民も出始めた。商店などから商品を略奪する住民も絶えず、警察当局は現地に大量の警察官を投入した。
レイテ島の中心都市タクロバンの空港は、11日から航空機の運航が再開し、近隣のセブへ避難しようという住民が殺到。AP通信によると12日朝には数千人にふくれあがり混乱。武装した軍兵士が滑走路周辺を警備し、突入を図る被災者ともみ合いになった。
雨の降るなか、兵士らがフェンス越しに被災者にアメを配ったり、優先的に避難が許された子供を人混みの中から抱きかかえたりする姿も見られた。
座席の少ない航空機で避難できるのはわずかで、雑踏の中で赤ちゃんを高く掲げて訴える母親も。別の被災者は「糖尿病の持病がありすぐに避難しないといけない。この空港で死ねというのか」と怒りをぶちまけた。
また、避難する人々や、援助物資の配給を求める被災者がバイクや徒歩で続々と空港を目指しているため、周辺の道路は渋滞。ロイター通信によると、空港に到着した援助物資を運ぶトラックも滞りがちだという。
「暴力が住民を支配している」。フィリピン地元紙は、壊滅的な被害を受けたタクロバンの状況をこう表現した。あるコンビニでは店主が店を警備していたが「中に入れなければ暴力をふるう」と脅され、あきらめた。略奪被害は街の商店からショッピングセンターにも拡大。略奪目的の住民らが店の前に列をなす状態だという。
被災地で支援に当たる軍関係者も「この状況を考えれば、水や食料の略奪は正当化できるかもしれない。しかし大型テレビを車に積み込んで盗むようなことが許されるだろうか」と、複雑な表情。
市内のがれきは手つかずで、街には異臭が漂う。物資を運ぶトラックも護衛の軍兵士とともに移動している。フィリピン軍関係者は「被災者は怒りで我を忘れている。危険な状態だ」と、危機感をあらわにした。
レイテ島の中心都市タクロバンの空港は、11日から航空機の運航が再開し、近隣のセブへ避難しようという住民が殺到。AP通信によると12日朝には数千人にふくれあがり混乱。武装した軍兵士が滑走路周辺を警備し、突入を図る被災者ともみ合いになった。
雨の降るなか、兵士らがフェンス越しに被災者にアメを配ったり、優先的に避難が許された子供を人混みの中から抱きかかえたりする姿も見られた。
座席の少ない航空機で避難できるのはわずかで、雑踏の中で赤ちゃんを高く掲げて訴える母親も。別の被災者は「糖尿病の持病がありすぐに避難しないといけない。この空港で死ねというのか」と怒りをぶちまけた。
また、避難する人々や、援助物資の配給を求める被災者がバイクや徒歩で続々と空港を目指しているため、周辺の道路は渋滞。ロイター通信によると、空港に到着した援助物資を運ぶトラックも滞りがちだという。
「暴力が住民を支配している」。フィリピン地元紙は、壊滅的な被害を受けたタクロバンの状況をこう表現した。あるコンビニでは店主が店を警備していたが「中に入れなければ暴力をふるう」と脅され、あきらめた。略奪被害は街の商店からショッピングセンターにも拡大。略奪目的の住民らが店の前に列をなす状態だという。
被災地で支援に当たる軍関係者も「この状況を考えれば、水や食料の略奪は正当化できるかもしれない。しかし大型テレビを車に積み込んで盗むようなことが許されるだろうか」と、複雑な表情。
市内のがれきは手つかずで、街には異臭が漂う。物資を運ぶトラックも護衛の軍兵士とともに移動している。フィリピン軍関係者は「被災者は怒りで我を忘れている。危険な状態だ」と、危機感をあらわにした。