ためぞう王の冒険譚 第二十五話 Bパート。
「レジャー王 (仮 その2。)」
七月一日です。
今日は、ポイント10倍デー。
ためぞう「夏ですね、
梅雨ももうすぐあけると思います。
日本の四季は良いですね。
夏は、何かを期待させる季節ですが、
昨シーズンは、優勝を逃してしまいましたので、
ペナントレース、
今年は、投手陣を中心に選手一丸となって、
優勝目指してがんばりたいと思います。」
解説のローゼさん「以上、ヒーローインタビューでした。」
ためぞう「・・・、
目指す方向が、学園ラブコメではない気がしますが、
大丈夫なのでしょうか?
甲子園もプロも、もちろん応援しております。」
ローゼさん「七月になりました。
みなさま、これからもよろしくお願いいたします。
最初は、謎の黒幕だった私も、
ほんの二十五話で、
ボケキャラの一員です。
アリス会長さんと、セリスさん+ネコリオスさんには、
勝てる気すらいたしません。
路線変更、いまからでも大丈夫でしょうか?
あつかましいようで、すいません^^:」
ローゼさんは、とても礼儀正しくお辞儀をします。
現在 時刻は朝八時くらいです。
ためぞう「路線変更ですか?」
ローゼさん「ええ・・・。
私には、不足しているものがいくつかございまして、
まず、『ひと夏の 経験』ですね。
次に、『プール』。
他に、『縁日、花火大会』など、
やってもいないことを、
知った風に話すのは、良くないと思いますので、
実践も大切だと。
ようは、遊びたいんですー。」
ためぞう「・・・。
ときめき青春モードですか?」
ローゼさん「ファザコンの私が言うのも恐縮ですが、
夏の魔力は、
悪い魔女の私の魔力のそれの上を行く、
気がしています。
上、いってほしいです。
とはいえ、
お父様以外の男性には免疫がないんで、
ためぞうさん、導いてくださいね。
ためぞうは、
現在、何かの王です。
・ローゼさんに、好感度パラメーターが発生しました。
好感度 50からのスタートです。
ためぞう「うおぉー。」
ローゼさん「よろしくお願いします。^^
造花作りで貯めたお金で、
水着とか買ってみたいと思います。
デパートの方に聞いて見ますね。」
そう言って、
ローゼさんは丁寧に、
ひまわりの造花作りを始めました。
完成度がハンパない見本が、横にあります。
ためぞう「夏が来てる!?
ん、これは遅れてはいかーん。」
ためぞうは、ホームルームに行きました。
3年J組の教室。
エリナ先生が、麦藁帽子で、
白のワンピースを着ています。
エリナ先生「では、点呼を取ります。」
相変わらず、淡々と点呼を取っています。
気のせいか、フルーツ成分で艶めいて見えます。
とても若くみえるのです。
ティーンな、北の国の少女のイメージです(19才)。
エリナ先生「山本 レジャー王 貯蔵君。」
ためぞう「は、はい!」
エリナ先生「先生は、ためぞう君に期待しています。
教え子と、教師であっても、
フルーツを想う気持ちがあればと、
わかりますね?」
ためぞう「び、びみょう。」
エリナ先生「ゆっくりと、お話ししましょうね。
先生は、ためぞう君をひいきしたいと思います。
夏季のためぞう君に100点以外などありません。
いいですか?
廊下の先生方。」
廊下に、各科目の先生が整列しています。
エリナ先生の権限は、強大のようです。
先生方「はい!
ためぞう君が100点です!!」
ためぞうが、夏に赤点を取ったら、
その科目の先生とは、もう会えない気がします。
みなさんで、秋のおいも、食べたいですね。
先生方「おいも・・・いいですね。」
エリナ先生は、点呼に戻ります。
エリナ先生「あれ? 名簿、増えてますね。
いいでしょう。席はあまっています。」
エリナ先生「では、転入生のネコリオス君。
一言どうぞ。」
ネコリオス君が起立します。
正体に気付いている人は、ビビっています。
ネコリオスさん「えー、私、犬もネコも大好きだ。
都合により、ネコマスクがあったので、
そういうことになる。
素顔でいる時も、ネコリオスでよい。
エリナ先生は、我がライバルであるが、
この場では、仲良く頼みたい。
ためぞう君、エリスの事を、
一番によろしく頼む。」
ネコリオスさんは着席しました。
神オーラが漂いまくっています。
ためぞう「ねーさん、いつでも持って行ってくださいっす。」
ネコリオスさん「むはっ!?
・・・この私にも、試練というものがある、
彼女に気に入られるよう、がんばるので、
援護を頼む。」
ためぞう「うっす!」
ネコリオスさん「おー、汗かいた。
ためぞう君は、見所があるな。
そこは、エリナ先生に同意だ。」
エリナ先生「まったくですね。」
ためぞうは、
オブ ザ ゴットの加護を得ているようです。
みかんとメロンとりんごのおかげですね。
ヒゲAもいるので、ローゼさんもちょっこといます。
ローゼさん(でて、いけねー。)
ヒゲA「ためぞう君の将棋の駒が、全部、成り飛車、角に見えるね。
チェスでいうと、ポーンをたくさんのクイーンで、
守っている感じかな。
ちょっと、例えがわかりずらいね。
勝ってる、何かの王ってことで。」
ローゼさん「そ、そうですわね。
お父様、私、社会勉強の為、
時々、学生として、おじゃまいたします。
弟のウィルハルト(二世)は、
しばらくガールズサイトで、よろしいでしょうか?」
ヒゲA「そだね。
ウィルハルトと、アレスティル君出てきたら、
ためぞう君のレジェンドが、ピンチだから、
もうちょっと、待ちだね。
アレスティル君は、
ネコスティル君で、出ればいいんじゃないの?」
ネコx2さん「ネコは、貴重ですにゃ。
いっぱいいると、
我ら、セブンティーズ(70s)
ネコx2が困りますにゃ。」
ヒゲA「サフィリアさんが、一番困るね。
いいの食べてるんでしょ?」
ネコx2「ステーキなどを少々・・・。」
ヒゲA「・・・羨ましいね。」
ローゼさん「私、手縫いのブレザーを着ておりますが、
違和感、ございますか?
即興で仕上げたものでして。」
レミーアさん「バッチリっすよ。
会長さんとも、いい勝負いけますね。
完璧っす。」
ローゼさん「まあ、うれしい。」
レミーアさんは、
スタイルが素敵に見える、
オートクチュールの紺のブレザーを貰いました。
夏服仕様の通気がいいモデルです。
レミーアさん「うおー、ちちでかく見える~。
ウエストカッコイイ。
スカートすごい綺麗に揺れますね。
これ、是非使わせてもらいます!」
洗い代え用に、あと二着もらえるそうです。
レミーアさん「ローゼさん、すげー。」
ヒゲA「娘のこと、よろしくね、レミーアさん。」
レミーアさん「任せて下さいっすよ。」
サフィリアさん「わ、私も、ほしいな。」
サフィリアさんも、3着もらえることになりました。
サフィリアさん「任せてください!!」
ナイスバディーになりました。
着ているだけで、姿勢や、くびれなどを矯正してくれる
ハイクオリティー ブレザーです。
ネコx2「乗りこなすゼ!!
サマー イン 2014!
ワァナ、クーーール!!」
お昼休みになりました。
レミーアさんは、これからブレザーでいくそうです。
夏バージョンで、
あさぎ色にも仕様変更が可能です。
水色っぽい感じです。
サフィリアさんも、同様になります。
ローゼさんは、謎のサマー現象で、
滞在時間がとても長くなっています。
サマータイムですね。
ローゼさんは、裁縫屋さんにミシンを借りて、
サフィリアさんの夏のブレザーを、
速攻で仕上げています。
生地は、最高級のレトレア織物が使われています。
『神聖 レトレア帝国』産と、
ラベルに書いてあります。
そこの皇帝さんと、ヒゲAは仲良しなので、
生地はけっこうあります。
淑やかなドレスを仕上げる用の生地を使いました。
一枚、500億ゴールドですが、
皇帝さんが、気前よく100枚くらいくれたので、
在庫は十分です。
ヒゲの家にあります。
レアなドラゴンが、
ごく稀に宝物庫からドロップする生地になります。
地球時間 72日の 0.01% ドロップです。
ローゼさん「・・・。
普通に、木綿とか使いたいんですが、
私を強欲な成金辺りに、
仕立てたい意図が感じられる気がします。」
これは、失礼・・・。
ローゼさんは、
ハイクオリティー
夏の 涼やかなイメージの、
サフィリアさん用 ブレザーを、仕上げた!
ローゼさん「これも修行です・・・、
私、ふつーに袋売りのかき氷とか、
食べてますので。
50円くらいでしたよね?
今は、レシートが手元にありませんが、
おやつは、300円ときめております。」
レオクスさんのお店は、
レオクスさんの思いとは関係なく、
拡張されています。
紅茶とか、ケーキをメインに、
気軽にくつろげるスペースをイメージして、
営業しておりますが、
最近、ざるそばが人気です。
ざるうどんも加わりました。
上手くいっていることに変わりはないので、
製麺所の方にはとても感謝しています。
レオクスさん「忙しくなってきたなぁ・・・。」
キッチンのスタッフが、
ためぞうしかいないので、
抜けられると、とても困ります。
サフィリアさん、レミーアさんに加え、
エストさんや、リナさんまでウェイトレスをやっているので、
オーダーがけっこう、多いです。
ヒゲA「この時期は、
麺類とか、カレーいいよね。」
ライっちさん「ですよねー。
バルマードさん、
レオクスさんを忙しくする、
天才ですねー。」
おっさん三人で、
お食事です。
花屋のおじさんもいます。
四角い、テーブルをおじさんが持ってきました。
ジェネシスおじさん「ウチ、
うどんとか好きだからね。
そういう感じのテーブルは、
けっこう、あるんだよ。」
おろしワサビが結構、盛ってあります。
ヒゲA「誰が、チャレンジ?」
ライっちさん「振ってきましたね?
これ、使うしかないでしょ。
乗せなきゃ、ギャルの前で、
男下げますよ。」
おじさん「私は、余裕だよ。
いつも使ってるから。」
おじさんは、けっこう使います。
自然に食べてます。
ワナです。
古蔵さん「ウオッ!
キターー!!」
ネコx2さん「ニャーーーーー!!」
古蔵さんと、
ネコさんたちと、
ネコ船長まで悶えています。
おいしそうではあります。
ヒゲA「ほら、もっとおろすよ。」
また山ができました。
古蔵さん「すまん、オレは逃げる!」
ネコx3さん「ニャーーーー!!!」
ざるぞばの注文が増えました。
レオクスさん「あいよ!」
ためぞう「レオ先生は、えらいなあ・・・。
古蔵さん、はいおまち。」
せっかくなので、
わさびを使ったそばにチャレンジです。
古蔵さん「!?
・・・これは、うまいぞ!!
あとから、来るな。
だが、うまい!
茶そばみたいな感じでいいね。
ウッ・・・。」
古蔵さんは、幸せそうです。
ウェイトレスみなさんの昼食は、
ざるそばと、ざるうどんの付いた、
おにぎりセットになりました。
レミーアさん「うまいっす!」
エストさん「夏、してるなぁ。」
リナさん「ありがとうございます。」
サフィリアさん「ん、あのブレザーを着ちゃえば、
この量は、平気だよ・・・ね?」
ネコx2さん「YOU 食べちゃいな YO!」
おいしく頂きました。
きょうの放課後は、
今までとは、少し違って見えます。
水平線の先は、ハワイがありそうな青です。
グアムだって、あります。
わたあめみたいな入道雲。
お日様の光は、放課後なのにまだ白いです。
公園には、アイスクリーム屋さんがオープンしています。
市役所から営業許可が出ています。
駅前でクレープを売ってた移動販売車なので、
ためぞうとは、お知り合いです。
・かき氷 七色の味があります。 150円
・ソフトクリーム こちらも七つの味があります。 200円
・クレープ トッピングは自由度高いです。 280円より
・たこ焼き 10分程度の作り置きですが、
温蔵庫で、ほぼ出来立て気分です。 300円より
店員さんが一人なので、この仕様が効率がいいです。
季節に応じて、たこ焼きプレートが主役になります。
夏でも、たこやきという方のニーズに合わせてみました。
回転焼き(白あん 黒あん。)もあります。 60円
・ジュースは、ドリンクバーみたいな形式です。 セットもあります。 +100円。
氷の涼し気な旗が風に揺れています。
営業を、デパートの田中さんと、
常連の山田さんが手伝っているようです。
ためぞうは、いつもの白いベンチに座りました。
ホーネルたちとの約束で、カード付きお菓子は集めています。
いつもラムネを買っている、駄菓子屋さんのおばちゃんの、
お孫さんが、氷菓子を販売しています。
ためぞうは、たこやきを1パックもらいました。
付き合いってありがたいですね。
ためぞう「たこやき、うまいな。
オレは、マヨネーズとかつおぶし、
けっこう好きなのよ。
ラムネに合うね。」
シュワっとのど越しが、結構いいです。
お菓子のカードは、ノーマルが2枚でしたが、
ためぞうは、新しいカードに満足です。
カードをリーダーで読み込むと、
オリジナルの壁紙がダウンロードできるサービスが、
ためぞうのお気に入りです。
フルサイズ JPEG BMP などいろんな形式で、
何度もダウンロードできます。
スーパーレア、レジェンドカードは、
応募券で、限定ポスターがフレーム付きでもらえたりします。
カードをゲームに使わなくても楽しめる仕様です。
レミーアさん「ども! せんぱいっ。」
カシスオレンジ味のかき氷を食べているレミーアさんが、
横に座りました。
口元が艶めいていて、なんだかいいですね。
移動販売は好調なようで、お子さんから、
学生、おじさんまで、いろいろ買ってるみたいです。
レミーアさん「カード、スーパーレア引いたっすよ!」
ためぞう「マジでか!
いいなあぁ・・・。」
レミーアさん「100個、ウエハース食ったっす。
抹茶チョコ味が、お気に入りっす。
カードゲームもやってみて、
いま、15連勝ですー。
たまたまですw」
ためぞう「レミーアさん、強いもんね。
ちょっと見せて。」
レミーアさんのデッキ。(駒の配置です。)
・ナイト 1 「堅牢なる アルバミオン。」 スーパーレア。
・戦士 1 「狂戦士 ドーガ。」 レア。
・魔法使い 1 「竜泉の レイオルグ。」 スーパーレア。
・ドラグーン 1 「疾風の エミリア。」 レア。
・天使 1 「光輪の マリス。」 レア。
になります。
ためぞう「おお、
レアおおいぜ・・・。
でも、オールラウンドで戦えるなあ。」
レミーアさん「ソロの時は、
ドラゴン討伐に行ってます。
強化アイテム欲しくて。」
レミーアさんは、
ためぞうのたこ焼きを一個もらいました。
はふはふ言いながら、食べています。
レミーアさん「出来立てみたいっすね、
工夫してあるなあ。」
ためぞう「修行かねて、お手伝いしたいんだけど、
営業初日なんで、
どのくらいキャパあるか、
見たいんだって。
お待たせしたら、悪いからって。
余裕あったら、たこ焼きも出来たてでいくらしい。
メニュー多いので、大変だよね。
夏は、みえない努力で支えられてますねー。」
レミーアさん「勉強になるっす。
深いっす。
かき氷、うまいっす。
食べますか?」
ためぞう「おお、食わせて。」
スプーンは、レミーアさんのです。
端から見たら、
ためぞうは、モテてます。
この時間なので、
その光景を、サフィリアさんと、ネコx2さん、
+ネコ蔵さん、 +ネコリオスさんが、
見てないわけがありません。
ネコリオスさん「うむ、
彼女がエリスで、
ためぞう君が、私なら、
私は勝者だ。」
ネコ蔵「・・・。
なぜだ、
オレは、そーゆー思い出は、
記憶にございませんがぁ!」
サフィリアさん「か、かき氷、
買ってきます!!」
ネコx2「ベイビー、
ホットな、たこ焼きも頼むぜ!
カツブシ、大盛りで。」
ためぞう「・・・食えねえじゃん!!」
わやわやと元気に、
みなさんで仲良くいろいろ食べました。
おやつ的な買い食いとか、
ちょっとした、自分へのご褒美みたいで、
いいですね。
アイスも食べたいけど、
ケーキも、食べたい。
でも、予算でいっこ。
そういう嬉しいなやみというのは、
もしかしたら、大切なことかも、
知れませんよね。
ためぞうは、このあと、
まっすぐリナさんのいるゲームセンターには向かわず、
寄り道をしていました。
町内マップ完成という目的を、
すっかり忘れ気味だった ためぞうは、
町内を散策しています。
早くゲーセンについても、今日はおやつ代に、
ちょっと予算がかかってしまったので、
見学になってしまいます。
それも悪くないのですが、
なんとなく、
七月の風に当たってみたくなったのです。
そういう想いになったのは、
ためぞうだけではなかったようで、
ちいさな空き地に、一人の少女が座っていました。
アリス生徒会長さんです。
会長さん「こんにちは、ためぞうさん。」
そこは少し寂しい感じのする場所で、
ちょっとした資材置き場に使われていますが、
木製の古いベンチがあります。
会長さんは、そこに座っています。
ためぞう「こんにちはっす。」
ためぞうは、会長さんの横に座りました。
いつ見ても、会長さんは綺麗です。
ほんのり赤みをさした日差しが、
会長さんを照らします。
ためぞう「めずらしいというか、
こういう場所で会うとも思いませんでした。
なんとなく座っちゃったけど、
よかったですか?」
会長さん「その方が嬉しいです。
私の横に、こうやっていてくれる人は、
ためぞうさんくらいですので。」
可憐で、儚い感じの会長さんが、
にっこりとしています。
ためぞうは、持ち帰りのクレープをここで空けちゃいます。
エリス姉さんには、また買っていこうと思います。
会長さん「いいんですか、?」
ためぞう「遠慮なさらず、どうぞっす。
自分さっき食べ過ぎて。」
バニラのクレープです。
会長さんはお礼を言って、包みを開けて、
一口、食べます。
会長さん「おいしいですね。
いいですね、こうやって放課後を過ごすというのも。
場所が、もうちょっと明るい場所がよかったですね。」
会長さんがいるだけで、
景色など どうでもよく思えてしまいます。
華やかというより、可愛らしい感じです。
会長さん「ためぞうさんは、これから忙しいのですよね。」
ためぞう「うんと、
ゲームセンター行って、姉の夕飯の支度です。
とくに忙しくはないんですが、
なんとなくパターンになってます。」
会長さんは、軽く頷きます。
その変わらない事が いいことのように思えたからです。
会長さん「クレープありがとうございます。
こういうのもいいですね。
今日は、得をした気分です。」
会長さんは、
あまり雰囲気を変えるような方ではありませんが、
隙を見せたように、微笑む姿は、
なんとも言葉では語れません。
ドキっとしてしまったり、
ハッ、と言葉を失う感じでしょうか。
それを、
あえて言葉にするなら、
『あたたかな 気持ち。』
のようです。
その光景を見た瞬間に感じる何かを、
説明するのは難しいことのようにも思えます。
ためぞうは、良い気分でした。
ささやかですが、いい事をしたような感じです。
アリス会長さんは、スッと立ち上がります。
クレープはもう少し残っていますが、大事に持っています。
会長さん「また、お話ししてくださいね。」
こうして、ためぞうのその日は、
心地よい感じで過ぎていきました。
お話は、
次の話へと続きます。
「レジャー王 (仮 その2。)」
七月一日です。
今日は、ポイント10倍デー。
ためぞう「夏ですね、
梅雨ももうすぐあけると思います。
日本の四季は良いですね。
夏は、何かを期待させる季節ですが、
昨シーズンは、優勝を逃してしまいましたので、
ペナントレース、
今年は、投手陣を中心に選手一丸となって、
優勝目指してがんばりたいと思います。」
解説のローゼさん「以上、ヒーローインタビューでした。」
ためぞう「・・・、
目指す方向が、学園ラブコメではない気がしますが、
大丈夫なのでしょうか?
甲子園もプロも、もちろん応援しております。」
ローゼさん「七月になりました。
みなさま、これからもよろしくお願いいたします。
最初は、謎の黒幕だった私も、
ほんの二十五話で、
ボケキャラの一員です。
アリス会長さんと、セリスさん+ネコリオスさんには、
勝てる気すらいたしません。
路線変更、いまからでも大丈夫でしょうか?
あつかましいようで、すいません^^:」
ローゼさんは、とても礼儀正しくお辞儀をします。
現在 時刻は朝八時くらいです。
ためぞう「路線変更ですか?」
ローゼさん「ええ・・・。
私には、不足しているものがいくつかございまして、
まず、『ひと夏の 経験』ですね。
次に、『プール』。
他に、『縁日、花火大会』など、
やってもいないことを、
知った風に話すのは、良くないと思いますので、
実践も大切だと。
ようは、遊びたいんですー。」
ためぞう「・・・。
ときめき青春モードですか?」
ローゼさん「ファザコンの私が言うのも恐縮ですが、
夏の魔力は、
悪い魔女の私の魔力のそれの上を行く、
気がしています。
上、いってほしいです。
とはいえ、
お父様以外の男性には免疫がないんで、
ためぞうさん、導いてくださいね。
ためぞうは、
現在、何かの王です。
・ローゼさんに、好感度パラメーターが発生しました。
好感度 50からのスタートです。
ためぞう「うおぉー。」
ローゼさん「よろしくお願いします。^^
造花作りで貯めたお金で、
水着とか買ってみたいと思います。
デパートの方に聞いて見ますね。」
そう言って、
ローゼさんは丁寧に、
ひまわりの造花作りを始めました。
完成度がハンパない見本が、横にあります。
ためぞう「夏が来てる!?
ん、これは遅れてはいかーん。」
ためぞうは、ホームルームに行きました。
3年J組の教室。
エリナ先生が、麦藁帽子で、
白のワンピースを着ています。
エリナ先生「では、点呼を取ります。」
相変わらず、淡々と点呼を取っています。
気のせいか、フルーツ成分で艶めいて見えます。
とても若くみえるのです。
ティーンな、北の国の少女のイメージです(19才)。
エリナ先生「山本 レジャー王 貯蔵君。」
ためぞう「は、はい!」
エリナ先生「先生は、ためぞう君に期待しています。
教え子と、教師であっても、
フルーツを想う気持ちがあればと、
わかりますね?」
ためぞう「び、びみょう。」
エリナ先生「ゆっくりと、お話ししましょうね。
先生は、ためぞう君をひいきしたいと思います。
夏季のためぞう君に100点以外などありません。
いいですか?
廊下の先生方。」
廊下に、各科目の先生が整列しています。
エリナ先生の権限は、強大のようです。
先生方「はい!
ためぞう君が100点です!!」
ためぞうが、夏に赤点を取ったら、
その科目の先生とは、もう会えない気がします。
みなさんで、秋のおいも、食べたいですね。
先生方「おいも・・・いいですね。」
エリナ先生は、点呼に戻ります。
エリナ先生「あれ? 名簿、増えてますね。
いいでしょう。席はあまっています。」
エリナ先生「では、転入生のネコリオス君。
一言どうぞ。」
ネコリオス君が起立します。
正体に気付いている人は、ビビっています。
ネコリオスさん「えー、私、犬もネコも大好きだ。
都合により、ネコマスクがあったので、
そういうことになる。
素顔でいる時も、ネコリオスでよい。
エリナ先生は、我がライバルであるが、
この場では、仲良く頼みたい。
ためぞう君、エリスの事を、
一番によろしく頼む。」
ネコリオスさんは着席しました。
神オーラが漂いまくっています。
ためぞう「ねーさん、いつでも持って行ってくださいっす。」
ネコリオスさん「むはっ!?
・・・この私にも、試練というものがある、
彼女に気に入られるよう、がんばるので、
援護を頼む。」
ためぞう「うっす!」
ネコリオスさん「おー、汗かいた。
ためぞう君は、見所があるな。
そこは、エリナ先生に同意だ。」
エリナ先生「まったくですね。」
ためぞうは、
オブ ザ ゴットの加護を得ているようです。
みかんとメロンとりんごのおかげですね。
ヒゲAもいるので、ローゼさんもちょっこといます。
ローゼさん(でて、いけねー。)
ヒゲA「ためぞう君の将棋の駒が、全部、成り飛車、角に見えるね。
チェスでいうと、ポーンをたくさんのクイーンで、
守っている感じかな。
ちょっと、例えがわかりずらいね。
勝ってる、何かの王ってことで。」
ローゼさん「そ、そうですわね。
お父様、私、社会勉強の為、
時々、学生として、おじゃまいたします。
弟のウィルハルト(二世)は、
しばらくガールズサイトで、よろしいでしょうか?」
ヒゲA「そだね。
ウィルハルトと、アレスティル君出てきたら、
ためぞう君のレジェンドが、ピンチだから、
もうちょっと、待ちだね。
アレスティル君は、
ネコスティル君で、出ればいいんじゃないの?」
ネコx2さん「ネコは、貴重ですにゃ。
いっぱいいると、
我ら、セブンティーズ(70s)
ネコx2が困りますにゃ。」
ヒゲA「サフィリアさんが、一番困るね。
いいの食べてるんでしょ?」
ネコx2「ステーキなどを少々・・・。」
ヒゲA「・・・羨ましいね。」
ローゼさん「私、手縫いのブレザーを着ておりますが、
違和感、ございますか?
即興で仕上げたものでして。」
レミーアさん「バッチリっすよ。
会長さんとも、いい勝負いけますね。
完璧っす。」
ローゼさん「まあ、うれしい。」
レミーアさんは、
スタイルが素敵に見える、
オートクチュールの紺のブレザーを貰いました。
夏服仕様の通気がいいモデルです。
レミーアさん「うおー、ちちでかく見える~。
ウエストカッコイイ。
スカートすごい綺麗に揺れますね。
これ、是非使わせてもらいます!」
洗い代え用に、あと二着もらえるそうです。
レミーアさん「ローゼさん、すげー。」
ヒゲA「娘のこと、よろしくね、レミーアさん。」
レミーアさん「任せて下さいっすよ。」
サフィリアさん「わ、私も、ほしいな。」
サフィリアさんも、3着もらえることになりました。
サフィリアさん「任せてください!!」
ナイスバディーになりました。
着ているだけで、姿勢や、くびれなどを矯正してくれる
ハイクオリティー ブレザーです。
ネコx2「乗りこなすゼ!!
サマー イン 2014!
ワァナ、クーーール!!」
お昼休みになりました。
レミーアさんは、これからブレザーでいくそうです。
夏バージョンで、
あさぎ色にも仕様変更が可能です。
水色っぽい感じです。
サフィリアさんも、同様になります。
ローゼさんは、謎のサマー現象で、
滞在時間がとても長くなっています。
サマータイムですね。
ローゼさんは、裁縫屋さんにミシンを借りて、
サフィリアさんの夏のブレザーを、
速攻で仕上げています。
生地は、最高級のレトレア織物が使われています。
『神聖 レトレア帝国』産と、
ラベルに書いてあります。
そこの皇帝さんと、ヒゲAは仲良しなので、
生地はけっこうあります。
淑やかなドレスを仕上げる用の生地を使いました。
一枚、500億ゴールドですが、
皇帝さんが、気前よく100枚くらいくれたので、
在庫は十分です。
ヒゲの家にあります。
レアなドラゴンが、
ごく稀に宝物庫からドロップする生地になります。
地球時間 72日の 0.01% ドロップです。
ローゼさん「・・・。
普通に、木綿とか使いたいんですが、
私を強欲な成金辺りに、
仕立てたい意図が感じられる気がします。」
これは、失礼・・・。
ローゼさんは、
ハイクオリティー
夏の 涼やかなイメージの、
サフィリアさん用 ブレザーを、仕上げた!
ローゼさん「これも修行です・・・、
私、ふつーに袋売りのかき氷とか、
食べてますので。
50円くらいでしたよね?
今は、レシートが手元にありませんが、
おやつは、300円ときめております。」
レオクスさんのお店は、
レオクスさんの思いとは関係なく、
拡張されています。
紅茶とか、ケーキをメインに、
気軽にくつろげるスペースをイメージして、
営業しておりますが、
最近、ざるそばが人気です。
ざるうどんも加わりました。
上手くいっていることに変わりはないので、
製麺所の方にはとても感謝しています。
レオクスさん「忙しくなってきたなぁ・・・。」
キッチンのスタッフが、
ためぞうしかいないので、
抜けられると、とても困ります。
サフィリアさん、レミーアさんに加え、
エストさんや、リナさんまでウェイトレスをやっているので、
オーダーがけっこう、多いです。
ヒゲA「この時期は、
麺類とか、カレーいいよね。」
ライっちさん「ですよねー。
バルマードさん、
レオクスさんを忙しくする、
天才ですねー。」
おっさん三人で、
お食事です。
花屋のおじさんもいます。
四角い、テーブルをおじさんが持ってきました。
ジェネシスおじさん「ウチ、
うどんとか好きだからね。
そういう感じのテーブルは、
けっこう、あるんだよ。」
おろしワサビが結構、盛ってあります。
ヒゲA「誰が、チャレンジ?」
ライっちさん「振ってきましたね?
これ、使うしかないでしょ。
乗せなきゃ、ギャルの前で、
男下げますよ。」
おじさん「私は、余裕だよ。
いつも使ってるから。」
おじさんは、けっこう使います。
自然に食べてます。
ワナです。
古蔵さん「ウオッ!
キターー!!」
ネコx2さん「ニャーーーーー!!」
古蔵さんと、
ネコさんたちと、
ネコ船長まで悶えています。
おいしそうではあります。
ヒゲA「ほら、もっとおろすよ。」
また山ができました。
古蔵さん「すまん、オレは逃げる!」
ネコx3さん「ニャーーーー!!!」
ざるぞばの注文が増えました。
レオクスさん「あいよ!」
ためぞう「レオ先生は、えらいなあ・・・。
古蔵さん、はいおまち。」
せっかくなので、
わさびを使ったそばにチャレンジです。
古蔵さん「!?
・・・これは、うまいぞ!!
あとから、来るな。
だが、うまい!
茶そばみたいな感じでいいね。
ウッ・・・。」
古蔵さんは、幸せそうです。
ウェイトレスみなさんの昼食は、
ざるそばと、ざるうどんの付いた、
おにぎりセットになりました。
レミーアさん「うまいっす!」
エストさん「夏、してるなぁ。」
リナさん「ありがとうございます。」
サフィリアさん「ん、あのブレザーを着ちゃえば、
この量は、平気だよ・・・ね?」
ネコx2さん「YOU 食べちゃいな YO!」
おいしく頂きました。
きょうの放課後は、
今までとは、少し違って見えます。
水平線の先は、ハワイがありそうな青です。
グアムだって、あります。
わたあめみたいな入道雲。
お日様の光は、放課後なのにまだ白いです。
公園には、アイスクリーム屋さんがオープンしています。
市役所から営業許可が出ています。
駅前でクレープを売ってた移動販売車なので、
ためぞうとは、お知り合いです。
・かき氷 七色の味があります。 150円
・ソフトクリーム こちらも七つの味があります。 200円
・クレープ トッピングは自由度高いです。 280円より
・たこ焼き 10分程度の作り置きですが、
温蔵庫で、ほぼ出来立て気分です。 300円より
店員さんが一人なので、この仕様が効率がいいです。
季節に応じて、たこ焼きプレートが主役になります。
夏でも、たこやきという方のニーズに合わせてみました。
回転焼き(白あん 黒あん。)もあります。 60円
・ジュースは、ドリンクバーみたいな形式です。 セットもあります。 +100円。
氷の涼し気な旗が風に揺れています。
営業を、デパートの田中さんと、
常連の山田さんが手伝っているようです。
ためぞうは、いつもの白いベンチに座りました。
ホーネルたちとの約束で、カード付きお菓子は集めています。
いつもラムネを買っている、駄菓子屋さんのおばちゃんの、
お孫さんが、氷菓子を販売しています。
ためぞうは、たこやきを1パックもらいました。
付き合いってありがたいですね。
ためぞう「たこやき、うまいな。
オレは、マヨネーズとかつおぶし、
けっこう好きなのよ。
ラムネに合うね。」
シュワっとのど越しが、結構いいです。
お菓子のカードは、ノーマルが2枚でしたが、
ためぞうは、新しいカードに満足です。
カードをリーダーで読み込むと、
オリジナルの壁紙がダウンロードできるサービスが、
ためぞうのお気に入りです。
フルサイズ JPEG BMP などいろんな形式で、
何度もダウンロードできます。
スーパーレア、レジェンドカードは、
応募券で、限定ポスターがフレーム付きでもらえたりします。
カードをゲームに使わなくても楽しめる仕様です。
レミーアさん「ども! せんぱいっ。」
カシスオレンジ味のかき氷を食べているレミーアさんが、
横に座りました。
口元が艶めいていて、なんだかいいですね。
移動販売は好調なようで、お子さんから、
学生、おじさんまで、いろいろ買ってるみたいです。
レミーアさん「カード、スーパーレア引いたっすよ!」
ためぞう「マジでか!
いいなあぁ・・・。」
レミーアさん「100個、ウエハース食ったっす。
抹茶チョコ味が、お気に入りっす。
カードゲームもやってみて、
いま、15連勝ですー。
たまたまですw」
ためぞう「レミーアさん、強いもんね。
ちょっと見せて。」
レミーアさんのデッキ。(駒の配置です。)
・ナイト 1 「堅牢なる アルバミオン。」 スーパーレア。
・戦士 1 「狂戦士 ドーガ。」 レア。
・魔法使い 1 「竜泉の レイオルグ。」 スーパーレア。
・ドラグーン 1 「疾風の エミリア。」 レア。
・天使 1 「光輪の マリス。」 レア。
になります。
ためぞう「おお、
レアおおいぜ・・・。
でも、オールラウンドで戦えるなあ。」
レミーアさん「ソロの時は、
ドラゴン討伐に行ってます。
強化アイテム欲しくて。」
レミーアさんは、
ためぞうのたこ焼きを一個もらいました。
はふはふ言いながら、食べています。
レミーアさん「出来立てみたいっすね、
工夫してあるなあ。」
ためぞう「修行かねて、お手伝いしたいんだけど、
営業初日なんで、
どのくらいキャパあるか、
見たいんだって。
お待たせしたら、悪いからって。
余裕あったら、たこ焼きも出来たてでいくらしい。
メニュー多いので、大変だよね。
夏は、みえない努力で支えられてますねー。」
レミーアさん「勉強になるっす。
深いっす。
かき氷、うまいっす。
食べますか?」
ためぞう「おお、食わせて。」
スプーンは、レミーアさんのです。
端から見たら、
ためぞうは、モテてます。
この時間なので、
その光景を、サフィリアさんと、ネコx2さん、
+ネコ蔵さん、 +ネコリオスさんが、
見てないわけがありません。
ネコリオスさん「うむ、
彼女がエリスで、
ためぞう君が、私なら、
私は勝者だ。」
ネコ蔵「・・・。
なぜだ、
オレは、そーゆー思い出は、
記憶にございませんがぁ!」
サフィリアさん「か、かき氷、
買ってきます!!」
ネコx2「ベイビー、
ホットな、たこ焼きも頼むぜ!
カツブシ、大盛りで。」
ためぞう「・・・食えねえじゃん!!」
わやわやと元気に、
みなさんで仲良くいろいろ食べました。
おやつ的な買い食いとか、
ちょっとした、自分へのご褒美みたいで、
いいですね。
アイスも食べたいけど、
ケーキも、食べたい。
でも、予算でいっこ。
そういう嬉しいなやみというのは、
もしかしたら、大切なことかも、
知れませんよね。
ためぞうは、このあと、
まっすぐリナさんのいるゲームセンターには向かわず、
寄り道をしていました。
町内マップ完成という目的を、
すっかり忘れ気味だった ためぞうは、
町内を散策しています。
早くゲーセンについても、今日はおやつ代に、
ちょっと予算がかかってしまったので、
見学になってしまいます。
それも悪くないのですが、
なんとなく、
七月の風に当たってみたくなったのです。
そういう想いになったのは、
ためぞうだけではなかったようで、
ちいさな空き地に、一人の少女が座っていました。
アリス生徒会長さんです。
会長さん「こんにちは、ためぞうさん。」
そこは少し寂しい感じのする場所で、
ちょっとした資材置き場に使われていますが、
木製の古いベンチがあります。
会長さんは、そこに座っています。
ためぞう「こんにちはっす。」
ためぞうは、会長さんの横に座りました。
いつ見ても、会長さんは綺麗です。
ほんのり赤みをさした日差しが、
会長さんを照らします。
ためぞう「めずらしいというか、
こういう場所で会うとも思いませんでした。
なんとなく座っちゃったけど、
よかったですか?」
会長さん「その方が嬉しいです。
私の横に、こうやっていてくれる人は、
ためぞうさんくらいですので。」
可憐で、儚い感じの会長さんが、
にっこりとしています。
ためぞうは、持ち帰りのクレープをここで空けちゃいます。
エリス姉さんには、また買っていこうと思います。
会長さん「いいんですか、?」
ためぞう「遠慮なさらず、どうぞっす。
自分さっき食べ過ぎて。」
バニラのクレープです。
会長さんはお礼を言って、包みを開けて、
一口、食べます。
会長さん「おいしいですね。
いいですね、こうやって放課後を過ごすというのも。
場所が、もうちょっと明るい場所がよかったですね。」
会長さんがいるだけで、
景色など どうでもよく思えてしまいます。
華やかというより、可愛らしい感じです。
会長さん「ためぞうさんは、これから忙しいのですよね。」
ためぞう「うんと、
ゲームセンター行って、姉の夕飯の支度です。
とくに忙しくはないんですが、
なんとなくパターンになってます。」
会長さんは、軽く頷きます。
その変わらない事が いいことのように思えたからです。
会長さん「クレープありがとうございます。
こういうのもいいですね。
今日は、得をした気分です。」
会長さんは、
あまり雰囲気を変えるような方ではありませんが、
隙を見せたように、微笑む姿は、
なんとも言葉では語れません。
ドキっとしてしまったり、
ハッ、と言葉を失う感じでしょうか。
それを、
あえて言葉にするなら、
『あたたかな 気持ち。』
のようです。
その光景を見た瞬間に感じる何かを、
説明するのは難しいことのようにも思えます。
ためぞうは、良い気分でした。
ささやかですが、いい事をしたような感じです。
アリス会長さんは、スッと立ち上がります。
クレープはもう少し残っていますが、大事に持っています。
会長さん「また、お話ししてくださいね。」
こうして、ためぞうのその日は、
心地よい感じで過ぎていきました。
お話は、
次の話へと続きます。