ためぞうの冒険 第二十五話 VII
「花のような、笑顔で。」
花屋のおじさんこと、ミスター ジェネシスと、
早朝の牛乳配達で、立ち話をした事から始まります。
おじさん「おはよう、ためぞう君。」
ためぞう「おはよーっす、おじさん。」
今日は、おじさんが配達を手伝ってくれたので、
いつもよりはかどっています。
おじさん「覚悟はいいかね?」
ためぞう「?」
ためぞうは、お花屋さんにいます。
少し、亀吉さんの所でお茶でも飲んで、
長崎ドラゴン魚市場に行く予定でしたが、
ジェネシスおじさんのパワーで、
いきなり、店員さんぽくなっています。
ためぞう「はっ!?
何が起こった。」
ファルさん「おはようございます、ためぞうさん。」
ジャージ姿で、おさげのファルさんは、
出荷の準備をしています。
店舗は、わりと小さい感じですが、
そこがいい味を出しているといいますか、
お買い物に来たときの看板娘さんとの距離は、
自然と、近くなります。
ためぞう「素敵なお店ですね。
何故、自分がここにいるかは謎ですが。」
ファルさん「ありがとうございます。
うんと、
アリスト・・・いえ、ジェネシス会長が、
ためぞうさんを、気に入っておりまして。
ノリで、飛ばされたのだと思います。」
ためぞう「ノ、ノリっすか。」
お花屋さんの朝も、市場と同様に、
朝は仕事がいっぱいです。
場所は駅前で、
セントクラウス学園に徒歩でいける距離にあります。
なかなかよい立地条件です。
ファルさん「このお店は、私が任されています。
おじさんは移動販売が好きなので、
じっとしていられないのかもですね。
ためぞうさんも、
同じではありませんか?」
ためぞう「た、確かに、
落ち着きはないです。」
お花を届ける準備をしているファルさんですが、
ジャージ姿でも、相当な美人さんです。
愛想がとてもよいので、
一緒にいると、ちょっと嬉しくなってしまいます。
おじさんの姿はなく、
ファルさん一人で、いろいろがんばっているみたいです。
ファルさん「ためぞうさんが、こっちにいるのは、
亀吉さんから、みなさんに伝わっていると思いますので、
ゆっくりしていってくださいね。」
ためぞう「おお、そーなんすね。
少し、気になってました。」
ファルさんは手際よく作業を進め、
あとはオープン待ちの状態になっています。
朝8時から、夕方辺りまでが営業時間ですが、
けっこう適当に開いたり閉まったりしてます。
ファルさんはお昼には、
セントクラウス学園の商業棟での販売もやっているので、
それなりに忙しくしているみたいです。
ファルさん「すこし、お茶でも飲みませんか?
朝食がまだでしたら一緒に食べましょう。」
ためぞう「おお、ありがたいっす。
軽く、昨日の残りの食べてきただけなんで、
ちょっとお腹空いてます。」
ファルさん「よかった。」
ファルさんはそう言って微笑むと、
ためぞうをテラスのテーブルに案内します。
お客さんとお話ししながら、販売できるように、
設けられたテーブルで、コーヒーメーカーも置いてあります。
小さなスペースをうまく使っているので、
開放感があります。
テラスは、道側にありますので、
通学の学生さんや、通勤のサラリーマンさんが行き交っています。
お店を正面から見ると、センスのいい感じのお花屋さんです。
白と赤のチョークで、
本日のおすすめの書かれたボードが置いてあります。
ためぞう「ちゃんとしてるなあ。
途中で、閉めちゃったりするのがもったいないな。」
そう言っている間に、
ファルさんが、トーストとハムエッグとサラダを持ってきてくれました。
横のコーヒーメーカーで、好みのコーヒーが飲めます。
展示会場の待ちスペースのような感覚です。
コーヒー以外にも、緑茶や、ジュースもあります。
ファルさん「では、いただきましょう。」
ためぞう「ごちそうになります。」
周りはお花で満たされているので、
さわやかな朝食です。
ちょっと、カッコイイ感じになっています。
朝食をいただいた後、
ファルさんは、緑のエプロンを付けた正装になります。
この時はジャージではないのですが、
髪も下ろして、きちんとすると、
とんでもなく美人さんです。
ためぞう「おお・・・。」
ファルさん「あ、ども。
ジェネシスおじさん指定の、
エプロンドレスです。
あの人は、そういうの大好きなので。」
似合っています。
ファルさんは、店の表にはあまりいないのですが、
目立つでしょう。
ためぞうは、見惚れています。
そこに、監視者の目があります。
古蔵さん「くーーー、
ためぞう君は、なんであんなに、
いい思いをしてるのだ。
しかし、相手は天敵のファルさん。
あの人の怖さは身に染みております。」
レミーアさん「自分ら、たぶん、
亀吉さんに遊ばれてますね。
余計なこと聞いちゃうから、
そりゃ、気になってしまいますよ。」
サフィリアさん「・・・付いてきてしまいました。
覗きはよくありませんと、
言えない自分が悲しい。
ちょっと、拝見。」
セバリオスさん「ためぞう君には、
是非とも、幸せになって欲しい。
彼は、私とエリスの唯一の接点となりつつある。
エリスと結婚したら、
最初に、ためぞう君に写真入りのハガキを、
送るとしよう。
むしろ、最前列で祝福して欲しいものだ。
私も、彼の幸福を願う。」
みなさん、勝手なことを言っています。
ファルさんが気が付かないわけはないのですが、
ためぞうに気遣って、知らぬふりをしています。
ファルさんとためぞうは、
お店のちょっと奥の方に行きました。
ファルさん「ためぞうさんも、エプロン付けませんか?
バイトさん用の、簡単な方で。
私がカタログで選んだものなので、
実は使う方がまだいらっしゃらなくて。」
ためぞう「じ、自分でよければ是非使わせて下さい。」
緑のエプロンです。
ファルさんのエプロンドレス同系色なので、
お揃いな感じです。
ファルさん「では、後ろを結びますので、
背中を向けてもらっていいですか。」
ためぞう「はいっす。」
ファルさんは、おろしたてのエプロンの紐を、
綺麗に結んでくれます。
きつくない感じで、解けにくく。
お花のリボンや包装でとても慣れた感じです。
ファルさんの吐息が伝わる距離です。
アングル的に、お店の外からは、
ファルさんの後ろ姿しか見えないので、
軽く抱き合ってるように見えなくもないです。
古蔵さん「相手が天敵だっていい、
オレは、いい思いをしたいんだ。」
レミーアさん「エプロン、結んでるだけっすよ。」
サフィリアさん「結んであげたいな。」
レミーアさん「た、確かに。」
セバリオス「彼女がエリスなら、
私はこの世界の全てを、
花で満たすと約束しよう。
花粉症対策も、施した上でだ。」
お客さんが、やってきました。
ファルさんのお花屋さんに最初に訪れたのは、
事務員のセリスさんです。
ファルさん「おはよーございます、セリスさん。」
セリスさん「おはよーございますー!」
ノリ、軽いです。
セリスさんは、普通に事務員さんの格好ですが、
学園の外で見ると、とても美人さんです。
長い黒髪の、清純なおねーさん的な感じです。
セリスさん「あら、ためぞうさん。
今日は、お花屋さんなのですね。」
ためぞう「見習いです、よろしくお願いします。」
セリスさん「では、今日はためぞうさんに選んでもらいましょう。
職員室に飾る、一輪の薔薇と、
私の寝室に飾る、香りの高い薔薇と、
アリスさんに捧げる、素敵な薔薇を、
お願いします。」
いきなり、難題が来ました。
ためぞう「む、むり。
花の種類が、まずよくわかってないんで、
そこにある赤いバラくらいしか、思いつかないです。」
セリスさん「では、それをいただきましょー。」
ファルさん「ありがとーございます!」
ファルさんは、手際よくラッピングして、
水を含んだスポンジに花を立ててくれます。
手さげ袋に入れて、お会計です。
セリスさん「今日はよい花に会えたと思います。
ためぞうさんだと想って、
素敵な一日を過ごしたいですね。」
ためぞう「あ、ありがとーございやす!」
セリスさんの笑顔を見ると、
いいことをした気分になりました。
ためぞうは、おじさんの言ってる意味が、
少しだけわかったような気がします。
セリスさんが入ったので、
セバリオスさんも、入りやすかったみたいです。
レミーアさんとサフィリアさんを残して、
お花屋さんに、行っちゃいました。
レミーアさん「あ。」
サフィリアさん「はう。」
セリスさんは、セバリオスさんに挨拶して、
学園に戻って行きました。
ファルさん「いらっしゃいませー。」
セバリオスさん「うむ、
いい店員さんがいるようだ。
雰囲気も、実に心地よい。」
ためぞう「ちわっす。」
セバリオスさん「おお、ためぞう君。
さっき、セリスに選んでやったように、
エリスの為に、花を選んでもらいたい。」
ためぞう「団子の方が、喜ぶっすよ。」
セバリオスさん「そうか、
では、お団子さんも後で買いに行こう。
せっかくなので、花も頂きたい。
送ったことなどないので、
選ぶ基準がわからないのだ。」
ファルさんは、丁寧にセバリオスさんに、
女性が送られて喜ぶ、ランキングの花を説明します。
ジェネシスおじさん経営の西地区の店舗のデータを、
リアルタイムに反映して、
わかりやすく、絵で描いてあります。
セバリオスさん「なんと素晴らしい!
送られた時の感想まで、リサーチしてあるとは、
剣聖 アリスト 侮れんな。
ためぞうくんは、どれを選んだらよいと思う?
私にはサッパリだ。
学ぶ必要があるな。」
ためぞう「果物の方が、ねーさんは喜びそうだけど、
直接、聞いたほうがわかりすいよね。
もらう驚きは、薄くなるけど、
欲しいのが確実になるんで。
正直、花を愛でるねーさんが想像できないっす。
バイクとか、車、いじるのは好きみたいなんすけど。」
セバリオスさん「頼りになるな!
特別なイベントの日というわけでもないので、
ハズレが少ない方が堅実だ。
よろしく頼む。」
プルルルルルル・・・。
エリスねー < 「はい、こちら担当のエリスです。」
> ためぞう「よう。」
エリスねー < 「ためぞーかよ。
どったん?」
> ためぞう「ねーさんに、花贈りたいとか、
奇特な方がおられるんだが、
欲しいリクエストよろしく。」
エリスねー < 「!?
は、花か。
まいったな、もらったことないぞ。
ちょっとまて、
欲しいといわれれば、もちろんだ。
花瓶がいるよな。
田中さんに相談しよう・・・。」
> ためぞう「決まった?」
エリスねー < 「無理w
即答は出来ん、すまん。
わからん。
でも、欲しい。
なんでもいいよ、花瓶に入れば。」
> ためぞう「伝えとくね。」
エリスねー < 「うーん、急にデパートに出かける用事が出来たので、
またな。
ありがとう!」
通話が終わりました。
ためぞう「らしいですよ。」
エリスねーさんのテンションが上がってたので、
二人にも聞こえています。
セバリオスさん「えらい期待だな・・・。
選ぶのが余計、困難になったぞ。」
ファルさん「これなんか、いかがでしょう?」
ファルさんが、綺麗に飾られた花瓶を持ってきます。
夏をイメージして、涼しい感じにまとめられた花です。
青と、黄色と、アクセントに赤い花がいけてあります。
ギフトカタログの見本と同じものを、
今朝、花瓶にファルさんがいけました。
セバリオスさん「それがいい!
是非、それで。」
ためぞう「おおー、きれいだ。
これは、喜ぶだろう。」
レミーアさんは、目がいいので、
ばっちり見えています。
サフィリアさんは、
ネコx2さんからオペラグラスを借りました。
古蔵さんは、心の目で見ています。
レミーアさん「で、でれねー。」
サフィリアさん「タイミング、難しいですね。」
古蔵さん「ファルさんが、怖いからー。
でも、ねーさんがアレで喜ぶのは、
収穫だなー。」
セバリオスさんは、
君たち、なにやってるの?
という視線を送っています。
古蔵さん「だったら、呼んでくれよ!」
ファルさんのお店に次にやってきたのは、
レオクスさんです。
セバリオスさんが連絡しました。
ファルさん「いらっしゃいませー。(ターゲット発見。)」
レオクスさん「あ、どうも。
おお、ためぞう君もいるの。
よかったー。
セバリオスさん、連絡ありがとう。」
セバリオスさん「レオクス君とは、同志だからね。
私としても、競い甲斐のある君と、
共に、切磋琢磨して、
エリスを喜ばせてあげたい。
彼女が微笑んでくれるなら、
最後にどちらが栄光を掴んだとしても、
清々しいことだろう。
私が仮にだが、彼女を幸せに出来たなら、
愛する娘は、レオクス君に頼みたい。
無論、レオクス君の場合だと、その逆になるが、
最大の加護と祝福を約束しよう。」
レオクスさん「おー。
さすが、現役の神王さんは違いますね。
視点が、グローバルです。
あ、もとい、
セバリオスさんとは、これからも、
是非、よろしくお願いしたいものです。」
未来のキング オブ キングスのレオクスさんと、
神の座の頂に立つセバリオスさんが、
かわいらしいひまわりの前で、
男の友情を誓っています。
ファルさんは、レオクスさん目当てでこちらに来ているので、
ニコニコしてます。
最近、ためぞうもいいと思っているファルさんです。
どちらか、お持ち帰りしたいと思ってるぽいです。
ファルさんは、器量よし礼儀よし、やさしさ2000点満点の、
天使の中の大天使さんなので、
大当たりです。
ニーズに合わせて、年齢、性格、髪型、雰囲気、色彩、身長、体型、
すべて変えられる、パーフェクトさんです。
今なら、雪華の美少女、ユッキーさんも付いてきます。
お花のギフトも、果物も、取れたて野菜まで、
10大付録のように付いてきます。
ファルさん「こんにちは、レオクスさん。」
レオクスさん「はい!
お店の仕込みをダッシュでおわらせて、
マッハで来ました。
花はきっと、大好きな方だと思うのですが、
女性には、それぞれにシンボル的な、
華があるのかなと、日々勉強中です。
プロの方の意見を参考にしたいと思っています。
ファルさんは、百合の花のイメージが感じられます。」
ためぞう「おお、当たってる。
ファルさん、百合が好きっていってた。」
レオクスさん「しかし、私には、
決定的に欠けているものがあります。
決断力と、勇気です。
あれこれ迷いすぎて、
チャンスが通り過ぎていく感じで、
お恥ずかしい。」
セバリオスさん「同意だ。
自身で改めなければならぬ所に、
私は、自信過剰があるのだが、
そこだけは、ネコの額ほどの勇気も持てない。
だが、同志がいるのは、心強い。
共に、共有の問題をかかえる者として、
レオクス君を応援したい。」
すると、呼んでもいないのに古蔵さんが、
ネコマスクでやって来ました。
ネコ蔵さん「ネコの額の、ネコ蔵です。
このマスクド ネコ蔵さんは、
エリスねーさんに、強要されたものなので、
ご容赦ください。」
レオクスさん「それは、した方がいいよ!」
セバリオスさん「まさに、その通りだ。
似合っているぞ、南西の大覇王よ。」
ファルさん「ホームでは、お世話になっております。
ここは、アウェーですので、
仲良くやりましょうね。
あらためて、
いらっしゃいませー!」
ネコ蔵さん「グラサンより、役に立つな。
みんなプロレス大好きなんだな。
マスクマンに寛大な気がする。」
ネコ蔵さんは、
外のレミーアさんと、サフィリアさんに、
先ほどの、セバリオスさんのような視線を、
送っています。
薄目で見つめています。
レミーアさん「うぎゃーー!!
呼んでくれよー。」
サフィリアさん「・・・。
古蔵さんを見ていると、
ためぞうさんが、素敵に見えますね。
優しくて、正直で、努力家というのは、
ちょっと嬉しいですね。
魅力があるんだなぁって、
感心してます。
自分も、そこをがんばらなきゃって、
勇気がもらえますね。」
レミーアさん「いいっすよね、せんぱい。
男は、根性っす。
いつの間にか、せんぱいが私の心で、
大きくなっていく感じです、
もしかして、私ら、青春してるんじゃないですか?
サフィリアさん。」
サフィリアさん「おー、
ナイス、レミーアさん。」
二人が話していると、
移動販売のジェネシスおじさんと、
二人のイケメン男子がやって来ました。
おじさん「こんにちは、サフィリアさん、
レミーアさん。」
販売の手伝いをしている長身のイケメン店員さんが、
二人にご挨拶します。
執事風のイケメンさん「初めまして、
私は、アリスト様の元に使える、
グランザスと申します。
グランと御呼び下さい。」
知的なイケメンさん「ご挨拶させていただきます。
私は、バルマード様に仕える、
エイルと申します。
バルマード様の学院の管理を任されておりましたが、
レミル様のお供として、こちらへ参りました。
レミル様は、後ほどご紹介させていただきます。
アリスト様から得るものは大きく、
お二人の素敵な淑女様との出会いも、
その賜物だと思っております。」
おじさんが、ガールズサイド向けの方達を、
連れてきました。
西の最高軍師のグランザスさんと、(知力 98)
東の魔導王 軍師エイルさんです。(知力 98)
(ライっちさんの友達で、上を行っています。)
楽勝で、天下が取れそうです。
営業開始後、あっという間に完売してしまったお花を補充に、
お店(支店)に戻ってきたところです。
レミーアさん「完成度たけぇーー。」
サフィリアさん「どきどきしちゃいますね。」
ネコx2さんは、勝ってる方の味方なので、
おじさんに付きました。
グランさんは、レミーアさんに、
エイルさんは、サフィリアさんに、
胸元の一輪の花を捧げます。
グランさんと、エイルさんは言いました。
「今は、これしかありませんが、
これからも、よろしくお願いしますね。」
レミーアさん「おおー、
お花、もらっちゃった!」
サフィリアさん「あ、ありがとうございますー!」
二人は、驚きと喜びに満ちた表情で、
楽しそうです。
おじさんは、その様子に満足しています。
おじさん「お花以外にも、家庭菜園とか、
取れたて野菜の料理教室、
花をあしらった料理や、テーブルメイクとか、
いろいろやってますので、
よかったら、よろしくお願いします。
ユッキーか、
ファルさんに言ってもらえればOKですので、
いつでも来てきてくださいね。」
レミーアさん+サフィリアさん「はい!」
ファルさん「すいませんー、
尺が長くなりすぎまして、
続きます。
タイトル何にしましょう?
ローゼさん。」
ローゼさん「え!?
わたしですか。」
最近、めっきり乙女さんなローゼさんに、
黒幕(フィクサー)だった頃の迫力はもうありません。
とっても、可愛い感じの16才さんになってます。
ローゼさんと、セリスさん(アセリエスさん)は、
お花大好きさんなので、
リスクの高いセリスさんより、
丸くなったローゼさんの方に振りました。
ローゼさん「じ、自分、
造花作りに忙しいんで、
別の方におねがいします。
リンカさんでいいでしょ。」
リンカさん「!?」
ローゼさんとリンカさんは、一緒に住んでいるので、
割と気軽に呼び出されます。
ファルさん「よろしくおねがいしますー。
これは!
というヤツを決めてくださいね。」
リンカさん「わわわ・・・、
姫様、逃げないで!」
ローゼさん「にげます。」
リンカさん「あう・・・
バ、バルマード様 いらっしゃらないでしょうか?」
柱の影から、温かく見守っています。
実力は、ファルさんの方が遥かに上なので、
間違うと、ヒゲとか剃られそうです。
ファルさん「まだですかー?
私、勝手に付けちゃいますよー。
『リンカさんの、恥ずかしい通販。』とか、
『リンカさん、決意のニセちち。』など、
いかがですか?」
リンカさん「だから、逃げるんだー。
なんとかしなきゃ・・・。」
その時、
リンカさんに矢文が届きます。
リンカさん「おー、
えっと、『夏空の下で、君に会いたいな。』
は、どうですか。」
ファルさん「それでいきましょう。
いいと思います。」
リンカさんは、お花と果物セットをもらいました。
ファルさんが育てたものなので、素晴らしい出来です。
リンカさん「ありがとうございますー。」
ファルさん「いえいえ、
ローゼさんとハインさんと、
仲良さそうで羨ましいです。
私、そんなに前のローゼさんほど、
いたずら好きではないので、
仲良くしてくださいね。」
ローゼさん「ぎく!
・・・新 黒幕は、この人ですか。
任せておきましょうw」
リンカさん「はい。^^」
ハインさん「おう、ファルベリアじゃねーか。
久しぶり!」
ファルさん「ども、ハインさん。」
ファルさん「次は、『第二十五話 VIII』だと思います。
矢文は、ためぞうさんですね。
興味がまた出ました。
第二十七話以降は確定しているのですが、
ためぞうさんたちにはヒミツです。
ではまたー。 ^-^」
「花のような、笑顔で。」
花屋のおじさんこと、ミスター ジェネシスと、
早朝の牛乳配達で、立ち話をした事から始まります。
おじさん「おはよう、ためぞう君。」
ためぞう「おはよーっす、おじさん。」
今日は、おじさんが配達を手伝ってくれたので、
いつもよりはかどっています。
おじさん「覚悟はいいかね?」
ためぞう「?」
ためぞうは、お花屋さんにいます。
少し、亀吉さんの所でお茶でも飲んで、
長崎ドラゴン魚市場に行く予定でしたが、
ジェネシスおじさんのパワーで、
いきなり、店員さんぽくなっています。
ためぞう「はっ!?
何が起こった。」
ファルさん「おはようございます、ためぞうさん。」
ジャージ姿で、おさげのファルさんは、
出荷の準備をしています。
店舗は、わりと小さい感じですが、
そこがいい味を出しているといいますか、
お買い物に来たときの看板娘さんとの距離は、
自然と、近くなります。
ためぞう「素敵なお店ですね。
何故、自分がここにいるかは謎ですが。」
ファルさん「ありがとうございます。
うんと、
アリスト・・・いえ、ジェネシス会長が、
ためぞうさんを、気に入っておりまして。
ノリで、飛ばされたのだと思います。」
ためぞう「ノ、ノリっすか。」
お花屋さんの朝も、市場と同様に、
朝は仕事がいっぱいです。
場所は駅前で、
セントクラウス学園に徒歩でいける距離にあります。
なかなかよい立地条件です。
ファルさん「このお店は、私が任されています。
おじさんは移動販売が好きなので、
じっとしていられないのかもですね。
ためぞうさんも、
同じではありませんか?」
ためぞう「た、確かに、
落ち着きはないです。」
お花を届ける準備をしているファルさんですが、
ジャージ姿でも、相当な美人さんです。
愛想がとてもよいので、
一緒にいると、ちょっと嬉しくなってしまいます。
おじさんの姿はなく、
ファルさん一人で、いろいろがんばっているみたいです。
ファルさん「ためぞうさんが、こっちにいるのは、
亀吉さんから、みなさんに伝わっていると思いますので、
ゆっくりしていってくださいね。」
ためぞう「おお、そーなんすね。
少し、気になってました。」
ファルさんは手際よく作業を進め、
あとはオープン待ちの状態になっています。
朝8時から、夕方辺りまでが営業時間ですが、
けっこう適当に開いたり閉まったりしてます。
ファルさんはお昼には、
セントクラウス学園の商業棟での販売もやっているので、
それなりに忙しくしているみたいです。
ファルさん「すこし、お茶でも飲みませんか?
朝食がまだでしたら一緒に食べましょう。」
ためぞう「おお、ありがたいっす。
軽く、昨日の残りの食べてきただけなんで、
ちょっとお腹空いてます。」
ファルさん「よかった。」
ファルさんはそう言って微笑むと、
ためぞうをテラスのテーブルに案内します。
お客さんとお話ししながら、販売できるように、
設けられたテーブルで、コーヒーメーカーも置いてあります。
小さなスペースをうまく使っているので、
開放感があります。
テラスは、道側にありますので、
通学の学生さんや、通勤のサラリーマンさんが行き交っています。
お店を正面から見ると、センスのいい感じのお花屋さんです。
白と赤のチョークで、
本日のおすすめの書かれたボードが置いてあります。
ためぞう「ちゃんとしてるなあ。
途中で、閉めちゃったりするのがもったいないな。」
そう言っている間に、
ファルさんが、トーストとハムエッグとサラダを持ってきてくれました。
横のコーヒーメーカーで、好みのコーヒーが飲めます。
展示会場の待ちスペースのような感覚です。
コーヒー以外にも、緑茶や、ジュースもあります。
ファルさん「では、いただきましょう。」
ためぞう「ごちそうになります。」
周りはお花で満たされているので、
さわやかな朝食です。
ちょっと、カッコイイ感じになっています。
朝食をいただいた後、
ファルさんは、緑のエプロンを付けた正装になります。
この時はジャージではないのですが、
髪も下ろして、きちんとすると、
とんでもなく美人さんです。
ためぞう「おお・・・。」
ファルさん「あ、ども。
ジェネシスおじさん指定の、
エプロンドレスです。
あの人は、そういうの大好きなので。」
似合っています。
ファルさんは、店の表にはあまりいないのですが、
目立つでしょう。
ためぞうは、見惚れています。
そこに、監視者の目があります。
古蔵さん「くーーー、
ためぞう君は、なんであんなに、
いい思いをしてるのだ。
しかし、相手は天敵のファルさん。
あの人の怖さは身に染みております。」
レミーアさん「自分ら、たぶん、
亀吉さんに遊ばれてますね。
余計なこと聞いちゃうから、
そりゃ、気になってしまいますよ。」
サフィリアさん「・・・付いてきてしまいました。
覗きはよくありませんと、
言えない自分が悲しい。
ちょっと、拝見。」
セバリオスさん「ためぞう君には、
是非とも、幸せになって欲しい。
彼は、私とエリスの唯一の接点となりつつある。
エリスと結婚したら、
最初に、ためぞう君に写真入りのハガキを、
送るとしよう。
むしろ、最前列で祝福して欲しいものだ。
私も、彼の幸福を願う。」
みなさん、勝手なことを言っています。
ファルさんが気が付かないわけはないのですが、
ためぞうに気遣って、知らぬふりをしています。
ファルさんとためぞうは、
お店のちょっと奥の方に行きました。
ファルさん「ためぞうさんも、エプロン付けませんか?
バイトさん用の、簡単な方で。
私がカタログで選んだものなので、
実は使う方がまだいらっしゃらなくて。」
ためぞう「じ、自分でよければ是非使わせて下さい。」
緑のエプロンです。
ファルさんのエプロンドレス同系色なので、
お揃いな感じです。
ファルさん「では、後ろを結びますので、
背中を向けてもらっていいですか。」
ためぞう「はいっす。」
ファルさんは、おろしたてのエプロンの紐を、
綺麗に結んでくれます。
きつくない感じで、解けにくく。
お花のリボンや包装でとても慣れた感じです。
ファルさんの吐息が伝わる距離です。
アングル的に、お店の外からは、
ファルさんの後ろ姿しか見えないので、
軽く抱き合ってるように見えなくもないです。
古蔵さん「相手が天敵だっていい、
オレは、いい思いをしたいんだ。」
レミーアさん「エプロン、結んでるだけっすよ。」
サフィリアさん「結んであげたいな。」
レミーアさん「た、確かに。」
セバリオス「彼女がエリスなら、
私はこの世界の全てを、
花で満たすと約束しよう。
花粉症対策も、施した上でだ。」
お客さんが、やってきました。
ファルさんのお花屋さんに最初に訪れたのは、
事務員のセリスさんです。
ファルさん「おはよーございます、セリスさん。」
セリスさん「おはよーございますー!」
ノリ、軽いです。
セリスさんは、普通に事務員さんの格好ですが、
学園の外で見ると、とても美人さんです。
長い黒髪の、清純なおねーさん的な感じです。
セリスさん「あら、ためぞうさん。
今日は、お花屋さんなのですね。」
ためぞう「見習いです、よろしくお願いします。」
セリスさん「では、今日はためぞうさんに選んでもらいましょう。
職員室に飾る、一輪の薔薇と、
私の寝室に飾る、香りの高い薔薇と、
アリスさんに捧げる、素敵な薔薇を、
お願いします。」
いきなり、難題が来ました。
ためぞう「む、むり。
花の種類が、まずよくわかってないんで、
そこにある赤いバラくらいしか、思いつかないです。」
セリスさん「では、それをいただきましょー。」
ファルさん「ありがとーございます!」
ファルさんは、手際よくラッピングして、
水を含んだスポンジに花を立ててくれます。
手さげ袋に入れて、お会計です。
セリスさん「今日はよい花に会えたと思います。
ためぞうさんだと想って、
素敵な一日を過ごしたいですね。」
ためぞう「あ、ありがとーございやす!」
セリスさんの笑顔を見ると、
いいことをした気分になりました。
ためぞうは、おじさんの言ってる意味が、
少しだけわかったような気がします。
セリスさんが入ったので、
セバリオスさんも、入りやすかったみたいです。
レミーアさんとサフィリアさんを残して、
お花屋さんに、行っちゃいました。
レミーアさん「あ。」
サフィリアさん「はう。」
セリスさんは、セバリオスさんに挨拶して、
学園に戻って行きました。
ファルさん「いらっしゃいませー。」
セバリオスさん「うむ、
いい店員さんがいるようだ。
雰囲気も、実に心地よい。」
ためぞう「ちわっす。」
セバリオスさん「おお、ためぞう君。
さっき、セリスに選んでやったように、
エリスの為に、花を選んでもらいたい。」
ためぞう「団子の方が、喜ぶっすよ。」
セバリオスさん「そうか、
では、お団子さんも後で買いに行こう。
せっかくなので、花も頂きたい。
送ったことなどないので、
選ぶ基準がわからないのだ。」
ファルさんは、丁寧にセバリオスさんに、
女性が送られて喜ぶ、ランキングの花を説明します。
ジェネシスおじさん経営の西地区の店舗のデータを、
リアルタイムに反映して、
わかりやすく、絵で描いてあります。
セバリオスさん「なんと素晴らしい!
送られた時の感想まで、リサーチしてあるとは、
剣聖 アリスト 侮れんな。
ためぞうくんは、どれを選んだらよいと思う?
私にはサッパリだ。
学ぶ必要があるな。」
ためぞう「果物の方が、ねーさんは喜びそうだけど、
直接、聞いたほうがわかりすいよね。
もらう驚きは、薄くなるけど、
欲しいのが確実になるんで。
正直、花を愛でるねーさんが想像できないっす。
バイクとか、車、いじるのは好きみたいなんすけど。」
セバリオスさん「頼りになるな!
特別なイベントの日というわけでもないので、
ハズレが少ない方が堅実だ。
よろしく頼む。」
プルルルルルル・・・。
エリスねー < 「はい、こちら担当のエリスです。」
> ためぞう「よう。」
エリスねー < 「ためぞーかよ。
どったん?」
> ためぞう「ねーさんに、花贈りたいとか、
奇特な方がおられるんだが、
欲しいリクエストよろしく。」
エリスねー < 「!?
は、花か。
まいったな、もらったことないぞ。
ちょっとまて、
欲しいといわれれば、もちろんだ。
花瓶がいるよな。
田中さんに相談しよう・・・。」
> ためぞう「決まった?」
エリスねー < 「無理w
即答は出来ん、すまん。
わからん。
でも、欲しい。
なんでもいいよ、花瓶に入れば。」
> ためぞう「伝えとくね。」
エリスねー < 「うーん、急にデパートに出かける用事が出来たので、
またな。
ありがとう!」
通話が終わりました。
ためぞう「らしいですよ。」
エリスねーさんのテンションが上がってたので、
二人にも聞こえています。
セバリオスさん「えらい期待だな・・・。
選ぶのが余計、困難になったぞ。」
ファルさん「これなんか、いかがでしょう?」
ファルさんが、綺麗に飾られた花瓶を持ってきます。
夏をイメージして、涼しい感じにまとめられた花です。
青と、黄色と、アクセントに赤い花がいけてあります。
ギフトカタログの見本と同じものを、
今朝、花瓶にファルさんがいけました。
セバリオスさん「それがいい!
是非、それで。」
ためぞう「おおー、きれいだ。
これは、喜ぶだろう。」
レミーアさんは、目がいいので、
ばっちり見えています。
サフィリアさんは、
ネコx2さんからオペラグラスを借りました。
古蔵さんは、心の目で見ています。
レミーアさん「で、でれねー。」
サフィリアさん「タイミング、難しいですね。」
古蔵さん「ファルさんが、怖いからー。
でも、ねーさんがアレで喜ぶのは、
収穫だなー。」
セバリオスさんは、
君たち、なにやってるの?
という視線を送っています。
古蔵さん「だったら、呼んでくれよ!」
ファルさんのお店に次にやってきたのは、
レオクスさんです。
セバリオスさんが連絡しました。
ファルさん「いらっしゃいませー。(ターゲット発見。)」
レオクスさん「あ、どうも。
おお、ためぞう君もいるの。
よかったー。
セバリオスさん、連絡ありがとう。」
セバリオスさん「レオクス君とは、同志だからね。
私としても、競い甲斐のある君と、
共に、切磋琢磨して、
エリスを喜ばせてあげたい。
彼女が微笑んでくれるなら、
最後にどちらが栄光を掴んだとしても、
清々しいことだろう。
私が仮にだが、彼女を幸せに出来たなら、
愛する娘は、レオクス君に頼みたい。
無論、レオクス君の場合だと、その逆になるが、
最大の加護と祝福を約束しよう。」
レオクスさん「おー。
さすが、現役の神王さんは違いますね。
視点が、グローバルです。
あ、もとい、
セバリオスさんとは、これからも、
是非、よろしくお願いしたいものです。」
未来のキング オブ キングスのレオクスさんと、
神の座の頂に立つセバリオスさんが、
かわいらしいひまわりの前で、
男の友情を誓っています。
ファルさんは、レオクスさん目当てでこちらに来ているので、
ニコニコしてます。
最近、ためぞうもいいと思っているファルさんです。
どちらか、お持ち帰りしたいと思ってるぽいです。
ファルさんは、器量よし礼儀よし、やさしさ2000点満点の、
天使の中の大天使さんなので、
大当たりです。
ニーズに合わせて、年齢、性格、髪型、雰囲気、色彩、身長、体型、
すべて変えられる、パーフェクトさんです。
今なら、雪華の美少女、ユッキーさんも付いてきます。
お花のギフトも、果物も、取れたて野菜まで、
10大付録のように付いてきます。
ファルさん「こんにちは、レオクスさん。」
レオクスさん「はい!
お店の仕込みをダッシュでおわらせて、
マッハで来ました。
花はきっと、大好きな方だと思うのですが、
女性には、それぞれにシンボル的な、
華があるのかなと、日々勉強中です。
プロの方の意見を参考にしたいと思っています。
ファルさんは、百合の花のイメージが感じられます。」
ためぞう「おお、当たってる。
ファルさん、百合が好きっていってた。」
レオクスさん「しかし、私には、
決定的に欠けているものがあります。
決断力と、勇気です。
あれこれ迷いすぎて、
チャンスが通り過ぎていく感じで、
お恥ずかしい。」
セバリオスさん「同意だ。
自身で改めなければならぬ所に、
私は、自信過剰があるのだが、
そこだけは、ネコの額ほどの勇気も持てない。
だが、同志がいるのは、心強い。
共に、共有の問題をかかえる者として、
レオクス君を応援したい。」
すると、呼んでもいないのに古蔵さんが、
ネコマスクでやって来ました。
ネコ蔵さん「ネコの額の、ネコ蔵です。
このマスクド ネコ蔵さんは、
エリスねーさんに、強要されたものなので、
ご容赦ください。」
レオクスさん「それは、した方がいいよ!」
セバリオスさん「まさに、その通りだ。
似合っているぞ、南西の大覇王よ。」
ファルさん「ホームでは、お世話になっております。
ここは、アウェーですので、
仲良くやりましょうね。
あらためて、
いらっしゃいませー!」
ネコ蔵さん「グラサンより、役に立つな。
みんなプロレス大好きなんだな。
マスクマンに寛大な気がする。」
ネコ蔵さんは、
外のレミーアさんと、サフィリアさんに、
先ほどの、セバリオスさんのような視線を、
送っています。
薄目で見つめています。
レミーアさん「うぎゃーー!!
呼んでくれよー。」
サフィリアさん「・・・。
古蔵さんを見ていると、
ためぞうさんが、素敵に見えますね。
優しくて、正直で、努力家というのは、
ちょっと嬉しいですね。
魅力があるんだなぁって、
感心してます。
自分も、そこをがんばらなきゃって、
勇気がもらえますね。」
レミーアさん「いいっすよね、せんぱい。
男は、根性っす。
いつの間にか、せんぱいが私の心で、
大きくなっていく感じです、
もしかして、私ら、青春してるんじゃないですか?
サフィリアさん。」
サフィリアさん「おー、
ナイス、レミーアさん。」
二人が話していると、
移動販売のジェネシスおじさんと、
二人のイケメン男子がやって来ました。
おじさん「こんにちは、サフィリアさん、
レミーアさん。」
販売の手伝いをしている長身のイケメン店員さんが、
二人にご挨拶します。
執事風のイケメンさん「初めまして、
私は、アリスト様の元に使える、
グランザスと申します。
グランと御呼び下さい。」
知的なイケメンさん「ご挨拶させていただきます。
私は、バルマード様に仕える、
エイルと申します。
バルマード様の学院の管理を任されておりましたが、
レミル様のお供として、こちらへ参りました。
レミル様は、後ほどご紹介させていただきます。
アリスト様から得るものは大きく、
お二人の素敵な淑女様との出会いも、
その賜物だと思っております。」
おじさんが、ガールズサイド向けの方達を、
連れてきました。
西の最高軍師のグランザスさんと、(知力 98)
東の魔導王 軍師エイルさんです。(知力 98)
(ライっちさんの友達で、上を行っています。)
楽勝で、天下が取れそうです。
営業開始後、あっという間に完売してしまったお花を補充に、
お店(支店)に戻ってきたところです。
レミーアさん「完成度たけぇーー。」
サフィリアさん「どきどきしちゃいますね。」
ネコx2さんは、勝ってる方の味方なので、
おじさんに付きました。
グランさんは、レミーアさんに、
エイルさんは、サフィリアさんに、
胸元の一輪の花を捧げます。
グランさんと、エイルさんは言いました。
「今は、これしかありませんが、
これからも、よろしくお願いしますね。」
レミーアさん「おおー、
お花、もらっちゃった!」
サフィリアさん「あ、ありがとうございますー!」
二人は、驚きと喜びに満ちた表情で、
楽しそうです。
おじさんは、その様子に満足しています。
おじさん「お花以外にも、家庭菜園とか、
取れたて野菜の料理教室、
花をあしらった料理や、テーブルメイクとか、
いろいろやってますので、
よかったら、よろしくお願いします。
ユッキーか、
ファルさんに言ってもらえればOKですので、
いつでも来てきてくださいね。」
レミーアさん+サフィリアさん「はい!」
ファルさん「すいませんー、
尺が長くなりすぎまして、
続きます。
タイトル何にしましょう?
ローゼさん。」
ローゼさん「え!?
わたしですか。」
最近、めっきり乙女さんなローゼさんに、
黒幕(フィクサー)だった頃の迫力はもうありません。
とっても、可愛い感じの16才さんになってます。
ローゼさんと、セリスさん(アセリエスさん)は、
お花大好きさんなので、
リスクの高いセリスさんより、
丸くなったローゼさんの方に振りました。
ローゼさん「じ、自分、
造花作りに忙しいんで、
別の方におねがいします。
リンカさんでいいでしょ。」
リンカさん「!?」
ローゼさんとリンカさんは、一緒に住んでいるので、
割と気軽に呼び出されます。
ファルさん「よろしくおねがいしますー。
これは!
というヤツを決めてくださいね。」
リンカさん「わわわ・・・、
姫様、逃げないで!」
ローゼさん「にげます。」
リンカさん「あう・・・
バ、バルマード様 いらっしゃらないでしょうか?」
柱の影から、温かく見守っています。
実力は、ファルさんの方が遥かに上なので、
間違うと、ヒゲとか剃られそうです。
ファルさん「まだですかー?
私、勝手に付けちゃいますよー。
『リンカさんの、恥ずかしい通販。』とか、
『リンカさん、決意のニセちち。』など、
いかがですか?」
リンカさん「だから、逃げるんだー。
なんとかしなきゃ・・・。」
その時、
リンカさんに矢文が届きます。
リンカさん「おー、
えっと、『夏空の下で、君に会いたいな。』
は、どうですか。」
ファルさん「それでいきましょう。
いいと思います。」
リンカさんは、お花と果物セットをもらいました。
ファルさんが育てたものなので、素晴らしい出来です。
リンカさん「ありがとうございますー。」
ファルさん「いえいえ、
ローゼさんとハインさんと、
仲良さそうで羨ましいです。
私、そんなに前のローゼさんほど、
いたずら好きではないので、
仲良くしてくださいね。」
ローゼさん「ぎく!
・・・新 黒幕は、この人ですか。
任せておきましょうw」
リンカさん「はい。^^」
ハインさん「おう、ファルベリアじゃねーか。
久しぶり!」
ファルさん「ども、ハインさん。」
ファルさん「次は、『第二十五話 VIII』だと思います。
矢文は、ためぞうさんですね。
興味がまた出ました。
第二十七話以降は確定しているのですが、
ためぞうさんたちにはヒミツです。
ではまたー。 ^-^」