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ダークフォース続き(仮)新規です

ダークフォースDFと続きに仮セカンド。
新規とDF追加再編です

『ルフィアさん』

2017年03月08日 19時01分41秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)

   『ルフィアさん』


 セバリオスさんの紹介で、

 長崎ドラゴンタウンに住むことになった、

 ルフィアさん。

 来て間もないので、右も左も分からないといった感じです。


ルフィアさん
「お箸を握る方が、左で、

 お皿を持つ方が右っと。」


 ルフィアさんは、どうやらサウスポーみたいですね。

 今期、左腕のエースを欲しがっている球団スカウトマンには、

 良いアピールになったようです。


 という以前に、観光案内の地図の見かたや、

 東西南北すら分かっていらっしゃらないみたいですので、

 まるで、ポンと知らない町に放り出された迷子のようです。


 とはいえ、セバリオスさんの豪華5LDKの、

 リビング50畳、個人用温水対応プール、
 浴室3箇所にジャグジー付の、

 60F~以上の高さという眺望の、

 超一流のセレブ物件のプレゼントを丁重にお断りし、


 なんと所持金ゼロの状態で、

 この町で、一から始めたいという、

 今時関心なほどの、

 意気込みを見せたルフィアさんに、


 さすがにセバリオスさんも、彼女のその意気に感心し、

 現在の路頭に迷うという、

 なんとも不甲斐ない事態に至ったわけです・・・。


ルフィアさん
「・・・。

 (まだ、そう決め付けるのは、

  早いんじゃないかと思いますっ。)」


 町内は至るところに案内所や、駐在所、

 親切なおじさんやおばさんに、溢れてはいるのです。


 ですが、彼女が無意識の内に放っている、

 セレブ感漂う、無敵の美女オーラが、

 何とも一声かけにくい、独自の雰囲気を醸し出して、

 まさか、道に迷って困っているなんて、

 思いもよらない事でしょう。


 セリスさんに見立ててもらった春コーデを、

 モデルのように着こなし、

 歩く姿も、まるでファッションショーのランウェイ状態です。


 純白の生地に薄いピンクのアクセントが、

 まるで舞う桜を思わせる、品のあるトップスに、

 股下の長さで、さらに美しく魅せる、

 淡い白のレーススカート。


 そんな隙のない姿を見せられては、

 その類まれな容姿に吸い込まれるのを、

 何とか踏み止まるのが精一杯で、

 見惚れていた方が、また心地良かったりするのです。


 あの頃の伝説の美少女の、

 その君の想い出にふける(妄想ですが、)おじさんや、

 同様に、私だって若い時はと、

 過去の栄光が鮮明によみがえるように、

 想い出されるおばさんたちたち。(捏造されてますが・・・。)


 若者に至っては、あまりのその可憐さに、

 声をかける勇気すら持てない、

 まさに理想の先に望んだ美少女像が、

 なんとリアルに目の前を歩いているのです。


 ようは、その足跡に次々と花を咲かせるように、

 町内を意味も無く魅了している、ルフィアさんです。


 あの絶対的美少女のアリス会長さんや、

 聖クラウス学園に通う様々な美少女たちに、

 ある程度の耐性を付けられてはいるはずなのですが、


 最上級のサキュバス並みの強力な、サイクロン的吸引力で、

 この町の住人さんは、次々に魅了され続けています。


ルフィアさん
「(・・・セバリオスさんに、ああは言ったものの、

  あまりに考えが甘すぎました。 (>ω<)<クゥー!!」


 まったく迷子に見えない、黒髪の麗人ルフィアさんですが、

 知らないものを知る喜びの方が勝っているのか、

 その表情は、やさしく微笑んでいるようにも見えます。


 セバリオスさんは道案内などせず、

 あえて彼女に自由に、この町の自由さを、

 その肌と美しい町並みで楽しんでほしいと思い、


 困った時は、敏腕秘書のセリスさんに、

 それとなく支えるようにと、指示を出していたのです。


 ですが、セバリオスさんは結構天然ですので、

 まさか彼女が、案内板のその文字を読むことが出来ないなんてことを、

 想像すらしていませんでした。


エリスねーさん
「(えええっーーーー!?

 それマジですかーーーーッ!!)」


 ルフィアさんを影からコソコソ覗いてる、

 エリスねーさんです。


 ねーさんだけではありません、


 その他にも、アリス会長さんや、

 お隣の女子高生のレイカさんも、

 ねーさんのメリハリの効いたシルエットに、

 その身を隠すようにして、彼女の後を追っているのです。


アリス会長さん
「久しぶりに、ルフィアさんをお見かけましたが、

 何だか雰囲気があの頃より少し、柔らかくなったようにも感じます。


 とても頼りになる方ですので、

 私たちのチームの元へと、早く戻って来て欲しいとは思っていましたが、


 うかつに近づいて、勝負でも挑まれたら、

 ちょっと困ってしまいます、ネ。」


 そんな風に語った、金髪の絶世の美少女女子高生の、

 アリス会長さんのその表情は、

 まるでこの突発的なイベントを、

 新しいオモチャを与えられた、

 子供のように楽しむような、

 そんなワクワク感に満ちているようです。


 会長さんが手加減なしに、楽しくバトル出来る相手など、

 早々に見つかるものではないのです・・・。


 そんなアリス会長さんのキラメキに溢れた瞳を見て、

 もう一人の黒髪の美少女、となりの女子高生のレイカさんは、

 ちょっとおびえた様子を見せながら、

 スルッっといいとこ、エリスねーさんのその左手にすがり付くのです。


 アリス会長さんも、レイカさんも、

 何が起こっても、対処できるだけの力をこっそりお持ちなので、

 ガチで混乱するねーさんに、

 いい様に張り付いているといった感じです。


レイカさん
「わ、私、

 わけも分からず、あの方に、

 退治されちゃったりしてしまうのでしょうか。」


エリスねーさん
「い、いくら何でも、

 それはないと思うよ。


 ・・・。

 むしろ、私が気になっているのは、

 バッタリ、古蔵のヤツに会ったりしないかの方だよ。


 正直、気が気でならないけど、

 直球でその質問を聞く自信もないし、

 もし聞かれたら、どーしよーとか思うと、

 簡単に、近付けないんだよぉーーぅ。」


 この町に姿を現して早々、ルフィアさんは、

 その好奇心に溢れる中、自分が巻き起こしている、

 静かなる嵐のことなど、知り様もありません。


 空は晴れ渡り、春の訪れを告げるように、

 穏やかな日差しがその頬を優しく撫で、

 時折薫る潮風などを感じるだけで、

 心が豊かに満たされていきそうな、絶好の散歩日和です。


 ルフィアさんのこの町での親代わり? 的な存在の、

 セバリオスさんは、相変わらず何処かヌケていて、

 愛してやまない、エリスねーさんが、

 何気にピンチを迎えている事など露知らず、


 春の新作コーデのファッションモデルをやっている、

 エリナ先生の追っかけを、

 レオクスさんと一緒にやっている最中です。


 エリナ先生には、裏でこっそりとモデルの仕事を奪われ、

 その彼女の魅力に振り回され、

 以前の完璧さがびみょうな事になっている、

 セバリオスさんに、更に振り回されている、

 お人好しのエリスねーさんになります。


 その面倒見のいい性格が災いしてか、

 ますます混乱していく、エリスねーさんのその背後を、

 二人の麗しき女子高生たちが、

 ふと、にやけそうになりそうな表情を必至にこらえながら、

 付いて行ってるという状況です。


 ちなみに、セバリオスさんにルフィアさんの事を、

 一任されたセリスさんですが、

 実は、ちゃんとその依頼そのものは、

 完璧にこなしていたりします。


 ルフィアさんが無闇に繁華街などに近付けないように、

 先回りなどして、交通規制でブロックしたりと、

 その行き先を完全にコントロールし、

 権限の範囲内で、その様子を双眼鏡で楽しんでいます。


セリスさん
「さて、古蔵さん辺りでも、

 登場させてみましょうかーっ。

 ・・・うふふふふっ。」


 セリスさんがそう囁いたとたん、

 そのルフィアさんの進行方向に、まるで湧き出るかのように、

 宅配のバイトに励んでいる、

 爽やかなネコのマスクマン、古蔵さんが現れます!!


エリスねーさん
「い、いきなり現れやがったぞっ!

 ・・・や、やべえよぉ。」


アリス会長さん+レイカさん
「・・・。

 視覚遮断(隠れ身の術)をされているなんて、

 (浮かれるあまりに、

  面白くするのは、お互い、

  先を越されちゃいましたネ・・・。)」


 そして、唯一他の人たちとは違う雰囲気がする、

 古蔵さんのその背中に向かって、

 ルフィアさんは、少し恥じらいながらこう尋ねたのです・・・。


ルフィアさん
「あの・・・すいません。」、と。


 聞き覚えのある声に、大事な荷物を落とさないよう、

 ゆっくりと振り返る、古蔵さん。


 この時、二人の横を風で舞い散った花びらが、

 舞うように過ぎ去ったのです。


 古蔵さんが、その青い瞳を大きくして、

 何かを言おうとした時、

 その声が、どうしても出ない事に少し困ったような、

 仕草を見せたのです。


 真面目に答えてくれようとしている古蔵さんの言葉を、

 ルフィアさんは嬉しく想ったのか、微笑みながら待つのです。


 あの頃の君のその、

 あまりに鮮明で美しい姿に、

 古蔵さんは魅入られるように、景色がホワイトアウトして行きます・・・。


 絶対に忘れない、大切な時間。

 どんなに時が流れても、決して色褪せない、

 本物の想い・・・。


エリスねーさん
「やばいぞ、古蔵が、

 回想モードに突入しちゃうってーーっ!!」


アリス会長さん+レイカさん
「まあまあ、そう慌てずに、

 私たちは、その回想シーンを見守る事にしましょう。」


エリスねーさん
「な、なんで人の思い出なんて見れちゃうのっ!?」


 そうして、舞台は古蔵さんが、

 まだこの地に至る前の、その場所へと至るのです・・・。


エリスねーさん
「わ、私は見ないからねッ!!

 てか、古蔵の想いなんて、悲しくて見てらんねーよぉーーっ。」


 その美しい想い出の中には、

 孤高の覇王と、そんな彼の冷めそうな心を、

 穏やかに温かくしてくれる、

 一人の麗しき姫将軍の姿があったのでした・・・。



                       つづく。



エリスねーさん
「も、戻って来いっ!!

 ふ、古蔵ぉぉぉーーーッ!!!」

『エリスねーさんのお話は、ちょっと延期したいと思います。^^:』

2017年03月08日 18時11分33秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)

 こんばんは、井上です。


 よく思ったら、だいぶ先のお話に、

 ためぞう抜きで突入してしまうので、


 ちょっと延期か外伝辺りにしたいと思います。^^:


 あと、数章続く上、

 それを書いてたら、次に行けないまま数ヶ月経ってしまいそうなので。



 下記が、今後の展開の予定になります。



 ・ 戦いはヴァーチャルなどのゲームてはなく、

   実は本物の戦場に、途中から飛ばされているという事になっています。


   その事を、緊急降下して来る、

   鈴木さんの乗ってる高速巡航艦『エクスカリバーVII(セブン)』によって、

   告げられる予定です。


 ・ 展開された二隻の大型空母は、

   テラ01艦隊の最新鋭の空母で、

   一定の数の艦艇(キャリアー上限まで。)を、

   即時にワープアウトさせる事の出来る、

   強襲支援空母になっていますので、


   実際に、戦闘に戦士たち(エリスねーさんなどなど。)を、

   派遣したという事になり、

   上空の空で行われている、『対ハイデス・魔王級迎撃作戦』に、

   強制参加させられます。

   (戦力外の方たちは、事前に元の場所に送り返されています。)



 ・ そこでハイデスの魔王『サリア』と出会います。


   一度は、こちらの世界で生まれ、

   古蔵さん達と共に戦った人物ですが、

   転生後に、名前以外の全ての記憶を失っている状態です。



 ・ 高高度の空で戦っている理由は、

   星に近付ければ近付けるほど、

   相手である『魔王』の力が強大になるのを避ける為です。


   敵も味方も、星の質量をパワーに変えることができますが、

   相手は、その星を喰らう程の強大な力を先に手に入れてしまうので、

   そうさせない為の、


   拮抗し得る『戦士』の登場の救援状態を、維持する為の戦いです。

   ですが、その防衛ラインが次々に切り下げられ、

   地上のバトルに、干渉して来るという、

   接戦を避ける為に、エクスカリバーVIIが現れます。



 ・ ねーさん達が対戦していた大型の敵は、

   実は一機ではなく、


   空母を直衛する、シールドマシーンと、

   その存在を隠す為に過剰に攻撃を重ねる、

   攻撃大型ユニットで構成された、二人のチームになります。


   シールド側が、完全に遠距離攻撃を防ぎ、

   アタック側は、偽の被弾演出を、チャフを使って行っています。


   なので、仕組みが知れないように、

   戦場投下後の味方機が、

   空母に近付くのを避ける為に、リスク覚悟で、

   味方の防御タイプを、近付く素振りを見せた段階で、

   攻撃していたという事になっています。



   ちなみに、そのパイロット二人は未定のままでした。^^:

   初期所定では、覇王カロリナと、

   ねーさんの同級生の月乃さんの妹さんのどちらかということでした。



   こんな感じの展開予想でしたが、

   別の機会で、もっとまとめた感じで、

   本編に繋げたいと思います。^^:



   ということで、『ルフィアさん』の話が、

   次の話という事で、よろしくお願いします。



   でわーーー。 ^-^

『エリスねーさん V -「冬になりましたネ。」-』

2016年12月13日 19時51分58秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)

   『エリスねーさん V -「冬になりましたネ。」-』



 新たな舞台として選ばれたのは、


 その広大な平原の、空の彼方で、

 現在も継続されているであろう、艦隊戦のまっ最中、


 大地に堕ちた多くの戦闘艦艇が、遮蔽物として突き立ち、

 未だ、遥か上空の戦場から、

 破壊された機体や、戦闘艦が落ちて来る、


 そんな大地でした。


 地面を抉るように突いた戦闘艦群からは、

 全ての脱出ボートが分離されており、


 主のいなくなった船を守る為に、

 自動シールドシステムが、

 不安定なエネルギー炉から、展開されてます。


 盾として使うには、十分な役割を果たしてくれそうですが、

 いつ爆破するかもわからない、危険な状況です。


 そして、敵方の巨大な空中母艦から、

 この戦慄の大地へと運ばれた、

 相手側の、蒼黒の大型マシーンが、

 この戦火の大地へと、射出されます。


 女性パイロットは、そこで初めて、

 自らが置かれた不利な状況を、

 思い知る事になるのです。


謎の女性「!?

     クッ、・・・そういう事だったか。」


 サフィリアさんたちを運ぶ、その空中母艦は、

 以前のモノと比較にならない巨大さを誇り、

 もっと多くの部隊を運べる仕様になっているようです。


 その強力なパワーは、

 前回の三倍の耐久力と、出力に調整されています。


 被弾面は三倍以上に、大きくなってはいますが・・・。


 これはつまり、

 蒼黒のマシーンを操る、

 その彼女の、防御の面での負担が増えるばかりか、


 対する防御タイプのサフィリアさんは、

 圧倒的優位を、戦う前から手に入れる事になったのです。


 観衆の中に混じるセリスさんは、

 クスッ、と微笑みながらこう言ったのです。


セリスさん「当然、船が大きくなれば、

      パワーが上がりますよねー。


      (その程度の事、普段なら、

       すぐにわかっちゃったでしょうにっ。


       船の大きさの方は、少々盛ってはみましたが、ネッ。

       うふふふ~っ♪


       勝ちたい気分が先行しちゃって、

       平静さを欠いていては、

       チームプレイというのは、なかなか難しいですよっ。)
      

      プレイ中のコインは、オーナーさん持ちですから、

      遠慮なく、イベント気分で楽しんで下さいねーっ!!」


サフィリアさん「おおぉ!!

        これは凄いパワーですねっ。」


 空中母艦からのパワーを、直接自分の物に出来る、

 防御タイプのサフィリアさん。


 その白銀の女性の騎士の姿をした機体の、

 性能は、大きく上昇していますっ!!


 この光輝の盾があれば、

 蒼黒の大型マシンから発射される、

 閃光のレーザービームにも、何とか対応出来そうです。


 レミーアさんは、巨大フィールドを有効性を、

 経験から予知していたようで、


 前のマシンから、機体変更を行っており、

 より推進力を向上させた、

 高出力のエンジンを三基搭載の、

 機体が光学迷彩によって、背景色へと変化する、

 高速偵察機に乗っています。


 スナイパーライフルのような、長くて美しい、

 シルエットのアンテナを装備し、

 大きな翼が特徴の、

 シャープな人型のマシンが、


 サフィリアさん機の横を、

 風を切りながら、雲を引いて通り抜けて行きます。


レミーアさん「まずは情報を集めて、

       作戦を立てるのが得策っす。


       このフィールドタイプなら、

       光学の視界は、不安定に変化しますし、

       レーダーの性能も妨害電波で、かなり低下してるっす。」


 自分のチームメンバー以外の状況は、


 視界を遮るように舞い上がる噴煙と、

 半壊した戦闘艦から発せられる、強力なジャミング波によって、

 全くわからないような状況です。


 ナビゲーションのエキスパートの、

 レミーアさんのおかげで、味方チーム機には、

 他のチームより、見やすいマップが表示されています。


 地上戦を得意とする、突撃タイプの近接マシンへと、

 陽気に乗り込んだ、エリスねーさん。


 損傷から、プラズマを発しながら、

 主のいない船を守る戦闘艦。


 そこから立ちこめる噴煙が、濃霧のようになり、

 普段なら、ごく近くの状況しかわかりませんが、


 強力なレーダーを搭載した、レミーアさんの恩恵で、

 かなり見やすくなってるマップ表示に、

 ねーさん、ちょっと感動です。


エリスねーさん「レミーアさん、

        さすがゲーマーだよなー。


        でも、マップにこれだけ高さあると、

        あたしのロボのジャンプじゃ、

        そんなに高く上がれないから、面倒だよねーっ。」


レミーアさん「格納庫に、予備のジェットパックがあるっす。

       そのパックを付ければ、飛び放題ですよっ。」


 と、この瞬間、

 レミーアさんの発した声が、そのコクピットのスピーカーへと、

 跳ね返されますッ!!


レミーアさん(うおっ!?

       音声、戻ってきたッ!!)


 店内に飾られたディスプレーを見ながら、

 セリスさんが、裏で何かのスイッチを弄っているようです。


(安全第一ですっ♪


 大空なんか飛んで、

 むざむざと的になりに行くなんて、


 エリス様の以外のモブの皆さんで、お願いしまーすっ。)


レミーアさん(プルプル・・・。

       背中から、恐ろしいプレッシャーがぁぁあ!!!


       ・・・ふ、振り返らないで、

       前を向かなきゃ。)



 この障害の中、

 モールスのような発光信号も使えないとなると、

 遠方への可能な通信は、

 味方の有線通信のみの様です。


 近い場所であれば、それなりの通信可能ですが、

 作戦行動を展開するには、味方同士がオンラインの方が、

 圧倒的に優位です。


 レミーアさんが乗る、偵察型タイプのマシンには、

 長距離通信用の、

 特殊な有線ケーブルが搭載されています。


 クモの糸のように細く、また複雑に編む事も可能な、

 特殊ファイバーを用い、


 敵の位置や地理情報を集めながら、

 味方偵察機との糸を絡ませ、ネットワークを構築します。


 この有線通信が繋がれている間は、

 チーム同士の連携などが容易になります。


 ですが、一定の作戦行動に入った時点で、

 障害物などでも、断線します。


 また、有線接続中のチームの間に分け入り、

 機体の翼や、スラッシュビームなどを当てて、

 チーム間の通信を断つ事も可能です。


セリスさん(えっと、とりあえずは、

      この細い糸の束の、根元の押さえとけば、

      いいんですねっ。


      がんばって下さいねーっ!)


 味方である事は間違いなさそうなので、

 どうかご安心を、レミーアさんっ。


レミーアさん(わ、私は何も知りませんョ・・・。)


 それ以外に自分の位置情報を、

 知らせる方法があるとすれば、


 大音響の音声通信か、

 濃霧も貫く、強烈な閃光を発する事などです。


 その場合、発声や発光と同時に、

 蒼黒の彼女の的になるリスクが伴います。


 すると、蒼黒のマシーンを操る、

 謎の女性パイロットは、次の瞬間、

 こう叫ぶのですっ!


謎の女性「一気に勝負を決着出来ると、

     総当たりを望んでいましたが、


     どうやらこれでは、

     敵も味方もわからないですわッ!


     味方?を倒しても、ポイントは増えるのかしらね・・・。


     まあ、いいでしょう・・・。

     全て潰せば、ゲーム終了ですものねッ!!!」


 噴霧の戦場の空に座する、

 蒼黒の大型マシーンが、激しい光の波動を放ちながら、

 膨大なエネルギーを集束させていきますっ!!!


 その光景は、まるでブレスを放つ直前の、

 蒼黒のドラゴンのようです。


セリスさん(あら、

      思ったより要領がいいみたいですねっ。)


 蒼黒の咆哮は、相手のチームのメンバーを、

 大いに震え上がらせるのに、十分でした。


 相手側の各マシンたちが、破壊されるのを恐れたのか、

 次々と自身の位置を知らせる、

 発光弾が打ち上げられるのですッ!!


 これによって、

 サフィリアさん達や、味方チームは、

 対戦相手、全機の位置を知る事が出来ましたが、


 その光景に圧倒されたのか、

 あるいは、同情したのかは分かりませんが、


 誰一人、攻撃を仕掛けようとはしません。


 それぞれのチームの判断は、正しかったようです。


 敵の場所が知れているとは言っても、

 長距離ビームなどによる攻撃は、

 強力な光線の弾痕を描く上、


 ミサイルによる追尾攻撃も、

 破損した戦闘艦の発する妨害電波によって、

 誘導がまったく効きません。


 たとえ撃破出来たとしても、
 
 蒼黒のマシーンに、発射の位置情報を悟らせ、

 数倍の威力のレーザー攻撃で、反撃を受けるでしょう。


レミーアさん「こちらも、味方チームとの通信接続を、

       最優先に計りましょう。」


サフィリアさん「・・・そうですね。


        敵部隊はもう、エリア中央の、

        あの大型ユニットに向かって、

        移動を始めているでしょうし。」


 するとその時ですッ! 

 サフィリアさんにだけ、『謎の声 II 』さんの声が、

 後方より、その耳元へと届きます。


 まるで、背後にでもいるような、

 とても近い感じですッ!!


謎の声 II さん「チームの通信など、

          そのままで良いのです。


          あちらの方も、サフィリアさんたちが、

          合流すると読んでいるでしょうから、

          そう思わせておけばよろしいでしょう。


          相手が意図していないにしろ、

          合流を目指しているのでしたら、


          その機に乗じて、地の利を生かした場所へと、

          部隊を進め、

          地理情報など、集めておくべきでしょう。


          最初は、少しずつ勝たせておけば良いのです。

          そう思わせて、調子に乗せておく事が、

          とても重要なのです。」


サフィリアさん(うおっ・・・、

        この声は、セリスさんの中の御方ですかッ!)


 ビクッ!! と、

 不自然な硬直を見せるサフィリアさんは、

 ゆっくりと、ナビゲーター用の後部座席の方へと、

 振り返ります・・・。


サフィリアさん(い、いるぅぅうーーーッ!!!)


 ぼんやりと霞んではいますが、

 明らかに女性らしき人影があります。


 いつの間にか、普段使用していない、

 後部座席の方へと乗り込まれていたようですッ!!


 沈黙するサフィリアさん機を心配してか、

 レミーアさんが声を掛けます。


レミーアさん「このまま先行しても、大丈夫っすか?

       ・・・ちょっと気になったもので。」


サフィリアさん(レミーアさんまで、巻き込めませんっ!

        ここは誤魔化して、上手く伝えなければ。)


 元気いっぱいのレミーアさんですが、

 きっと根は純粋なレミーアさんは、


 この後方からの、凍てつくほどの、

 その氷結のプレッシャーにあてられた時点で、


 思い通りの、操り人形にされてしまうと、

 サフィリアさんは思ったのです。


 それで、仮に勝てたとしても、

 レミーアさんには、そのバトルの興奮も、

 記憶も残りはしません。


 そうなる運命にあるとしたら、

 せめて私だけにと願う、

 健気で、ピュアな心の持ち主の、

 乙女のサフィリアさんですっ。


謎の声 II 様「とても美しい友情ですわね。


         お味方でなければ、

         この麗しき美姫たちを、

         ワタクシのとっておきの美酒に酔わせ、


         悦楽という喜びをお教えして、

         ほんの少しだけ背中を押して差し上げて、

         底なしで芳しの、甘美なる色欲の沼へと堕とし、


         その恍惚とした淫らな表情へ至った姫君たちを、

         この手で、愛でてみたいものです。


         あと、この後、

         この身の事は、『淫靡な事務員』とでも、

         お呼び下さいませ。」


サフィリアさん「(オッ、オモチャにされてしまいますーッ!!

        油断しない、気にしない、絶対しない、


        ああ、ためぞうさん、

        た、助けてーーーッ!!!)


        えっと、その呼び方は、

        いくらなんでも、失礼なんじゃないかと・・・。」


事務員Sさん「まあ、こんなに卑しいワタクシにも、

       その豊満なお胸のように、溢れる慈愛の光を、

       優しき陽射しの様に、やわらかに、

       降り注いで下さるのと言うのですね。


       では、親しみをこめて『愛人二号』とでも、

       お呼び頂ければ、幸いです。」


サフィリアさん「(ぶーっ!!

        って、一号さんも追加して来る気ですかっ!?


        ・・・。

        聞くところは、そこではないですネ、アハハ。)


        えっと・・、

        では、言いやすいように、

        『スーパーセリスさん』でよろしいでしょうか?


        (・・・もがくと、どんどん、

         脇の脇の道へと、導かれて行きそうですから)」


セリスさん「了解致しましたわ、サフィリアさん。

      では以後は、そのスーパーをS(エス)と略しまして、

      『セリスエス(S)』とでもお呼び下さいませ。


       では続いて、

       あの小娘の使う、小ざかしいダメージ転送の仕組みを、

       お教えいたしましょう。」


サフィリアさん「えーーーーっ!?

        (すでに、何でもお見通しですかっ!!)」


セリスエスさん(ウフッ、

        きっと、彼女は敵も味方も区別無く、

        守るべき母艦へ向かう者には、

        容赦ない裁きを加えるで事しょう。


        戦力にすら数えられない者たちには、

        憐れな眼差しを送るしか、ありませんワね。


        フフ、フフフッ・・・。)


 この二人の言葉のやり取りは、

 何故か聞こえない仕様になっています。

 特に、サフィリアさんの後ろに座るセリスさんの影が、

 何かをしたわけではありません。


 それなりに注意力のある方には、

 どうしても聞こえないのです。


 もし、こっそり聞いてしまうと、

 あっという間に操られますので、

 チームメンバーの皆さん、注意して下さいねっ♪


 エリスねーさん以外は、

 分かったと言わんばかりに、


 首を縦にブンブンと振って、

 聞こえない、聞こえないと、心に連呼しています。


 一方、普通に聞き逃している、

 エリスねーさんの方は、

 久しぶりの対戦ゲームが、よっぽど楽しいのか、


 ジャンプボタンを押しまくって、

 ピョンピョンと両足のジェット噴射で、

 飛び跳ねてまくって、

 貴重な推進剤を、無駄に浪費してます・・・。


 混乱中のサフィリアさんをよそに、

 とても勘の良いローゼさんが、


 通信画面の映像を通じ、

 巧みなジェスチャーを用いて、

 後方にある、見てはいけない脅威の存在を伝えます。


 ローゼさんのオリジナルっぽい、

 エクササイズを思わせる、軽快な動きとステップのダンスで、


 ローゼさんの、大迫力のそのお胸の方が、

 愛らしいワンピースと一緒に、

 ぶるんぶるんと、揺れまくっています。


 でも、ここは恥じずに堂々と、

 やり遂げなければならないのですっ。


 このサービス映像に、

 会場の野郎たちは、歓喜しているようですっ!!


観戦野郎一同さん <(こちら、ブラボー777(スリーセブン)中隊。

           動画を入手出来た同士に共有を請う!!)


> 復活のB氏(OKなんだなっ!!

        4K・UHDリマスターの大容量通信を、

        受け取る準備をしておくんだなっ!)


観戦野郎一同さん <(おお、動画仙人の、

           その匠のワザに感謝するッ!!)


 外野の結束は、固いようです。


  ・ ローゼさん体操の訳((はい!
  
              今は、前を向いて、

              一生けんめいに、頑張りましょう!


              よそ見は、いけませんよっ。


              実は、もう気付かれていますが、

              まだ無視されていますので、


              できればハイッ、そのままのリズムで、

              大きく、息を吸いましょうー。


              ハイッ!

              イチ、二ーッ! イチ、二ッ!


              変な素振りを見せた瞬間、

              自由も意思も、想いさえも、

              全て、絡め取られて、

              持って行かれますYOッ!!


              恥ずかしの放置プレイが、オッケーな方だけ、

              堂々と、振り返る事が出来ますネッ♪


              こちらの動きは、あの方に、

              LIVEで、しっかり中継されていますネ。

              ・・・ブルブル。))


レミーアさん+ファルさん(ウッ・・・!!


             そ、そうですかっ。

             前向きに頑張ってる方が、

             きっと幸せですよね・・・。)


 三人の乙女さんは、

 サフィリアさんを見捨てたわけではありません。

 彼女のその、あり余る正義感と、

 誰よりも強い勇気を信じたのです。


 といえば、聞こえは良いですが、

 何をした所で、泥沼にはまってしまうのは、

 目に見えていましたので、


 ローゼさんのバツグンの勘の良さと、

 『100』あるっぽい知力に、二人は感謝ですっ。


 ネクサスビル1Fの、幾つもの大型ディスプレーには、

 若干のサービス映像の後に、


 戦闘を開始した、サフィリアさんチームの、

 華麗なる勇姿が、その広大な戦場に映し出されました。


 どうやって、あのもやもやした視界の中、

 美しいカメラワークをこなしているのかは、

 まったく不明ですが、


 チーム同士の駆け引きなどは、

 チラ見せ程度に抑えつつ、


 迫力のシーンや、美少女プレイヤーの勇姿は、

 しっかりと流され、


 (プレイヤー画像などは、プレイヤーの任意で、

  イメージ画像に置き換える事が出来ます。


  イケメン、美少女等は、キャラメイク画面で作成可能です。) 


 飽きさせない映像展開になっているようです。


 時折カットインする、美しき白銀の髪の乙女、

 サフィリアさんの凜とした、その麗しの姿に、

 うっかりしていると、惑わされてしまいそうになります。


 試合の最中に入店してきた、野郎どもを含め、

 会場内は、興奮真っ只中ですッ。


惑わされた野郎J氏「くっーっ、オレもぜひ参加したいッ!!」

惑わされた野郎K氏「ヒロインたち以外の台の後ろに、回って並ぼうぜ。」

なんとか堪えた、会社員さんL「私は、この戦いの成り行きを見届けよう。

               応援してます、サフィリアさんっ!!」


 長崎ドラゴンタウン・ネクサスビル1F店の、

 専用ゲームの筐体の保有数は、地域最大数の20台を誇りますが、

 全て使用されるという、祝日並みの賑わいです。


 今は、空いている台はありませんが、

 対戦中のメンバー交代は可能ですので、

 誰かがリタイアしたするか、

 もしくはプレイヤーのどなたかが、私用等で、

 席を譲ってくれた時点で、プレイが可能です。


 ただし、無制限の対戦乱入を防ぐ為に、

 ペナルティとして、後方からの輸送演出が入りますので、

 フィールド到着には、若干のお時間がかかります。


 至る所に、小ざかしい加工が施してある、

 LIVE映像ですが、


 観衆たちのほとんどが、

 その事には、気付いてはいないようです。


 ゲームコーナーのスタッフエプロンを、

 プレイ中のバイトのリナさんから、

 事前に借りておいたセリスさんは、


 ホールスタッフを装い、

 スルスル~っと、観衆の隙間をぬって、

 エリスねーさんのゲーム台の方へと、向かいます。


セリスさん(フフッ、

      やはり、そういう事でしたか。


      どなた様かは存じませんが、

      面白い謎かけを仕込んで下さるのは、

      実に、愉快な事です。)


 セバリオスさんという、

 神ってる上司さんを遠ざけた結果、


 セリスさんの背中に宿る、その小悪魔的な能力は、

 本来のそれ近い、3倍程度まで上昇しています。


 セリスさんは、筐体に手を触れると、

 すぐに、プレイヤー全員が別の場所へ飛ばされて、


 プレイしているように見える、各プレイヤーたちが、

 精巧なホログラム映像に、置き換えられている事を悟ります。


 セリスさんは、

 他にもいろいろと気付いているようです。


セリスさん(ああ・・・、


      このホログラムの映像で結構ですので、

      自室のベット近くの大事な場所へと、

      エリス様のお姿を飾っておきたいものですワ・・・。)


 LIVE映像になりますので、

 エリスねーさんのプライバシーは、

 あって、無いようなものになりますネ・・・。



   シュン!  ドオォォーーン!!



 すると突然、フィールドの方に変化が起こります。


サフィリアさん「えっ!?」


 なんと、相手の蒼黒のマシーンから、

 母艦防衛に向かったと思われる二機の機体に対し、

 激しい閃光が放たれ、


 強烈な二つの大爆発が天を貫き、その衝撃波は、

 遠方のサフィリアさんたちにも、届いたのでした・・・。


レミーアさん「み、味方を攻撃したっすかッ!!」


 高性能のレンズとセンサーを備える、

 レミーアさんの機体に搭載された、

 ロングレンジの索敵ユニットが、

 その瞬間の光学画像を鮮明に捉えました。


 このデータは、チーム内のメンバー全員に、

 共有されています。


エリスねーさん「ちょ、何!?

        今の、あの必殺技みたいなのっ。


        すんげー、カッコ良かったけど、

        あ、当たりたくねーーーっ!!」


 蒼黒のマシーンのレーザー攻撃の意味を、

 未だ知り得ていない、相手の二隊のチームは、

 敵エリア中央の、合流ポイントへと向かっているようです。


 その頃、サフィリアさんたちの北と南に位置する、

 リナさんがいるチームと、ツキノさんのいるチームは、

 独自に相手の情報を解析して、動いていました。


 サフィリアさんの機体の後部座席から、

 ウフフッ、っと笑い声が漏れてきます。


サフィリアさん(ひぃ!

        誰か、誰か助けて下さいぃッ!!)


 プルプルと肩を小刻みに震わすサフィリアさんを、

 愉快そうに見つめる影の主さんですが、


 ここは、漢を上げる絶好のチャンスなのに、

 サフィリアさんに最高のアピールが出来るこの瞬間を、

 セバリオスさんも、レオクスさんも、

 ためぞうも、取りこぼす始末です。


 三人とも、サフィリアさんの人の良さから、

 好感度はいちおうの最大値の100ありますので、

 これ以上には、数字は上がりませんが、


 世の中には、数字やものさしで計れないものがあるのです!


 そう、それは『想い出』という、

 同じ時を過ごした、二人の間に芽生える愛のメモリーなのです。


 ただ、何故かためぞうの、

 ポイントの貯まりまくったゲームカードだけは、

 この戦いに参加しており、


 そのゲームカードは、セリスさんのセクシーな、

 谷間のくっきりと見える胸ポケットへと、

 そっとしまわれているのでした。


セリスさん(ためぞうさんの気合だけは、

      この私が預かっているのでぇすッ!!!


      っと、確かにこれだけカンストするほどに、

      貯められたポイントは、

      ためぞうさんの義理の姉君であられる、

      エリス様の為に、使用させて頂くとして、


      残りの二つのチームも、

      きっと上手くやってくれるでしょう。)


 味方全員の運命の糸の束を、こっそりと握っているセリスさんは、

 愛してやまない、エリスねーさんのカットイン映像を増やす為、

 あれこれと、すでに手を回し終えています。


 エリスねーさんの機体が、店内の各ディスプレーに、

 クローズアップされると、



 その後方から、凄まじいスピードで、

 ロケット状の飛行物体が、高速接近してきますッ!!


エリスねーさん「えーーーっ!!

        あたしに、ロケット向かって来てるのーッ!!!」


 推進剤を使い切ってしまった、エリスねーさんは、

 得意とする地上ですら、素早く動く機動力を失っています。


 これは、絶好の的ですね・・・。


 ロケットは接近につれて、その大きさが、

 駆逐艦並みの巨大さだとわかりましたッ!


エリスねーさん「やばいよー!

        ためぞう、助けてーーーッ!!」


 すると緊迫の対戦ゲーム会場で、勇壮に立ち上がった、

 復活のJ氏が、その巨大ロケットを見てこう叫ぶのですッ!!


復活のJ氏「あ、あれは!


      それがしは見たでござるよ・・・。

      研究チームによって、開発されている、

      支援用の高速輸送機が、

      まるで、ロケットのような形をしていた事にィ!!


      強襲型・突撃支援試作機、

      『RTS-16 タイガーII 』でござるゥ!!!」


 大型ディスプレイに、

 そのロケットの側面の映像が捕らえられると、

 先端以外がリボルバータイプのマルチコンテナだと、

 ハッキリ見て取れました。


 その凄まじいジェット噴射で、

 遠方からは、その部分が確認出来ませんでした。


 支援機と呼ばれたその筒状の物体から、

 次々と弾丸の様に、強化パーツが射出され、

 エリスねーさんの機体の、ドッキングビーコンで示された位置に、

 的確に装着されていきますッ!!


エリスねーさん「えーーーっ!!

        な、何なんだよぉーッ!?」


 会場のディスプレイには、加工された、

 エリスねーさんの大人びて美しい、

 パイロット姿が、映し出されています。


 その存在感は、サフィリアさんに勝るとも劣りません。

 まるで美しき、戦女神のようですッ!!


野郎一同「何処へでも付いて行きますぜ、

     エリス姉様ッ!!!」


 エリスねーさんのカットイン画像が終了すると同時に、

 その強化され、壮麗に変化した、

 まるで女神のような、神々しい機体が表示されるのです。


社会人さん一同「なんて綺麗な機体なんだ・・・。

        こんな見たこともない、新型の神マシンを持ってるなんて、

        さすがは、エリスさんですッ!!!」


 ねーさん、まだ何もしていませんが、

 勝手に観衆たちは盛り上がり、

 ウワサは広がって、

 店内には、いっぱいのお客さんが入って来ます!!


オーナーの亀吉さん「おおぉ・・・。

          こんなに盛り上がるんなら、

          毎週でもやって欲しいわいっ!!」


 開店初日以上の満員御礼に、

 オーナーさん、大喜びです。


 これは、集客に一役かっている、

 美少女女子高生のバイトのリナさんにも、

 ボーナスが期待出来そうですっ!


リナさん(ボ、ボーナスですか!?

     ・・・夢があっていいですね。


     PSV4(ゲーム機)購入に向かって、

     頑張りますーっ!)


 ツキノさん(み、見えた気が、します・・・。

       あの美しき、女神のようなエリス様のお姿が。


       ここは、エリス様の為にも、

       奮闘しなければいけませんねッ!!)


 リナさんも、ツキノさんも、

 こういう戦術系アクションゲームは得意な方です。


 リナさんは、お父さんが毛利家の鬼神と呼ばれる、

 戦国大名の吉川大将です。

 つまり、リアル姫将軍だったりします。


 一方のツキノさんは、

 とある中原を治める大覇王の信頼する、

 大元帥さんだったりします。


 不思議と味方の指揮が大いに上がった所で、

 サフィリアさんは、機を見て号令をかけたのですッ!!


サフィリアさん「今こそ好機です!

        皆さん、前方へと展開して下さいッ!!」


 サフィリアさんと、美化されたエリスねーさんのカットインが、

 大いに映えるディスプレーに、

 観衆のみなさんも、大いに沸いていますッ!!


 でもコクピットのサフィリアさんは、

 後ろの様子が気になって仕方がないようです。


セリスエスさん(そう、これで良いのです。)


 こうして今、両軍の入り乱れた戦闘が、

 開始されるのです・・・。



                 つづきます。




エリスねーさん「・・・美化されてるの?

        最新のアプリとかで、加工されまくっちゃってるの・・・。」


サフィリアさん「いえ、エリスさんの大人な美貌は、

        そのままでも、私の憧れですっ!!」


エリスねーさん「ありがとう、サフィリアさーん。

        サフィリアさんって、凄くいい子だよねー。」


セリスさん「ありがとですー、サフィリアさんっ!!」


サフィリアさん(ひ、ひぃ・・・。

        が、がんばりますっ!!)


レミーアさん「(・・・こ、怖くて出れないっすw)


       あ、では、またですー。 ^-^ 」

『秋の日のエリスねーさん。』 パートIV

2016年11月21日 18時49分43秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)
   『秋の日のエリスねーさん。』 パートIV



 そろそろ、このタイトルも、

 エリスお姉さんが一つ奮起して、

 脱いで勝負ッ!! 

 くらいのインパクト見せないと、


 おねーさんの出現率が、

 弟さん(ためぞう君)並になってますョ。


 えっと、純情路線の方向なので、

 夏みたいに、ヒモみたいな、きわどい水着は困ります。


エリスねーさん「そんなん、着けた事ねーし、

        勇気もねぇよッ!!」


 とにかく、適度な感じの露出でお願いしますね、


 ・・・やや冬っぽくなってはおりますが。


エリスねーさん「・・・。

        てか、あたしはいいから、

        ためぞうの方を、

        よろしく頼むよ・・・ホント。」



  ・ おっと、ためぞうは、独立出来ないっ!!


     → エリスねーさんは行き送れた・・・。



 それでは、夜露誌苦(ヨロシク!)みたいな事で、

 いいすか、姐さん?


エリスねーさん「いまどきの、

        平成・第二世代のヤングな十代に、

        どんだけ、そのあいさつが通じるんだよ。


        2000年生まれも、もう16才・・・。


        でも、あたしは23才だと思います。

        23才ですよねッ!?


        あたし、旧世紀世紀末覇者伝説とかに、

        記憶ないんだけど、名前とか出てるよね?


        とりあえず、2000年生まれが、

        ティーンを卒業して、20代に突入しちゃう、

        2020年・五輪ピックの頃には、


        一定の成果を(レオクスさん辺りで)、

        あげていれればいいなぁ、と願っています。



        2020年頃のあたしは、

        一体、何と戦ってるんだろうね・・・。」


 まず、エリスさんのその23才の輝きですが、

 詐称の疑惑を払拭してからの、スタートですなぁ・・・。


 何より、おねーさんは、

 言葉の表現が、『昭和』ですからね、


 ・・・道のりは、決して楽なものではないでしょう。


エリスねーさん「早く、話の続きに戻りなさいってw

        あたしをカモにして、いつもみたく横道にそれまくって、

        時間稼ぎしないでよぉ・・・。


        あたしの事はいいから、

        ためぞうをよろしくお願いねッ!!」


 誤魔化された感はありますが、

 世の老若男女さん達に、美魔女として、

 夢を与え続けているエリスさんの、

 その秘密のすっぴんの素顔で、皆さんをガッカリさせる前に、


 続きに戻るのが、一番ですねッ。


エリスねーさん「だったら、

        このくだらねー、この冒頭部分はいらねぇよッ!!


        毎度、ネタが無くなって来ると、

        こうやって、あたしとかいじるのを止めれば、

        もっとスマートな展開で進むんだよ。」


 肩からぶら下げる、あのデカイ携帯から、

 最新のスマホにチェンジしたエリスさんは、

 何もかもが、変わってしまったのですね・・・。


 あのバブリーな、

 出会いに溢れたディスコの中で、

 扇子振り回しながら、ボディコン達で盛り上がってた黄金時代・・・。


 エリスねーさんは、

 薄いディフェンダーを突破した、

 あの芝の豪華なゴールエリアで、


 キーパーまで前に出過ぎて、

 いなかったのに、

 何故、ゴールを決められなかったの!? と、


 ・・・エリスさんの後悔が、目に浮かぶようです。


エリスねーさん「その頃に生まれてるの認めたら、

        あたしがガチで、年を誤魔化してる事になっちゃうだろッ!


        頼むから続き行って、

        ためぞうも、ちゃんと出してやってネ・・・。」


 ねーさんの熱い思いが伝わったところで、

 舞台は、対戦ゲームで白熱する、

 ネクサスビル、1Fのアリーナ(ゲームセンター)へと、

 移ります。


 まず足腰にきますから、段差に気をつけて、

 階段、早めに降りて来て下さいネッ!


エリスねーさん「・・・。

        乗せられない、乗せられないの術で。」


ツキノさん「流石ですッ!

      エリスさんに付いて行きますっ。」


ファルさん「・・・私も付いていきたい方です。」


エリスねーさん「・・・何でもかんでも、

        筒抜けで聞こえちゃってるのね。


        廊下は走らず、階段はゆっくり注意してねっ。」


ツキノさん+ファルさん「はーいっ。


 水平線にお日様が消え行く、そんな時刻。

 街には、一斉に街灯が灯り、

 繁華街の中、一際煌くネクサスビルの明かりが、

 街行く人々を引き寄せます。


 壮絶なバトルアリーナと化した、

 地域最大級のアミューズメントセンターは、

 いつにない盛り上がりを見せ、

 かなりの混雑を見せているようですっ。


 店の内外を彩る様に飾られた、

 幾つもの曲線のディスプレイに投影される、


 その決戦場に立つのは、

 白銀の甲冑を纏う、一人の銀髪の乙女。


 そして、

 その彼女を、絶体絶命の危機へと追い詰める、

 空に浮かぶ、巨大な蒼黒の破壊兵器。


レミーアさん(!? 私、・・・スルーされてる。)


 と、銀髪の乙女を支える、

 美しき、一人の美少女スナイパー。


レミーアさん(付け足し感、ハンパないですが、

       とりあえずOKっす。)


 さあ、集え勇者達よッ!!

 あの白銀のワルキューレと共に、

 勝利の二文字を掴む為にッ!!!



   シーン・・・。



 ・・・。

 えーっと、参加希望者さん、

 会場にいらっしゃいませんかー?


 激しく盛り上がって、

 歓声を上げられていらっしゃるのは分かりますが、

 今ならなんと!

 サフィリアさんチームの台、

 なんと、3台も空いてますよーーーっ。


サフィリアさん「・・・。

        すみません、私の力不足のようです。」


レミーアさん「サフィリアさんは、立派にやってるっすッ!!


       ・・・でも、あの一方的な戦いの後に、

       皆さんにお願いするのも、

       正直、気が引けちゃいますね。」


 ここは男を上げる大チャンスですが、

 それなりに実力のように見えた、迅速のA氏と重厚のB氏、

 そして、あのしぶといJ氏の大爆散を目の当たりにしては、


 筐体自慢の、衝撃のコクピット体感モードをオフにして、

 バトルだけに専念出来るとは言っても、


 うっかり参加しようものなら、

 逃げる隙すら与えられず、

 コツコツとカスタマイズを積み重ね続け、

 鍛えに、鍛え上げた、

 想い入れの強いマイマシーンを、



  シュンッ! 



 っと、一瞬にして、

 塵へと変えられて、終わりなのです・・・。


 新たなマシンは、自動的に支給されますが、


 パンチもない、移動も遅くて耐久も低い、

 でも、戦場への投入コストだけはバツグンに安い、

 量産型の『機動ロボ・歩(ふ)1式』で対戦しなくてはなりません。


 目的に合わせて、機体をポイントでカスタマイズするか、

 数ある一流メーカーの中から、

 自分にあったもの(かわいい、カッコイイなど好みでも可。)

 を選択し、大量のポイントを消費して、

 ロールアウトするかの二択です。


 皆さん、参加したい気持ちに、

 満ち満ちてはいるのですが、

 愛する機体を失うリスクとの葛藤で、

 どうしても、あと一歩が踏み出せません。


 と、そこに少し遅れて、

 エリスねーさんたちが上の階からやって来ます。


エリスねーさん「おおーーっ!!

        何かイベントやってたの!?


        すごい盛り上がりじゃんっ。」


 ゲームコーナーの脇にある幅の広い階段から、

 降りてきた三人の美女組に、

 観衆たちは、一斉に振り返りますっ。


サフィリアさん+レミーアさん「エリスさんッ!!!」


 ねーさん達の登場で、

 ますますこの戦いへの、参加の意味が高くなりますっ!

 戦うその勇姿は、きっと彼女たちの胸に、

 届くことでしょう・・・。


 セバリオスさんとか、速攻で来ちゃいそうですが、

 仕事用のノートパソコンで、LIVE中継を楽しんでいる、

 事務で秘書のセリスさんに、


 いい様に口車に乗せられて、

 まだお仕事を頑張っていたりします。


 セバリオスさんが、この盛り上がりを知らない以上、

 ご親友のレオクスさんも、

 同じく、この大きなイベントを取りこぼしています。


 黒髪美人のオフィスの華、秘書セリスさんは、

 これからのバトルの展開を、

 ややこしい物にして、暇つぶしをするつもりでしたし、


 プライベートな遊びならともかく、

 これだけ盛り上がった多くの人々の前で、

 自身の上司で、主のセバリオスさんが、

 負けでもしようものなら、

 彼女の、その大気圏を突き抜けるくらいに高いプライドが、

 プチっと切れて、


 全ての人々の記憶を改ざんし、

 何も無かったように、流れた時間ごと消し去ってしまうでしょう。


 苦戦させるだけ苦戦させ、

 勝利が見えない消耗戦に持ち込んで、


 ピンチになったくらいに、

 エリスねーさんの方に、助け船を出すついでに、

 抱き付きに行こうと思っています。


セリスさん(この何とも言えない寸止め感は、

      いつ感じても、素敵なものです。


      エリス様が十分にお楽しみになられて、

      満足なさる事を、

      陰ながら見守らせていただくとします。)


 セリスさんの不思議な拘束力のせいで、

 エリスねーさん、この熱いバトルに参加出来ません。

 勝てない勝負は出来ないのです。


 ねーさんは、とーってもセリスさんに、

 気に入られています。


エリスねーさん「うおっ!?

        どーして、あたし参加出来ないの?」


 どんなにねーさんが、ゲームカードを入れてようとも、

 頑張って、筐体にかじりついても、

 エラー表示で、プレイ出来ないのです。


ツキノさん(・・・この悪魔的な、策略レベルは、

      一体、何ですかッ!?


      やられたら怖いですが、

      もし我らが陣営に得られれば、

      天下統一も、叶わぬ夢ではないでしょう。


      つ、強者ばかりですね。

      さすがは、あの絶対的なアリス様の、

      本拠地ですね、アハハ・・・。)


エリスねーさん「・・・うにゃん。」


上の階のセリスさん(勝てる算段を得られるまでは、

          エリス様を送り出すわけには、行かないのです。

          おろおろおろ・・・。


          我が主とレオクス様を遠ざけているのは、

          あらゆる完璧さを備えながらも、

          女性に対する想いが、ダメなほど優柔不断だからです。


          今でも三人の女性に振り回されっぱなしですし。

          中原のガイゼスから来た、月下美人に、

          またも惑わされて、


          選択のパラドックスを余計に面倒にするのも、

          どんなものかと思いますし。


          そうですね。

          いずれ出会うにしても、

          この私が、主導権を握っている状況でなければ、

          つまらないですものネ。


          さて、散り行く勇者さんたちでも見ながら、

          お茶にでもしますか。)


 人一倍、熱い闘魂を持つ、

 突撃ガールのエリスねーさんですが、

 肩を落とすように、しょぼんと諦めて戻って来ると、


 一転して、応援モード全開になりましたっ!

 その切り替えの速さは、まさに天下一品ものです。


エリスねーさん「サフィリアさんとレミーアさん、

        がんばれーッ!!


        観客席から応援してるからねーっ。」


 ねーさんのその叫びに、

 二人の乙女たちは、今夜のお泊り会確定を確信し、

 ねーさんのみなぎる闘魂を注入されるのですッ!!


 パジャマなどのお泊りセットは、

 常に準備万端なのです。


サフィリアさん「はいっ!

        頑張ってみますっ。」


レミーアさん(負けてもお泊り会が、決まりだと思えば、

       一機や二機失っても全然、平気っすよっ!!)


 レミーアさん、ゲームのやり込み度がハンパないので、

 幾つものカスタムマシンを、

 戦場に合わせて使いこなしています。


 ハイランカーになればなる程、

 獲得ポイントが多くなるので、

 様々なマシンを揃えたり、

 一機だけに集中して、膨大なコストを投入したりと、

 色々と楽しめるようになっています。


 対戦相手の大型マシーンは、

 そのコストを一挙に投じられて、

 あの破壊的な強さを手に入れたのでしょう。


 一極集中タイプのマシンは、

 失うリスクは計り知れませんが、

 それだけの自信がある証拠だとも言えました。


 観衆の輪の中に、ねーさんたちが加わった事により、

 活躍して得られる羨望の眼差しは、

 より魅力的になって来ました。


 勝ちに貢献すれば、それは勇者の証として、

 乙女たちを、大いに興奮させるでしょう。


エリスねーさん「ツキノは、ゲームやらないの?」


ツキノさん「あ、それなんですが、

      ロンドンのマンションから、

      ゲームカードが入った荷物が、

      まだこちらに届いていませんので、


      エリスさんの代わりに、

      出る気持ちだけは、あったのですが・・・。」


ファルさん「迅速丁寧の宅配屋の古蔵さんに、

      頼んでみましょうか?


      たぶん、音速超えて届けてくれると思いますっ。」


エリスねーさん「ああ、古蔵がいたなぁ。

        頼んでみる?」


ツキノさん(うっ!?)


 ツキノさん、ピンチみたいです。


 最近、ためぞうという、

 トラップ回避のエキスパートが、

 あまり姿を見せない、このドラゴンタウン周辺には、


 本来、ためぞうが受けまくるハズの試練が、

 街中に溢れかえっています。


 そのせいか、スーパーな実力を誇る、

 あの、プラチナの髪の麗人のローゼ閣下ですら、

 紺の帽子を深く被り、マスクでその正体を隠して、

 なんと腕利きの清掃員さんとして、

 このゲームセンター内にいたりします。


ローゼ閣下(・・・コホンッ。


      九州場所も始まり、

      我輩も頑張り所と意を決して、

      ビルの清掃で、お掃除スキルを磨いていたわけであるが、


      降りてきたら、こんな修羅場になっており、

      害を免れようと、外に出ようとしても、

      何故か出口にまた戻って来て、

      この1階にて、足止めを喰らっている始末である。


      我輩は、自らの館に戻りて、

      大相撲をLIVE視聴しながら、

      熱き力士たちの取り組みを、

      同士たちと大いに語りたい所であったが、


      こういったトラブルを避ける為にも、

      ためぞう君にも、早く戻って来て欲しいんだな。



      ・・・。

      って、どこまでハードル上げた展開を、

      皆さんが楽しいひと時を過ごすべき、この場所で、

      どうして、繰り広げているのですかっ!!


      ・・・私だって、のこのこと現れて、

      Jさんみたいに、やられるのは怖いですし、


      変に関わったりすると、

      エストさん並に、試練まみれになりそうで、

      想像するだけで、お、恐ろしい事ですわ・・・。)


 と、ゲームセンターの片隅で、

 息を潜めるローゼさんでしたが、


 うかつにも、そのほのかに香る、

 素敵なピュアローズの香りを、

 ねーさんたちに、嗅ぎ付けられてしまうのです。


ツキノさん「何だか、とてもいい香りが漂ってきますね。」


エリスねーさん「あ、ローゼさんのいい匂いがする。

        ローゼさん、さっきまで居たのかな?」


 ツキノさんとファルさんは、チラッと一度、

 ローゼさんの清掃員姿を見ましたが、


 ねーさんに合わせて、ローゼさんに気を使っているようです。



  ◇ さあローゼさん、お待ちかねの選択肢ですよっ!


ローゼさん(ま、待ってないです!!)


 まあ、そうおっしゃらずに、

 気軽に選んでくださいネッ♪



     → ・ お気遣いに感謝して、

         潜伏任務、続行しますっ。


       ・ やっぱり、安全第一!

         近寄らずに、楽しく観戦♪


       ・ 花嫁修業は大事なことです。と、お掃除に専念。

         (ローゼさんの持ち合わせの華麗なテクで、

          1階は隅々まで、ピカピカに磨かれていますが。)



ローゼさん(こ、これは、

      どれ選んでも負けですわね・・・。

      内容的に、一択になってますわよね?)


 と、ローゼさんは見えない、

 選択ボードなど無視して、


 一度ロッカーに戻ると、

 最近、バーゲンで手に入れた服に着替え、

 控えめな感じに仕上げて、表へと出て来たのです。


 それでも持ち合わせの、絶世のその美貌は、

 (次点ですが。)

 簡単に隠せるわけも無く、


 周囲の野郎どもの視線を、

 一身に集めずにはいられません。


 天が与えたゴージャスなそのナイスバディを、

 大きめでゆとりのある、

 ベージュのワンピースで、誤魔化しているのですが、


 逆にそれが、飾っていない感じを漂わせて、

 彼女の清楚さを、より一層アピールしています。


 純情路線に変更してるというウワサは、

 ホントだったんですね! と、


 それが余計に殿方の恋心をくすぐり、

 ゆるふわ愛されロングのプラチナの髪が、一度揺れると、

 稀に見ぬ極上のお姫様の、

 その優しい雰囲気と香りで、周囲を癒しまくるのです。


おばば様「おお・・・、

     ウワサは真であったかっ。


     - 白金の髪の清き乙女が舞い降りし時、

        この地に奇跡を起こし、

         人々を勝利へと導くであろう・・・。 -


     この勝負、すでに決まったようなものじゃ。」


おばば様のお孫さん「!?」


 と、満足気に作り話を語る、

 おばば様とそのお孫さんは、

 言いたい事を言って、スッキリしたような顔をして、

 すぐ上の階の、健康マッサージコーナーへと、

 エレベーターで向かって行きました。


野郎ども「・・・あれが伝承の!?」


 ローゼさんのハードルが、

 とんでもない高みへと持ち上げられますっ!!


 これは何か貢献しておかないと、

 きっと皆さん、口にしなくても、


 心の中で、忘れられないくらい、

 ガッカリなさる事でしょう・・・。


ローゼさん(・・・。


      逃げてはダメよっ!!

      ここは、何か良い所を、

      一つくらいは見せておかないと、


      ますます見えない迷路へと、追い込まれてしまうわっ。


      ですが私、この対戦ゲーム自体、

      まったくの未経験なわけですが・・・。)



 こうしてローゼさんは、

 エリスねーさんたちの輪に、

 半ば強引に、組み込まれて行くのでした。


エリスねーさん「おお、これは!?


        ためぞうがお世話になってる、

        ローゼさんが居てくれるなんて、

        何だか、心強いよっ!!


        あたしも状況とか、

        よく分かってないんだけど、

        仲良くしてねーっ。」


ツキノさん「なるほど・・・、

      そういうご関係でしたか。


      (これほどの、高い知略と洗練された武勇を合わせ持つ御方を、

       味方に付けているなんて、流石はエリスさんですッ!!


       何かの変な効果で、

       その神の如きの実力が、封印されているようですが、

       封印されてて、

       ・・・この迫力ですか。


       間近に見ると、

       お胸が、とっても大きいですネ・・・。)


      初めまして、ローゼさん。

      私、エリスさんにお世話になってる、ツキノです。」


ローゼさん「あ、はいっ。

      こちらこそ、よろしくお願いしますっ。


      (私の持っている、中途半端に色々と書き込まれてある、

       そこそこ便利な本、

       『全知の書・やきいもスティック味』が告げるのです。


       この方は、驚異的な、

       恐るべき破壊竜の如き力を、

       その微笑みの下に、押し込めているのだと。



       ここは、出来るだけ摩擦の起こらないよう、

       注意しておくとしましょう。


       今の私では、デコピン一発でやられてしまいそうですから。)」


 ファルさんとローゼさんは、以前から、

 親友と呼べるほど、仲良くお付き合いしているので、

 お互いの置かれた状況を、同じ気持ちで共有しています。


ファルさん(私で、出来ることがあればいいですが。)


ローゼさん(ファルさんがいて、心強いですっ!!)


 美人さんグループの輪に、

 高嶺の花の、薔薇姫のローゼさんまで加わり、


 ここは野郎どもとしても、

 引くに引けない窮地へと追いやられます。


 彼女たちのその至高の笑みは、

 おとなしく空気になろうとしている野郎どもに、


 「参加しないの?

  見てるだけ?


  別に何かをいう気はないんですが、

  サフィリアさんと、レミーアさんが、

  酷い目にあっても、


  それでいいんですね。

  ふ~ん。(この辺の男どもは、ここが限界かぁ。)」


 っと、聞こえないはずの、

 美女たちの査定の声が、

 さあ、行きなさいと背中を押して来るのですっ。


 ここて逃げたら、挽回のチャンスなんてありません。


 そもそも、こんな大会クラスの戦いの席が、

 激しい地区予選もなしに、

 三つも空いているなんていう事が、

 普段なら、まず有り得ないからです。


野郎D「オレは行くぜッ!」


野郎E「先は、越させねえッ!!」


会社員さんF「フフッ、実力を見せる時が来たようだね。」


 気持ちで追い込まれた野郎どもを、

 女神たちは、業火の待つ戦場へと駆り立てますっ♪


 ものすごい勢いで、

 サフィリアさんチームの、空いてる三台の筐体に、

 野郎どもが川の字となって、

 綺麗な隊列を成して行くのです。


サフィリアさん「す、すごいっ!!」


レミーアさん「さすがは、エリスさんですっ!」


 こうしてメンバーがチャージされた、

 サフィリアさんチームは、

 次のラウンドへと挑みますッ!!!



 ・・・。


 そして、一時間後・・・。



レミーアさん「マジすかーーっ!!」


 あれほどの数の野郎どもが、

 激しい勢いで火花を上げて、戦場に散っていったのですッ!!


 野郎どもの勇気と男気は、

 おねーさんたちに見届けられます。


 そして、あっという間に数を減らした野郎どもは、

 もう、数名も残されていないのです。


ファルさん「・・・もしかして、

      追い込まれているのは、私たちの方なのでは。」


 そうですっ!

 残った野郎が全滅すれば、

 自動的に、ねーさんたちの番が回って来るのですッ!!


エリスねーさん「やばいよーっ!

        あんなの絶対、無理だよーっ。」


 僅か一時間の間に、100ラウンド以上の勝負が行われ、

 光の速さで爆散していく、

 その紅蓮の花火大会のような、凄惨な戦場の光景を、


 やたらリアルな高輝度ディスプレーで、

 ずーーーっと、ねーさんたちは、

 見せ付けられて来たのです・・・。


 もちろん、ねーさんも皆さんも

 参加したいわけなどありませんッ!!!


ツキノさん「ここに、

      ゲームカードさえあれば・・・。」


 とりあえず、ツキノさんはセーフみたいですね。


ファルさん「私は、

      その、・・・持ってます。


      (や、やばいわッ!!

       私のポイントって、ほとんどが、

       あのジェネシス言ってるおっさんが、

       稼いでくれたものだものッ!


       私って、プレイの腕のわりに、

       格好ばかり付けて、

       凄く性能のいい新型のロボットを持っていますが、


       エリスさんと楽しくワイワイするのに、

       欲しかっただけで、


       あのおっさんが居ても、絶対に危険な場所になんて、

       乗り込んで行く為の物では、ないんですッ!!)」


       ローゼさんは、参加者が居なくなる事は、

       わかっていたらしく、


       もうすでに、

       新しいゲームカードを登録して来ていました。

       始めたばかりなので、負けてもダメージ0です。


 これでプレイを出来る人で残されたのは、

 エリスねーさんと、ファルさんと、ローゼさんになりました。


 今回は、エリスさん、

 前回の話よりも、輝けてますねっ!


エリスねーさん(輝くってそれ、

        大爆発するって事じゃんッ!!


        そういう輝きはいらないんだって。

        個人的には、きらめきな感じの出会いとか、

        そういう展開を期待してるわけだから、


        派手にやられたいとか、全く思ってないってッ。)


 ついに、残された最後の野郎たちが倒れました。


エリスねーさん(ま、マジかーーーッ!!)


 ねーさん的に、そろそろこの時間くらいになると、

 カラオケとか歌いながら、ピザとか食べたいかも知れませんが、


 ここまで、しっかり見ておいて、

 サフィリアさんと、レミーアさんという、

 可愛い妹分たちを、見捨てたりはしませんよね?


エリスねーさん「!? 順番来ちゃったのッ?


        アハハ・・・、

        もちろん、行くしかないよねーっ。」


ファルさん「・・・お役に立てるといいんですが。」


ローゼさん「新人ですが、頑張りますっ!!」


 こうして、ねーさんたちは、

 サフィリアさんチームへと参加することになりました。



  ・ おおっと、参加出来ないッ!!



エリスねーさん「あれ、おかしいな。

        私のゲームカードが、まだ弾かれてるのかな?」


 そのおかげなのか、

 ファルさんと、ローゼさんも同じく、

 プレイヤー登録が出来ないでいます。


 これは、エリスねーさんに付いてた、

 大人の病気みたいなのが、

 横にいた二人にも、くっ付いたみたいですねっ。


エリスねーさん「大人の病気って何だよッ!!」


 えっと、その・・・。


 詳細は申し上げられませんが、

 もしのその状態で殿方に接すると、

 お相手にテンペスト級の災厄をもたらす、感じでしょうか?


 寒くなって参りましたので、風邪同様に、

 予防が、とっても大事ですねっ♪


ファルさん「えっ、ええっ・・・!?」


ローゼさん「大人でない(16才)私にも、

      くっ付いちゃったんでしょうか・・・。」


エリスねーさん「ぜってぇ、ちげーだろッ!!


        何か、おかしな事になってんだよ、コレッ!」


 エリスねーさんは、参加出来ないその理由を、

 ムキになって、必至に探しています・・・。


 おねーさんの『誇り』の問題なのですっ!


 ですが残念な事に、ヒミツを解くことは、

 エリスねーさんの今の知力では、

 とっておきのとんちを使っても、絶対に出来ないのですッ!!


エリスねーさん(ハッキリ言うなよーッ!!)


ローゼさん(・・・。


      先ほどの登録時に、

      発動したので気が付いたのですが、


      エリスさんに、何らかの策(付与)がかけられている事を、

      申し上げることは、

      はたして、差し出がましい事なのでしょうか・・・。


      ハッキリとした事は申し上げられませんが、

      『まず、100%勝てる勝負以外、戦わない。』ような?

      感じの、護身系の効果が発動しています。


      かなり良い付与効果ですので、

      このまま行けば、私たちの負け確定なのは、

      間違いないのでしょう。


      素人の私と、足元が震えているファルさんが、

      慣れない勝負をしようとしているのですから、

      本来の力の発揮出来ない戦いに、

      何かのプライドがかかっているのでしたら、

      避ける事は、賢明な事です。


      情けない事に、実家にいた時より、

      大幅にパワーダウンしている、この私では、


      謎めいたのこの一計を(おそらくは、アリス会長さんか、

      セリスさんのどちらかでしょうが・・・。)

      看破するだけの力はありません。


      ですが、わざわざ無理までして、

      よい効果は、解かない方が、

      ゆっくり時間をかけて、勝利の方程式を探れますので、

      便利な点では、計った策士さんと同意です。


      問題は補充のメンバーが枯れている事ですが、

      参加出来ないという理由が、それらから私たちを、

      守ったその事実は、実に素晴らしい事ですわ。


      メンバーの組み合わせ次第で、

      解ける策なのでしたら、

      勝てるチーム編成が、効率よく探れるはずですので、


      私やファルさんまでも、

      絶大なる付与効果が守ってくれるという、

      なんとも有難い、素敵な効果ですね~。)



 その頃、自らのかけた策が、

 発動したのに気が付いた、セリスさんは、

 上手いこと、セバリオスさんをけしかけて、

 ネクサスビルの外に追い出した後、


 虚ろな目をした、仕事上がりの社員さんたちを、

 まるで召使いのように操り、


 セバリオスさんのリッチな社長の椅子の上で、

 まるで女帝のように膝を組んで、くつろぎながら、

 豪華なティータイムの過ごしていました。


セリスさん「あら、シーンがこちらに移ってしまったんですねー。


      誤解しないで下さいね、

      毎回、こんな事やっているわけじゃないんですよ。


      今日はたまたま、エリス様がいらっしゃるので、

      なんとなく楽しみながら、見守っていただけなんですー。


      社員のみなさん、

      元は、私の実家で執事やメイドをやってくれていたので、

      そういうノスタルジーな気分に浸りたい時もあるんだと、

      思うんですよっ。


      みなさん、大変まじめで、

      良い方ばかりなので、助かってますーーっ。」


 虚ろな目をした、社員の皆さんたちは、

 初めてセリスさんに褒められたのか、

 感動の涙を流しながら、

 心の限り、より一層のご奉仕に励みます。


 フロア内に飾られた、豪華な調度品の棚の中から、

 極上品のワインが用意されると、

 オフィスに併設された、奥のキッチンでは、

 専属の一流シェフが大いに腕を振るい、


 贅の限りを尽くされた、果実や料理の数々が、

 セリスさんの元へと、準備されて行きます。


セリスさん「みなさーん、

      そこまでなさらなくても、良いのですよ。


      それらの食事は、日頃のご褒美として、

      みなさんで、召し上がってはいかがでしょう?」


 セリスさんのその言葉に、

 社員さんたちもシェフさんも、

 深々と一礼して、言われるままに、

 社員用の長いテーブルへと座ると、


 自然の恵みに祈りを捧げて、

 ご褒美の晩餐を始めました。


 目の感じは、元に戻っていましたので、

 初めて食する、豪華な宮廷風の料理を前に、

 どきどきしながら、楽しく味わっているようです。


セリスさん「ふぅ~~。

      いきなり振らないで下さいねーっ。


      主を追い出して、油断してたわけでは、

      ないんですよーっ。」


 セリスさんは、さらっと元の自分のデスクに戻って、

 何も無かったかのように、ノートパソコンで、

 1階のLIVE中継の続きを見始めます。


セリスさん「あらまあ、予想以上に、

      あっさりと予備さん達、全滅しちゃってますね。


      これって3チームで、

      3つの対戦を同時に行っているんでしたね。

      サフィリアさんたち以外の、のこりの2チームさん、

      よく補充もなしで、ここまで持ちこたえているものですねー。

      名前、しっかり覚えさせていただいちゃいますっ。


      でも突破されるのも、時間の問題でしょうか。

      そろそろ、次の一手を打たなければいけませんねっ。


      のこのこと私が出て行って、相手を一掃しちゃったら、

      エリス様が、今後一緒に遊んでくれなくなるようで・・・。」


 実はセリスさん、

 こういうゲームでは、ほぼ最強です。


 その胸ポケットの中のカードケースには、

 エース級の機体のレアカードが、

 何枚もキラキラ輝いていて、とっても眩しいです。


 セバリオスさんの目の届かない所で、

 次々に数多のモノを獲得して、

 その影響力を、こっそりと広げているのです。


 ちなみに、上司のセバリオスさんは、

 親友のレオクスさんと一緒に、

 冬のコーデの発表会を見学に行っています。


 そこでは様々なブランドの服に身を包んだ、

 モデルたちのランウェイが行われていて、


 エリスねーさんの知らない間に、

 これまたちゃっかりとモデルをやって、

 お小遣いを稼いでいる、


 桜色に髪色を染めた、エリナ先生が、

 沢山のフラッシュをその身に浴びながら、

 殿方の視線を一手に集めています。


 実は、ためぞうもそこにいて、

 エリナ先生のお手伝いをしているのです。


ためぞう「有難いバイトだと、思っております。

     いやー、冬になる前におこづかい貯めておかないと、


     冬シーズンの暖かなイベントを、

     出来るだけ、取りこぼしたくないので。」


セバリオスさん「連絡ありがとね、ためぞう君っ。」


レオクスさん「こんな貴重なオータムイベントを、

       危うく取りこぼす所でした。


       ありがとう! ためぞう君っ。」


 別の大きなイベントを絶賛、取りこぼし中ですが、

 今のためぞうは、欲張りではないのです。


 小さな幸せを、コツコツと積み上げられれば、

 それで、いいーーんですっ。


 何も知らないお二人には、

 せめて今を、幸せであってもらいましょう・・・。


 ネクサスビルの方では、22Fの通路で、

 ゲームセンターも経営している、ビルのオーナーの亀吉さんに、

 セリスさんが、こんな提案をしているところでした。


亀吉さん「確かにそれは、面白そうじゃ。」


セリスさん「きっと出来ると思っていましたので、

      よろしくお願いしますねーっ。」


亀吉さん「こげな美人さんに、頼まれちゃ、

     いっちょ、張り切らば行かんバイねーーっ!!」


 こうして、階下に下りていった亀吉さんとセリスさんは、

 激闘が続く対戦コーナーで、オーナー側の提案を行います。


 それは、3チーム同士の対戦を、

 一つの大きな戦場へと移し、

 一挙に、総当たりで決着を付けようというモノでした。


 その提案は、店内チームも、

 対戦側チームにも、快く受け入れられます。


 そういう大規模な対戦に、参加出来るチャンスは、

 なかなか巡ってくるものでは、なかったからです。


バイトのリナさん「おおっ、

         初めての大規模戦ですっ。


         サフィリアさんたちみたいな、

         ハイランカーさんのいるチームと、

         一緒に対戦出来るなんて、

         何だか一人のゲーマーとしては、とっても嬉しいですーっ。」


サフィリアさん+レミーアさん「こっちも、何だか、

               心強いですっ!!」


 味方の数が三倍に増えたことで、

 エリスねーさんの参加制限が解除されます。


 後ろで、セリスさんの目が光っているので、

 野郎たちは、何が何でも、

 ねーさんを守りぬかなければなりません。


エリスねーさん「おおっ!!

        参加出来るように、なったじゃんっ。


        ほらね、大人の病気とか、

        付いてなかったんだって。

        カード、ちゃんと読み込みされてるし。」


 ありもしない濡れ衣が取れて、

 笑顔が弾けるエリスねーさん。


 後方で見つめるセリスさんは、

 無邪気なその姿に、頬を赤らめて悦に入っているようです。


セリスさん(いつ見ても、素敵ですっ!

      ああ、微笑むエリス様の、何と美しい事でしょう。)


 そんなセリスさんに、

 圧倒的なプレッシャーをかけられている、

 ツキノさんは、策を弄した黒幕さんの登場に、

 少々、ビビッている様子です。


ツキノさん(・・・あの方の仕業でしたか。


      その仮面の下に隠された、

      凍りつくほどの恐ろしさは、

      かつてに感じた事もない、凄まじいものがありますね・・・。


      最大限の注意を、気取られぬように張っておかねば。)


 そんな武者震いをするツキノさんに、

 セリスさんが、のん気な感じで近付いて来ます。


ツキノさん(!? 気取られたっ・・・。)


エリスねーさん「おー、セリスじゃん。

        今日、セバリオスはくっ付いて来てないのー?」


セリスさん「そうなんですよー、

      レオクスさんと一緒に、何処かに遊びに行っちゃいました。


      私は、こちらに興味があったので来て見たのですが、

      エリス様とご一緒出来るなんて、

      とっても嬉しいですーっ。」


 エリスねーさんに、すっかり懐いてる感じのセリスさんの様子に、

 ツキノさんは、ホッと胸を撫で下ろします。


ツキノさん(お、お味方でしたか・・・。


      さすがは、エリスさんっ!

      素晴らしい大賢者を連れていらっしゃるのですねっ。

      尊敬しちゃいますー。)


 と、なごやかモードに入ろうとするツキノさんに、

 セリスさんは、一枚のゲームカードを手渡すのです。


セリスさん「これ、妹さんのアヤノさんから預かっていた、

      ツキノさんのゲームカードです~。


      いつもいい仕事の古蔵さんが、

      ダッシュで届けてくれたもので、

      早くお渡ししなければと思っていましたが、

      ここにいらしたんですねーっ。」


ツキノさん(えっ!?

      もうアヤノの事まで、ご存知なのですか・・・。


      今、カードを届けてもらえたのは、

      大変、有難い事ですが、


      ・・・私の予想の先の先を、

      行かれる方なのですね。


      アハハ・・・。)


エリスねーさん「古蔵も、頑張ってんのなっ。


        アイツ、もうあのレスラーマスクいらないだろうに、

        律儀に被り続けてるんだよなー。


        エライよ、古蔵っ。」


 こうして、ツキノさんも参戦することが決まりますが、

 何故か、エリスねーさんと違うチームに配置されちゃうのです。


ツキノさん(エーーーーッ!!)


 でも、舞台は同じなので、

 上手く立ち回って、一緒に楽しめるといいですネッ!


 対戦の舞台には、

 これまでより一回り大きい空中母艦、一隻で運ばれますが、

 部隊の投入地点に、かなり距離がありますので、

 頑張って下さいねーっ。


 チームメンバーを見捨てると、

 すぐにでも合流できますよっ!


ツキノさん(そんな事、出来るわけないじゃないですかっ!

      ・・・味方の勝利の為に、貢献するだけです。


      それがエリスさんの喜びに繋がるのであれば。)


 さすが、分かってますねー。

 中原最強の剣士の実力に、大いに期待してますっ。




 今回、ためぞうさん出れてよかったですねっ!

 エリスさんも、なかなかの登場率で、

 タイトルも変更なしで、良さそうですねっ。


エリスねーさん「もーちょっと、

        ためぞう、出してあげてねッ。


        これって、『ためぞうの冒険』なんだから。」


 ほら、エントリー受付、もう始まっちゃってますよ。

 しっかり、楽しんで来て下さいね。


エリスねーさん「うっ、

        なんだか、かわされた感じだけど、

        行ってきまーす。」


 こうして、勇者たちは新たな戦場へと、

 旅立って行くのです。


 そろそろ、暖房の準備が必要な季節ですので、

 ねーさんの家のコタツは、使えるようにしておきますね。


エリスねーさん「・・・長く、振り回されてるよなー、

        あたし。」



               では、またー。 ^-^

第二話 (改訂版) 『ためぞうの帰還。』

2016年09月11日 20時49分07秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)

謎の女格闘家「 ↑ ↓ ← → ↓ ↑ ↓ ← A+Bッ!!

       奥義『覇王・タイガーレクイエム・エヴォリューションッ!!!』」


ためぞう「ぐあああぁぁぁーーーッ!!!」


 ためぞうは、倒れた・・・。



 ・・・時は、新世紀21ィ!!


 混迷を極めた群雄割拠の時代は、

 一人の男によって制覇され、

 人類最期の戦いと呼ばれた決戦、『覇王伝説』から、

 新たなる幕を開けようとしていたァ!!!


 新たなステージへと導かれし者たちは、

 時代のニューウェーブに後れまいと、

 互いに手を取り合い、

 希望という曖昧な幻想へと突き進んで行く事となるゥ。


 だがッ! 多くの人々が望んだ安寧の日々は、

 そう長くは続かなかったァァア!!!


 大厄災と呼ばれた、『ジェネレーション・ブレィィイク、ダウンッ!!』

 大手証券会社に端を発する金融破綻は、

 世界的な経済破壊をもたらし、


 大学さえ出ていれば、生涯安泰という、

 不滅と信じられてきた黄金神話の、

 その崩壊の序曲を奏でるに至るのであるゥゥウ!!!


 不景気という名の壁は、

 この新世紀においても、

 巨大な絶対防壁のように、人々の前に立ちはだかり、

 その壁を突破する手段を、持ち合わせてはいなかったのだ。



 『覇王』と呼ばれた男が、

 新たなフロンティアへと去った後の世界は、

 かつての勇気と結束する力の根源を、

 大きく欠如していたことに、気付くに至る。


 そして、ついには、

 人々は、新たなる覇王やリーダーの輩出を求め、

 それぞれの王や諸侯、ダイトウリョウを立てるや、


 その求心力に、再び希望という二文字を乗せ、

 再度、群雄割拠の時代へと突入する事態と迎えたァァア!!!


 大いなる危機を眼前に、

 その先に待つ、新たなる未来の秩序への旅立ちの為、

 人々はその舵を切り、新世紀への挑戦という、

 新たな戦いへと、

 ついには、乗り出すのであった・・・。


 そして物語は、

 かつて、この国に異国文化とその卓越したテクノロジを伝え、

 日本を維新へと導く、その発端の一つともなった、


 新時代の幕開けの序曲となりし地、

 長崎、『出島』方面へと、その舞台を移す事となるゥゥゥウウ!!!


 アジアや世界の風をその帆に受け、

 急成長を遂げるニュータウン。


 その名は、『長崎 ドラゴンタウン』


 かの地にて彼、

 「山本 ためぞう」の冒険譚が、

 今、その始まりを迎えるところであったのだがッ!!


 ・・・なんと、始まる前に彼はすでに、

 倒されてしまっているではないかァァァツ!!!


 これはもう、

 話そのものをすり替えて、

 上手くやってのけるしか、なさそうだァァーーーッツ!!

 (コイツ、めんどくせーよォォオ!!!)


ためぞう「・・・。

     出落ちですまん。


     だが、オレはまだ、マットに沈んじゃいないぜッ!

     何度でもしつこく立ち上がる、

     それがこのオレ、

     『ためぞう』ダァ!!!


     ・・・まだ、何の活躍もしないまま、

     勝手に、打ち切らないでネッ。」


 ほうほう、復活なされましたかァ、

 ためぞう殿。


 ならば、語らねばなるまいッ!!

 これから、立ちはだかる、

 とんでもない無理難題山積な、

 数多の試練をォォォオオッ!!!


 とくと、お聞き下さいませィイッ!!


ためぞう「やめろーっ!

     無理にでも、終わらせようとするなって!!


     オレはまだ、何も始まっちゃいないんだ。


     オレは、逃げないッ、

     試練は、受けるッ!!


     でも、こまめにゆっくりと、小出しにしてね・・・。」


 ・・・ここは、妥協しなければ、

 無限ループの水かけ論ですなぁ。


 そんじゃいっちょ、

 気合をその見せて頂戴なっ。


ためぞう「一つ聞いていいすか?」


 ホイホイ、何でも聞いて下さいなッ!!


ためぞう「・・・。


     今回、語りが変に熱いっていうか、

     声に、コブシが効いてる気がするんですが、

     どなたが、お語りになっているのか、

     聞いちゃってもいいですかね?


     第一話、出れてない自分が言うのはアレなんですが。」

 ならば、お答えしようではないかァ。

 我輩の事は、『閣下』と呼ぶがよいッ!!


 そういえば、ためぞう殿も、

 その正体は、魔王軍・四天王の一角であり、

 月の五分の一ほどの領地と、

 かつて信玄公の治めし、甲斐・信濃の地の、

 お世継ぎでもあられましたな。


 十分に『閣下』の資格をお持ちのようだが、

 設定16才で、その肩書きを持っての、学園・冒険ライフは、

 さぞかし、重たいことでしょうなッ。


ためぞう「やめろー、

     毎回、難易度をいきなり上げて、

     いつも青春を取りこぼす足かせを、

     開幕から付けないでくれよっ・・・。」


 ご要望とあらば、そういうオプションは、

 控えておきましょうぞ。

 だが、我輩の事は遠慮せず『閣下』と呼んでよいぞィ。


 我輩の閣下レベルは、ためぞう殿のそれを

 「係長クラス」と例えるなら、


 社長、もしくは会長、

 あるいは、大元帥クラスであるからしてェッツ!!!

 遠慮なく、困った時の閣下頼みは、

 受け付けておるぜよッ。


 っと、

 あれこれ話しているうちに、

 第二話の尺も、もうなくなって参りましたな。


 では、そろそろ次回予告と行きますかな、ためぞう殿ッ。


ためぞう「まだ、始まってもいねーYO!!


     策なの? ためぞうは、青春も冒険も出来ないの?」


 それは、心外ですなッ。

 では、早速手短に始めますかなッ。



  - ためぞうの冒険 第二話。-

       『ためぞうの帰還。』



 ・・・時は、九月上旬、

 まだ照りつける残暑厳しい、オレンジ色の空の放課後。


 長崎ドラゴンタウン新市街、

 最新スポット・ネクサスビル1F、ゲームセンター。


 まだ新品の匂いの残る、

 リニューアルされた店内には、

 忙しく汗を流す可愛らしいバイトの女の子、

 吉川 リナさんの姿も見え、

 その彼女の青い香りは、常連には涼しげな風として届き、

 新規の客人にも、好印象を与えている。


 内装も筐体も、フィルムの剥がれたばかりの、

 目新しい物が多く目立つが、

 店内の雰囲気は、以前と違和感なく、

 皆が、自由に各々の娯楽に興じているといった感じだ。


 と、その時ィ!!


 ◇ 銀髪の美少女女子高生、「サフィリアさん」が現れたッ!


   どうする、ためぞう?


   → ・ 告白する。 (成功率 3%!!!)

     ・ 戦う。

     ・ 逃げる。


ためぞう「・・・なんだこれは!?

     いきなり、三択なのか。


     戦うの意味が、ゲームで対戦で間違ってなければ、

     選べるのは、それしかあるまいて。」


 と、何かをブツブツ言っている ためぞうに、

 その美しい銀糸に、煌びやかなスポットライトを流し、

 端正に整った顔を優しく緩ませた、サフィリアさんが、

 ためぞうに気付いて、ゆっくりと歩み寄ると、

 その傍に静かに立った。


 ためぞうの鼻腔を抜ける、彼女の髪から伝わるその甘い香りは、

 ピュアローズのシャンプーの香りがして、

 異性を知らぬためぞうの鼓動を、ドクンドクンと高揚させるに十分だった。


サフィリアさん「あっ、

        相手の方ってためぞうさんだったのですねっ、

        こうやって回りこまないと、相手の顔色とか伺えないように、

        ちゃんと対戦台が作られてるって、

        緊張感が増していいですよねっ。」


 そう言ってにこやかな笑顔を咲かせる、学園の憧れの君は、

 ためぞうだけでなく、周囲のプレイヤーも巻き込んで、

 それぞれの熱い戦いの合間の、一時の清涼剤となってくれた。


ためぞう「ど、ども。


     やー、やっぱサフィリ・・・。」


 ちょっと待ちんしゃいなッ!!!

 君たちは我輩を無視して、どーして折角の三択を無駄にするのよォ。


 そもそも、シャイでチェリーで、ステータス『平凡』の、

 ためぞう君がよぉ、

 いきなり、学園でトップを争う、

 けしからん小悪魔バディをお持ちの、北欧系美少女ちゃんと、

 どーして、そんなに親密なのかねッ!?


 オジサンには、まったく意味がわかんないぞなッ。

 まだ、始まって二話目で初登場のハズだよね、

 ためぞう君ッ。


サフィリアさん「あ、いえ、

        実は、前からの知り合いでして、

        私の実家の上杉は、ためぞうさんの、

        山本家とは、ご近所さんなんですねっ。」


 あの会長さんさえいなければ、

 絶世の美少女の地位を独占出来ていたと思っている、

 サフィリアお嬢さんは、ちょっと我輩に、

 物事を整理する時間を下さりませぬか?


サフィリアさん「そ、そんな事、

        思った事もありませんからっ!!」


 こうして、暫しの沈黙が続きます。

 ・・・さて、我輩が勉強不足だったのか、

 ためぞう君のおやっさんから頼まれ、

 はるばる銀河の果てから、

 ためぞう君の未来サポートにやって来た我輩は、

 すでに不要なほどに、

 お二人の仲は、親密であられたと言うわけですなッ。


 出来れば我輩も、さっさと役目を終わらせて、

 銀河防衛の任務に戻りたいので、

 勿体ないような気もしなくはない、

 出来れば出したくない、エレガンツな選択肢を、

 提示しなくてはなるまいかァァア!!!


 ホイ、ではバッチリ決めて頂戴ッ。


 ◇ サフィリアお嬢様もお覚悟は、よろしいかなァ?


サフィリアさん「!?」


 ためぞう君、どーしちゃうのオゥ!!!


 → ・ 付き合って下さいっ。

     (豪華新婚旅行は、我輩が用意。)


   ・ 卒業したら、結婚して下さいっ。

     (立派なエンゲージリングも、大手就職先も、お任せあれイッ。)


   ・ 籍だけ、今すぐ入れてくれませんか?

     (よっ! この天下も羨む幸せ者ッ。)



ためぞう「・・・。


     (確かに、新人っぽい『閣下』さんだが、

      これまでに無い、奇跡の選択を持ってくるその底力っ!!


      ・・・大物である可能性は、極めて高いなっ。)」


レミーアさん「ちょっと、待ったぁーーーっ!!!」


 刹那、マッハスピードで、

 シューティングゲームコーナーから、

 これまたハイレベルな、美白の美少女、

 レミーアさんが現れた。


ためぞう「こんにちはー。」


レミーアさん「ちわっす、ためぞう先輩。」


 ボディラインのメリハリでは、

 サフィリアさんに分が有りはするものの、


 全体的にスマートにまとまった、

 美しいボディラインに、艶めいて眩しい脚線美は、

 これはもう、好みの問題としか言いようが無い、

 学園の君ランクの美少女の出現に、


 謎の閣下さんは、


 またしても、どうしたものかと戸惑っているようです。


 そして、困り果てた謎の閣下さんは、

 ついに、その姿を現して来たのです。


 黒衣の外套を翻し、深々とフードを被った妖しい人物。

 だが、その背丈は思ったよりも小さいようです。


バイトのリナさん「いらっしゃいませーっ。」


黒衣の閣下「これはご丁寧に、

      少しの間、お邪魔したします。」


 と、そのあまりの美しい声に、

 リナさんだけでなく、鳴り響く心を震わすその澄んだ響きに、

 誰もがその黒衣の人物の方へと振り返ります。


J氏「なんて美しいソプラノなんだ・・・。


   何度となく、戦場で疲れたソルジャーたちを慰めてきた、

   オレのハーモニカのシンフォニーすら、

   子供だましにしか聞こえねえ程の、

   心地いい音色を奏でやがるぜッ。


   こいつをヤツ等にも、聞かせてやりたかったなぁ。」


A氏「それがしは、ハイレゾ音源でその美声を拾ったナリッ!!

   ・・・ボタンを押す指先が、震えで滑りそうでござったッ。」


B氏「わ、わけて欲しいんだなっ!!」


 その時、サフィリアさんとレミーアさんは、
 互いに顔を向かい合わせて、凍り付くような表情で、

 思いを同じくします。


サフィリアさん+レミーアさん(・・・エ、エミル様がいらっしゃってるッ!?)


 入り口に近い側から、ゲームそっちのけで観衆が集まり、

 小柄な黒衣の人物がまるで、この世界の主人公のような熱い視線を、

 皆が送り始めます。


黒衣の人物「みなさーん、主人公さんは、

      こちらの「ためぞう」さんですからネッ。


      よろしくお願いしますよ~っ。」


 それはもう、天上の至高のささやきで、

 そうさえずられたのでは、

 これは天の意思じゃないか!? って勘違いしちゃうほどの、

 説得力が、胸を打ちました。


 出来れば、そのお姿を拝見したいと欲の出る、

 皆さんです。


サフィリアさん+レミーアさん(・・・私たちでさえ、

 ちゃんとお目にかかった事もない、

 あの無敵のアリス会長の、真の右腕とも言える、

 エミル様に、出てこられたのでは、


 ためぞうさんどころか、全男女がエミル様の魅力に隷属してしまうっ!?


 ・・・年齢、性別、一切不詳で、

 唯一、アリス会長の本気の一撃を、ガチで受け止めた事があるとか、

 その容姿は、まるで鏡の向こうのアリス会長だとか。


 とにかく、恐ろしいお方です・・・。


 確か『ためぞうさんを応援しようよ。』の会では、

 ためぞうさんを影から支えるフィクサーは、

 今、ローゼさんの次のファルさんだったハズです。


 た、倒されちゃった!?)


 レミーアさんは慌てて、

 ためぞうがバイトでお世話になっている、

 商店街のお花屋さんのファルさんに、スマホで連絡しますっ。


ファルさん < 「はい、

         ジェネシス生花店・ドラゴンタウン商店街支店の、

         ファルですー。」


> レミーアさん「あ、こんにちはっす。

         ファルさんご無事でしたかっ。

         あはは、何でもありませんっ。


         またですーーっ。」


   ピッ!


 ファルさんが、受話器を手にしたまま、

 慌てたように電話は切れてしまいます。


ファルさん(・・・?

      何かあったのかしら。


      あの音からして、場所はゲームセンターみたいなようですが。)


 いろんな花々の匂いをまとわせ、

 エプロン姿で忙しく働いている、ファルさんには、

 たとえ気になっても、そちらまで行く余裕はありませんでした。


 ネクサスビルの1Fの方が騒がしくなってきたのが、

 上の階の方にまで、ウワサは広がり、

 ついには、オーナーの亀吉会長さんも降りてきます。


亀吉さん「何かと思って来てみれば、

     旅から戻って気ちょったとバイね、ためぞう君。」


 強い味方がサフィリアさんたちの前に現れました。

 東方最強の武勇伝を誇る、亀吉インダストリーの会長の、

 おじいちゃんです。


 一応、同じ三年J組の同級生ですが、

 午前8時以降は、世界中を飛び回っているので、

 クラスで会う確立は、かなり低めです。


 プリントなどは、ためぞうの牛乳配達ついでに、

 きちんと届けられています。


黒衣の人物「こ、これはアマテ・・、

      えっと、今は亀吉様でしたね。


      ご無沙汰しております、

      このような身なりで、失礼しております。


      改めて正装で、出直させて頂きます。」


亀吉さん「よかよ、エミルさんや。

     理由はなんとなくわかる気がするからの。


     たまには、ウチにも遊びにおいで、

     年寄りは早起きじゃから、助かるとよ。」


エミルと呼ばれた人物「はっ、有難きお言葉。


           貴方様がいらっしゃるとは露知らず、

           今回は、勇み足でした。


           名も知られてしまったことですし、

           今回は、お任せして失礼いたします。


           どうか、アリス様と今後も良き仲であって下さりませ、陛下。

           あ、いや、会長様。」


亀吉さん「ハッ!?

     しもうた、・・・口が滑ったかのっ!!」


 黒衣のエミルさんは、とても丁寧なお辞儀をして、

 この場を去って行きました。


 集まった観衆は、エミルさんいなくなって、

 ちょっと複雑な感じですが、


 サフィリアさんと、レミーアさんは、

 この老人を尊敬の眼差しでキラキラと見つめています。


サフィリアさん+レミーアさん「すごいです、感動しましたっ!!」


 ためぞうは、ホッと一息ついていますが、

 この妙な空気だけは何とかしなければと、思ってしまいます。

 ためぞうは、亀吉さんに近付くと、

 ごにょごにょ耳打ちします。


亀吉さん「それ、採用ッ!!


     みなさん、これから1Fを本日、

     無料開放しますぞ。


     ほら、リナさんも仕事はわしのSPに任せて、

     遊んできんしゃいっ!!」


リナさん「いいんですか、オーナー!?


     では、甘えさせて頂きますーっ。」


 これには、学生さんにも仕事帰りの方たちも、

 大喜びです。


 普段、回数遊べない、

 最新のVR筐体も遊び放題です。


J氏「オレも非常勤になってからは、

   それほど、ゆとりのある方じゃなくなったからな。


   順番待ちでも、並んでやってやるぜッ。」


A氏「それがしも、新しいマシンを組んだばかりな上、

   有明フェスの出費で、これは助かるサービスでござるヨォ!!」


B氏「しょ、食費に回せるんだなっ。」


 皆さん、割と周囲に流されやすい事を、

 ためぞうは心得ていました。


 三人組のノリに遅れまいと、集まった人々は、

 次々と空いた席を埋めていきます。


 放心状態のサフィリアさんと、レミーアさんは、

 少し乗り遅れてますっ。


サフィリアさん「あうっ、

        もう席が無くなっちゃってますね。」


レミーアさん「まあ、たまには観戦して研究するのも、

       楽しいですよ。


       ねっ、ためぞー先輩。」


ためぞう「あ、うん。そだねっ。」


 サフィリアさんの連れているネコさんたちは、

 無線機を取り出して、定時連絡を取ってるようです。


ネコさん I < 「こちらー、ブラボーIII 、

          軌道ネコジャラクシーへ定時連絡。


          姫は、どうやらライバルに、

          リードを許したようだ。


          危機の方は、脱した。

          我らは嵐が過ぎ去るのを、ただ待っていただけだがなッ。」


> オペレーター「了解した。

         こちらとしても、支援しようにも、

         出来ない状態だったので、その幸運に感謝する。


         キャパシティーを超えた危機には、

         今後も現場任せのサポート体制が、

         しばらくは続くだろう。


         こちらとしても、越後の守りを手薄には出来ない。

         貴君ら、エージェントには、

         激務が続くが、支給品の方は、

         出来る限り、送らせてもらおう。」


ブラボーIII < 「ところで、

           お泊りセットに潜り込ませる為の、

           通信用枕カバーの方は、出来たのかニャ?」


> オペレーター「そちらに抜かりは無い。

         感度バツグンのナノファイバー式、

         丸洗いもOKな、通信用枕カバーは、

         予算を惜しまず、突貫で完成させた。


         すぐにでも、そちらへと送らせてもらおう。


         こほん、我らの姫のすこやかな安眠は、

         我ら同士一同の共通の想いだからな。」


ブラボーIII < 「感謝しますニャ。」


 いそいそと無線機をしまうと、

 小踊りし始めた二匹のネコさん。


 そんなネコさんたちの元に、

 もう一匹のネコ野郎がやって来ます。


ネコ蔵「迅速丁寧、安心安全の宅配サービス、

    ネコのマークのマスクマン、

    ネコ蔵です。


    ハンコか、サイン、いいっすかー?」


 ネコちゃん達を心をくすぐる、

 お届け物です。


 ネコさんは、器用にボールペンでサインすると、

 それを、サフィリアさんのバックの中に忍ばせました。


ネコさん II 「我らはいつでも一緒に、お泊り会に潜り込めるのニャ。

         気分だけでも、他の家臣さんたちにおすそ分けするのニャ!!」


 ネコ蔵さんは、越後のネコさんたちの結束の固さを見守って、

 次のお届け先へと向かうのでした。


 ネコさんたちの策に導かれるように、

 仕事上がりのエリスねーさんが、

 お隣さんの、北条 レイカさんと一緒にやって来ました。


エリスねーさん「おお、今日は盛り上がってるのなーっ。」


レイカさん「今日は、ゲームが無料ですか!?

      では、キャッチャーも?」


サフィリアさん+レミーアさん(今日は、お泊り会だーっ!!)


 そう胸の中で期待して、サフィリアさんとレミーアさんは、

 慣れた店内で、ねーさんたちを案内します。


レイカさん「おおぅ・・・、

      キャッチャーコーナー、エストさんが四つを組んでますね。」


 この台は、誰にも譲らないと、

 エストさんが闘気を放ちながら、→ボタンと↑ボタンを、

 延々と押しまくっています。


 まったく取れる気配もないので、

 ヌイグルミは得盛りで、積まれています。


 その他のキャッチャーは、全て空っぽになって、

 ヌイグルミの追加をSPさんたちが発注している所のようです。


エリスねーさん「まー、そうなるわな。」


レイカさん「そ、そうですよねっ、

      エストさん、がんばって~。」


 適度に、人数分のヌイグルミを袋に入れた ためぞうが、

 キャッチャーコーナーの角を曲がってやって来ます。


ためぞう「よう、ねーさん。

     レイカさんも、こんばんはー。」


エリスねーさん「おおっ、ためぞーっ!!

        この町に帰ってきてたのかーーっ。」


 まるで、長い旅から帰って来たかのように、

 ねーさんは、感動の再会です。


 ためぞうは、割と落ち着いていて、

 女子に渡す分のヌイグルミの袋を、前に出して見せます。


エリスねーさん「わ、私の分もあんのっ!?」


ためぞう「お泊り会に参加しそうな方たちの分も、取ってるよ。

     持って帰って、好きなの分けるといいよ。


     レイカさんも、サフィリアさんも、レミーアさんも、

     気に入るのがあるといいんだけどね。」


 ためぞうは、それぞれの台で、

 最も難度の高そうな、レアっぽいヌイグルミを、

 すべてコンプリートしているようです。


 一個取るのにも、相当な根気と資金を費やすであろう、

 可愛さに溢れる、ほわほわのヌイグルミが、

 大きな袋に満たされています。


エリスねーさん「また、一段と成長した、ためぞうが、

        ねーさん誇らしいぞっ!!」


ためぞう「いやいや、

     オレなんかまだまだだって。


     まあ、久しぶりのねーさん家だから、

     今日は、ゆっくり出来るかな~っ。」


 ためぞうは、そう言いながらも、

 ちゃっかりと、セバリオスさんとレオクスさんには、

 お泊り会発生の情報をリークしたりしています。


 ねーさんを中心に、女子たちは笑顔で心行くまで、

 楽しんで、そしてお待ちかねのお泊り会のようです。


セバリオスさん「帰って早々、いい仕事するねッ!!

        ためぞう君っ。」


レオクスさん「・・・おかえり、ためぞう君。

       期待もしてるけど、応援してるからっ。」


 こうして夜が更けて、テントに移ったためぞうは、

 女子たちのお泊りトークの実況と化すのです。


ためぞう「いやー、帰ってきたなって感じがします。」


 エリスねーさんの家の敷地は、そこそこ広いので、

 ご近所さんにはご迷惑にならないように、

 話し声は届きませんが、


 縁側の近くに設置された、ためぞうのテントの中には、

 よく響くのです。


エリスねーさん < 「おっ、サフィリアさん、

           ウエスト凄いことになってるっ。


           カップ落とさずに、ここまでやるのは、

           流石、いまどきの女子高生だよねーっ。」


> サフィリアさん「あっ、

          ・・・エリスさんに、少しでも近付きたくって、

          頑張ってみましたw」


ためぞう < 「こちら、アルファ III


        動きがありました。

        ねーさんに、サフィリアさんが揉まれてるようです。

        ウエストのくびれが凄いと・・・。」



> セバリオスさん「お、おおっ、

          そ、そーなんだ・・・。


          次にサフィリアさんの載るグラビア、

          三冊はゲットしないとッ!!!」


> レオクスさん「おおぅ・・・、情報感謝ですっ。


         今からでも、早速、検索させてもらいますっ。」


 今宵も、長い夜になりそうです・・・。




 現在の、ためぞうのデータ。



 ・ とりあえず、レベルはそのまま93の、

   スーパー冒険者。


 ・ 今回、何とか番外編以外での登場を果たした。


 ・ キャッチャーの修行は、かなりのものだったようだ。


 ・ 葉っぱを頭に乗せて、タヌキに化けるという、

   通常のタヌキの術とは、逆の技をなぜか習得している。


 ・ 今回は、わけのわからない冒険に、

   出発せずに済んだ。



 ためぞうの冒険(冒険、ほとんどしてませんが。)は、続くようです。

 本人の希望は、やや青春よりの路線らしいようです。


                         つづく。

第一話  「となりのお姉さん。」

2016年02月26日 14時15分21秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)


 むかーしむかし、


 九州の北東部に、

 『長崎ドラゴンタウン。』

 という、町がありました。



 具体的に、二ヶ月くらいむかしの話です。


 そこには、美しい23才 OLの、

 『エリスお姉さん。』が住んでいました。



エリスさん「そのくらいなら、

      ちょい前くらいにしてw


      アタシの年齢が、

      大きくサバ読まれる気がしてならないから。」



 では、ちょっとむかしですね。

 でも、エリスさんは、今年も23才って事になっていますね。


 ホントは、おいくつくらいなんですか?



エリスさん「・・・微妙なところだから、

      そこは流してもらえると、嬉しいかな。


      毎日、ラジオ体操を欠かさずやっています、押忍!」



 今年も『結婚しました!』のハガキが、

 結婚式に招待されてもいないのに、

 届かなくて良かったですね。



 まだ焦る必要などないのです。



 ゆっくり機を見て、

 時には迅速な動きで、

 全力ドリブルでゴールイン! して、



 手当たり次第、お友達に

 写真入りハガキを送り付けてあげましょうネ。



エリスさん「・・・さっさと、話を進めてくれよ。

      色んなワナが待ち構えている気がするから。」



 では、改めてエリスさんの自己紹介です。



  ・ ガレージ付きの広々一軒家に、一人暮らしをしていた。


  ・ いつの間にか、居候が増えていった。

    (内訳はタヌキに、雪花の美少女、金髪の美少女(美少年)など。)


  ・ OLなのに、主に営業に出ている。


    グラビアや、カタログ、ファッションモデルなどもやっているだけあって、

    オッサンたちに、人気がある。


    その視線はとても温かく、

    まるで、春の日のお日様のようである。


  ・ 何故か、異性と縁のない


    長く美しい深緑の髪の、

    心清らかな、ナイスバディ! (23)独身。



エリスさん「わかんねーよッ!


      意味はわかるが、わかりたくねーぇ。」


 そんなエリスさんは、

 ドラゴンタウンの『となりのお姉さん』として、

 みなさんに親しまれております。



 → おおっと、同僚の男性があらわれた!



なかなかのイケメン「エ、エリスさん、

          良かったら今度、お食事でも・・・。」



 → エリスさんの上司の

   セバリオスさんが、彼を鋭い眼光で見つめている!



 → セバリオスさんのビーム攻撃! 


   なんと! 同僚男性に15000のダメージッ!!


          ・・・同僚男性は、倒れた。


   (無事、会社へと戻って行かれました。)



エリスさん「勝手に、人の貴重な恋愛フラグ、

      折ってるんじゃねーよッ!!」


セバリオスさん「やあ、エリス。

        こんにちはー。」


エリスさん「ビーム出しといて、

      こんにちはって! まったく・・・。」


 まるで、夫婦漫才のように微笑ましい光景ですね。


エリスさん「・・・。

      ためぞうみたく、流されるのは避けよう。


      応援はしているんだが。」


 そんなエリスさんに、

 なんとなく、第一話を記念して、

 すてきな選択肢をプレゼントでぇす。


 来年は、『新婚でGO』の番組でお待ちしております。


エリスさん「な、なんだよ、それ。

      いきなり、来るなって!


      あっ! 報告遅れましたが、

      ラジオ体操2年連続皆勤賞で、


      バイクのカスタムパーツ

      世界のフォンダ製 『ビンテージマフラーGTX 75´』と、


      長く座っても、お尻痛くなりにくい

      世界のヤーマッハ製 『天使のクッション・レザー製 マッハブラック』の、

      二つを町内会長さんから頂きました。


      マフラー取り付けた750ccのカスタムRXバイクは、

      毎日大切に磨いて眺めています。

      
      代わりに、ヤーマッハ製の同じ排気量の、

      新型バイクを買っちゃいましたですッ!!


      ん? 町内会のラジオ体操に参加し始めたのは、

      21才の頃かな・・・。


      あたし今、23才ですので。」


セバリオスさん「私も、サイドカー付きの大型バイクと、

        1200ccのアメリカンなBIGなバイクを買っちゃったよ。


        私が教習所卒業したら、エリスと一緒にツーリングしよう。」


エリスさん「だから、さっさと免許取れって。


      なんで、全知全能っぽいセバリオスが、

      バイクの免許一つ、取れないんだよっ!!


      (・・・そういえば、レオクスさんも、

       取れてないって言ってた気がする。


       やはり、ここはスルーしよう。)」



 エリスさーん、選択肢行っていいですかー?



エリスさん「あ、はい。


      お待たせしました・・・。」



 では、選択肢、行ってみましょう!



   ◇ 好きなのを、選んでネッ♪



     → ・ レオクス王子とお付き合いして、

         最高の王妃を目指す。



       ・ リッチなセバリオスさんと、

         二人で、愛のハネムーン + 玉の輿。



       ・ たわしの盛り合わせギフト、豪華一年分。




 一番と二番は、頑張ってみました!



エリスさん「・・・その、一番でお願いします。」



 エリスさんは、ちょっと照れているゾ。

 なかなかの選択肢だったと自負しているぞ。



 → おおっと、選択肢が無効化された!



 ・・・なかなかやりますな、セバリオスさん。



セバリオスさん「まだ、そういうの早いんじゃないの?

        エリスには。


        ためぞう君を立派な男前にするという、

        使命感みたいなものが、あるんじゃなかったの。」



エリスさん「えー、でも夢ぐらい、

      少しは見せろよぉ。」



セバリオスさん「なるほど。


        では、私からレオクス君に、

        エリスの想いを伝えておくとするよ。


        私は、サフィリアさんルートで頑張ってみる事にしよう。」



 セバリオスさんは、スマートフォンで、


 お菓子販売に美しい汗を流す、

 さわやかプリンス、レオクスさんにお電話です。



エリスさん「や、・・・やめろって。」


 エリスさんは、照れているゾッ!



> レオクスさん「はい、レオクスです!」



セバリオスさん <「お菓子販売、好調?

          後で、桜餅とか桜プリン、用意してもらっていいかな。


          だいたいの人数分決まったら、また連絡するね。」



> レオクスさん「はい! ありがとうございます。

         では、後ほど。」



セバリオスさん <「うん。

          またねー。」



 通話が終了しました。



エリスさん「おどかしてんじゃねーよ!

      そういう、フェイントはやめろって。」



セバリオスさん「エリスも食べない?


        レオクス君も、きっと来るよ。」



エリスさん「お、おう。

      ・・・あんがと。」



 敵なのか味方なのか、

 セバリオスさんはよく分からない人ですが、

 エリスさんの信頼は、とても厚いみたいですね。


 友情って、なんだか素敵ですね。



エリスさん「そ、そう、


      私とお前は結局、友人止まりなんだよ。」



セバリオスさん「エリスが私の傍にいてくれるのなら、

        それに勝る喜びなどない。


        これからもよろしく頼むぞ。」



 セバリオスさんの方が、どうやら一枚上手のようですね。


 困って照れた感じのエリスさんは、

 なかなかの可愛さですヨ。



エリスさん「誰だよ、今回のナレーションやってるヤツは!?」



 そんなエリスさんの視線の先に、

 アリス生徒会長さんと、

 お隣さんの、北条レイカさんがいました。


 可憐な乙女たちですが、強さがハンパなくラスボスしてます。



エリスさん「か、会長さんたちでしたか。


      ためぞうがいつもお世話になっております。」



アリス生徒会長「私、甘いものには目がありませんので。

        よかったら、ご一緒させて下さいね。」



となりの女子高生のレイカさん「エリスさん、お願いしますッ。」



 こうして、昼下がりの素敵なティータイムが、

 エリスさんの家で行われました。



エリスさん「あれ、ためぞう出ないの?」



セバリオスさん「ためぞう君の抜けた分は、

        私とレオクス君で、盛り上げてみせるよ。」



エリスさん「今回は、お前がワナなのかよッ!」



 ためぞう君は、まだまだ道や試練を、

 彷徨っているようですネ。



  ◇ 現在のためぞう君のデータ。



    ・ 第一話に、名前だけ呼ばれた。



    ・ それでも、LV93のスーパー冒険者。



    ・ ただの冒険は、日帰りで帰ってくる為、

      ゲームとかで冒険はしている。



    ・ 友人のホーネル君が、

      恋愛ゲームをやたら進めてくるので、


      うっかり脱線しないように、

      気を付けてはいる。


      好きな方なので、ハマると深い。



    ・ 今年こそ、きらめき生活を夢見るが、

      打率が一割と低迷中なので、(ヒットは、高確率でホームラン。)

      夢の方で見るかもしれない。



    ・ それなりに、規則正しい生活は出来ている方。




エリスさん「それでは、またですー。 ^-^」