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『ルフィアさん』

2017年03月08日 19時01分41秒 | -ためぞう の ぼうけん。- (仮)

   『ルフィアさん』


 セバリオスさんの紹介で、

 長崎ドラゴンタウンに住むことになった、

 ルフィアさん。

 来て間もないので、右も左も分からないといった感じです。


ルフィアさん
「お箸を握る方が、左で、

 お皿を持つ方が右っと。」


 ルフィアさんは、どうやらサウスポーみたいですね。

 今期、左腕のエースを欲しがっている球団スカウトマンには、

 良いアピールになったようです。


 という以前に、観光案内の地図の見かたや、

 東西南北すら分かっていらっしゃらないみたいですので、

 まるで、ポンと知らない町に放り出された迷子のようです。


 とはいえ、セバリオスさんの豪華5LDKの、

 リビング50畳、個人用温水対応プール、
 浴室3箇所にジャグジー付の、

 60F~以上の高さという眺望の、

 超一流のセレブ物件のプレゼントを丁重にお断りし、


 なんと所持金ゼロの状態で、

 この町で、一から始めたいという、

 今時関心なほどの、

 意気込みを見せたルフィアさんに、


 さすがにセバリオスさんも、彼女のその意気に感心し、

 現在の路頭に迷うという、

 なんとも不甲斐ない事態に至ったわけです・・・。


ルフィアさん
「・・・。

 (まだ、そう決め付けるのは、

  早いんじゃないかと思いますっ。)」


 町内は至るところに案内所や、駐在所、

 親切なおじさんやおばさんに、溢れてはいるのです。


 ですが、彼女が無意識の内に放っている、

 セレブ感漂う、無敵の美女オーラが、

 何とも一声かけにくい、独自の雰囲気を醸し出して、

 まさか、道に迷って困っているなんて、

 思いもよらない事でしょう。


 セリスさんに見立ててもらった春コーデを、

 モデルのように着こなし、

 歩く姿も、まるでファッションショーのランウェイ状態です。


 純白の生地に薄いピンクのアクセントが、

 まるで舞う桜を思わせる、品のあるトップスに、

 股下の長さで、さらに美しく魅せる、

 淡い白のレーススカート。


 そんな隙のない姿を見せられては、

 その類まれな容姿に吸い込まれるのを、

 何とか踏み止まるのが精一杯で、

 見惚れていた方が、また心地良かったりするのです。


 あの頃の伝説の美少女の、

 その君の想い出にふける(妄想ですが、)おじさんや、

 同様に、私だって若い時はと、

 過去の栄光が鮮明によみがえるように、

 想い出されるおばさんたちたち。(捏造されてますが・・・。)


 若者に至っては、あまりのその可憐さに、

 声をかける勇気すら持てない、

 まさに理想の先に望んだ美少女像が、

 なんとリアルに目の前を歩いているのです。


 ようは、その足跡に次々と花を咲かせるように、

 町内を意味も無く魅了している、ルフィアさんです。


 あの絶対的美少女のアリス会長さんや、

 聖クラウス学園に通う様々な美少女たちに、

 ある程度の耐性を付けられてはいるはずなのですが、


 最上級のサキュバス並みの強力な、サイクロン的吸引力で、

 この町の住人さんは、次々に魅了され続けています。


ルフィアさん
「(・・・セバリオスさんに、ああは言ったものの、

  あまりに考えが甘すぎました。 (>ω<)<クゥー!!」


 まったく迷子に見えない、黒髪の麗人ルフィアさんですが、

 知らないものを知る喜びの方が勝っているのか、

 その表情は、やさしく微笑んでいるようにも見えます。


 セバリオスさんは道案内などせず、

 あえて彼女に自由に、この町の自由さを、

 その肌と美しい町並みで楽しんでほしいと思い、


 困った時は、敏腕秘書のセリスさんに、

 それとなく支えるようにと、指示を出していたのです。


 ですが、セバリオスさんは結構天然ですので、

 まさか彼女が、案内板のその文字を読むことが出来ないなんてことを、

 想像すらしていませんでした。


エリスねーさん
「(えええっーーーー!?

 それマジですかーーーーッ!!)」


 ルフィアさんを影からコソコソ覗いてる、

 エリスねーさんです。


 ねーさんだけではありません、


 その他にも、アリス会長さんや、

 お隣の女子高生のレイカさんも、

 ねーさんのメリハリの効いたシルエットに、

 その身を隠すようにして、彼女の後を追っているのです。


アリス会長さん
「久しぶりに、ルフィアさんをお見かけましたが、

 何だか雰囲気があの頃より少し、柔らかくなったようにも感じます。


 とても頼りになる方ですので、

 私たちのチームの元へと、早く戻って来て欲しいとは思っていましたが、


 うかつに近づいて、勝負でも挑まれたら、

 ちょっと困ってしまいます、ネ。」


 そんな風に語った、金髪の絶世の美少女女子高生の、

 アリス会長さんのその表情は、

 まるでこの突発的なイベントを、

 新しいオモチャを与えられた、

 子供のように楽しむような、

 そんなワクワク感に満ちているようです。


 会長さんが手加減なしに、楽しくバトル出来る相手など、

 早々に見つかるものではないのです・・・。


 そんなアリス会長さんのキラメキに溢れた瞳を見て、

 もう一人の黒髪の美少女、となりの女子高生のレイカさんは、

 ちょっとおびえた様子を見せながら、

 スルッっといいとこ、エリスねーさんのその左手にすがり付くのです。


 アリス会長さんも、レイカさんも、

 何が起こっても、対処できるだけの力をこっそりお持ちなので、

 ガチで混乱するねーさんに、

 いい様に張り付いているといった感じです。


レイカさん
「わ、私、

 わけも分からず、あの方に、

 退治されちゃったりしてしまうのでしょうか。」


エリスねーさん
「い、いくら何でも、

 それはないと思うよ。


 ・・・。

 むしろ、私が気になっているのは、

 バッタリ、古蔵のヤツに会ったりしないかの方だよ。


 正直、気が気でならないけど、

 直球でその質問を聞く自信もないし、

 もし聞かれたら、どーしよーとか思うと、

 簡単に、近付けないんだよぉーーぅ。」


 この町に姿を現して早々、ルフィアさんは、

 その好奇心に溢れる中、自分が巻き起こしている、

 静かなる嵐のことなど、知り様もありません。


 空は晴れ渡り、春の訪れを告げるように、

 穏やかな日差しがその頬を優しく撫で、

 時折薫る潮風などを感じるだけで、

 心が豊かに満たされていきそうな、絶好の散歩日和です。


 ルフィアさんのこの町での親代わり? 的な存在の、

 セバリオスさんは、相変わらず何処かヌケていて、

 愛してやまない、エリスねーさんが、

 何気にピンチを迎えている事など露知らず、


 春の新作コーデのファッションモデルをやっている、

 エリナ先生の追っかけを、

 レオクスさんと一緒にやっている最中です。


 エリナ先生には、裏でこっそりとモデルの仕事を奪われ、

 その彼女の魅力に振り回され、

 以前の完璧さがびみょうな事になっている、

 セバリオスさんに、更に振り回されている、

 お人好しのエリスねーさんになります。


 その面倒見のいい性格が災いしてか、

 ますます混乱していく、エリスねーさんのその背後を、

 二人の麗しき女子高生たちが、

 ふと、にやけそうになりそうな表情を必至にこらえながら、

 付いて行ってるという状況です。


 ちなみに、セバリオスさんにルフィアさんの事を、

 一任されたセリスさんですが、

 実は、ちゃんとその依頼そのものは、

 完璧にこなしていたりします。


 ルフィアさんが無闇に繁華街などに近付けないように、

 先回りなどして、交通規制でブロックしたりと、

 その行き先を完全にコントロールし、

 権限の範囲内で、その様子を双眼鏡で楽しんでいます。


セリスさん
「さて、古蔵さん辺りでも、

 登場させてみましょうかーっ。

 ・・・うふふふふっ。」


 セリスさんがそう囁いたとたん、

 そのルフィアさんの進行方向に、まるで湧き出るかのように、

 宅配のバイトに励んでいる、

 爽やかなネコのマスクマン、古蔵さんが現れます!!


エリスねーさん
「い、いきなり現れやがったぞっ!

 ・・・や、やべえよぉ。」


アリス会長さん+レイカさん
「・・・。

 視覚遮断(隠れ身の術)をされているなんて、

 (浮かれるあまりに、

  面白くするのは、お互い、

  先を越されちゃいましたネ・・・。)」


 そして、唯一他の人たちとは違う雰囲気がする、

 古蔵さんのその背中に向かって、

 ルフィアさんは、少し恥じらいながらこう尋ねたのです・・・。


ルフィアさん
「あの・・・すいません。」、と。


 聞き覚えのある声に、大事な荷物を落とさないよう、

 ゆっくりと振り返る、古蔵さん。


 この時、二人の横を風で舞い散った花びらが、

 舞うように過ぎ去ったのです。


 古蔵さんが、その青い瞳を大きくして、

 何かを言おうとした時、

 その声が、どうしても出ない事に少し困ったような、

 仕草を見せたのです。


 真面目に答えてくれようとしている古蔵さんの言葉を、

 ルフィアさんは嬉しく想ったのか、微笑みながら待つのです。


 あの頃の君のその、

 あまりに鮮明で美しい姿に、

 古蔵さんは魅入られるように、景色がホワイトアウトして行きます・・・。


 絶対に忘れない、大切な時間。

 どんなに時が流れても、決して色褪せない、

 本物の想い・・・。


エリスねーさん
「やばいぞ、古蔵が、

 回想モードに突入しちゃうってーーっ!!」


アリス会長さん+レイカさん
「まあまあ、そう慌てずに、

 私たちは、その回想シーンを見守る事にしましょう。」


エリスねーさん
「な、なんで人の思い出なんて見れちゃうのっ!?」


 そうして、舞台は古蔵さんが、

 まだこの地に至る前の、その場所へと至るのです・・・。


エリスねーさん
「わ、私は見ないからねッ!!

 てか、古蔵の想いなんて、悲しくて見てらんねーよぉーーっ。」


 その美しい想い出の中には、

 孤高の覇王と、そんな彼の冷めそうな心を、

 穏やかに温かくしてくれる、

 一人の麗しき姫将軍の姿があったのでした・・・。



                       つづく。



エリスねーさん
「も、戻って来いっ!!

 ふ、古蔵ぉぉぉーーーッ!!!」

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