ロビン。

乗り物じゃないけど、土や機械の古いロータリーモア。
エンジンはロビンのEY28のところ、EY25-2Dに載せ換えられている。

2ha草刈りの作業中、スターターが噛まなくなった。
現場で見てみたら・・・。


スタータークラッチの噛み合うローターの中に、クラッチの部品が落ちている。
クラッチの爪を動かすカバーと、そのリターンスプリングだ。


スターターハウジングにも。
これはスタータークラッチの爪だ。


爪を動かすカバーを軸に固定している、Eクリップが飛んでいた。
爪を組みなおして、とりあえず、針金で軸から抜けないようにする。


2haもラストひと幅。


めでたく刈り終えた。
このあと草刈機を洗って、倉庫に戻る時、またスターターがバラけた。
明日ゆっくり直そう。


ということで翌日。
スターターの修理は、組みなおしてEクリップを入れるだけなので、なんてことはない。
ついでに、ポイントのメンテもしてやろう。
まずは、プラグを抜いておく。
これで、不用意な始動は完全に防げる。


スターターとクーリングシュラウドを外す。


汎用機は、たいがいフライホイールに羽根が付いていて、冷却ファンになっている。
このファンで風を起こし、クーリングシュラウドでシリンダに導き、シリンダに風を吹き付けているのだ。オートバイのように走らなくても冷却できる。強制空冷というシステムだ。
空冷のオートバイは走って走行風で冷却するが、もともとエンジンに風が当たりにくいスクーターなどでは、強制空冷のものもある。

で、そのフライホイールからクラッチのローターを外す。


フライホイールはごつい鋳物で、クランク軸にテーパーで嵌まっている。
外すには、フライホイールを回り止めしておいて、センターナットを緩める。


ローターにプーラーをかける。
バールはフライホイールの羽根に引っ掛けてフレームに当て、回り止めに使っている。
タイロッドエンドのテーパーと同様、かなり引っ張っても、プーラーだけではまず外れない。


なので、嵌め合い付近を一撃する。
これでガコンと外れる。
センターナットを残しておくと、不用意な脱落を防げるのだ。


フライホイールを外す。


フライホイールの内側には、4箇所に出っ張りがある。
指差している、赤く塗られた1箇所だけが、マグネットになっている。
オートバイのような発電機能はないので、点火専用のマグネットだ。


この機械を入手した当初、エンジンが掛からなかった。
自称エンジンいじりに自信のある奴らが手を挙げて、何人かかかっていろいろやったがダメで、俺に回ってきた。
調べてみたら、マグネットが割れて、破片が変なとこにくっついていた。ポイントもかすかに開くかどうか程度しか開いてなくて、マグネットを接着して、ポイントを調整したら普通に始動した。
もう20年近くなるが、まだくっついてるな。


せっかくシリンダーのこっち側が露出したから、たまった草屑をきれいにする。


ポイントは、この白いカバーの中にある。


カバーを外せばポイント登場。


カブのエンジンなんかと同じく、クランク軸のこのへんがカムになっている。


ポイントのカバーの裏には、フェルト片が仕込んである。
カバーをかけた時にフェルトがカムに接触するので、このフェルトにオイルを染ませると、カムを潤滑できるのだ。


ポイントメンテに必要なタイミングマーク。
フライホイール側は、外周に刻みがある。


ケース側には、下のほうに「D」とマークされ、時計回りの矢印がある。


上のほうには「B」とマークされ、反時計回りの矢印がある。


スターターを見ればわかるとおり、このエンジンはこっちから見て時計回り。
なので、「D」のほうにフライホイールを合わせればOK。


ポイントフェイスはキレイだった。


ポイントギャップはかなり詰まっていた。
正規の値はマニュアルがなくてわからないので、よく「名刺の厚さ」などといわれるが、0.5ミリの針金をゲージにして調整する。


カバー裏のフェルトは、洗って乾かしてから、エンジンオイルを染み込ませる。


カバーを復旧して、テーパー部を脱脂。
あとは組むだけだ。
ま、古いカブとかウチのゴリラなんかと、何ら変わりないな。
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