老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

帰る家がある

2020-10-04 05:52:30 | 老い楽の詩

帰宅途中 夕焼け空


1703 帰る家がある


陸奥の秋は
彼岸が過ぎ 夕暮れ時になると
「七つの子」のメロディーが流れ
烏は子が待つ巣に帰る

待つ人がいなく帰る家は
寂しく空気がこもるけれど
仏壇に向かい「ただいま」と言葉をかける

帰る家があるのは
小さな幸せ

帰る家があるから
往復切符をポケットに入れ
旅に出れる

死の旅は
片道切符であり
家には帰れないが
土に帰り眠れる





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