老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

いずれは 誰もが老人になるのだろう

2020-08-24 04:31:20 | 老い楽の詩
1643 いずれは 誰もが老人になるのだろう

健康な老人は
よぼよぼ歩いて老人を
どう見ているのだろうか

よぼよぼ歩いている老人は
車いすに乗っている老人を
どう見ているのだろうか

車いすに乗っている老人は
介護ベッドでねたきりでいる老人を
どう見ているのだろうか

定年になり公園のベンチで時間をつぶす
行き先のない男は
ひなたぼっこをしている老人を
どう見ているのだろうか        

いずれは誰もが
老人になるのだろう
それなのに
老人が増えて困ったと騒ぐのは
介護を知らない政治家たち

通りすがり的に老人ホームを
ただ視察するのではなく
政治家たちも紙ぱんつをはき
一泊二日 介護ベッドの上で(紙ぱんつの中に)オシッコをするがいい
そうすれば
寝たきり老人の気持ちが少しはわかるだろう

財布がない いくら探し回ってもない
コロナウイルス感染よりも
いまいちばん気になっているのは
財布がないことだ

財布が見つからないときは
「嫁が盗った!」、と
誰かのせいにしないと落ち着かない
認知症老人がここにいる

いまは 財布がないことも忘れ
ご飯を食べている
ご飯を食べ終わり
三分もしないうちに「ご飯たべていない」、と
話す認知症老人がここにいる

天井と壁を見ているだけのベッド生活であっても
おむつを取り換えてくれたときの解放感と
ねたままで入るお風呂は極楽湯の気分は最高さ
朽ちた古い家で寝ていても
生活の音や雨音や風を感じるときがいい

いずれは誰もが
老人になるのだろう


 

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