老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

905;石のぬくもり ②

2018-08-24 12:05:53 | 老いの光影 第3章
 石のぬくもり ②

介護ベッドの上で
寝返りすることもできず
ジッと天井を見つめたまま

長い一日を過ごす苦痛
屈伸することもできず
両手両足は「く」の字に拘縮したまま

硬くなってしまった老人の体は
石のように冷たい

辛夷(こぶし)の如く
握りしめた指をひと指ひと指解し
空に向って開いた手を握り返す
微かにぬくもりが伝わりはじめてくる


路傍の石はジッとしたまま
何処へも行くことができず
地べたにへばりついたまま

石の表面は
青空を見つめ
太陽に照らされ
ぬくもりの石になる

石の裏面は地べたに引っ付き
冷たいが
表面からやさしいぬくもりが
じわっとつたわり
ぬくもりの石になる


再掲

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2 コメント

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ごめんなさい・・ (Ray)
2018-08-26 12:27:50
星光輝さま☆こんにちは☆
8月も、末になってきました。

今日は日曜日♪
元気ちゃんのうれしそうな顔が目に浮かびます♪
私も、今日は、お休みです♪


…ごめんなさい・・申し訳ありません。

このお話を読ませていただいたとき、
すぐに。。おもいうかんだのは・・

墓石

だったんです。


昭和の時代だったでしょうか?

当時のおじいちゃま、おばあちゃまたちが、
マンション暮らしについて

  石の家に入るのは、お墓に入ってからで十分だ

…と、お話されていることを、新聞か何かで、読みました。


今は、一軒家の住まいだと、一人暮らしが不安だからと、
そのおうち(一軒家) を、売って、
マンションに引越しをされるご年配の方々が多いと、聞きます。

地震などの災害時も、マンションだと、すぐお隣りに、人々の暮らしがあって
少しは・・安心らしい、とも、聞きました。


8月。

お盆のときのお墓参り。

おもいっきり、熱くなっている「石」 に触れるとき。

石のふしぎをおもいます。


子どものころ、大きな石を持ち上げると
そこに・・

小さな虫たちが、じっとしているのを見つけることがありました。


それから・・

温石


平安時代などでしたでしょうか?


冬の夜

あたためた石といっしょに、お布団に入って、
冷たく寒い夜、暖をとる・・


星光輝さまのお話から、
「石」 の、いろいろを、おもいました。


山の上

川の上流の大きな石たちは
川で流れてゆくうちに、ころがりながら、削られて
丸くなりながら。。小さくなってゆく・・


いのちって、削られるものなのでしょうか・・?


星光輝さまが、毎日、目にしていらっしゃることは、
そんな。。きれいごとではないって。。


私は、自分の父と、ダンナの母を亡くしてみて、考えました。


だから・・

星光輝さまは、真に強いおかただと、
以前より、もっと、そう、感じるようになりました。


とりとめもない話を。。ここまでお読みいただいて・・

申し訳ありません・・


そして☆

ありがとうございます。

Ray
返信する
イメージは人それぞれ (星光輝)
2018-08-27 06:58:38
Ray sama

「ごめんなさい」の言葉は
気にしなくて大丈夫です。

石に対するイメージは
人それぞれ、様々です

墓石

なるほどなあ~と思いました
墓石
先祖につながる処でもあり
報告や誓いをする処でもある

川の石もそうですね
下流に行くほど
角がとれ丸みを帯びる

映画や小説で
見たり読んだりした
いしぶみ

昔言葉がない時代は
石の大きさや形で
ことばを交わした

いのちを削る

ハッとしました
いのちを削るように
生きているのかどうか
反省せねばならない

生命を削りながら生きている人もいる
そうですよね

ありがとうございます。
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