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老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

912;うつむく後姿

2018-08-28 19:04:29 | 老いの光影 第3章
 うつむく後姿

長男夫婦は
老いた母親が寝たきりになったら旅行に行けなくなる、
ということで

飛行機で
2泊3日の北海道旅行に出かけた。

その間
91才の清子婆さんは
特別養護老人ホームに併設されている
ショートステイで生活することになった。

寝たきりから歩けるようになった婆さん

今日火曜日から木曜日まで利用する(2泊3日)

どんな顔をしているのかな
知らない処に一人で泊まる不安や気兼ね

午後のおやつ後に面会に行った

彼女も食堂のテーブルに向かい坐っていた。
会話ができる老人は誰もいなかった。

テーブルの周りに坐っている七人の老人は
誰もがテーブル板をみているのかどうかわからないけれど
うつむいたまま無言に坐っていた。

テーブルの周辺には介護員の姿はなく
ただ下をむいていた老人がいるだけ

清子婆さんは耐えられなかった


彼女は、私に話す
「泊まり(ショートステイ)は、今回限りで終わり、もうここには来ない」
「何にもせずにただ座るだけでは耐えられない」
「ずっと下をむいたままでいると、こころが閉ざされるようだ」





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