平太郎独白録

国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し、独自の歴史観で語ります。

無神論者の日本人とイスラム教徒との7通の手紙。

2006年10月17日 | 思想・哲学
親愛なるアッティクスへ

実は、私には、ネット上で知り合った後輩の日本人女性にイスラム教徒の方がいらっしゃるのですが、先日、「今、断食中だから、も飲めない。」と言われるのを聞いて、私、大変、驚きました。
夏場などは、日射病にならないように、きちんと水分を補給しなさい・・・ということを聞いていたからです。
実際、坂上次さんは、日頃から、あまり、水分取らない人だったから、脳梗塞で倒れたと聞きました。

でも、断食というのは、たまには良いらしいですね。
内蔵を休めるという意味で。
まあ、確かに、人間の体は、本来、四六時中、食い物にありつけるという前提にはなっていないわけですから、それも有りかなとは思います。
ただ、良く聞くと、断食って言っても、昼間だけの、正味、半日だけだそうで、まあ、それなら、納得できたのですが、それでも、上述したような理由から、「水だけは飲んだほうがいいのでは・・・。もともと、砂漠の中で生まれた宗教だから、日本のように、水が普通にある・・・という前提じゃないんでしょうから」と申し上げた所、他のマレーシア人イスラム教徒の方から、「そんなこと言わないでください。そうじゃないですから…」というコメントをいただきました。

私としては、両者の環境の違いを言いたかっただけなので、先週末に、「はあ・・・。メッカって砂漠じゃないんですか??行ったことないけど。 でも、中国ヨーロッパなどに来ると、不思議と普及しない宗教ですよね。スペインでも根付かなかったし。 何か、そういう気候的な物があるのかな・・・と思ってました。 あ、他意はないですよ。どうでもいいことですので。」という返事を返しいていたのですが、その後、月曜なってPCを開いてみると、以下のようなメッセージが来てました。
以下、私と彼のやりとりを開陳させて頂きます。

> メッカって確かに砂漠だねぇ~。僕だって行ったこと無いけど…
>でもさー、イスラムって砂漠の国でしかできない宗教じゃないと思うよ~。っていうか、砂漠とイスラムは関係ないと思う。たまたま、イスラムが発祥した地が砂漠だっただけで、砂漠だからイスラムが発祥したわけじゃない。まあ~、イスラムを知らない日本人には理解できないかもね~。残念だけど。でもさー、日本国外に行ったらさ、どこに行ってもさーイスラム教徒はいるじゃない?中国にも多くのイスラム教徒がいるって知ってた?実際には、ヨーロッパにも、たくさん
のイスラム教徒はいるんだよぉ。そういうイメージはないと思うけどね。
> へえ~、断食ってそういうとらえ方されてるんだぁ~。不思議だね~。なんで断食で教徒を死なせようとする宗教をたくさんの人々が信じてイスラム教徒になるわけ?
> なんで砂漠のある場所で断食している人たちは死なないのに、日本のような環境のいいところで断食して死ぬわけ?
> ねね~知ってる?大昔にイスラム教徒はこの地球の3分の1以上征服したって…それよりさ、ずっとその前にも断食中でも戦いに勝ったって知らないよね?
>
> 結論を言うと、断食というものは私たちを弱くするものではなくて、逆に精神的な面で強くする効果がある。それは歴史的な事実からわかる。
>
> それでも、現在のムスリム達はそんなふうになかなかできないが、断食の本当の意味を理解して、それぞれのベストを尽くしてる。
------------------------------

・・・と。
この段階で、はっきり言って、私は「???」でした。
まず、砂漠が不浄の物だという意識はないですし、断食を野蛮な物だとも言ってないからです。
水だけは飲んだ方が良いのでは?と言っただけで、なんで、「断食で教徒を死なせようとする宗教」になるのか???
それに、中国にもヨーロッパにもイスラム教徒がいるのはもちろん、知ってますが(中国では、東トルキスタン弾圧されてることも知ってます。)、でも、それって、不思議と内陸部が多いし、それに、グローバル化によって、人々が移住しただけの話で、イスラム教徒だけが世界中に広まったわけじゃないわけで・・・。

ただ、本当は、私は、一度、イスラム教徒の人と、本音の所を話をしてみたかったのですが、相手の日本語能力に疑問を持ちましたので、それは諦め、以下のように返信しました。
------------------------------
遅くなりました。

実は、私、以前から、貴方のような人たちと話をしてみたかったので、喜んで、拝見したのですが、正直、がっかりしました。
私は、英語がまったくできません。
従って、日本語で話すしかないのですが、貴方の日本語力は、正直、ちょっと、誤解を与えそうで、怖いのでやめます。

ただ、私は砂漠を悪い物だとはとらえておりません。
砂漠の中で生まれたから、下品な物で、海の中で生まれたから、高級な物だ・・・とはどこにも書いてませんよ。

断食についてもそうです。
・・・って、やはり、これ以上はやめます。
誤解を招くのが怖いので。
誰か、日本語がもう少し、わかる人に見てもらって下さい。

・・・わかりますかね?
------------------------------
・・・と。
以下は、それに対する向こうからの返事です。
------------------------------
> メール拝見しました。
>
> あなたの言っていることは理解できなくもありませんが、正直言って、あなたの日記のコメントは多くのムスリムをいやな気分にさせるものだったと思います。
> 僕の日本語が誤解を招くとおっしゃいましたが、僕にしてみればあなたの日本語も十分誤解を招くと思います。
>
> なぜなら、僕以外にもあの日記のコメントを読んで、嫌な気分になった人たちがいるからです。あなたは知らないと思いますが…ほかにも、あのコメントを読んだムスリムがいます。でも、あの場で討論しても、あまり意味がないと思ったのであえてコメントは控えているのだと思います。
> イスラムを知らない人には、理解できないことがあって当然だと思いますが、あなたが書いたようなことは多くのムスリムに不快感をあたえ、誤解されるものだと僕は判断しました。
>
> 僕は、あなたにイスラムについて語るつもりはありません。
> しかし、ああいうコメントはムスリムに誤解されるということをお伝えしたかったのです。
>
------------------------------
・・・私に言わせれば、誤解も何も、何だか、私がイスラム教徒の国に行っているかのような気がしてきました。
で、返信です。
------------------------------

了解しました。

では、少し語りましょう。
私は、当然ながら、イスラム教の教義であるとか、そういうものはしりませんし、興味もありません。
従って、そういうものを話すつもりもありませんし、言われてもわかりません。

で、まず、これは私も含めて、日本人の多くがそうだと思うのですが、イスラム教というのは仏教キリスト教ほどには、身近な宗教ではないということですね。
従って、「砂漠」・・・云々が、あなた方を不愉快にさせるとは考えたこともありませんでした。
ただ、こういう宗教に関する議論は、他の日本の新興宗教などでもそうですが、とかく、感情論になりがちです。
あなたをみてると、「ああ、こうやって、宗教戦争というのはうまれていくんだな」ということを実感します。

とかく、宗教のことになったら、あなたのような対応になりがちなんですが、もっと、冷静に話せませんか?
相手は、イスラム教のことを何もしらない人間なんですよ。
何も知らない人間に対し、神を侮辱した!とかいうから、戦争になるんです。
まず、何が自分たちにとっては一番大事なことなのか?を説明し、それでも、相手が無視するようなら、その段階で抗議するならわかります。
しかし、何の説明もしないで、いきなり、砂漠と言われたから、不愉快な思いをしたといわれても困ります。
あなた方は、今、他人の国に居るんですよ。

砂漠についても然り。
>断食で教徒を死なせようとする宗教

こんなこと、どこでも言ってません。
呆れて物が言えません。

私は、はっきりいって、イスラムの歴史にも、それなりに詳しいつもりですし、評価もしていました。
また、一般の日本人のように、イスラム教徒=テロリストなんていう、短絡的な考えは持っていませんでしたが、はっきり言って、これで、あなた方イスラム教徒が嫌いになりました。

いいですか。
あなた方は、他人の国に来ているのです。
私が、あなた方の国に行っているわけではありません。
これ以上、貴方と不毛な議論をするつもりはありませんので、もう、メールは送ってこないで下さい。
無意味だとわかりましたから。

最後に、以前から、あなた方、イスラム教徒の人と、一度、ゆっくり話したいことがありました。
今の貴方を見ていると、到底、理解出来ないとは思いますが、もう、お話しすることはないので、ここで言わせてもらいます。

海外で宗教が基で紛争が起きるたび、私は日本人として思うことがあります。
それが、日本のことわざ、「郷に入れば郷に従え」です。
郷というのはという意味です。
つまり、よその村に行ったら、その村の習慣に従えという意味です。
日本人の移民は、アメリカなどへ行くと、アメリカ人になる。
だから、邪魔にならないといわれる。
それに対し、ユダヤ人中国人、韓国人などは、あくまで、自分たちの風習、習慣を押し通そうとする。
それじゃあ、当然、紛争が起きるでしょう。
いいですか。
あなた方は、外国に行ったら、今回のように、「貴様の発言はイスラムを侮辱した!」などと上から言うのではなく、「少しでも理解してもらえませんか?」と下から言わなければならないのです。
宗教云々以前に、習慣風習も違う外国人同士コミュニケーションをとるのに必要最低限のことです。
------------------------------

で、「貴方は私を非常識だと言われるが、では、私は日本人として、それほど、非常識な部類なのか、私のブログで貴方と私の会話をそのまま、掲載して、他の人の意見を問うてみたいと思います。 」と・・・。
繰り返しますが、私はイスラム教のことを侮辱したつもりも、軽蔑したつもりもありません。
それなのに、この会話のズレです。
彼らが、特に、9.11以来、日本社会で様々な偏見にあってきたという背景があったのかもしれません。
それでも、イスラム教のような、あれほど、しっかりした教義伝統をもった宗教でも、結局の所、日本の新興宗教と何ら変わりないんだな・・・ということを実感したというのが、私の結論でした。

よろしければ、クリックお願いします。→ 人気blogランキング