平太郎独白録

国際問題からスポーツまで、世の出来事に対し、独自の歴史観で語ります。

北朝鮮に対する安倍総理の危うさと中国の深謀遠慮!

2006年10月13日 | 国際問題
親愛なるアッティクスへ

先日、北朝鮮が、ついに核実験に踏み切ったことで、遂に、中国も北朝鮮に対する制裁を容認する姿勢を打ち出したようですね・・・。
日本は、特に安倍総理になってから、強硬姿勢で臨んでおり、今回の核実験についても、麻生外相が、「まず、確認してから」と言っているのに、確認無くても「更なる経済制裁」を表明したと聞き及んでおります。

で、その追加制裁ですが、「北朝鮮高官の海外渡航禁止、北朝鮮船舶の入港禁止、北朝鮮産品の輸入禁止を加え、また、大量破壊兵器、ミサイル開発関連物資の移転を目的にした北朝鮮当局者の入国禁止も追加した」ものだそうですが、私は、このニュースを聞いて、思わず、昭和16年(1941年)のアメリカによる、在アメリカ日本資産の凍結対日石油禁輸措置連想してしまいました。
(事実上の宣戦布告とまで言われた「ハル・ノート」の一歩前のやつです。)
で、問題は、その後、日本は、「その圧力に対し、軟化したのか?」ということです・・・。
軟化どころか、逆に、日本国内、特に軍部では、「ジリ貧」論が勢いを得、結果的に、その後の交渉を難しくして太平洋戦争に繋がったわけですよね。

北朝鮮も、「この制裁案が通れば、宣戦布告だと受け止める」という声明を発表していることを考え合わせれば、私には、今の安倍政権の安易強気の姿勢、それから、それを支持する世論というものには、非常に危うさを感じます。
拉致被害者家族会の方たちは、それら経済制裁を「歓迎」していると言いますが、もし、北朝鮮が日本攻撃に踏み切り、それにより、多くの人が死ぬようなことになれば、家族会の人たちは、「そもそも、あいつらが・・・」ということになり、一身に日本国民の恨みを集めることにもなりかねないように思うのですが、そこら辺まで覚悟しての「歓迎」なのでしょうか・・・。

私はこの問題に対しては、以前から、平太郎独白録 「アジアには王様が必要」の中で、「北朝鮮に対しても、今、安易に経済制裁を叫ぶ人が増えてますが、彼らがいなくなることは、その地域にとっては、とてつもない真空状態を招く事につながり、それは混乱、混迷、大変危険な事になる。拉致の問題にしても、不誠実でも交渉相手がいる交渉と、交渉相手さえいない状況ではどちらがいいのでしょうか?」と述べておりますとおりで、この相手は、あまり、必要以上に追い込むべきではないという考えをもっております。

さらに、北朝鮮が崩壊した後、韓国の経済力で、西ドイツのように吸収出来るのか?という点も、日本政府はどう考えているのでしょうか?
もし、韓国が統一に二の足を踏むようなら、私は中国が北朝鮮を併合する可能性もあると思っています。
思えば、先般、まだ、記憶に新しいところで、中国政府は、唐突に、「朝鮮半島の古代王朝、高句麗は朝鮮半島の王朝ではなく、中国の地方王朝の一つであった」と主張し、論争を巻き起こしましたよね。
高句麗とは、言うまでもなく、有名な「新羅・百済」と並んで、古代朝鮮半島に盤踞した王朝ですが、その版図は、ほぼ、今の北朝鮮部分に相当すると思って良いと思います。
もし、そうだとすれば、これって、中国が尖閣諸島領有を主張し始めたときと同じなんじゃないですか?
そんなバカな!と仰るかも知れませんが、この点は、以前、平太郎独白録 「東洋史と西洋史にみる戦争目的の異質さ。」で述べたことなのですが、中国という国は、欧米と違い、利権ではなく、領土を欲する国であり、であれば、十分に考えられることだと思います。

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