HAZAMAN'S WORLD WEBLOG

自分が描く絵のことや、日々の暮らしの中でふと気付いたことなど・・・・

絵というのは何がなんだか・・・

2005年11月15日 | Weblog
よく分からないです。
のっけからこんなことですいません。

自作のカレンダー作りもなんとなく先が見えてきたかなと思う今日この頃。絵が12枚できたところで、家族やら知り合いなんかに見せてみたのですが、意外と反応が悪いんです。

まず色々過去の作品も混ぜてと思い、3点ほど去年のもので今と描き方が違うものを混ぜておいたら、まずその時点で「なんか変」とストレートな意見が・・・。自分でも薄々「もしかしたら・・・」なんて思っていた辺りのことなんでかなり赤面です。

それから、見てくれた人達の年齢や趣味思考、生活振りなんてものも反映されてくると思うのですが、その時々の季節に応じた絵柄が入っていないと、ぴんと来ない人が多いんですね。

多分ぼくがとんでもないぐらいの巨匠だったら、みんな何を出しても有難がってくれるでしょうが、いかんせん無名なもんでそうは行きません。それでまた少し何枚か描き直している最中ですが、このスタンスって言うのは、職人的ですね。買ってくれると言っている人達の希望を、ぼくにできる限りでかなえていく。

やっていると気付いたのですが、これは決して自分を押し殺してやっているわけではないんです。もちろんいわゆる「自分全開120%」みたいなことでもありえません。

最初は自分全開みたいな感じでやっていたのが、人の声を聞くうちにちょっとづつ修正されてよそ行きの顔になってきた、そんな感じに捉えています。多分このあり方は、いわゆる画家ではなく、イラストレーターに近いものなんだろうなって思うんですね。もちろん、今回描いている絵は自分にとってはいわゆる「作品」とは思っていません。ちょっと違うんです。

100%自分のやりたい放題ではなくって、人の好みに合わせながら、そこにいかに自分のセンスやメッセージを織り込んでいくのか。それが今回の楽しみなんですね。

でも、考えたら、昔の画家なんてみんなそうですよね。パトロンの好みに合わせながら、そこに自分の意思を込めていく。ルネサンス期辺りのイタリア絵画など見ているとそんなのばっかりだし、むしろそれが長く当然だった。

誰にも頼まれていないのに、作家自らの個人的意思に従って描く。これは18世紀にヨーロッパで起こったいわゆる「ロマン派」から始まったのあり方ですよね。まだ300年も経験していないんですね。

今の日本はやっぱりアートには???な感じが大勢でしょうから、やはり絵を描くことや見ること、受け入れることといった様々な関係は、どこかいびつなのかもしれないなという気がするのです。

それにとても素朴な意見ですが、あんなの描いてという人に、まぁどうにかそれらしく描き上げた物を見せてあげたときの嬉しそうな顔は、こっちが嬉しくもなります。

絵画だイラストだといって、本当はできそうにない線引きをぼく達は色々試みるわけですが、この勝負どこで決着が付くやら、いつまでも「絵って分からねぇ」と言ってそうな気もします。

さて今日の一枚は「後ろの正面だあれ」です。ブタを描いたのも初めてなら、それをいきなり後姿からというのもなかなかです。個人的には気に入っています。