林興産日記|別府・大分の不動産のことなら林興産へ|株式会社 林興産不動産情報センター

当社は別府・大分を中心とした不動産の賃貸・売買・収益物件を取り扱っております。こちらは当社社員のブログになります。

将棋界初の国民栄誉賞

2018年01月29日 08時00分00秒 | Weblog
ついに将棋の羽生竜王が国民栄誉賞を受賞することが決定致しました。
授与式は来月の2月13日に行われるようです。
受賞理由としては
「将棋界を牽引する棋士の第一人者として、
1996年に初めて七冠を同時に制覇するなど比類なき功績を重ね、
将棋界初の永世七冠という歴史に刻まれる偉業を達成、
多くの国民に夢と感動を、社会に明るい希望と勇気を与えることに
顕著な業績があった」との事です。



私としてはうれしい限りなのですが、今回の受賞は囲碁界でも
井山裕太7冠が二度目の7冠達成(国民栄誉賞同時受賞)と、
なんといっても藤井聡太4段が史上最年少棋士記録更新と
前人未到のデビュー以来の29連勝を達成し大いに将棋界・囲碁界が
日本中の注目を浴びた結果ではないかと思います。
単に羽生竜王が永生七冠を達成しただけではこの受賞はなかったかもしれません。
藤井聡太4段の強力なアシストの結果と言えるでしょう。

それにしても藤井聡太4段は様々なインタビューや会見での
コメントがとても中学生とは思えないですね。
ちょっと以下に名言をピックアップしてみました。

“プロ棋士になって”
「名人もプロになったからには目指すべきものですし、
強くならないと見えない景色があると
思いますので、そこに立てるように頑張りたいです」

“将棋について”
「将棋を指すために生まれてきたかはわからないですけど、
将棋に巡り合えたのは運命だったのかなと思いますし
将棋を突き詰めていくこと、強くなることが使命・・・使命までいくかわからないですけど、
自分のすべきことだと思います。」
「もっと将棋に興味を持っていただければ、私も冥利につきるかという感じです」

“AI将棋について”
「いまのソフトは強化学習によって人間とは違う価値観があり、
感覚が進歩してきたというか高まってきたように感じます。
序中盤は人間からすると茫洋としていてなかなか捉えづらいですけど、
コンピューターは評価価値という具体的な数値が出るので、
活用して参考にすることでより正確な形勢判断を行えるようになると思います。」
“11連勝して”
実力からすると、望外の結果

“20連勝して”
僥倖(ぎょうこう)としか言いようがない

“29連勝して”
「今は勝敗が偏っている時期で、いずれ『平均への回帰』が起こるのではないかと思っています。」


インタビューでは常に落ち着いて、丁寧に答えていた印象でした。
それにしてもこの語彙の多さ、表現力はとても中学3年生とは思えませんね。
「茫洋」「望外」「僥倖」って日常生活で使ったことあります?


それでは最後に羽生永世7冠の言葉をご紹介しましょう。
これは19歳で自身初のタイトル戦(竜王戦)の挑戦者になっての抱負が
新聞に掲載されたものです。
ちょっと長いですが是非お読みください。


初段で棋士となる囲碁界と違って、将棋界では四段になって初めて一人前の棋士扱いをされる。
大相撲で言えば無給の幕下から十両に昇進したようなもので、その喜びは大きい。
私の場合は昭和60年12月が棋士生活のスタートであった。以来、これといったスランプもなく
まずは順調にやってこれただけに、現状に満足する気分にならぬように絶えず自戒している。
勝負の世界では「これでよし」とする消極的姿勢になるのが一番怖い。
常に前進を目指さぬかぎり、そこでストップし、ついには後退が始まるからである。
私は間もなく満19歳を迎えるが、今から二、三年が棋士として最も大切な
「基礎」固めの期間と自覚している。
将棋の力も体力と同じでその基礎は二十代初期までにほぼ固まるもの。
それ以降も努力と精進で、いわゆる将棋の「芸」は向上するとしても、基礎的な力の養成にはならないからである。
(中略)
6歳で将棋を覚え、小学生のころにプロの棋界の存在を意識した私は早熟と言われた。
しかし、将来は六歳以下の幼児たちが、どんどん将棋を指すということになるかもしれない。
そうなれば競争はより激しくなり、それにつれて将棋の戦法的進歩のテンポも加速される。
その結果、現在の将棋は十年後には全く通用しないということになりかねない。
そうした将棋の進歩に取り残されないためにも油断は禁物、絶えず前向きな勉強が必要になる。
その場合も、ある時期集中して研究し、しばらく休む方式より、毎日コツコツと勉強するほうが
”新しい流れ”についていく為には向いていると思う。

(中略)
棋士になった以上、だれもタイトルは欲しいし、名人位は最大の目標と言える。
私自身も奨励会に入った時、ちょうど谷川先生が初めて名人になり、その晴れ姿に
”いつか自分も”と胸を躍らせたのを覚えている。
ただ、名人やタイトルは、努力と実力の産物であって、いくらあせっても仕方ない。
これまで二度、タイトル挑戦の好機を逃したが、そのときも”ツキをためていつか爆発させれば”
ぐらいの心境でいた。
幸い今回、竜王戦の挑戦者になったので全力をあげて戦いたい。

平成元年九月二十一日 日経新聞夕刊「十九歳の挑戦」より


皆さん、自分の19歳の頃と比べていかがでしょうか?
私にはこの達観したかのような文章がとても未成年のものとは思えず、感動しました。
事を成す人物は若年の頃から違いますね。

これから羽生伝説は始まりました。




最後までお読み頂き有難うございました。

別府店  カマフチ