前回は羽生善治の強さや凄さを書きましたが、今回は将棋プロ棋士の事を書いてみたいと思います。
最初にお金の話ですが、プロ棋士の収入としては、対局料・各タイトルの賞金・講演会・指導料・本の出版等
などが挙げられます。
(現在タイトル戦で一番の賞金額は「竜王戦」で3200万円です。)
羽生は現在43歳ですが、中学3年でプロ棋士となり(史上3人目)、19歳で初タイトルを獲得
(当時最年少記録)、26歳で七冠達成(史上初)し、現在も将棋界の頂点に立ち続けています。
そんな羽生で、七冠達成前くらいから年収は大体1億円といわれています。20年間くらい1億円です!!!
どこの世界でもトップに立てば、超高給取りになれるものです。
私も、この年収を聞いて当時小学生だった長男に将棋盤と駒を買い与えましたが、
TVゲームばっかりやって全く興味を持たず、がっかりした思い出があります。
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ちなみに、羽生が将棋を覚えたきっかけは小学一年生のときに同級生から教わったそうで、
両親は普通のサラリーマン家庭だったようです。
しかし、羽生のような年収は特別で約160人のプロ棋士の平均年収は1000万円程度と言われています。
それもある程度勝たなければ、引退させられる厳しい世界です。
その厳しい世界のプロ棋士にはどのようにすればなれるのか。
それは「奨励会」という、プロ棋士養成機関に入会し、七級から三段まで各リーグ戦を戦い最終的に
勝ち上がり、四段になればプロ棋士となれます。
「奨励会」には全国から腕自慢の小中学生たちが集まり、過酷なリーグ戦を戦い抜き、
その中でプロ棋士になれるのは、半年に二人だけです。さらに年齢制限があり26歳までに
四段にならなければ退会させられてしまいます。
ここらあたりの事情については「奨励会」の世界を描いたノンフィクション小説「将棋の子」
を読んで頂ければわかると思います。
この本の裏表紙には、こう書かれています。
「奨励会」・・・そこは将棋の天才少年たちがプロ棋士を目指して、しのぎを削る”トラの穴”だ。
しかし大多数はわずか一手の差で、青春のすべてをかけた夢が叶わず退会してゆく。
途方もない挫折の先に待ち構えている厳しく非情な生活を、優しく暖かく見守る感動の一冊
このほかに将棋界最高峰A級に在籍したまま29歳の若さで亡くなった村山聖九段(追贈)の師匠と弟子の物語
「聖の青春」などもお勧めの本です。間違いなく泣けます。
この2冊の本の著者、大崎善生は将棋専門誌「将棋世界」の元編集長で、このほかにエッセイを書いたり、
恋愛小説も書いています。「パイロットフィッシュ」やその続編ともいえる「アジアンタムブルー」もいいです。
「アジアンタムブルー」は阿部寛と松下奈緒で映画化もされています。
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最後に、羽生語録から・・・
王道、本筋を行くことが非常に大事なのだ。
楽観はしない。ましてや悲観もしない。
ひたすら平常心で。
最後までお読みいただき有難うございました。
別府店 カマフチ