京都には何回か行ったことがあって
「るるぶ」だの「じゃらん」だのの観光本に
掲載されている寺社のほとんどに、行くだけは行ってしまい、
観光本の視点に飽きて、
何か楽しい巡り方がないもんかと考えあぐねていたら、
ふと、百人一首を主題にお寺周りしてみたら面白いんじゃね?と思いつき実行してみた第1弾。
(前振りが長い)
当たり前だが行く前に「天智天皇」でググって下調べ。
知らなかったことを次々と知る幸せ。
いや、世間の人は知っているような当たり前のことばかりなんだろうけど。。
PCの画面に出てくる史実をかじり
鉄ちゃんよろしく何線に乗って何駅で降りて…と
今まで、行き当たりばったりで京都に行っていたことを考えると
真逆のことをやっているわけだから疲れるねぇ。
慣れないことは続かない。
だんだん下調べするのが面倒になってきて、行き当たりばったりでいいやんか、と思うようになってくる。
そもそも、百人一首の第1首目の「秋の田の~」、これ、そもそも、天智天皇作品じゃないらしい。
長い歴史の中で、いつのまにやら、天智天皇の作とされたっていうのが濃厚だそうで。
でもねえ。
百人一首好きだし。
たぶん、今でも半分くらいは覚えてるんじゃないのかなあ。
行ってみたかった天地天皇陵。
この天皇のお墓があるから、御陵という地名だとは知らなかった。
それはどうも京都検定の初級に出るような一般常識らしい。
京都から湖西線に乗って一駅だったかふた駅だったか、山科駅で下車。
ググってみると、山科駅から、旧東海道を歩いて、天智天皇陵まで行くらしい。
途中、愛宕常夜灯だとか五条分かれ道のような、小さな史跡もあって妙に楽しかった。
朝9時頃だったせいか、人通りはまばらだったが、
道を通る車が結構スピードを出していて、歩いているのがちょっと怖い。
みなさん、府道を飛ばすのね。
天皇陵は静かでなにやら清廉な空気が漂い気持ちが良い。
森の始まりをなぞるように歩き、やがて御陵が見えてくる。
たぶん鳥居の向こうの小山全体がお墓の山なのだろう。
緊張した気持ちで御陵に向かい頭を下げた。
こういうときは何を思えばいいのか。
千数百年前になくなった偉人に対して、今更冥福をお祈りするのも的をはずしているような気がする。
さわさわさわさわ。
風に揺れる葉の音。
ただただ静寂の中に音が吸い込まれていくだけのよう。
あきのたのかりほのいほのとまわあらみわがころもではつゆにぬれつつ。
天皇陵を後にして
近くにあるはずのお寺に向かったが工事中で不通。
行きつもどりしつつしていると「栗原邸」の前。
偶然に、公開日だったらしく10時開館を館前で待って開館と同時に入館。
1924年に竣工したという近代建築。
コンクリートでできたモダンな作り。
この建物を大切にしてくれる方を探しているようで
こういう貴重な建物が売りにだされていることを知ってびっくり。
【国・登録有形文化財】
栗原邸のすぐ近くにある永興寺に。
このお寺には、豊川稲荷がある。
京都に来てまで豊川稲荷に参るとは…。(^_^;)
疏水をたどって、大本山本圀寺に。
「東の身延山久遠寺、西の大光山本圀寺」と並び称されるようなお寺さんらしい。
観光ルートから離れているので、人はまばら。
さあ、ここまでで半日を使ってしまった。
天智天皇をしのぶのは、明日にして
午後は、特別公開の寺社と京都国立博物館「国宝」(第3期)に。
京阪?「御陵駅」から東西線「西大路御池駅」まで電車で移動。
そこから30分ほど歩いて(この歩きが結構つらタン)、大将軍八神社を訪ねる。
渋川春海作天球儀とか大将軍像などを拝見できた。
次にすぐ近くの北野天満宮に。
正月の北野天満宮しか知らなかったんで
こんなに空いている天満宮に拍子抜け。
参道に人がぎゅうぎゅう詰だもんね、正月は。
それに露天がにぎやかに出ていると思ったんだが
それも正月のことなんだろうか。
たこ焼きやが1軒だけしか出ていなかった。
でもま、そこでたこ焼きを食って昼飯代わりにしました。
もみじ苑をせっかくなんで拝観。
まだまだ赤くなっていなかったけど
秀吉公が作った御土偉の上を歩き、これが京都を1周してたんだなあと感慨に浸ってみたり
独り京都を散策しているのは、俺くらいしかいないのかしらん…と我が衣手は露に濡れてみたり~の。笑。
気がつけば午後も3時近く。
ここから、京都国立博物館「国宝」第3期に向かわねば。
前回、会場前に行ったんで
今回は、閉館前に行ったらどうだろうと思って
午後3時半頃に行ってみたけど、やっぱり30分待ち。
今回の目玉は、金印。
ほれ、志賀島から出土したっていう「漢委奴国王」って彫られている金印。
個人的には、出土した様子からして、やらせっつーか、
すげー怪しい気がするんだけど。
まあ、専門家の偉い先生方の考証が済んでるんだから本物なんでしょうけどねぇ。…(^_^;)
金印に御目にかかるのは、実は今回2回目。
この金印、福岡「市立」博物館が所蔵してるんですよね~。
国でも県でもなく、「市」ってところがすごいと思うわけで。
前回は、福岡市立博物館で間近に見てまいりました。
さあ、例によって
京都国立博物館からは歩きで京都駅に向かいます。
今回の宿は常宿のアパホテルさん。
気に入ってます。
コインランドリーもあるし。
朝飯は美味いし。(京都のアパホテルでもここは美味い。)
俺、田舎もんだから、隣席と近いのがダメなんですよ。
でも、ここは席間が離れてるんで、落ち着いて飯が食えます。
ホテル近くにあるコンビニで
酒とつまみを仕入れて、独り酒。
爆睡。
おやすみなさいませ。