goo blog サービス終了のお知らせ 

Broken Flowers …はうはう河馬の脂肪遊戯

いらっしゃいませ。お独りさまで?どうぞお好きな席に。

15…花は盛りに

2008年10月15日 | 2008
    
SNSの友人さんから、満月だよとのメッセージをいただいて
風呂上がり、閉じたカーテンを開けて月を探してみたけれど
くまなき月は、残念なことに、
隣の家の向こうで輝いているようで見ることができなかった。

「花はさかりに 月はくまなきを見るものかは」って言ったって
盛りの花と、くまなき月を知っていればこそ、言える言葉であるわけで。
やっぱり俺は、盛りの花とくまなき月のほうに魅せられる凡人です。


お。
開け放った窓から、秋の夜の空気が、室内に流れ込んできた。
気持ちいい。
しばらく、窓は開けたままにしておこう。



『徒然草』 百三十七段      吉田兼好  

花はさかりに 月はくまなきをのみ見るものかは 雨にむかひて月をこひ たれこめて春の行方知らぬも なほ哀に情深し 咲きぬべきほどの梢 散りしをれたる庭などこそ 見所多けれ 歌の詞書にも 「花見にまかれりけるにはやく散り過ぎにければ」とも「さはる事ありてまからで」なども書けるは 「花を見て」といへるに劣れる事かは 花の散り 月の傾くを慕ふならひはさる事なれど ことにかたくななる人ぞ 「この枝 かの枝散りにけり 今は見所なし」などはいふめる

萬の事も 始終こそをかしけれ 男女の情も ひとへに逢ひ見るをばいふものかは 逢はで止みにし憂さを思ひ あだなる契をかこち 長き夜をひとり明し 遠き雲井を思ひやり 浅茅が宿に昔を偲ぶこそ 色好むとはいはめ 




秋の夜長をひとり明かすのも、オツってもんでさー。