少年カメラ・クラブ

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カーボンDPアンテナの特性

2022-08-06 14:43:12 | アマチュア無線

1.ロッドアンテナダイポール

アンテナエレメントをロッドアンテナにしてDPの特性を計測してみた。

エレメント長:118cm(片方)

高さ:285cm

ちょっと背景の電線と被って見にくいけど、給電点にアナライザーを直結して、Bluetoothでデータを転送。できるだけ周囲の影響を受けないようにし、体もはなして測定した。

金属エレメントのDPの周波数特性

リアクタンス分がゼロになる共振点の周波数が62.1MHZで、その時の抵抗値が86.96Ωとなった。

共振周波数61.2MHzに対応する波長は4.9m、0.25波長で1.22mとなる。

短縮率を0.96とするとエレメント長さは1.18mとなり実測値ともぴったり一致した。共振時の抵抗値は高さにより多少変化するが、80オーム程度でまあまあの感じ。大体ちゃんと測れているといってもよさそう。

さらにエレメント長を短くすると、抵抗値は75Ω(エレメント長:97cm)、70Ω(エレメント長:72cm)となった。共振周波数が高くなると相対的なアンテナの地上高が高くなるので、抵抗値がだんだん小さくなっていくのも納得。(最終的には73Ωに収れんするはず。)

やはりアンテナの特性は、ケーブルの長さをできるだけ短くして、周りの影響を受けないような配慮が大切ということか。

2.カーボンダイポール

カーボンロッドのDP

次にカーボンざおの一番下から2番目のロッドを抜いてきてダイポールにしてみた。

エレメント長:72cm

給電点高さ:285cm

エレメントの端をクリップで挟んだだけだと、直列共振は起こらず(リアクタンスがゼロにならず、ずっとキャパシティブ)そこで大きな紙クリップで給電し、さらにクランプでしっかり固定すると、共振周波数98.3MHz、抵抗値56.3Ωとなった(短縮率:5.2%)。カーボンなのに抵抗値が小さいのも不思議。同じエレメント長のロッドアンテナの場合は、92.2MHz、抵抗値70.2Ω(短縮率11%)となった。以前にも報告した通り、カーボンの場合周波数が高めにシフトする傾向がある。

現在実際に運用しているカーボンアンテナの給電部の構成。

 

エレメント長0.72mのDPの特性。カーボン(左)、金属ロッドアンテナ(右)

 

クランプで締め付けをせずエレメントは反対にして(紙やすりをかけてない。)抵抗値を大きくすると、共振周波数は102MHz、抵抗値は89Ωとなった。今回の実験では、クランプを使ってしっかり固定することはそれほど結果に影響しなかった。何度も使っているロッドなので、クリップで挟むだけで抵抗値が十分小さくなっているということかもしれない。この辺のデータの再現性の悪さが、このアンテナの解析を難しくする。

クランプをつけずクリップだけで接続。ロッド表面も未処理。共振周波数が高くなる。

さらにロッドにサランラップを巻いて完全に静電容量結合にすると、共振周波数は111.5MHz、抵抗値は82.3Ωとかなり高くなった。

サランラップを巻いて抵抗接続をなくして計測を行う。共振点が高くなった。

これらの結果からは、給電部の抵抗値がアンテナ性能に大きく影響していることが言えるのではないだろうか。接続部の抵抗が小さくなると、共振周波数もロッドアンテナの時に近づくが、より容量性の結合になると共振周波数が高くなる傾向になる。

(3)多段構成

さらにカーボンロッドをもう一段接続して測定すると、

エレメント長:123cm

給電点高さ:285cm

共振周波数は58MHz、抵抗値は104Ωとなった。短縮率は4.2%。接続はクランプを使ってしっかり接続した。2段目もしっかりアンテナエレメントして動作していることは確認された。

さらにエレメント数を増やした時の特性についても今後検討したいと思う。

 

 

 

 

 

 

 



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