少年カメラ・クラブ

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カーボンアンテナ実験

2022-04-24 17:01:43 | アマチュア無線

久しくほおってあったブログ。アンテナ実験の備忘録としてちょっと復活させてみる。

 

バーチカル構成でのカーボンアンテナの評価

以前の実験ではカウンターポイズの影響などを除外するためにダイポールで評価したカーボンアンテナ。実際にはダイポールではなくバーチカル系の構成で使用するので、ぞれに近い形での評価を開始した。

ダイポールの時には、カーボンもきれいな共振特性をし示しており、結構いいなあと思った。ところがバーチカルにすると銅線による構成に比べて随分なまった感じの特性になっていることが判明。アンテナ系のQはだいぶ低い感じ。また、銅線の時は共振していないときの抵抗値がほとんど0に落ちるのだけど、カーボンの場合は数十オームの抵抗が残る。これはカーボンの抵抗の影響か?

両方のグラフは長さが少し違うので直接の比較はできないが、ほぼ似たような場所に並列共振が起きている。これはアンテナ長さとカウンターポイズの長さを足したエレメント長の1波長と半波長あたりとざっくり一致する。(かな?)銅線アンテナの方もリアクタンスはずっとマイナスで容量性のまま。なんかちょっとよくわからない。カウンターポイズが一本しかないのが問題か?

放射抵抗の影響

MLAアンテナでは、放射抵抗がすごく小さいので、抵抗分をすごく小さくしないと放射効率が著しく低くなると聞いた。カーボンアンテナにおいても多分同じことが言えるのではないかと思う。ダイポールの時は放射抵抗は73オームぐらいだけれど、バーチカルになるとこの値はもっと低くなる。とすれば相対的にカーボンアンテナの抵抗分による損失は大きくなる。抵抗分のあるアンテナではできるだけ放射抵抗が大きい方が効率的になるということだ。ダイポールのように2本の竿をつなげた構成はカーボンロッドアンテナにはよいのではないかと思う。さらに言えばできるだけバンザイ構成にせず横一文字にした方が放射抵抗は高くなるはず。

高い周波数の方が有利

さらに、アンテナが波長に対して短くなると、放射抵抗はやはり小さくなっていくことから、同じ長さだったら高い周波数の方がアンテナは効率よく働くし、低い周波数において使いたいときは、できるだけ長いアンテナを使った方がよいことになる。この辺は以前の実験結果ともよく符合する。

段間容量の影響

自分で調べて竿の段間に容量があって、容量結合によってアンテナは動作していると指摘した。まあ、それはそうなんだろうけど、そのことがアンテナ性能の劣化につながるかというところが、実は正直呑み込めていない。例えばアンテナが短くなると容量性の特性を示すので、コイルをつなげてこれキャンセルすればアンテナはちゃんと動作する。ローディングコイル入りのアンテナがそれに相当する。とすればカーボンアンテナでも容量をキャンセルするようなコイルを入れればそれはそれでいいのではないかと思うのだ。実際ATUをいれて同調させるときには、そういうことをしているんだと思う。

 

あと、カーボンロンドの中に電線を入れてみるのもやってみた。それなりの特性は示したけれど、裸の電線に比べるとやはりQは低そうな感じ。周囲に胴体があると影響は受けるようだ。

研究は続く

実験結果は、まだよく整理ができないけど、もう少しカウンターポイズをしっかり張って再度実験してみたいと思う。カーボンアンテナがダメとかそういうことではなく、どういう風に使えば一番そのポテンシャルを発揮できるのか、その辺を探ってみたいと思っている。なんか少なくとも山ではだいぶ無理なアンテナに無理やり波を乗せていたことが判明した気がする。