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はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

マーガレットと素敵な何か

2012年03月12日 | 映画


一昨日の土曜日は新市街の電気館で上記映画を観ました。
ソフィー・マルソー主演のフランス映画です。
分単位の忙しさの中で、テキパキと仕事をエネルギッシュに片付けていく40歳のエリートキャリアウーマンが主人公です。
同僚でもある彼氏からプロポーズされ、大事な交渉の責任者に選ばれるなど、恋も仕事も絶好調な人生を送っています。
そんな彼女に手紙が届きますが、その送り主は7歳の時の彼女自身だったのです。
7歳の時に、マーガレットの家庭は破産して、父親は蒸発、弟と3人の母子家庭で悲惨な生活を送っていました。
そんな中で、マーガレットは、自分の将来の夢をいくつか書き記し、40歳になった自分自身に送り届けるようにと、田舎町の公証人に数通の手紙を託したのです。
悲惨な過去を封印して生きてきたマーガレットは、手紙を読むにつれ、現在の自分が、かつて思い描いていた自分とは、ほど遠いことに気付きます。
最後は、仕事を辞めて、カレシの子供を宿すというオチでした。

ソフィー・マルソーという名前は知っていましたが、映画を見たことも無く、あまり興味はありませんでした。
しかし、今回観て驚きました。美熟女ですね。
日本人のスタイルが欧米化されてきたとも言われますが、マダマダであることを思い知らされるような素晴らしいプロポーションです。

ただ、この映画の主役のキャラクターは少なくとも日本人男性には全く受け入れられないでしょう。
自信過剰で傲慢で、他人に対して”上から目線”で物を言い、自分の時間が他人によって浪費されることをひどく嫌うのに、
自分はそれを平気で他人に強要するなど、”ナニサマのつもりだ!”と張り倒してやりたくなるようなキャラです。
こんなデキソコナイの女が改心して優しい女になるなどあり得ません。

小学生時代によく読んだ勧善懲悪物の定番で、”やつけられた悪者が、謝って、許されて、みんなで楽しく暮らす”というストーリーを、なんだか腹立たしく思っていました。
幼心にも、それが嘘であることに感づいていたのでしょうね。

ドラゴンタトゥーの女

2012年03月05日 | 映画


昨日は嘉島のTOHOシネマへ上記作品を観に行きました。
サスペンス物ですので、ストーリーをアップする訳にはいきませんが、面白かったです。
私は、ずば抜けて頭の良いキャラクターが登場する映画を好みます。
このヒロイン役の女が、そのようなキャラでした。
最近のジェームズ・ボンド役の男優が主人公ですが、この映画の見所は、複雑な謎解きストーリーと、ヒロインの胸のすくような活躍ぶりにあります。
かなりエロティックかつ残酷な作品ですが、お勧めです。

永遠の愛に生きて

2012年02月13日 | 映画


昨夜はスカパーで録画しておいた上記作品を観ました。
主役は”羊達の沈黙”で有名なアンソニー・ホプキンスという年寄りです。
現在は74歳だそうですが、この映画が撮影されたのは、彼が60歳の時です。
ヒロインはデブラ・ウィッカーという40がらみの女性ですが、私は全く知りません。
映画には様々なジャンルがありますが、この作品は、その中で、昔から連綿と確実に存在し続ける”看病もの”です。
英国で有名な神学教授として活躍するアンソニーのもとへ、彼の著書を読んで感動したヒロインからの面会を希望する手紙が届く場面で物語はスタートします。
ヒロインはアメリカ人で、息子を連れての英国旅行の途中に立ち寄ったのですが、実は浮気中の暴力亭主から逃げ出して来ていることが後に判明します。
以後、何の事件が起こるわけでもなくストーリーは淡々と進行していきます。
この作品はエピソードではなく、登場人物達の会話の面白さで勝負しています。
その面白さの根源は登場人物個々のキャラクター付けがしっかりしている点にあります。
頭脳明晰で英国流紳士である主役と、女性ではあるが決断力に富み、潔く人生を生きようとするヒロインの会話は気持ちの良いものです。
主人公の兄の役者(以前BBCのシャーロックホームズでワトソンを演じていた俳優)も穏やかな英国の良心みたいなキャラクターでした。
結局、この映画には、悪役も、嘘つきも、ひきょう者も、とんでもない馬鹿も登場しません。
このことが、この映画の格調を高めているように思えます。
最後のヒロインが死んでしまう間際の会話が、強く印象に残りました。
" The pain now is the part of happiness "

アウェー

2012年01月13日 | 映画
ブログを読み返してみると、この2カ月で映画館に5回も足を運んだことになります。
では、それ以前はどうだったのかというと、この10年間でも5回は行っていないのです。
さらに、20歳から50歳までの30年間は殆んど映画館とは無縁でした。
ヘビースモーカーでしたので、禁煙に耐えられなかったのです。
ひたすら煙草を吸いながらレンタルビデオを自分の部屋で観賞するだけでした。
この異常な頻度での映画館通いが始まった理由を考察してみました。

最大の理由は ”アウェー感 ” にあるのかも知れません。
まだ映画館に慣れていませんので、まわりの観客が皆ベテランに見えて、自分だけが素人のような気持ちになるのです。
ボウリング場やゴルフ場には慣れているので ” ホーム ”であり、全く緊張しません。
映画館に出入りすることに、また観客席に身を置くことに、非日常の軽い緊張感を覚えるのです。
脳科学者の茂木健一郎が、脳を刺激する最良の方法は”アウェー”に身を置くことだ”と述べていました。
アウェーで脳が刺激されることに気持ち良さを感じるのです。

二つ目の理由はブログネタにしやすいということです。
日常をネタにするのは、結構、行き詰まる場合が多いのです。
映画は、その出来の良し悪しと関係なく、確実にネタとなります。

三つ目の理由は読売新聞から熊日新聞に乗り換えたことにあります。
読売に全く無かった映画案内が、熊日では週に3回以上掲載されます。
最初のきっかけとなった ”にあんちゃん” も熊日の映画案内を読んでのものでした。

やがては”アウェー感”も消えてしまうのでしょうが、その時は本物の映画館ファンになっているのかも知れません。

幸せパズル

2012年01月10日 | 映画

昨日、電氣館で上記のアルゼンチン映画を観てきました。パズルとはジグゾーパズルのことです。
主人公は、オートバックスのような自動車用品店を経営する夫や、大勢の親戚のみんなに愛される平凡な40代の主婦です。
大学を卒業して父親の店を手伝っている長男と、大学生でガールフレンドを家族同様に家に連れてくるベジタリアンの二男の母親です。
ジグゾーパズルの基本は周りの淵から作っていくことや、色別にピースを仕分けしておくことなどが常識です。
しかし、この主人公は我流で適当に真ん中から作っていきます。それがすばらしく速いのです。
おもちゃ屋で、ジグゾーパズル選手権ダブルスのパートナー募集の張り紙に反応した主人公は相手に連絡します。
住所を頼りに訪れた彼女を待ち受けていたのは、大豪邸に一人で暮らす初老の紳士でした。
紳士は昔からのジグゾーパズルマニアで、国内選手権で何度も2位になっている程の腕前です。
紳士の前で主人公は腕前を試されます。
我流ではあるものの、その才能を紳士は素早く見抜き、その場でコンビが結成されます。
以後、火曜日と金曜日の午後に彼女は叔母の看病を装い、家族に内緒で紳士の豪邸へトレーニングに出かけます。
のどかなストーリーが、映画の中盤あたりからもつれ始めます。
まず、夜中までもジグゾーのトレーニングに没頭して、料理がおろそかになった妻に亭主が切れ始めます。
そして外出が多くなった女房に、意味ありげに携帯を買い与えます。
長男は父親の店を継がずに、就職して、アパートを借りると宣言します。
二男は、建築資金として父親からもらった金で、彼女と二人して、インドでの半年間の生活を希望します。
主人公は国内選手権をぶっちぎりで優勝するのですが、祝い酒の勢いもあって、もともと微妙な関係にあった紳士と寝てしまいます。
優勝賞品はドイツで開かれる世界選手権への航空券だったのですが、紳士の説得にも耳を貸さず、彼女は出場をためらいます。
それでも航空券は大事に箱の中にしまい込みます。
土地の売却問題で、忙しい亭主に代わり、遠くの海岸沿いにある不動産屋に自分一人で行くことを提案し、彼女は旅立ちます。
当然私は紳士との不倫の続きを予測するのですが、画面には爽やかな海辺の草原で、涼しげに一人佇む彼女が映し出されます。
そこで、なんと、エンディングのスーパーが唐突に現れるのです。
ぶったまげました。話をねじらせて、膨れ上げさせて、どういうオチに持って行くんだろうと心配していた矢先のエンディングでした。
これは前篇で、後篇があるのでしょうか?
無いとすれば、アルゼンチンの映画の流儀が理解できません。

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

2012年01月07日 | 映画


昨日の深夜に、テレビでブラッド・ピット主演の上記映画を観ました。
9時からKKTで放映されたのですが、録画したそれのCMを早送りして観るのが私の流儀です。
老人?として誕生した赤ん坊が徐々に若返っていって、赤ちゃん返りをして死んでいくというストーリーでした。
冒頭から、年老いて老婆となったかっての恋人が登場します。
その日記を娘に読ませて、古い記憶をよみがえらせるというスタイルでした。
主役が過去を振り返るというスタイルは昔からよく使われる手法です。
”フォレスト・ガンプ一期一会”もそうでした。
ただ、今回は、昔の恋人を狂言回し的に使っているところに斬新さを感じました。
人生が出会いと別れの連続であるということは、日常では”退屈な真理”にしかすぎません。
しかし、この映画はそれが”残酷な真理”であることを浮き彫りにしてくれます。
老人役のブラッド・ピットの姿勢が良すぎるのがチョット気になりましたが、満足できる作品でした。




ハラがコレなんで

2012年01月01日 | 映画


昨日は買い物に出たついでに、新市街の電気館で ”ハラがコレなんで”を観てきました。
未婚の母を決意した臨月間近の女性が、そのハチャメチャな性格と行動力で、周囲を騒動に巻き込んでいくというドタバタコメディーでした。
石井裕也という未だ20代の新進気鋭の監督が、脚本をも手がけた作品です。 
ストーリーも奇想天外ですが、ヒロインのキャラクター付けがナイスでした。
単なるハチャメチャでは無く、
 ”野暮”を排除しやせ我慢でも”粋”な言動を選択する。
 不遇にあっても、”どうにかなる”と楽天的に考える。
 不遇にある時は、無理をせず、追い風が吹くのを待つ。
 追い風が吹いた時はドーンと勝負する。
 不遇にある他人には徹底して親密に協力する。
 決断した時は力強く ”OK”と宣言し、すぐに実行する。
など、なるほどと思わせるほど筋が通っていて魅力的でした。
才能あふれる楽しみな監督、脚本家です。
その難しいヒロイン役を 仲 里依紗 が見事に演じきっていました。
スウェーデン人の血が1/8入っていて、モデル出身だそうですが、土屋アンナを超えるかもしれません。
魅力的な女優がでてきましたね。今後が楽しみです。
年末に、良い映画を観ることができました。
 

お菓子の好きなパリ娘

2011年12月20日 | 映画


土曜日の午後は、新市街の電気館で ”エクレール、お菓子放浪記” を観ました。
映画の内容は紹介するほどの価値も無いのですが、主役の男の子の歌が、とても素敵でした。
西条八十作詞の”お菓子と娘”というシャンソンで
”お菓子の好きなパリ娘
 二人そろえばいそいそと
 角の菓子屋へボンジュール”です。 
小学校のころからよく知っている曲だと思っていたのですが、1番しか知らなかったのです。
この歌は A A’A'' サビとエンディング という複雑な4部構成からできていました。
このA''の途中とサビの一部分でマイナーに転調するのですが、そのメロが魅力的でした。
”お菓子と娘”でGOOGLE検索すると、ピアノ演奏のメロが聴けます。
”エクレール・お菓子放浪記公式サイト”で検索すれば、動画で、少年が唄うAの部分が聴けます。
美しく正確なボーイソプラノは、この少年が主役に抜擢された最大の理由でしょうが、文句ありません。
映画のなかで、4回もフルコーラスを聴かされることになるのですが、退屈しません。
振り返れば、昔はシャンソンというジャンルが存在していて、越路吹雪、岸洋子などが活躍していました。
後継者に金子由香利がいましたが、最近のテレビでは見かけません。
入ったことは有りませんが、”シャンソン喫茶”なるものもあったようです。
シャンソンもフランス映画も、アメリカンミュージック、ハリウッド映画に席巻されて、
日本では衰退の一路を辿っているような気がします。

シベールの日曜日

2011年11月23日 | 映画
昨日は光の森のシネマで”シベールの日曜日”を観てきました。
1962年のフランス映画で、同年のアカデミー賞で外国映画部門賞を獲得しています。
私は20代前半の頃NHKで初めて観た記憶があります。

話は跳びますが、下通りのメガネの大宝堂の2階に ”マジーノワール ”というワイン専門のバーがあります。
(magic noir) 黒魔術という意味だそうです。
そこのママが、何故かフランス語と英語がペラペラで、趣味は娘と一緒に行くフランス旅行です。
10年以上前に、その店で、フランス映画の話になった時に、私は”シベールの日曜日”を、もう一度観たいという話をしました。
するとママが ”インターネットでビデオをゲットしましょうか。”と提案してきたのです。
インターネットショッピングが今ほど盛んではなかった時代ですので私は全く期待しませんでした。
ところが数週後にママは約束通りに、それを私にプレゼントしてくれました。
ただし、そのビデオは、音声はフランス語で、字幕が英語でしたので、一度観ただけで、ひどく疲れてしまいました。

そして、今年の5月30日にスカパーで放送されたので、やっと日本語字幕版を録画することができたのです。
しかし一度は、ちゃんと映画館で観てみようと思い、出かけました。

この映画は、何と言っても主役の少女の名演技がすべてです。
パトリシア ゴッジという子役ですが、彼女が13歳の時の作品です。
1950年生まれですので、私より一つ年上でしょうか。
数年後にもう一作に出演しますが、映画界からは、その2作品だけで姿を消したようです。
泣いて、笑って、すねて、怒って、甘えてなど、大人の女の本質を、大人以上に表現しています。

ブルックリン横町、禁じられた遊戯、チャンプなど、子供が主役の作品には名画が多いような気がします。


三谷幸喜と吉本新喜劇

2011年11月12日 | 映画
最近の熊日新聞で読んだのですが、”笑い3年、泣き3日”という言い回しが、演劇界にはあるそうです。
コメディーで観客を笑わせるのは難しく、3年は修行しないと無理だが、
トラジディーで泣かせるのは簡単で、3日も練習すれば、すぐにできるという意味です。
”三谷ワールド”なる物は、コメディーにトラジディーを混ぜた作品でしょうが、根本はコメディーです。
コメディーだけでは勝負できないので、トラジディーを混ぜて観客を翻弄しているだけのように思われます。
昔から吉本新喜劇が、その手法を使っています。
”吉本新喜劇ワールド”と呼ぶべきではないでしょうか。
昔のチャップリンの映画に、一部その傾向があったのですが、笑いの完成度が違います。
まるで別物でしょう。
最近の洋画のコメディーでは、ありえない ”ワールド”です。

ステキな金縛り

2011年11月11日 | 映画


はせがわクリニックは毎週木曜日午後休診です。
それを利用して昨日はyoumeタウンに映画を観に行ってきました。
三谷幸喜監督作品の ”ステキな金縛り” です。
三谷ワールドとも呼ばれる、とぼけた笑いにペーソスとシリアスを混ぜ込んだストーリーですが、みなさんにはとても推薦できるような代物ではありません。
主役の深津絵里演ずる女性弁護士が、あまりにも不自然にオバカでドンクサすぎるため感情移入できません。
ニヤリとする場面はいくつかあったのですが、爆笑したことは一度もありませんでした。

私は昭和26年6月19日生まれです。今年の6月に60歳の還暦を迎えました。
みなさんは御存じないでしょうが、60歳以上は曜日に関係なく映画代は1000円です。
それまでは1800円払っていましたので、とても得をしたような気分になります。
しかし、半面、”お前はもうバリバリの現役じゃ無いぞ!” と認定されたような気もします。

にあんちゃん

2011年11月07日 | 映画


昨日は朝刊の広告を見て、急遽、天草市(本渡)の映画館へ ”にあんちゃん” を観に行ってきました。
小学生時代に観て感動したような、いくつかの、かすかな記憶があったからです。
昭和34年の今村昌平監督の作品で、佐賀県の不況にあえぐ炭住が舞台です。
両親を亡くした4人兄弟の苦闘を、にあんちゃん(末娘から見た二番目のあんちゃん)のたくましさにスポットライトをあてて描いた作品です。
にあんちゃん役の少年の顔は、すぐに思い出しましたが、ストーリーは完ぺきに記憶から欠落しており、最後まで楽しく観賞できました。
当時は役者の名前などに全く関心が有りませんでしたので覚えていませんでしたが、長男役を20歳の長門裕之が、長女役を松尾嘉代が演じていました。
その他にも北林谷栄、西村晃、小沢昭一、殿山泰司、山岡久乃、大滝秀司、芦田伸介、穂積隆信、吉行和子、二谷英明など、
そうそうたる顔ぶれのキャスティングでした。
他の作品でもそうなのですが、若い頃の長門裕之はサザンの桑田佳祐にそっくりで笑ってしまいます。

本渡第一映劇は定員数十名のミニシアターですが、かなり古い作品を上映することで生き残りを図っているようです。
次は ”にあんちゃん” と同じ頃の ”綴方教室” の上映にアンテナを張ってみます。
期待した、いくつかの、かすかな記憶は綴方教室との混同だったのかも知れません。