はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

悪童日記

2014年10月31日 | 映画








昨日は電気館で上記を鑑賞しました。

原作者はハンガリー人女性であるアブタ・クリストフです。
1935年生まれですので、生きていれば78歳くらいでしょうか。
1956年のハンガリー動乱でスイスに亡命しました。
彼女は1986年に悪童日記をフランス語で執筆しフランスで出版しました。
彼女の処女作ですが、計算すれば51歳でのデビューだったことになります。

第二次世界大戦下のハンガリーの田舎町のはずれにある農家が舞台です。
ブタペストに住む母親が、田舎に独り住む祖母のもとに、双子の兄弟を疎開に出したのです。

この作品は、質が高く、お勧めですのでネタバレを避けます。
とにかく主役の双子の少年のキャラクター付けに感心させられてしまいます。
異常な環境の中で、泣きわめくことも無く、クールに経験値を積んでいき、やるべきことについては、ためらいを見せません。
戦争映画ではありませんので、無理やりジャンルを当てはめるならば、" 子供版のハードボイルド映画 " でしょうか、
全編に、ハードボイルド特有の、 " 抑制 " がよく利いた作品です。

悪童日記はアブタ・クリストフの3部作の1作目だそうです。
例によって?映画化は絶対不可能と言われてきた小説でした。
2作目、3作目も期待できるかもしれません。

この映画は2013年に完成したのですが、アブタ・クリストフはそれを見届けることも無く2011年に死亡しています。

早生

2014年10月28日 | 日記
先日アップしたキラキラネームで、生をセと読むことは無いと書きましたが、間違いでした。
妹の旦那である慎ちゃんから電話があって、早生のセだと指摘を受けました。
ブログを読み直してみると、バカですね、ちゃんと、早生 ( ワセ ) 晩生 ( オクテ ) と紹介しているではありませんか。
慎ちゃんに一本取られました。

しかし、慎ちゃんからの電話の前の日にも、妹との電話のやり取りで、そのブログ記事が話題になっていました。
" 全部読めたか? " と聞くと、" 大丈夫だったよ。 " という返事でしたが、
はたして妹が、早生と晩生を本当に読めたのかどうか怪しいものだと思ってしまいましたが、裕子よ、どうだろう?

まだ医者を信じているあなたに

2014年10月24日 | 医学


2013年の5月2日にアップした、" 医者に殺されない47の心得 " の著者である近藤誠先生の最新刊です。

定期的な健康診断は受けるなという、これまでの意見に変わりはないのですが、
今回は各論にも踏み込んでこられましたので、私見も交えて、いくつか紹介します。

日本では70歳以上の2人に1人が降圧剤を服用しているのだそうです。
昭和の時代にWHOが定めた高血圧の診断基準は、上が160、下が95でした。
しかし、2000年に日本高血圧学会が、上が140、下が90と定めた影響で患者数は倍増しました。
それに伴い、高血圧薬の市場規模は1900年代に5000億円であったのが、現在では1兆円に倍増しています。

薬品メーカーは頻繁に勉強会なるものを一流ホテルで催します。
開業医のもとには、事前に担当者が、参加を促しに来院し、タクシー券を置いていきます。
勉強会の講師は遠方の大学の先生が、いわゆる、 " アゴアシ付き " で招かれ、数十万円のギャラが支払われます。
その講師を招いた熊大の教授が座長を務め、10万単位のギャラをゲットします。
勉強会自体は2時間くらいで終わるのですが、その後、 " 意見交換会 " と称して隣室に豪華なバイキングが用意されます。
勉強会の内容は、降圧剤を使用することによって、脳血管イベントの発生を数十%減らしたというデータの発表がメインです。
ただ、この数字は、以前にもアップしましたが、データ解釈の一面に過ぎないのです。
例えば、内服を一年間続けて正常血圧を維持した1000人のグループと、内服無しの一般的な1000人のグループを比較したとします。
その結果、脳血管イベントが、内服グループから6名、内服なしグループから10名発生したとします。
この時、メーカーは、 " この薬を内服することによって脳血管イベントを40%も減らした。 " と発表するのです。
実際に利益を享受できたのは、内服を続けた1000人のうちの4名に過ぎないのです。
さらに、内服を続けたにもかかわらず、6名は発症しているのです。
この結果を冒頭のように、イベント発生を40%も減らしたと表現するのは、確信犯的な詐欺だと思います。
私が研修医の頃には、" 年寄りの高血圧には手を出すな。 " と指導されていました。
年寄りは動脈硬化が進んでいるので、血圧を上げてやらないと、血液が末梢血管に入っていかないからからです。
メーカーがどんな数字を出そうと、この考え方がまっとうの様に思えます。
以後、私は、血圧に関しては患者さん達にユルユルな立場を貫いてきました。
昔の基準で十分だと考えたし、80歳以上の患者さんの高血圧は基本的には目をつぶりました。

次はコレステロールを下げる薬がやり玉に上がっています。
昭和の終わりごろに、日本の三共薬品がメバロチンという新薬を開発しました。
肝臓でコレステロールが合成されるのを阻害する薬で、爆発的にヒットして、三共は本社ビルを建て直し、" メバロチン御殿 " と呼ばれました。
そして、その頃までの総コレステロールの正常値は230までだったのですが、どういう訳か220以下に訂正されました。
基準値が10厳しくなれば、患者は倍増するはずです。
当時はコレステロールが動脈硬化の元凶のようにみなされていました。
たしかに、動脈硬化を起こした血管を解剖してみると、血管壁にコレステロールがへばりつき、それがマクロファージに捕食され、その死骸が糊状になって、
業界用語でいうアテローム硬化を起こしていたからです。
しかし、アテローム硬化の発端は、糖尿病や高血圧で血管が損傷することにありました。
その損傷した傷口にコレステロールが滑り込むことで物語がスタートするのです。
もともと、コレステロールは損傷した血管を修復しようとして滑り込むのです。
そのことが裏目に出た場合にアテローム硬化を起こしますが、修復がうまくいくケースも多々あることが予想されています。

さて、コレステロールを下げる薬はメバロチンを追いかけるようにして似たような薬がゾロゾロと発売されました。
どれも肝臓でのコレステロールの生合成をブロックする薬で、まとめて、" スタチン " と呼ばれました。
当初からスタチンには横紋筋融解症という副作用の危険性が指摘されていました。
処方された患者さんが、力が入らないと訴えてきた時には、真っ先にスタチンの副作用を疑わねばなりません。
さらに最近ではスタチンが糖尿病を発生させ、癌になるリスクを高めるとも指摘されています。

現在アメリカでは総コレステロールが検査項目からはずされています。
特に、更年期を過ぎた女性では400を超えていても治療の対象にはなりません。
LDLコレステロールとは比重の低いコレステロール、肝臓から組織へと運ばれていくコレステロールですが、日本では悪玉コレステロールと呼ばれます。
日本でのLDLの上限は140くらいまでですが、アメリカでは190です。
中性脂肪は日本では150以下とされていますがアメリカでは900です。
日本でも世界の流れには逆らえず、総コレステロール値で高脂血症を云々することは無くなりました。
しかし30年近くにわたって、総コレステロールを基準に延々とスタチンを売り続けてきた製薬会社は、一言も謝りません。
そして、素早く話を悪玉コレステロールにすり替えて、厳しい正常値を設定し、薬を売り続けようとしているのです。

私自身は、以前にアップしたベンゾジアゼピン ( 安定剤、睡眠導入剤 ) 撲滅に加えて、スタチン撲滅も目指しています。




キラキラネーム

2014年10月21日 | 日記
私は近所の小学校の校医をしています。
今日は来年の4月に入学してくる子供たちの入学前内科健診に行ってきました。
20名を診察したのですが、名前を正しく読めたのは、さくらと実南 ( みなみ ) の二人だけでした。
キラキラネームが猛威を振るっています。
私からしてみれば、漢字を愚弄している、ひいては子供を愚弄しているとしか思えません。
春生はハルオと思ったのですが、正解?はハルセでした。
生という字は最も日本語読みが多い漢字だそうで、調べてみるときりが無いのですが、一応、押さえておくべき読み方を列記します。

学生、生涯、生粋、大往生、平生
生きる、生まれる、生える、生い立ち、生さぬ仲、
生糸、芝生、生憎、生贄、生計 、早生、晩生
弥生時代、来生たかお、羽生結弦、壬生の新選組....などでしょうか。
( 妹よ、読めない字があれば、慎ちゃんに頭を下げること....)

読み方は沢山ありましたが、セと読ませる例はありませんでした。

以下は私の個人的な憶測に過ぎませんが、キラキラネームをつける親の漢字力は悲惨なくらいに低そうに思えます。
そもそもキラキラネームを付けようとした時点で、親のオツムが残念過ぎるということはバレバレです。
そして漢字力があるならば最低限守るべきルールを理解するはずです。
実際に、なるほどと思えるようなキラキラネームもあります。

キラキラネームではありませんが、昭和の終わりごろに京子ちゃんという小学生が受診してきました。
私は普通にキョウコちゃんと呼んだのですが、親は違うと言います。
答えはケイコでした。
言われてすぐに、京浜工業地帯や京浜急行を思い浮かべて、なるほどと思った記憶があります。
今でしたら、" お前は神奈川かっ " と突っ込みたくなるような名前でした。
しかし、これには納得できたし、自分の勝手読みを反省させられもしました。

さて、生をセと読ませるような親を持つ子が不憫に思えてなりません。
おそらくは分数計算をちゃんとできるかどうか怪しいような親でしょう。

この話をスタッフにしたところ、最近では、 " 光宙 " という名が流行っているのだそうです。
読み方は、" ピカチュウ " だとか.....

中年になっても、老人になっても、ピカチュウと呼ばれる人生ですか.... sigh。



パーキンソン病の改善した症例 (No.2)

2014年10月16日 | 医学
昭和26年生まれの男性であるKさん63歳が、今年の9月1日、奥さんに連れられて当院初診となりました。
Kさんのパーキンソン病歴は14年以上にもなるとのことでした。
宇土市に在住で、松橋の専門病院を毎月一回受診され、内服処方を受けておられました。
処方箋をチェックしてみると、さすがに専門病院だけあって、8種類の抗パーキンソン薬、ベンゾジアゼピン系薬が
芸術的に、きめ細かく処方されていました。( 皮肉です。)
さらに2種類のビタミン剤、便秘薬、コレステロールを下げる薬を加えると、毎日12種類もの薬を服用せねばなりません。
それだけの薬を服用し続けながらも、Kさんは転倒が絶えず、杖を使用しても独歩は不可能でした。

Kさんが当院を受診されたきっかけは、私が7月4日にアップした、 " パーキンソン病とグルタチオン点滴 " というブログ記事でした。
出入りの薬屋さんが、私のその記事を読んで、知り合いであったKさんの奥さんに勧めたのです。

初診時のKさんは、仮面様顔貌とまではいかないものの、表情に乏しく寡黙でした。
歩行は、すくみ足、突進現象、共に陽性で、奥さん一人の介助では転倒の危険性を排除できず、スタッフが両側から補助してベッドまで誘導しました。
ところが、第一回目の点滴が終了した直後にKさんは、杖を忘れて独歩で歩かれたのです。
あわててスタッフが杖を持ってKさんを追いかける始末でした。

効果が期待できるので、ご夫婦に、とりあえずは週に2回のペースで点滴に来るように指導しました。
ただ、問題もありました。
宇土から来られるのですが、奥さんは仕事を持っておられるので、手が空いている身内の方々も、交代でKさんを連れてこなければならなかったのです。
奥さんも、周りの方々も大変だったと思われます。

さて経過ですが、十分満足のいくものでした。
表情が柔和になり、笑顔をのぞかせるようになられました。
すくみ足もほぼ消失し、突進現象が影をひそめたために、ゆったりと安定した歩行になり、転倒の危険性は激減しました。
その結果、最近ではKさんは一人で来院されることもあります。
室内でさえ、毎日数回の転倒を繰り返しておられたKさんが、独りでJRを利用して宇土から熊本駅まで来られ、
そこでタクシーに乗り換えて当院まで来られるのです。
素晴らしいQOL ( Quality Of Life ) の向上です。

今日は14回目の点滴でしたが、来週からは、週に1回の点滴でOKであることをK夫婦に伝えました。
奥さんの笑顔が明るくなり、Kさんの顔に自信のようなものが垣間見え始めたと感じるのは、私の読み過ぎでしょうか。

横殴りの雨の中

2014年10月14日 | ゴルフ
12日の日曜日は台風19号が迫りくる中、行くだけでも行ってみようということで、阿蘇グランヴィリオ西コースを訪れました。
12時過ぎに着くと、雨は降っていなかったのですが強風が吹き荒れていました。
雨が降ることは確実のように思えましたが、ハーフだけでも回れればいいやというノリでスタートしました。
当然のことながら前にも後ろにも誰もいません。
そもそも、この日に見かけた私たち以外のパーティーは東コースを回っている一組だけで、後半は完全にゴルフ場を貸し切り状態にしたはずです。

とにかく、ティーアップした球が吹き飛ばされるような強風でしたのでフルショットは厳禁です。
ドライバーを短く持ってランニングアプローチを打つイメージで振っていきました。
それが功を奏したのかボギー、パーボギー、パーという、いつにも無く好調なスタートで、前半は46打の16パットでした。

後半になってさらに風が強くなり、アドレスしても吹き飛ばされそうでスイングできません。
じっと強風が途切れるのを待って、素早くショットする必要に迫られました。

16番、17番はサービスロングと120ヤードしかないショートホールなのですが霧雨が降り始めました。
しかも空から落ちてくるのでは無く左から右へと真横に降りつけてくるのです。
結局、上がり3ホールを、ダボ、ダボ、ダブルパーとし、後半は52打の18パットでした。

それでもTOTALは98打の34パットと100切りに成功していました。
このコンディションですので達成感を得ることができました。

しかし、冷え切った体を温泉で解凍していると、様々な考察が頭をよぎりました。

まず、この劣悪なコンディションの中、ホールアウトできたことで、貴重な経験値が稼げたはずだ。
今後は少々の風雨など、" あの時に比べれば何てことない。 " と思えるかも......という前向きな考察です。

ところが、次の考察は後ろ向きのものでした。

お前の人生は間違ってるんじゃないのか?
分別あるはずのジジイが、こんな天候の中でスタートするか?
熊本弁で言う、" わさもん " とか、" のぼせ " じゃないのか?
そういえば、ホールアウトしてきた俺たちを、ゴルフ場のスタッフは、あきれたような顔で出迎えていたような気がするぞ.....

実は連休を2日続けてゴルフ予約していたのです。
そして、翌日の天気予報は絶望的でしたので、石に噛り付いてでも、その日にゴルフがしたかったという訳なのです。
でも、これってガキの言い訳ですよね。

大人の判断

2014年10月06日 | ゴルフ
昨日は妹夫婦と阿蘇グランヴィリオに行きました。
台風18号が迫る中、僥倖を期待して祈るような気持ちで行ったのですが細い雨が降り注いでいました。
私と慎ちゃんは、さっさと合羽を着こんで打ちっぱなしに行こうとしたのですが、妹はプレーするのか止めるのかの話し合いをしないかと提案してきました。
私は、スタートまで30分あるから、練習を終えて話し合おうと応えました。
練習を終えても雨の状況は変わりません。慎ちゃんが調べたところ、午後の降水確率は70%でした。
私は妹に、" 俺と慎ちゃんは舞い上がっている。冷静なお前が決めろ。 " と促しました。
妹が出した結論は、"中止 " でした。
中止が決まって冷静になってみると、なかなかの大人の判断であるように思えました。

夜は焼き鳥の、"たば鳥 " で残念会を開きました。
慎ちゃんはたば鳥のデビュー戦でしたが、熊本の焼き鳥の美味さを堪能したようです。
生ビールからジョニ黒、赤ワインをグイグイ飲んだのですが、そこ一軒だけでお開きとしたので、" 大人の飲み方 " でした。

expensive ?

2014年10月05日 | 飲み屋


昨夜は来熊した妹夫婦と西銀座通りにある鯨料理専門店、" ゆう " に行きました。
実は5日前の木曜会で、そこを利用しており、とても美味しかったからです。

とりわけ感動したのは鯨風味の松茸の土瓶蒸しです。
鶏肉の代わりに、サエズリという鯨の舌が入れてあります。
" 土瓶蒸しに鯨はチョットねー " とドン引きしていた妹と慎ちゃんでしたが、二人とも声を揃えて、 " これは美味いっ! " と感動していました。
また、私は、もともとオバイケを美味いと思ったことは一度も無かったのですが、この店のそれは一味違います。
チリチリと密度が濃く、甘みがあって旨いのです。
女将に理由を尋ねたところ、鯨の種類が違うのだそうです。
この店は調査捕鯨で獲ったミンク鯨を提供しています。
スーパーのオバイケはイルカに近い( もしかしてイルカそのものか? ) 鯨を提供しているそうなのです。

まず生ビールで乾杯した後は、特別にジョニ黒を1本取り寄せて、キープしてもらい、普通にそれを飲み空けて2次会へと向かいました。
このメンツで一杯売りを飲み続けるのは、あまりにもイクスペンシブだからです。
ただ、この店の支払いは、イクスペンスを一顧だにしない資産家の慎ちゃんが、貧乏開業医の私に代わって実行してくれました。
持つべきは資産家の親戚かも......