はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

記憶喪失

2016年03月29日 | お酒


昨夜は木曜会が和食の店 " 蔵 " で開催されました。
開業医仲間6人で、いつものごとく騒がしいにぎやかな飲み方を繰り広げました。
そして、2次会は老夫婦が30年以上も切り盛りしている老舗のスナック " VIN VIN " (バンバン) に3人で入りました。

記憶にあるのはそこまでです。

朝、目覚めると左顔面と右手首の内側に出血があり、眼鏡が壊れていました。

領収書を確認すると、3軒目は " KONS " に行ったようです。

どこで負傷したのか分かりませんが、膝や肘は無傷ですので、転倒ではなく、壁などでの擦過傷かと思われます。

これでは酒が強いとは言えませんよね....

もっと強くなるにはどうすれば良いのでしょう?


恥じらい型の雌・尻軽型の雌・誠実型の雄・浮気型の雄たちのESS

2016年03月28日 | 読書
前回ハト派とタカ派のESSを紹介しましたが、さらに複雑な例題をアップします。

グループを4つに分けて、以下のように定義します。

恥じらい型の雌 : 雄が数週間にわたる長くて高価な求愛を完了しなければ彼と交尾しない。
尻軽型の雌 : だれとでもただちに交尾する。
誠実型の雄 : 長期間求愛を続ける忍耐力があり、交尾後も雌のもとに留まって子育てを助ける。
浮気型の雄 : 雌がただちに交尾に応じなければ、別の雌を探しに行く。交尾後は新しい雌を探しに行く。

スコアについては以下のように設定する。

子供が無事に育った場合、それぞれの親が得る遺伝的利得を+15点とする。
子供を育てるための食物や、時間や、親がおかさねばならない危険などをカウントしてマイナス20点とする。
長い求愛での時間のロスをマイナス3点とする。

恥じらい型の雌と誠実型の雄のカップルで子供を育てた場合を計算すれば
雌も雄も+15-10-3=+2点となります。

さて、この集団に尻軽型の雌が1頭入り込んできたとしてみると、彼女の成績は抜群です。
長い求愛での時間を省略しますので得点は+15-10=5となり恥じらい型の雌を3点も上回ります。
そこで尻軽型の雌の遺伝子は集団内に広がり始めます。

尻軽型の雌が多数になってくると、浮気型の雄が活躍を始めます。
浮気型の雄は+15点を簡単にゲットして次の雌に走ることができます。
一方、その相手の雌は悲惨です。
+15点はゲットしますが、独りで子育てのマイナスポイントである20点を背負い込むので、合計は-5点です。

そうなれば恥じらい型の雌が増えていくでしょう。
恥じらい型の雌が増えると、浮気型の雄は交尾のチャンスが少なくなります。
この場合ポイントは雌も雄も0点なのですが、雌にとってはマイナス5点よりはずっとマシなのです。

こういう振動が繰り返された時に収斂するESSを計算すると、雌の6分の1が尻軽型で、雄の8分の3が浮気型の状態ということになります。
この数字は人間社会での現実に近いような気もしますが、どうでしょう?

さて、上記のシュミレーションでの最悪なポイントを考えてみました。
それは、恥じらい型の雌と誠実型の雄が、長い求愛期間の末に子を作って分かれた場合です。
子育てを押し付けられた雌が得るポイントは-3+15-20=-8点となります。

交尾のチャンスを考えて見ると雄では誠実型が有利です。
恥じらい型、尻軽型のどちらとも交尾できるからです。
同じように雌では尻軽型が有利です。

結局、雌の場合は、子育てに協力してくれる雄を選ぶことこそが最も重要な作戦のようです。
しかし、うまくいく確立は8分の5しか無いことを覚悟しておく必要がありそうです。

私のタイプですか?
それは秘密です。

まあ、秘密とした瞬間にバレバレのような気もしますが.....


利己的な遺伝子・リチャード・ドーキンス

2016年03月23日 | 読書


30年前に出版されて、世界中で物議を醸した作品です。
私が当時聞きかじったのは、" 生物は遺伝子を次の代に受け渡すための乗り物に過ぎない。 "というものでした。
まあ、分かりやすい理論で、読むまでも無く、" そういうものかもしれないな。 " と思い、実際にこの本を手に取ることはありませんでした。

そして、今回、この大作を読み始めたのですが、聞きかじった部分は、ほんの一部に過ぎず、難解な理論たちが待ち構えていました。
まあ、基本的なラインはダーウィンの自然淘汰説に準拠します。
つまり、ある生物集団において不適当な個体が排除され、特定の形質を持つ生存力の大きい適者が生き残って繁殖する現象です。
ところでこの自然淘汰ですが英語では natural selection と表示されていました。
こいつを和訳するならば自然選択になるはずですよね。
そこで淘汰をグーグル検索しました。
淘は水で洗って選択すること。汰は勢いよく水を流すことでした。
不純物や不適応な物は流されてしまって残らないという意味でしょうが、才能あふれる和訳ですよね。

さて、書評ですが、このボリュームを解説することは不可能です。
そこで、今後この本を読まれる方々のために、私が理解しにくかった考え方を、紹介しておきます。

Evolusionarily Stable Strategy (ESS)
進化的に安定した戦略


ある種の個体群をタカ派とハト派しかいないと仮定してみる。
タカ派は必ず攻撃で勝利を目指し、ハト派は時間はかかるものの話し合いで決着をつけるものとする。
互いに相手が何派かを知らないで対決した時に、その結果に対して点数を与えるものとする。
例えば、勝者には50点、敗者には0点、重傷者にはマイナス100点、
長い闘いでの時間の浪費にはマイナス10点でシュミレートしてみる。

もしもグループ全員がハト派だった場合は、長い話し合いの末に決着がつくので
勝った側は勝利の50点と時間の浪費のマイナス10点をたして、40点をゲットする。
負けた側はマイナス10点だけをゲットする。
この二人の平均値はプラス15点であり、なかなかの好結果のように見える。

ところが、このグループに一人のタカ派が発生すると彼の独り勝ち状態となってしまう。
彼は50点をゲットし、負けたハト派は0点に終わる。
この二人の平均値はプラス25点である。

すると、次第にタカ派が増えていくことが予想される。

次に全員がタカ派になった場合を考えてみる。
必ず激闘が繰り広げられて勝った側は50点ををゲットするものの、敗者側は大けがをするのでマイナス100点となり、
二人の平均点はマイナス25点である。
そして、このグループに一人だけハト派が入ると彼の得点は0点であるのでタカ派たちより優位となり、ハト派は増えていくであろう。

では、最終的にグループ全体の平均値をMAXにするタカ派とハト派の構成比はどうなるのかといえば
数ⅡB程度の数学力を駆使して、タカ派が12分の5、ハト派が12分の7となる。

もちろんこの結果は最初に設定した得点の設定を変えれば違う答えになるであろうが、
それでも答えは必ず存在するはずである。
このように、グループ全体の平均点をMAXにする戦略をESSと呼ぶことにする。

延長された表現型

遺伝子でクモはクモになり、人間は人間になるが、クモがクモの巣を張ったり、人間が群れて社会を作ることも遺伝子情報としてインプットされているはずである。
これを延長された表現型と呼ぶことにする。
鳥の巣やビーバーのダムもその一例である。

さて、私的には延長された表現型という和訳に対して不満を感じてしまいます。
英語では extended phenotype だったと思います。
extend は最近女性たちの間で流行しているマツエクのエクで、延長する、延ばすの意味でしょうが、英和辞典を引いてみれば、" 拡大解釈する " という訳があります。
私ならば、" 広義の表現型 " と意訳したいところです。

ミーム meme
人類は( 人類だけではないが ) 遺伝による伝達だけではなく、情報や文章、音声の録音、映像などで文化を次の世代に伝達していくことができる。
つまり先代の模倣をすることによって遺伝子を使わずに自己複製をすることができる。
そこで、そのような伝達をギリシャ語での模倣の語根である mimeme を略してドーキンスが提唱した造語である。


右脇腹の痛みが2にまで回復したので、1か月半振りにゴルフの練習を再開しました。
まだ、ポコーンとAWで寄せを50球ほど打つだけですが、快感です。
運動をして飲む酒は、やはり一味違います。
痛みと運動制限は精神をも蝕むということを実感しました。












意地悪なニュース

2016年03月17日 | 時事ネタ
タレントのベッキーが芸能界からの引退を余儀なくされています。
相手のミュージシャンには結婚して間もない妻がいたそうです。
まあ、男慣れしていないベッキーがのぼせ上がって、女房もちの男にこなされたということでしょう。
この時点では、被害者はベッキーなのか、ミュージシャンの妻なのか、判然としません。

マスコミは、ベッキーも、ミュージシャンも、すなわち妻以外の二人を叩くような報道を繰り広げました。
この事件の元々の被害者が誰なのかは分かりませんが、結果的に最も被害を受けたのはベッキーでしょう。
さんざん誉めあげていたベッキーに対して手のひらを返したような報道を繰り広げるマスコミは意地悪としか思えません。

マスコミはベッキーとミュージシャンに謝罪の言葉を求めているようです。
しかしミュージシャンは、" ネットとかでみんな謝れって言うけど、世間の誰に謝ればいいの?
正直内輪の話だから、みんな関係ないじゃん。" と言っています。
その通りだと思います。
ミュージシャンが謝る相手は、奥さんかベッキー以外にはありません。

マスコミは常套句として、" 世間を騒がせたことに対して一言の謝罪も無いのですか? " と言うでしょうが、
私ならば、" じゃあ、被害者であるという、その世間さんを連れてこい。 " と言い返すでしょう。

被害者は、奥さんを含む、この当事者たち以外にはあり得ません。
そして、各々の被害は毎日報道を繰り返されることによって甚大なものとなっていきました。
例えていうならば、執行猶予付きの軽い量刑が終身刑に化けるほどにです。

個人的には、ベッキーが今回受けた被害は、その規模が理不尽と思えるほど大きすぎると思います。
そして、そのことを招いたのは、意地悪なマスコミと意地悪なネットフォロワーでしょう。
私はベッキーのファンではありませんが、こういう時こそ、不当に不遇な立場にある彼女を応援してやりたくなります。

" 元気出せよ! 一つ経験値を積んだと思って、男見る目を磨けよ。 "

新聞をやめてみました。

2016年03月15日 | 読書
2月いっぱいで読売新聞の購読を中止しました。
毎朝40分以上もの時間を新聞読みに費やすのは贅沢過ぎると判断したからです。

物心ついた頃から、毎朝欠かすことなく新聞を読んできました。
母子家庭ですので、私には真っ先に新聞を読む権利がありました。
毎日毎日、隅から隅まで、数十年間も飽きることなく読み続けてきたのです。

新聞休刊日には、なんとなく落ち着かないような気分に襲われていました。

得られる情報が必要かどうかということよりも、
そのニュースや記事が面白いかどうかということの方が優先されていたような気がします。
まず一面にざっと目を通します。
次に三面記事を開き、そこからページを逆に辿って一面に帰ります。
重視するのはスポーツと新聞小説と囲碁将棋欄です。

まあ、私の人生を豊かにしてくれたと言えなくも無いのですが、
殆どが不要な情報であったようにも思えます。
最近、ネットでニュースを見るようになってからは、さらに新聞は無駄な物になってしまいました。

新聞をやめて以来、毎朝を読書でスタートさせています。
今は、かの有名なリチャード・ドーキンスの " 利己的な遺伝子 " を読んでいます。
本文だけでも400ページを超えるし、序文と補注が更に150ページ以上あるという、圧倒的なボリュームの作品です。
しかし、朝一番でこいつに取り組むことで、私のアルコールにまみれた頭脳はたちまち全開となり、読書がはかどるのです。

さて、右の脇腹を負傷して20日目ですが、痛みは4くらいでしょうか。
回復しつつはありますが、まだ打ちっぱなしに行く気にはなれません。
内心では、桜が咲き始めるまで安静を続けようと考えています。

桜咲け!


今、この記事を読み返してみたのですが、自分の人生を振り返って、" 数十年も " という表現をさらりと使っていました。
" 儂も (わしも) しっかりと歳をとったものじゃのう.... "

萩尾望都

2016年03月15日 | 読書
先日NHKで萩尾望都と浦沢直樹の対談が放送されました。

萩尾望都ですか.....懐かしいですよね。

私の妹は漫画好きで、いつもたくさんの雑誌を購入していました。
りぼん、少女フレンド、マーガレット、別冊マーガレット、花とゆめ、セブンティーンなどです。
私もことごとくそれらを読破していきました。

その中で最も記憶に残るのが、萩尾望都の、" 百億の昼と千億の夜 " そして竹宮恵子の、" 空が好き " です。
まあ、百億の昼と千億の夜には光瀬龍というSFの原作者がいますので、代表作とはみなされないようですが、私的にはベストです。
そこでネットで購入してみました。





面白かったし、若いころよりも、ストーリーにたやすくついていくことができました。

さて、妹は16歳の頃でしょうか、、"18歳になったら、セブンティーンは読まない。 " と宣言していました。
ところが、実際には、20代半ばを過ぎても読み続けていたようです。

同じような話ですが、20代の頃、妹は体重が53Kgになると、ダイエットして49Kgに減らすということを繰り返していました。
そして、" 私には美意識がある。56Kgになったならば、舌噛んで死んでやる! " と宣言していました。


トホホな歯医者通い

2016年03月14日 | 健康
先々週から歯医者に通ってます。
氷水が歯にしみるので受診したのですが、虫歯や、割れかけた歯、
表面のエナメル質がすり減って象牙質が露出してしまった歯などが指摘されました。
毎週土曜日の午後は歯医者通いとなりました。
治療終了は3か月後だそうです。トホホ......
しかも、その、" よつばデンタルクリニック " は植木町にあり、車で40分以上もかかります。
院長は、かつて私が救急病院に勤務していた頃の同僚で、鹿児島大学出身です。
私はインプラントやブリッジなどでお世話になっており、これまでに何のトラブルも無く、不満もありません。
数年前までは市内の中心部のビルクリニックだったのですが、家賃が高すぎるということで、郊外に引っ越してしまったのです。

ということで、一昨日は2回目の受診でしたが、" しみるので麻酔しますか? " と尋ねられました。
尋ねられたということは、麻酔しないという選択もありなのかと推測して、" 麻酔はしません。 " と答えました。
さらに、" 僕は痛みに強いタイプです。 " と胸を張ったのです。
なぜならば、歯医者で治療を受ける時の基本的なスタンスを自分なりに確立させているからです。
それは、引かずに攻めるということです。
具体的には、敵がツゥイーンと攻めてきたら、心の中で、" このヤロー、もっとコイッ、どんとコイ " と叫びながら、患部を前に差し出すのです。
この、マゾヒスティックな姿勢は効果抜群で、痛みは半減します。
逆に、ちょっとでも引くと、痛みは倍増するのです。

さて、糖質制限を続けている私が何故虫歯になったのか考察してみました。
原因はチョコレートであると、直ぐに確定診断を下せました。



最近、このDEMELのオレンジピールチョコにはまってしまっているのです。





チョコとオレンジの相性の良さは昔から有名で、たくさんの商品があります。
しかし、他社の商品は、ゴディバにしろ、あくまでもチョコが主役で、オレンジは脇役です。
ところが、このDEMELはオレンジピールの量が多いので、チョコが脇役に追いやられています。

私はこのチョコを、毎晩の飲み方の最後に、糖質制限を続けた御褒美として、一本限定で食べ続けていたのです。
しかも、寝る前に歯を磨く習慣はありませんでした。
そこで最近は毎晩、チョコを食べた直後の歯磨きを実行しています。
寝る直前の歯磨きは泥酔した私には無理です。
チョコを食べた罰ゲームとしての歯磨きなら、なんとか続けられそうです。
まあ、" そこまでして食うかっ! " という声も聞こえてきそうですが....

さて、話は変わりますが、極ZEROに新製品がでました。
グリーンラベルの極ZEROです。



こいつは美味い!
これまでの青ラベルは、まずくて、350飲んだだけでギブアップでしたが、このグリーン極ZEROは入ります。
実際、昨夜は500のロング缶を飲んだ後に、さらに350缶を飲んでしまいました。
美味さには秘密があって、このグリーン缶はアルコールがなんと 6.0%なのです(^^♪
こいつが季節商品に終わらないことを祈ります。

汎動物学・Zoobiquity・ズービキティ

2016年03月06日 | 読書


大昔には医師が、人間も動物も両方診るという時代がありました。
しかし、医学が発展してきて、ビッグビジネスになるにつれ、両者は分離されました。
その当時は、人間と動物は違う生き物であるという、願望にも似た常識が主流になっていたのです。
日本では坂本龍馬が活躍していた時代に、英国ではダーウィンが種の起源で進化論を発表して学会に一石を投じましたが不評でした。
動物にも感情や、それに付随する行動があるという考え方が受け入れられなかったのです。

デカルトは、肉体と心を完全に二分して、以下のように述べています。

人間だけが ( 特に男性が ) 心を持つ。
心を持たない動物は、物質的領域にすっかり押しやられている。
人間は、「我思う、ゆえに我あり」だが、動物は 「考えることができない」

まあ、この、( 特に男性が ) という付注には、異論もあるでしょうが、当時のデカルトの意見です。
一瞬、ニヤリとしてしまった私には何の罪もありません。

さて、10年前までは、人間を診る医師と、人間以外の動物を診る獣医師との交流は稀でした。
しかし、この本の著者は、応援に行った獣医師たちの間では数十年も以前から常識とされてきた、" 捕獲性筋疾患 " という病名を初めて耳にします。
そして、その疾患は、最近日本人医師たちによって発表された、" たこつぼ心筋症 " という人間の病気に似ていることに気づきます。
ごく最近に発表された人間の疾患が、動物の世界では昔からの常識であったことに驚き、獣医学が人間に応用できる可能性を見出します。

この本は、医師、獣医師にとっては、素晴らしく有用です。必読書かもしれません。
しかし、400ページに迫るようなボリュームですので、すべての方々に推薦するわけにはいきません。
そこで、私にとってユースフルだと思われた内容を、個別にアップしておきます。

捕獲性筋疾患
獣医学の教科書では数十年前から掲載されている疾患です。
捕食者につかまえられた動物は血中のアドレナリン濃度が危機的なまでに急上昇することがあり、筋肉に障害が起きます。
心臓の筋肉がやられた場合は、過剰なストレスホルモンによって、血液を送り出す心室の動きが妨げられ、うまく機能しなくなります。
特にシカ、齧歯類、鳥類、小型の霊長類など、捕食者の獲物にされる、ひどく神経質で臆病な動物の場合は死に至ることがあります。
捕食者が獲物に対して最初に起こすアクションは、" 見つめる " ということですから、彼らと目を合わせるという行動は避けるべきです。
そういえば、高崎山でも、" 猿と目を合わせないように " という注意書きが掲示されていますよね。
動物にとって捕まるというのは、何かが自分を食べようとしている時以外にはありえないのです。
実際に人間が動物を捕獲する際には、何割かの個体は、外傷も無く死亡します。
キリン、バッファロー、ヘラジカ、鹿、インコ、アメリカシロヅル、イルカ、クジラ、ロブスター、マスタング、などは
追いかけられるとカテコールアミンが大量に分泌され、横紋筋融解症を引き起こします。
その溶け出した血中のプロテインが腎臓での処理能力を上回り腎不全からのショック死を招くのです。
この死に方は、人間が、建て物の下敷きになって、かなりの時間が経過した後に助け出された時の死に方に似ています。
つまり、当初は意識もあって、会話も可能なのに、下敷きになって壊死した患部からの血流が再開されたために
同じようなメカニズムで死亡するパターンです。

たこつぼ心筋症
1990年代の半ばに日本の心臓専門医のチームが発表した病名です。
英語では broken heart syndrome と名付けられました。
極端な感情的ストレスを体験した人が、押しつぶされるような強い胸痛を自覚して救急病院を受診します。
心電図の波形は心臓発作の発生を示しています。
ところが、冠状動脈の造影では、閉塞や狭窄が、どこにも認められないのです。
しかし、通常はレモン型で血液を駆出し続ける心室が、たこつぼ型(裸電球型)に変形して、機能不全を起こしているのです。

さて、追いかけられた動物の何割かは捕獲性筋障害で死ぬのですが、追いかけられること無く捕獲された動物はどうでしょうか?
著者はゲームオーバーと表現しますが、やはり高い確率で死亡します。
アイルランドユキウサギ、オジロジカ、ワタボシタマリン、アンテロープ、ナキウサギ、ヒグマ、オオヤマネコ、ハイイロオオカミなどで確認されています。

捕獲された状態に、大音量が追加されると、死亡率はさらに上がります。
コペンハーゲンの公園でタンホイザーが演奏された時に、その隣の動物園で飼育されていた6歳の雌のオカピが、
ストレスいっぱいの数分間を過ごした後に、ぱったり倒れて死んでしまいました。
獣医たちは大音量が引き起こした捕獲性筋障害による死亡と診断しました。

動物ではポピュラーな心因性の障害が肉体的な障害に即座に結びつく病態を、人間の医学ではネーミングしていません。
そこで著者は Fear/Restraint-Associated Death Events
FRADEと名付けました。
おそらくは、Afraid にこじつけて エフレイド と読ませたいのでしょう。

乳幼児突然死症候群
危険要因は3つのようです。
1.うつぶせ寝
うつぶせで寝ている時、心臓の上方の部屋(心房)は、大動脈から入り込んだ血液でいっぱいになる。
そして、心房内の圧受容器が容積の増加を感知し、圧受容体神経がそれを押しとどめるための一連の反応を自動的に起こす。
その結果、呼吸衝動が弱まる。
心臓の拍動も遅くなる。
2.大きな音
たとえば、ドアをがちゃんと閉める音、車のクラクション、口論の大声、電話の呼び出し音に子供は驚きおびえる。
心拍数は、突然のショック音に反応して、急激に低下する。
3.おくるみ
2004年にベルギーの医師たちは、厳重な監視のもとで、仰向け寝、うつぶせ寝、おくるみの有る無しに赤ん坊をグループ分けして
耳から2.5cm離れたスピーカーから90デシベルのホワイトノイズを3秒間流した。
結果は、うつぶせで寝ていようが、仰向けで寝ていようが、おくるみで拘束されている赤ん坊たちは心拍数の低下が著明であった。

つまり、おくるみを着せられた赤ん坊をうつぶせ寝にして大音量を与えることは、三重苦を与えることになるのです。



さて、私の右の側腹部痛ですが、経過は最悪でした。
骨折を疑って、何度もレントゲンを撮ったのですが、確認できませんでした。
バストバンドを厳重に巻いて生活しました。
負症後3日目に、痛みは、当初を10とするならば9に減ったような気もしましたが、冷静に考察すれば、これは痛みが減ったのではなく
痛みに慣れただけかも知れないと思いました。
そして、怪我というものは、日にちが経つにつれ、回復していくはずです。
ところが、わたしの痛みは逆に悪化していきました。
7日目には、車の運転に支障をきたすようになりました。
痛みのせいでウィンカーが出せないのです。
左手一本で運転していたのですが、左手で自分の右手を握って、ハンドルまで運びました。
ハンドルに乗せた右手から、かろうじて小指を引っ掛けてウィンカーを作動させるしかありませんでした。
もちろん曲がり角でも左手一本でハンドルを切っていきます。
車庫入れでも体をねじるのが苦痛でしたので、ミラーだけを頼りに実行しました。

そして、その晩ですが、精神的に切れてしまいました。
痛みは、控えめに評価しても12くらいに増強していました。
怒りの矛先はバストバンドに向かいました。
息苦しいのを我慢しながら着用し続けていたのです。
まあ、女性たちは、ブラジャーなる物で毎日我慢していることだろうから....などと自分を慰めながらです。
我慢が全く報われなかった時に人は切れます。
温厚な?私もワンノブゼムで、バストバンドを投げ捨てました。
投げ捨てて、今日で4日目ですが、不思議なことに痛みは急速に減り始めて、数字で表せば5くらいでしょうか。
骨折は誤診で、実際は捻挫(肉離れ)だったのかもしれません。
肉離れをバストバンドで厳重に圧迫固定することが、回復に対してマイナスに働いたのかもしれません。

やれやれと一息ついたのですが、今年の春は完全に諦めていたゴルフへの復帰がチョッピリですが、垣間見えてきました。