つくばの“ド素人”音楽同好会

クラシック音楽から,邦楽,洋楽とジャンルにとらわれず幅広く語り明かす,音楽の素人さんのための憩いの場です。

月見草が枯れ果てた日

2009年10月19日 22時20分11秒 | 時事ネタ
プロ野球の楽天をご存じだろうか。
先日のクライマックスシリーズの第1ステージで、見事にソフトバンクを下し、日ハムへの挑戦権を手に入れた。


楽天の野村監督は、試合後のマイクパフォーマンスで、日本一になることを満員のファンの前で明言した。

野村監督といえば「ボヤキ」。いつもぶーぶーボヤキまくる。
ついでに、見るからにオソロシイ奥様もいる。
そしてジャイアンツの長嶋茂雄さんを目の敵にしてはこきおろし、
「俺は月見草で長嶋は向日葵や」と愚痴をこぼす。


しかし、野村監督は『再生工場』の異名をとり、万年最下位の弱小球団を渡り歩き、チームを優勝に導いてきた。
そしてプロ野球だけにこだわらず、アマチュアの監督を務めていたのもまだ最近の話だ。


私は近年における日本球界の名監督は2人いると思う。
一人は広岡達郎氏、そしてもう一人が野村克也氏だ。



教え子であるマー君の完投勝利で、仙台のお客さんにCS第2ステージへの進出をプレゼントした野村監督は、手を振りながらホームのファンの拍手に迎えられた球場を一周した。
熱狂した観客の歓声はいつしか「ノムさん」コールになり球場全体を包んだ。
野村監督はその以前にも、その後も今日に至るまで、あれほど白熱した歓呼の声を浴びたことはなかったに違いない。



果たして野球人として、これだけ幸せな場所にいることができた監督が何人いただろうか。
それは正に野村監督の、野球人としての至福の瞬間であった、と私は思うのだ。



そして、あの瞬間、仙台の杜で、月見草は枯れたのだ。
月見草は間違いなくこの日、向日葵になった。
私は涙をこらえながらそう思わずにはいられなかった。

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