よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

芸能の神様-奈良県天川村:天河大辨財天社

2024年07月27日 | 奈良(奈良市以外)
Tenkawa Daibenzaitensha Shrine, Tenkawa Village, Nara Pref.

さてさて、「みたらい渓谷」から始まって奈良県天川村の撮影を楽しんできたワタクシですが、最後に村の中を車で15分ほど走って、
天河大辨財天社(てんかわだいべんざいてん)へと向かいました


天河大辨財天社の創建は飛鳥時代。役行者が大峯開山の際に弥山(みせん)の鎮守として祀られたのに始まると伝えられています。
また天河大辨財天社は役行者が創建したこともあり、弘法大師空海が高野山の開山に先立って3年間大峯山で修行し
最大の行場が天河神社でした。天河神社には今でも弘法大師にまつわる遺品が奉納されています


主祭神は市杵島姫命(辨財天)で、辨財天は水の大神、弁舌・才智の大神、音楽・芸術・芸能の大神、財宝の大神として信仰されてきました。
弁財天は川の流れの妙なる様を神格化したとされる古代インドのサラスヴァティー神であり、その本来の神徳は水の神です。
そして、水せせらぎの如く素直で妙なる弁舌や音楽の神であり、日本の古代より行われてきた水神の信仰とも結びついています


さらに弁財天は水の神ということから水商売の神となり 水商売の神=芸能の神となりました。
この辺りは見事な三段論法というか、強引なこじつけという気もしますが、古くからの信仰であったことは事実ですな


そういう関係で、この神社には芸能人が「芸の上達」を願ってよく参拝に来られるそうなんですよ。
Kinki Kidsの堂本剛(彼は奈良県出身でしたね)、松任谷由美、長渕剛、坂本龍一、喜多郎などが参拝に来ています


ワタクシ、10年以上前のことですが、家人とここ天河大辨財天社に来た時に、地元の人と話す機会があったんです。
その時に、地元のお婆ちゃんが長渕剛と女優の志穂美悦子が結婚式を挙げた時の話をしてくれました


「長渕剛っておりますやろ。歌手の人な。あの人が結婚しはった時はビックリしましたがな。
ここまでヘリコプターで来はったんやで。ヘリコプターで結婚式に行く人ってあまりおらへんがな。
ここらでヘリコプターが来るのんは、台風で大雨が降って被害が起こった時に自衛隊が来る時くらいやからな」と、
笑顔で話をしてくれたのを覚えています。確かにヘリコプターで挙式に向かう人はあまりおりませんわな


そして、近年はパワースポットとしても有名だそうで、「霊的なものを感じた」「スピリチュアルな体験をした」という人が
たくさんいるそうなんです。しかし、ワタクシはこの神社には何度も行ってますが、何も感じたことはありません。
ワタクシはこの神社に限らず、パワースポットと呼ばれる場所に行ったとしても何も感じることがないんですよ


家人が言うにはワタクシは「日本一鈍感力に長けた男」だそうなので、霊的なものとは無縁なのでしょう。
ま、その方が変な霊に取り憑かれることも無いし、悪夢にうなされることも無いので鈍感で良しとしましょう

使用したカメラ:1、2、5、6枚目はFUJIFILM X-T30、他はFUJIFILM X-Pro2


奈良県天川村…以前は曲くねった道を行かねばならなかったのですが、今はトンネルでショートカットされて行程が楽になりました。
ただ、奈良県の南部はここ数年は毎年のように、豪雨による土砂崩れで道路が埋まったり、増水した川の水で橋が流されたりするんです。
今年の夏は大きな被害がないことを願います。もちろん奈良県だけじゃなく、全国で大きな被害がないことを。



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講-奈良県天川村:洞川温泉

2024年07月26日 | 奈良(奈良市以外)
Dorogawa Hot Spring, Tenkawa Village, Nara Pref.

さてさて、洞川温泉を歩いていると大峯山(山上ヶ岳)を目指す修験者が宿泊する旅館が立ち並んでいます


旅館の軒先には「○○講」と書かれた提灯がどこの旅館にも並んでいますが、そもそも「講」とはなんでしょうか。
この場合の「講」は神社、仏閣への参詣や奉加、寄進などをする目的でつくられた信者の団体のことですね。
伊勢講、稲荷講、金毘羅講などが、皆さんの住む地域にもあるんじゃないでしょうか


かつては集落に暮らす人がみんなで遠くの神社、仏閣まで参拝するには大変な費用がかかりました。
そこで、集落のみんなでお金を貯めて、毎年、代表の人が数名で神社や仏閣に参拝するんですね。
大峯山にも関西各地から「講」の代表者が修験に来ていたのでしょうが、
現在はみんなで登山と温泉を楽しむという形に様変わりしているじゃないでしょうか


高い場所に登って洞川温泉の温泉街を見下ろしてみました


遠くに見えるのが大峯の山々で、洞川温泉を抜けてしばらく行くと「女人結界」があるんです。
そこより先は女性が立ち入れないのですが、ワタクシはもう「古くからの伝統」という呪縛から解き放たれて、
女性の登山を認めるべきじゃないかと思います。同様に相撲の土俵も女性が上ることを認めてほしいです


お昼も近くなりお腹が空きました。「柳豊」(やなとよ)という老舗の柿の葉寿司のお店がありました。
店内で食べることが出来るので、ここで柿の葉寿司をいただくことにしました


柿の葉寿司は塩鯖を酢飯の上にのせ香り豊かな柿の葉で包み押しをし、柿の葉の香りとなじむ頃に食べるんですね。
そもそも柿の葉には殺菌作用があり、中身が腐敗し難しいことを昔の人は知っていたのですね


ですので、柿の葉寿司は本来「鯖の寿司」なのですが、最近は若い人にはサーモンが人気のようです。
しかし、やっぱり柿の葉寿司の本当の味を楽しむには、鯖のお寿司をいただきたいです

「柳豊」…奈良県吉野郡天川村洞川522

使用したカメラ:4、5、7、8枚目はFUJIFILM X-T30、他はFUJIFILM X-Pro2


私は鯖が大好きなのですが、当然ながら鯖のお寿司も大好きです。
関西には奈良、和歌山の「柿の葉寿司」、京都の「鯖寿司」、大阪の「バッテラ」など、鯖のお寿司が多いんですよ。
もちろん全国各地に美味しい鯖料理があるので、いろんな土地で美味しい鯖を食べたいものです。



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温泉街風情-奈良県天川村:洞川温泉

2024年07月25日 | 奈良(奈良市以外)
Dorogawa Hot Spring, Tenkawa Village, Nara Pref.

さてさて、天川村を訪れたワタクシですが、次に向かったのは洞川温泉(どろがわおんせん)です


洞川温泉は修験道の隆盛とともに大峯信仰の登山基地として栄えてきた温泉街です。
歴史ある純和風木造建築の旅館、民宿などの宿泊施設が20数軒、土産物店、陀羅尼介丸の製造販売店13軒などが軒を連ねています


ご存知の方も多いと思いますが、大峯山は女人禁制の修験の山なんですよ。
ここ洞川温泉は大峯山の門前町として夏期には山上ヶ岳の蔵王堂をめざす修験者や参詣者で非常に賑わうんです


全国的に女人禁制の山岳への登山口でよくみられたことなのですが、戦前まで旅館街の一部地域は遊廓の機能を有していました。
ただ、かつては女人禁制だった山々も今では解禁されて女性が登山を楽しむことが出来るようになりました。
そんな中で、ここ大峯山(山上ヶ岳)だけが、今も頑なに女人禁制を続けているんです


このお宿、ワタクシはブログを始める前に家人と泊まりに来たことがあるんです。
美味しい鴨鍋をいただき、それ以来ワタクシ達はすっかり鴨鍋が大好きになったんですよ


夜になるとお宿の提灯に明かりが灯り、すごくいい雰囲気になるんです。
ワタクシ、3年前に洞川温泉のすぐ近くにあるキャンプ場でキャンプをした時に、夜の温泉街を散策したことを思い出しました
https://blog.goo.ne.jp/harigatake1961/e/44f33bea84277c2154e1d797bd57f1b0


どこの温泉宿も木造の二階建て。近代的な建築物は一切ありません。「豪華」「華美」…そういった言葉が似合うお宿はありません。
でも、そのことが洞川温泉の温泉街を素敵なものにしている気がします


どこのお宿も縁側を開放しいるのですが、これは開け放たれた縁側は大勢の山伏達がいっぺんに旅館に上がれるようにしたものなんです。
今では一般の観光客も、自由に縁側に座ることが出来るんですよ


そして、温泉街の至る所に湧き水が流れ出ています。この日は軽く30℃を超える暑い日でした。
ワタクシは湧き水を手で掬い、グイグイと冷たい水を飲んだのでした

使用したカメラ:3枚目はFUJIFILM X-T30、他はFUJIFILM X-Pro2


洞川温泉には遊興的な施設は全くありません。居酒屋もゲームセンターも、ましてやストリップ劇場などもありません。
ゆったりと温泉のお湯を楽しみ、昔ながらの温泉宿の佇まいを眺め、素朴な温泉街を散策するのがこの温泉の楽しみ方でしょう。
私は温泉街に遊興的なもの、享楽的なものを望まないので、こういう温泉街が一番好きなんです。



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修験者-奈良県天川村:龍泉寺

2024年07月24日 | 奈良(奈良市以外)
Ryusenji Temple, Tenkawa Village, Nara Pref.

さてさて、奈良県天川村を訪れたワタクシは、まずは「みたらい渓谷」の美しい渓谷美を楽しみました。
次にワタクシは洞川(どろがわ)にある龍泉寺を訪れました


龍泉寺は真言宗醍醐派の大本山の寺院です。白鳳年間(645〜710)に大峯を開山した役行者が、
この場所にあった岩場からこんこんと水が湧き出る泉を発見し、そのほとりに八大龍王尊をお祀りし修行をしたのが
龍泉寺の始まりであったと伝えられているんです


龍泉寺の境内には「龍の口」と呼ばれる泉から湧き出る清水が流れており、修験者たちから「清めの水」とされています。
その先は池となっており大峰山の第一の水行場とされるなど修験道の道場として知られているんです


洞川から大峰山(山上ヶ岳)を登る修験者は、宗派を問わず龍泉寺で水行の後、八大龍王尊に道中の安全を祈願するのが慣例となっています。
この日は見ませんでしたが、ワタクシは何度か修験者がこの場所で水行をされている姿を見たことがあるんですよ


龍は十二支の中で唯一、想像上の生き物ですね。 龍は水中に棲んでいて、雨を降らせるなど水をつかさどる存在とされています。
また、龍神として神格化されて信仰の対象になることも多く、神社の手水舎にある吐水口がこのように龍であることも多いです


龍泉寺を訪れるのはもう何度目になるかわかりませんが、いつ訪れても清冽な水の美しさに感動します。
一点の濁りも無く、ただただ澄み切った湧き水。紀伊半島に大量に降った雨水が、長い年月を経て湧き水となっているのですね。
ワタクシはここ洞川に来ると、美味しい湧き水をいただくのも楽しみの一つなんです


ではでは、龍泉寺を参拝した後は次の目的地に向かうとしましょうか


次にワタクシが向かったのは、風情ある洞川温泉の温泉街でした

使用したカメラ:1、2、6枚目はFUJIFILM X-T30、他はFUJIFILM X-Pro2


龍神を雨乞いの神・水の神として信仰するというのは、全国各地で見られます。
農耕民族である日本人にとって、雨がいかに大切なものであったかということがよくわかります。
翻って今の時代、龍神様に「極端な豪雨は避けてください」「線状降水帯は発生させないでください」と願うことも必要かもしれませんね。



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豊かな水-奈良県天川村:みたらい渓谷

2024年07月23日 | 大阪(大阪市内)
Mitarai Valley, Tenkawa Village, Nara Pref.

さてさて、涼しさを求めて奈良県天川村にある「みたらい渓谷」へやって来たのですが、
清らかな水が流れる渓谷は涼やかな風が吹いていました


奈良県というと、どうしてもイメージするのは東大寺や法隆寺がある奈良県北部だと思います。
奈良県北部は奈良盆地の平坦な土地が広がり、平城京に代表されるように古くから文化が発展した地域です。
今では大阪の通勤エリアでもあり、県の人口の90%は奈良県北部に集まっています


一方、天川村がある奈良県南部は大半が山間部であり、典型的な過疎地域になっています


そして、奈良県南部から和歌山県、三重県にまたがる紀伊半島は日本一の多雨地帯です。
大台ヶ原山という山が奈良県と三重県の県境にあるのですが、年間3000〜4000mmの降水量を毎年記録しており、
1920年には年間8214mmという信じられない降水量の記録が残っています。
ちなみにワタクシが暮らしている大阪は年間降水量が1300mm程度ですから、奈良県南部の雨の多さがわかるかと思います


その豊かな雨が吉野杉に代表される森林を育み、そして美しい渓谷を作り出してきました。その一つが、このみたらい渓谷です


みたらい渓谷には何度も訪れていますが、水量が少ないことは一度もありません。
いつも滔々と水が流れ、その豊富な水が美しい渓谷を彩ります


この先は滝になっています。足を滑らせて川に落ちて流されでもしようものなら命を落としてしまうでしょう。
慎重に岩の上を歩き、足を滑らせないように注意しながら撮影を続けます


この日も大阪などは厳しい猛暑でした。ただ、天川村にくると大阪よりも5〜6℃は気温が低いんです。
ですので、涼しいとまでは言いませんが、茹だるような暑さからは解放された撮影でした


そして、天川村の見どころはみたらい渓谷だけではありません。次の目的地に向かうとしましょうかね

使用したカメラ:1〜3枚目はFUJIFILM X-T30、他はFUJIFILM X-Pro2


日本は豊富な降水量に恵まれたおかげで、自然豊かな国土となっていました。しかし、ここ数年は雨の降り方が異常になってきましたね。
局地的な集中豪雨、線状降水帯の発生等々、雨は人の命を奪うような存在になってきました。
「雨雨降れ降れ母さんが 蛇の目でお使い嬉しいな」…こんな歌も今の雨には合わなくなってきましたね。



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