この間礼文に行った時に、以前旅先で会った人に再会しました。
カワサキの250TRだったかに乗った女性。
この話は、以前会った時の話です...。
一昨年の開陽台のある朝、彼女がテントを撤収するところを少し離れて見ていた。
まだ話をしていなかったし忙しそうに撤収してたから、なんとなく黙って眺めていた。
しばらくするとテントが風で飛ばされ、柵の外側、笹が一面に生い茂る下り坂へと転がっていったのだ。
近くまで様子を見に行った。
転がって止まったテントの位置を確認した。
笹薮の中を足元に注意しながら歩いていけば、問題無くテントは救出可能な位置だった。
彼女が“か弱そう”には見えなかったので、「頼まれたら助けよう」という感じで「大丈夫~?」と声をかけた。
「自分で取りに行くので、柵の上から見てて下さい。」と言うので、言う通りにした。
そうそう、自分で出来ることは自分でやる。そうやってカッコいい旅人へと成長していくんだよな...。
彼女の手によって、無事テントは救出された。
その後パッキングを終えた彼女とほんの少しだけ会話をし、バイクに乗って去るのを見送った。
会話をした時間が少なかった為か、
しばらくすると「テント飛んでった事件」は憶えていても、少しずつ彼女の顔は忘れていったのだった...。
去年会ったのは夜だった。
暗くなった開陽台。
テントサイト入り口付近にあるテントの前を通りかかった。
自分と良く話をする旅人が、柵に腰掛けてそのテントの女性ライダーと会話していた。
ヒマだったので柵に腰掛け、会話に参加した。
彼女はランタンの薄暗い明かりの中、「かぼちゃのポタージュ」を作っていた。
薄暗い中キャップを被っているので、彼女の顔ははっきり見えない。
てきとうな話をしているうちに、ある話を彼女が始めた。
去年の開陽台で自分のテントが飛んでいって、近くにいた男がすぐに助けてくれなかった話。
どこかで聞いたような話だ。
「男なら、すぐに助けるのが当然でしょ?」というような感じで話を続けている。
その話を他のキャンプ場で、女性ライダーに会うたびに話題にしていたという。
間違いない、オレの話だ。
そう思うと彼女の顔が、あの時の女性ライダーの顔に見えてきた。
彼女はオレがその男だというコトに、全く気がついていない。
話としては悪者にされているが、彼女も本気で怒っているわけでも無い。
笑い話として、かなり面白い展開だ。
笑いをこらえながら、どうやって正体をバラそうかと考えた。
ヒントを出してみることにした。
「その時のテント、あの辺に張ってなかった?」
去年の場所を指差して聞いた。
「そうそう、あの柵のカド辺り。」
彼女は「なんで知ってるの?」と言いたげな顔をしてうなずいた。
まだ気づいていない。
もう少しヒントが必要なようだ。
その時の状況を、「こうだったでしょ?」「ああだったでしょ?」と次々と聞いていった。
少しずつ判ってきたみたいだ。
でも、確信していない表情。
このへんでバラすか。
「その男ってオレだよ。」
「そう言われて見てみれば...」
彼女はオレの顔をじっくり見て確信した。
本人を目の前にして悪者話をしてしまったことに加え、その男との偶然の再会。
少し戸惑いながら、彼女は笑った。
やっと話を理解した他の旅人と一緒に、みんなで笑った...。
写真は9/11、礼文行きのフェリーから見た利尻。
8月に来た時は利尻の影も形も見えなくって、いきなり礼文に到着って感じでした。
利尻を見ながら、翌日の晴天を祈ってました...。
カワサキの250TRだったかに乗った女性。
この話は、以前会った時の話です...。
一昨年の開陽台のある朝、彼女がテントを撤収するところを少し離れて見ていた。
まだ話をしていなかったし忙しそうに撤収してたから、なんとなく黙って眺めていた。
しばらくするとテントが風で飛ばされ、柵の外側、笹が一面に生い茂る下り坂へと転がっていったのだ。
近くまで様子を見に行った。
転がって止まったテントの位置を確認した。
笹薮の中を足元に注意しながら歩いていけば、問題無くテントは救出可能な位置だった。
彼女が“か弱そう”には見えなかったので、「頼まれたら助けよう」という感じで「大丈夫~?」と声をかけた。
「自分で取りに行くので、柵の上から見てて下さい。」と言うので、言う通りにした。
そうそう、自分で出来ることは自分でやる。そうやってカッコいい旅人へと成長していくんだよな...。
彼女の手によって、無事テントは救出された。
その後パッキングを終えた彼女とほんの少しだけ会話をし、バイクに乗って去るのを見送った。
会話をした時間が少なかった為か、
しばらくすると「テント飛んでった事件」は憶えていても、少しずつ彼女の顔は忘れていったのだった...。
去年会ったのは夜だった。
暗くなった開陽台。
テントサイト入り口付近にあるテントの前を通りかかった。
自分と良く話をする旅人が、柵に腰掛けてそのテントの女性ライダーと会話していた。
ヒマだったので柵に腰掛け、会話に参加した。
彼女はランタンの薄暗い明かりの中、「かぼちゃのポタージュ」を作っていた。
薄暗い中キャップを被っているので、彼女の顔ははっきり見えない。
てきとうな話をしているうちに、ある話を彼女が始めた。
去年の開陽台で自分のテントが飛んでいって、近くにいた男がすぐに助けてくれなかった話。
どこかで聞いたような話だ。
「男なら、すぐに助けるのが当然でしょ?」というような感じで話を続けている。
その話を他のキャンプ場で、女性ライダーに会うたびに話題にしていたという。
間違いない、オレの話だ。
そう思うと彼女の顔が、あの時の女性ライダーの顔に見えてきた。
彼女はオレがその男だというコトに、全く気がついていない。
話としては悪者にされているが、彼女も本気で怒っているわけでも無い。
笑い話として、かなり面白い展開だ。
笑いをこらえながら、どうやって正体をバラそうかと考えた。
ヒントを出してみることにした。
「その時のテント、あの辺に張ってなかった?」
去年の場所を指差して聞いた。
「そうそう、あの柵のカド辺り。」
彼女は「なんで知ってるの?」と言いたげな顔をしてうなずいた。
まだ気づいていない。
もう少しヒントが必要なようだ。
その時の状況を、「こうだったでしょ?」「ああだったでしょ?」と次々と聞いていった。
少しずつ判ってきたみたいだ。
でも、確信していない表情。
このへんでバラすか。
「その男ってオレだよ。」
「そう言われて見てみれば...」
彼女はオレの顔をじっくり見て確信した。
本人を目の前にして悪者話をしてしまったことに加え、その男との偶然の再会。
少し戸惑いながら、彼女は笑った。
やっと話を理解した他の旅人と一緒に、みんなで笑った...。
写真は9/11、礼文行きのフェリーから見た利尻。
8月に来た時は利尻の影も形も見えなくって、いきなり礼文に到着って感じでした。
利尻を見ながら、翌日の晴天を祈ってました...。