Crazy Blue Skies

~ 素晴らしき青空達 ~

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旅2005.06.26~30 - 綿毛の季節

2006年07月13日 19時45分30秒 | 旅2005
前回の開陽台はタンポポの花でいっぱいでしたが、一斉に綿毛に変わっていました。
今回は6/26~6/30をまとめて振り返ります。


2005.06.26

3日前に静岡県からZⅡでやってきた男が、開陽台を去る。

その男に帰りはどうやって帰るのかを聞いたら、「中標津空港」と答えた。
中標津空港!?
昼過ぎの1便だけ、バイクを載せられる便があるという。
短い休みの中、出来るだけ開陽台に長く居たいという気持ちから選んだようだ。
その男は、よほど開陽台が好きらしい。
なるほど。

それじゃぁ、来る時はどうしたの?
「釧路」。

釧路ってフェリー無いハズだよね?
「飛行機で」。

男は、釧路から開陽台までしか走ってなかったのだ。
旅道具を積んだZⅡの姿に惑わされたのか、すっかり長距離を自走してきたものだと思い込んでいた。
みんなそのことについて質問してなかったし、男もそのことを言ってなかっただけだ。
「な~んだ~」と笑いが起きた。

小説「振り返れば地平線」に多大な影響を受けたこの男、本心は自走して来たかったに違いない...。

昼前、男が乗る飛行機の出発には少し早い時間。
事前にバイクを預ける為、男は出発の準備を整えた。
男は挨拶をし、ZⅡで丘を降りていった。
ちょっと寂しそうな男の背中を、みんなが笑顔で見送った。

行っちゃったね...。

と言いつつ、時間のある数人で中標津空港へ見送りに行った。

中標津空港の2F、みんなで話をした。
時間になり、男は別れを告げて持ち物チェックを済ませた。

ガラスの向こう側、搭乗待ちをする男の姿が見える。
帽子を深くかぶり、下を向き、寂しそうだ。

搭乗が開始された。
並んだ人の列が、順々に短くなっていく。
ガラス越しにこちら側から手を振った。
男は泣きそうな顔で、手を振り返した。

搭乗する人の列が残り少なくなった。
男は帽子を取り、目元に光るものを見せながら深いおじぎをした。
搭乗口へ向かう途中で何度も振り返り、手を振った。
その男が見えなくなるまで、こちらも手を振った。

展望デッキに移動し、飛行機が見えなくなるまで見送った。


2005.06.27

雨。

一日中、雨。

ハイジで読書...。


2005.06.28

今日は青空の中、雲が適度に浮かんでいい感じの天気。

タンポポの綿毛の写真を撮った(上の写真)。

少し強めの風が吹いている為、キレイな形の綿毛はどんどん少なくなっていった。


テントサイト奥には、違う花も咲いていた。


久しぶりに街中で夕食を食べた。

真っ暗な道を通って開陽台に帰ると、満天の星空が広がっていた。
雲一つ無い、100%の星空だ。
流れ星、当たり前。
人工衛星、当たり前。
すぐにテントに入らず、しばらくの間空を見上げていた。


2005.06.29

朝起きると、天気が良かったが少し風が吹いていた。

なんだかテントが狭い。
チェックしたら、インナーテントのフレームが1本折れていた。
放っておくと生地を突き破るので、破断した箇所をガムテープで巻いた。

午後になって雨が降り出し、風が強まった。

断続的に強い風が吹いていた夕方、テントの中で夕飯の準備をしていた。
強い風でテントが「バババババ」と音をたてた。
直後、頭上から「バキン」という金属が折れる音がした。
インナーテントのもう1本のフレームが折れた音だった。

折れたフレームは2本とも、インナーテントの頂点で折れていた。
ドーム型だったテントの形は、四角錐になっていた。
出入り口のファスナーが固い。
だぶついたテント生地のおかげでテント内が狭い。
テント生地が風で揺れるので、落ち着かない。

落ち着かない中、なんとか夕飯を作って食べた。

今までテントのフレームが折れたことは無かったので、心配でしょうがない。
「テント崩壊」
の言葉が頭をよぎる。

念の為、濡れたら困るものを退避してから寝袋に入った。
寝袋の中でテントがつぶれた時のことを考えた。
真っ暗な中、テント生地が顔に覆いかぶさり、パニックになっている自分が頭に浮かんだ。
枕元にLEDライトを点けっ放しにして、置いた。
もう一つのLEDライトをポケットに入れて眠りについた...。


2005.06.30

風は少し収まっていたが強めだ。
頭上には、昨晩の雨がウソのように青空が広がっていた。

何度も目が覚めた為、寝不足だ。
テントはなんとか持ちこたえたようだ。
新たに折れたフレームを、ガムテープで応急処置した。

まだしばらく連泊するつもりだ。
壊れたテントをなんとかしないといけない。
使っているテントは、通常通りに使っていて壊れた場合には無料修理してくれる。
しかし、フレームを送ったら泊まるところが無くなってしまう。
予備テントを買って、フレームの修理は自宅に帰った時にしようと決めた。
それなら前から気になっていたテントを買おう。

しかし寝不足の為、お目当てのテントが売っていそうな釧路町まで行く気力が無かった。

とりあえず天気が良いので、パノラマ写真の元写真を撮って現実逃避。




1周を9枚に分けて撮影、2セット撮った。
(自宅に帰ってから見返したら、上下がずれていた為NG。次回に期待。)

現実逃避はまだ続いた。


しばらくして軽トラの旅人と話をしていた。
話のネタは、新テントについて。
そしたら、「釧路にはちょうど行きたかったし、鉄板焼きスパゲティを奢ってくれるなら、乗せてってあげるよ。」と言ってくれた。
よし、決まりだ。

崩壊が進まないようにと、テントのフレームを抜いてから軽トラで釧路に向かった。

途中、いつも目にするけど撮影したことのなかった、中標津町の「カントリーマーク(カントリーサインとも言う)」を撮影。



話をしながら、時々助手席で寝そうになりながら、釧路町へ。

テントの売っていそうな店を数件見た。
どの店も、欲しいテントの低グレード版しか置いてなかった。
しょうがないので、欲しいテントが買えるかどうか聞いてみた。
「帯広か札幌の店に在庫があるので、今日送って明日この店に着きます。」
うーん、明日またココに来るのもめんどうだ。
宅配便で送ってもらえるか聞いたらOKとのこと。
こういう場合を考えて事前に許可をもらっていたハイジ宛てに送ることにした。
明後日に届く予定だ。
代金を払って店を出た。

居心地の悪いテントで寝るのもあと2晩。
たった2晩だけガマンすればいいんだ...。
そう思うとやっと安心した。
安心したと同時に腹が減ってきた。

釧路市内にある、鉄板焼きスパゲティの店「レストラン泉屋」に行った。
ステーキのように、鉄板の上に載せられたスパゲティだ。
入り口のサンプルを見ると、非常に種類が多い。
その中から「泉屋風」、軽トラの旅人は「スパゲティカツ」を選んだ。
どうせだからと、お互い味見してみた。

「スパゲティカツ」はミートソース+トンカツで満足感有り。
でも、個人的にはハイジの「ミートカツ」のほうが好きかな。


「泉屋風」はハムや野菜、玉子が入っている塩味なスパ。
少々塩味が濃い目だが、チャーハン味のスパゲティは意外と美味しかった。

開陽台に帰り、テントにフレームを入れた。
相変わらず落ち着かないテントだった。
しかし、新テントが来ることが決まっていた為、安心して眠りにつけた。


次へと続く。

旅2005.06.22~25 - 再び開陽台

2006年07月07日 17時56分15秒 | 旅2005
2005年としては、2回目の開陽台。
今回は6/22~6/25をまとめて振り返ってみるとします。


2005.06.22

この日、開陽台に移動した。
途中、本別の「とかち岡女堂」で甘納豆を購入。
十勝産のいろいろな豆を使った甘納豆だ。
ふっくらしていて豆本来の自然な甘みが生きている。
かなりウマイ。

到着すると、前回連泊していた軽トラの旅人が迎えてくれた。

夜は満月のはずだったが、記憶に残っていない。
曇ってて見れなかったのだろうか。
それとも、疲れて早く寝てしまったのだろうか。


2005.06.23

あの男が現れる日だ。
満月の日、ZⅡに乗って開陽台に現れると密かに予告していた男だ。
今日は満月の次の日なのだが、そんなことはどうでもいい。
本当にZⅡで来るのだろうか。
風呂を早めに済ませてハイジでその男を待った。

しばらくして旅道具を積んだバイクが上がってきた。
火の玉カラーのZⅡ、あの男だ。

男はテントを張ってから店に入ってきた。
ハイジのスタッフとオレが「おかえりー」と迎えた。
オレがいることを知らなかったその男は、少し驚いてから、喜んだ。

静岡県から開陽台を目指してきたその男とみんなとで、しばらく楽しい会話が続いた...。


2005.06.24

軽トラの旅人が武佐岳に登りに行った。
出発してからしばらくして、「頂上に着いた」と携帯電話で連絡が入った。
展望台の階段を駆け上がった。

まず、備え付けの大きな双眼鏡を覗いた。
武佐岳の頂上にある大きな岩の左側に、小さい人影が見えた(上の写真)。

人影の上あたりが、チカッと光った。


鏡を使った「光通信」だ。

大きい鏡を使い、こちらからも光を送る。
遠すぎて、向こう側に光が届いているのか、こちらから見えない。
頂上周辺にまんべんなく光が届くように、勘で鏡を動かした。

しばらくの間鏡を動かし続け、時々チカッと光るのを楽しんだ...。


2005.06.25

この日は、軽トラの旅人に同乗してお出かけ。
この軽トラ、以前林道でひっくり返った時に壊れた右のドアのガラスが無い。
ガラスの代わりにビニールが張ってある。
見えにくいから、左折時に右側を確認する際、ドアを開け、覗き込み、ドアを閉める。
ビニール仕様になってからしばらく経つので、一連の動作は妙にスムーズだった。
普段見ることの無い動作とそのスムーズさが、オレをしばらくの間笑わせてくれた。

今日の目的地に到着した。
別海町の尾岱沼(おだいとう)漁港で行われている「えびまつり」。
祭りのメインは「北海しまえび」だが、2人の目的は観光船。
普段は乗る気が起きない値段だが、えびまつりの期間中は格安で乗れるのだ。

尾岱沼から野付半島のトドワラまでを往復するコース。
野付湾の中を航行する為、波が穏やかで快適だ。
窓の外を見ていると、時々黒っぽい丸いモノが浮かんだり沈んだりするのが見えた。
ゴマフアザラシだ。
本来、流氷と共に北上してしまうゴマフアザラシだが、野付湾の居心地がいいのか、定住しているらしい。
今回は見れなかったが、干潮時ならば、干潟の上でゴロゴロと昼寝するゴマフアザラシの群れが見れるという。
次回は干潮を狙って乗ろう。

観光船を降りた2人は、てきとーに話をしながら出店を見てまわって楽しんだ。

出店の「フレンチドック」の文字が目に留まった。
お祭りによくある「アメリカンドック」とも呼ばれているアレだ。
道東ではケチャップやマスタードの代わりに、砂糖をつけて食べるのが主流だという。
出店のメニューを見た。
なるほど、“砂糖”が一番上にきている。

衣に砂糖は合うだろうが、中のソーセージは合わないだろうと想像した。
でも、食べてみなけりゃ分からないということで、2人とも「砂糖で」と注文した。

出店の人が既に揚がったフレンチドックを、グラニュー糖がたっぷり入ったトレイの中でクルクルした。
表面に、まんべんなくグラニュー糖がついた。

2人して、表面が白くなったフレンチドックを食べた。

衣の部分、ドーナツみたいなモノだから、おやつ感覚。

ソーセージの部分、うわっ、マジ?

砂糖とソーセージのミスマッチ。
最後まで食べる気力が、食べるたびに減っていく...。

軽トラの旅人の顔を見ると、同じ心境のようだ。
2人とも、決してウマそうな顔をすることなく、なんとか完食した。

おやつなんだか良くわからないモノを食べた2人は、後味悪そうな表情で開陽台に帰っていった...。


次へと続く。

旅2005.06.15 - とりあえず、撤収

2006年06月27日 20時19分02秒 | 旅2005
ほぼ予定通り、9泊した開陽台から撤収した日です。


2005.06.15

今日は朝から快晴。
これだけ天気が良いと、滅多に登らない展望台に朝から登ってみたりする(上の写真)。



とにかく気持ちがいい天気だ。

陽射しが強いので暑くならないようにと、ほどほどにのんびり撤収する。
荷物を詰め、テントをしっかりと乾かし、袋に詰めた。

バイクに荷物を積み終えると、8時を過ぎていた。

開陽台から自宅まで、最短ルートで411km。
道路の混み具合にもよるが、休憩その他を含めると8時間程度かかる。
特に急ぎの用事があるわけでないので、出発時間は10時に決めた。


出発までの時間は、写真を撮ったり、旅人と話をして過ごす。


タンポポは、昨日よりも多く花開いているようだ。
まだ朝なので、花はみんな太陽の方向、東を向いている。
昼になれば花もこちらを向き、空ももっと青く写るはずだ。
もったいない気もするが、気分は完全に出発モード。未練は無い。


あまり写さない、地平線が入った写真も撮ってみた。
タンポポと地平線、この組み合わせは上手に撮れた試しが無い。
花の位置が低いので、タンポポをある程度大きく写そうとカメラを低く構えると、地平線が見えにくくなる。
難しいのは当然なのだが、撮りたい。
今後の課題だ。

旅人との会話はいつもどおり。
世間話の他は、「またどこかで会おう」とか「気をつけて」などお決まりの会話。
お決まりの会話なのだが、出発する自分はそれを嬉しく感じた。
しかし、見送る旅人は少し寂しそうに見えた。

「今度いつ来るの?」と本気で聞かれた。
質問した長期の旅人は、他のキャンプ場に行き、また開陽台に帰ってくるつもりらしい。
「満月の前の日あたりに来るかな?」と答えた。
近いうちに来るつもりなのだ。
昨年開陽台で会った、毎年数回開陽台に現れる男に会う為に。

その男は次の満月の日、ZⅡに乗って開陽台に現れると、密かに予告していた。
昨年会った時は飛行機+レンタカーだった。
遠い道のりを、本当にバイクに乗ってくるのだろうか。しかもZⅡで。
この目で確かめなければならない。
その男が到着する前の日に来ると決めた。

自宅に帰ってから調べると、満月はその男の到着予定日の前日だった。
後日、自分が満月の日に行くことになろうとは...。

「ハイジーの家」が開店したので、店に入る。
飲み物を飲みながら、景色を見たり、ぼんやりしたり、おしゃべりしたり。



出発時間が近づいてきたので、「いもだんごの大福」を注文した。
餡子をいもだんごで包み、油で揚げたもの。
アツアツなので冷めるまでは、やけどに注意。
ハフハフしながらおいしく食べた。

よし、そろそろ出発かなと思った時、店員さんの一人が窓の外を指差し、「ウサギ!ウサギ!」と連呼した。

急いで窓の外を見た。
テントサイトの奥で、茶褐色をしたウサギがピョン、ピョンと跳ねるように移動しているのが見えた。
カメラを用意してみたが、遠すぎてまともに写らない。
人生初のナマの野生ウサギを、草むらに入って見えなくなるまで、肉眼で食い入るように見続けた。

今年に入ってから、テントサイトに人がいない時間にエゾユキウサギが現れるという話を聞いていたが、本当に見れるとは!
早めに出発しなくて良かった。


ウサギさんのおかげで予定より30分遅れの出発。

エンジンを始動してバイクに跨ると、ハイジーの家の窓から「いってらっしゃ~い」してくれた。
「ありがとう」とつぶやいてから手を振り返し、発進した。

走行中、直線道路と牧草地帯と青空を目にしながら、開陽台での出来事を振り返ってみた。
天気の良かった日の事、
天気の悪かった日の事、
出会った人々の事、
ウサギさんの事、
いってらっしゃ~い。

とても嬉しい気分だ。
ヘルメットの中が自然と笑顔になった。


今度は次の満月の日に来るのだ。
そう考えながら走ると、自宅までの距離が短く感じられた。


終わり。


一応、終わりです。
でも、次も有ります。

2005年の振り返り旅日記ですが、当時、実際に日記を書いたワケでは無く、手帳に時々少しだけメモしてた程度です。
なので、思い出すのにかなり時間がかかっています。
思い出すことは脳に良さそうですが、気まぐれな性格のおかげで思ったようには進みません。
てきとーに書いてチャッチャと終わらせるのもなんなんで、時々だけどちゃんと書いていきたいと、現在は考えています。
とりあえず、憶えていることは残していけたらな、と。
対象期間が短くないので、最後まで続くか全然自信無いんですけど...。

意見や感想,質問以外でも、てきとーな事でもかまいません。
「読んでるよ」だけでもかまいません。
コメント頂けたら、嬉しいです。

旅2005.06.14 - タンポポの丘

2006年06月25日 17時49分40秒 | 旅2005
今年の開陽台のタンポポはとっくに終わっていることでしょう。
2005年は平年より1週間程度遅くれて、ほぼ満開になりました。


2005.06.14

今日は雲がちょっと多めの曇り。
昼ごろからは、青空がちょろちょろと顔を出してきた。

薄い雲から透り抜けてくる陽射しがポカポカと暖かい。
連日の霧で閉じっぱなしだったタンポポ達が、待ってましたとばかりに花を開かせた。

タンポポいっぱい!
この時期だけの期間限定。



天気が良ければ、それだけで気持ちがいい開陽台。
だが、タンポポがいっぱい咲いていると、もっと気持ちがいい。

この時期の開陽台に来たのは初めて。
9月の抜けるような青空は外せないと思っていたが、それに並ぶ一番良い時期かもしれない。



開陽台には何度も来たけど、この時期の開陽台に来たことが無い人にはお勧めの時期だ。
タイミングが悪いと、「草刈マシーン」に首チョンパされてるかもしれないが。


昼を過ぎて、夕方までは雲が多めだったが、夜になると空に星が広がっていた。
明日は撤収。青空の中帰路につく姿を想像して眠りについた...。


次へと続く。

旅2005.06.13 - 霧の丘

2006年06月03日 17時55分09秒 | 旅2005
6月から7月上旬にかけて、霧につつまれる日が多い開陽台。
もちろん晴れの日が続くこともあるのですが、この日は前々日からの霧と霧雨が続いていました。


2005.06.13

薄暗いテントの中で目を覚ました。

陽射しが無い上に、湿度が高い。
連日の霧が今日も続いているんだろうか?

霧の有無を確かめる為にテントの外に出ると、思ったとおり濃い霧が立ち込めていた。



1日中霧の日が3日目ともなると、出かけたくてウズウズしていた。
だが、自分は日程に余裕があるので、出かけないことにした。
星空目当てに連泊している旅人は、残念そうにしていた。




ここは山と平野の中間、丘の上。
雨の日、平地に霧が無くても丘の上が霧につつまれていることは珍しくない。
風が強い日にはテントが壊れそうな時もある。
天気が良い日にはとても気持ちいい場所なのに。

丘の上は、天気の良い日と天気の悪い日の“差”が平地よりも大きい。
安定した日常生活に慣れきった五感が、大きく刺激される。
この感覚がとても心地よいのだ。
この事が、開陽台に連泊してしまう理由の一つなのかもしれない...。


次へと続く。

旅2005.06.10 - 曇りタンポポ

2006年05月01日 18時26分14秒 | 旅2005
メモに残っていた走行距離を見ると、この日ドコかに走りに行ったみたいなんですが行き先は書いて無く、憶えてもいませんでした。
なので、開陽台に居る時間に撮った写真を中心に紹介します。


2005.06.10

今日は曇り空。
雲は薄く無く、厚くも無く、中間ぐらいだ。
雨は降りそうも無い。

朝、なんとなく展望台にのぼってみた。
雲っているせいで遠方の「ヌケ」が悪い。
写真日和とは言えない。

テントサイト一面に黄色い小さな点が見える。
太陽から雲越しに穏やかな暖かさが伝わっているおかげで、タンポポの花が開いているのだ。
花が小さくて写らないと思ったが、一応写真を撮った。(上の写真)

タンポポを写したくなったので、テントサイトをウロウロして良いポイントを探す。

タンポポが一番濃い場所を見つけて撮影した。

曇り空なので、予想通りパっとしない写真になった。

ゆっくりと歩きながら「ウロウロ」を続けた。
下のほうを見たり遠くを見たり、方向を変えて見たり、柵に立って見たり、しゃがんで見たり、地面スレスレに見たり...。

知らない人から見たら不思議な人に見えるだろう。
悪いことをしていないので、後ろめたさは無いハズだ。
なのに撮影ポイントを探す行動は少しだけ、恥ずかしい気がする。
カメラを手にした時からやってることなので慣れてはいるが、人が多い場合などは未だに抵抗があるのは確かだ。
自分がカメラを持っていなかった時の「一般人目線の記憶」が無意識のうちにそう感じさせているのだろうか。
今はまだ朝なので観光客は来ていない。
気にしないで「ウロウロ」を継続した。

テントサイト奥から撮影。

タンポポは7分~8分咲きといったところだ。
もう少しタンポポが濃くなった、天気の良い日にまた撮影しようと思った。


午後になって「パノラマ写真」に挑戦することに。

「330度の展望」。
開陽台はそう言われている。
誰が計測したのかは知らないが、残りの30度は北に位置する「武佐岳」だそうだ。
「武佐岳」が「一番近くに大きく見える山」であることは事実だ。
といっても至近距離にそびえ立っているワケでは無い。
「少し距離をおいて開陽台を見守っている」ぐらいの感じ。
特に視界や展望を遮っているようには感じない。
実際には「山、海、島、地平線、丘」が緩やかに変化しながら「360度」を構成している。
低い場所や山の中では絶対に見ることが出来ない「開陽台」特有の変化に富んだ風景だ。

この風景を写真に残せたら...。
「見た感じそのまま」を残すことが無理なのは承知の上。
「パノラマ写真」というものを撮ったことがなかったので、試してみることにした。

カメラにパノラマ撮影機能が入っていないので、数枚に分けて撮影した画像を帰宅後パソコンに取り込んで合成する。

撮影方法は、展望台中央に三脚を固定して1枚撮影したら少し回して次を撮影...という方法が簡単かつベスト。
しかし、ここの展望台は真ん中が低くなっていて風景が写せない。
外周の「手すり」の上で撮影、等間隔に1周ぶんを撮影することにした。

「手すりを支えている細い柱」の合計本数を数え、8枚写せば等間隔に撮影ができることがわかった。
撮影開始。
撮影したい場所に観光客がいる、なかなか進まない。
観光客の記念撮影が終わるのを待っている間に、次に撮影する「細い柱」が何番目だったか忘れる。
最初から撮りなおし。
うへぇ~!めんどくせ~!
まぁいい、時間はあるのだ。
2回くらい失敗した後、1周ぶん8枚を撮り終えた。

ちょっと疲れたがコツはつかんだようだ。
合成がうまくいったら次回天気の良い日にまた撮影しよう。

帰宅後、プリンタのおまけのフォトレタッチソフトで合成してみた写真がコレ。

「ステッチ」という機能で1枚ずつ繋げた。
明るさにバラつきが有る。
露出を自動で撮ってしまったせいだ。露出固定で撮影する必要がある。
繋げただけなので、重なっている部分が透けて見えたり2重に見えたりしている。
その一部を修正してみた。
うまく修正できた。
「見れる写真」が出来る確信を得た。
素材(天気)があまり良くないので、時間のかかる修正作業は止めた。

次に良い素材が撮れた時に、たっぷり時間をかけて作業することにした。


次へと続く。

旅2005.06.09 - 雪の残る林道

2006年04月17日 18時25分01秒 | 旅2005
この日は、雪が残っているかもしれない林道に行ってきました。


2005.06.09

今日は曇り空だけど雨は降りそうもない。


久々に林道をちょろっと走りたい。
久々ということで、ここから近いお手ごろな林道「笹の沢林道」に行くことにした。

この林道、一週間くらい前にジムニーで行った人の話だと、途中雪が厚く残っていて引き返してきたという。
この話をしてくれたジムニーの人、上士幌航空公園キャンプ場で会った人だ。
上士幌で話をした時に「そのうち開陽台に行くかもしれない」と言っていた。
でもいつ来るとは聞いてなかったので、特に気にしてはいなかった。
そんなところで昨日、突然現れたので驚いた。
1度会った旅人に偶然再会するのは凄く嬉しいモノだ。
この場合偶然とまでは言えないが、やっぱり嬉しかった。

ここ数日暖かい日が続いたので、林道の雪は無くなっているか少し残ってる程度だろう。
もし通れなければヒョイっとUターンして戻ってくれば良いのだ。
バイクは気楽でいい。

曇り空の下、笹の沢林道を目指して出発した。


この林道の国道側からの入り口は、路面状況によりゲートが閉ざされていることが時々ある。
この日もゲートは閉まっているとの事前情報。
今年は20日以降に通れるようになるらしい。
もう一つの入り口を目指した。

国道側の入り口には大きい看板があるのだが、もう一つの入り口には看板は無い。
以前来たときには、その入り口を探して廃道っぽい道に入り込んで苦労した。
結局あきらめて国道側から走り抜けることでその入り口が判明したのだった。

記憶に残っていた小さな目印を見つけて道幅の広い砂利道に入った。
久々の砂利道だ。
路面が少し湿っているので、巻き上がる砂ぼこりは少ない。
見通しが良いのに加えて路面はフラットだ。
3桁までスピードメーターの数字を上げて楽しむ。

1.5kmほど走って左側に分岐する道に入った。
ここから先は徐々に道幅が狭くなってきて、山の中へ入っていく気分が高度と共に高まっていく。
両脇には笹が広がっている。
少し進むと木の割合が増えて、やがて「森」という呼び方が正しいと思える風景に変わっていった。
森によって日当たりの悪くなっている道路脇に、雪が残っていた。
雪はところどころに少しだけ残っている感じだ。
走行ラインには全く雪は無い。
このぶんだと「路面全体が雪で覆われている」心配は無いかもしれないと思った。

森が途切れて空が見えてきた。
左の山側は土が剥きだしになっている崖。
道路脇には落石が少々落ちている。
右の谷側も崖だ。
間違って落ちると厄介なので、大きな石を踏まないように注意して進んだ。
その先しばらくは落ち着いた雰囲気の道を走った。

峠にあるNHKの中継場へ向かう交差点まであと少し。
というところで、路面前方が白いモノで覆われていた。
雪だ。
残念、予想が外れた。
手前で停車し、通れるかどうかを歩いて確認する。
距離は10m。
雪の深さ20cm。
軽度の上り坂になっている。
ザラメ状の融けかけの雪の上を歩くと、ザクザクという音を立てて靴が少し沈んだ。
バイクのタイヤはもっと沈むだろう。
数日前に冬タイヤの四駆が挑戦したと思われるワダチが途中まで延びていた。
このワダチを使えば少しは楽に進めるかもしれない。

道路脇に群生している「ふきのとう」を目にしつつ、バイクに跨った。
少し助走し、バイクを直立させた状態で雪のワダチに進入した。
膝を締め、後ろに体重をかけ、アクセルは少し開け気味だ。
「よし、進めるだけ進んでくれ。」
ハンドルの先のフロントタイヤに、ザクザクとした雪の抵抗を感じながら進む。
「雪なんかに負けないでくれ!」
雪の抵抗と軽い上り坂によって徐々に速度が落ちてくる。
「まだ、もう少し進んでよ!」
願いとは裏腹に空転するリアタイヤ。
「お願いだから、もう少し進んでください!」
両足で路面を蹴って空転するリヤタイヤに加勢したが、フロントタイヤにかかる雪の抵抗には勝てなかった。
ワダチの終わりまで進んだところでバイクは停まった。

進んだ距離、たったの3m。
この状況でノーマルタイヤだとこんなものだ。
バイクの横に立ち、バイクを押す。
足元が悪いので押しただけでは全く進まない。
ギヤをローに入れ、リアタイヤにも加勢してもらう。
バイクのバランスと自分のバランスをとりながら少しずつ進んだ。
久々にバイクを押して汗が出る。
しかし、終わりが目の前に見えている為気分が楽だ。
「死ぬほど疲れる」前に雪を渡りきった。

この先、雪が残っている場所がまだあるのだろうか?
目の前に見える範囲には雪は無い。
わからない時点から心配してもしょうがない。
雪が現れてから考えれば良いのだ。
先に進んだ。

NHKの中継場を左に見ながら峠を通過。
下り坂をのんびり走っていった。

しばらくして左側に分岐が現れた。
「川北温泉」へ続く道だ。
初めから寄るつもりだったので、迷わず左折した。
少し走ると広い駐車スペースと小屋が見えてきた。
先客は1人もいないようだ。
小屋に近いところにバイクを停めた。

ここ「川北温泉」は、無料の露天風呂。
木造の更衣室小屋と工事現場に置いてあるようなトイレがある。
更衣室と浴場は男湯と女湯がきちんとしきられている為、男女共にドキドキ感はない。
お湯は硫黄のにおいがする白っぽいお湯。
地元の愛好者の方々が管理されているようだ。
感謝しつつ入浴したい。
また、ヒグマが時々現れるようなので、ゴミなどは絶対に置いていってはならない。

ヘルメットを脱ぎ、お湯を確認しにいく。
お湯は湯船にたまっていたが、湯温は熱かった。
湯船の奥にあるホースを湯船に入れ、冷たい水を入れる。
湯温が下がるのを待っている間、男湯と女湯で泉質が少し違うという話を思い出した。
誰も居ないみたいだが、念のため声をかけてから女湯を確認した。
こちらのお湯も白っぽくて硫黄のにおいがするみたいだ。
結局良くわからなかった。

そろそろ湯温も適当になってきた頃だ。
服を脱ぎ、湯温を確かめた。
少し熱いが慣れればちょうど良いぐらい。
お湯で体を流して浴槽に入った。
浴槽の底が砂っぽくザラザラしている。
通常は清掃されているが、オープン前なのでしょうがない。
ザラザラは気にしないで、のんびりお湯に浸かる。
少しだけ春っぽくなってきた山の色が目に心地よい。

湯温も適当になってきたのでホースを湯船から外した。
初めて来た時のことを思い出していた。
冷たい水が出ているホースが湯船に入りっぱなしになっていたのだ。
初めて来たのでどうしても入りたくて、温水プール並みの温度の水にしょうがなく浸かった。
どうして後に入る人のことを考えられない人がいるのかなぁ、と思った。

体が温まって満足したので浴槽から上がって服を着てバイクに向かう。
500ccのペットボトルに水を入れて積んできていたのだ。
「あれ、無いな...無いぞ?...無~い!」
隈無く探したが、ペットボトルは無かった。
どこかで落としたようだ。
死ぬほど喉が渇いているわけではないが、やっぱり飲みたい。
自分にとって「風呂上りに飲む水」は「風呂」とセットなのだ。
ホースの水を飲むコトも考えたが、エキノコックスが入っていないという保障は無い。
あきらめてタバコに火を点けて体をゆっくり冷ました。

体が適度に冷めたので再び走り出す。
先ほどの交差点を国道方面へ左折した。

ところどころ小さい落石はあるものの、乗用車で走るのにも問題無い路面。
アップダウンの少ない道をのんびり走った。
しばらく走ったところで出口に到着。
事前情報のとおり、ゲートは閉まっていた。
ここから抜けてしまいたいところだが「落としたペットボトル」が気になるので、引き返した。

川北温泉の交差点までは、土の感触を楽しみながらスムーズに走り抜けた。
交差点から先は「ペットボトルがどこかに落ちていないか」とゆっくり走る。

来た時にバイクを押した「雪で覆われた路面」が現れた。
今度は「下り」なので押さなくても良さそうだ。
両足を初めから出し、ゆっくりと雪の上を進んだ。
来た時の苦労がウソのようにスムーズに通過できてしまった。

その後もかなり注意してペットボトルを探しながら走ったが、林道上には落ちていなかった。

アスファルトに入ってもスピードを上げたくなる気持ちを抑えてペットボトルを探して走った。

ペットボトルが見つからないまま開陽台の駐車場に到着してしまった。
残るはテントサイト横まで続く小道。
アスファルトよりもこの砂利道で落下する可能性は高い。
ゆっくりと上って探したが、結局見つからなかった。

バイクを降りて真っ直ぐ水場に行き、喉を潤した。


その後は、街中に新しくオープンした「ダイソー」や「Big House」へ買い物に行ったりして過ごした。

夕飯を食べた後に寝袋に入ったが、なんだか「におう」。
シャツの胸のところを指でつまみ上げて離すと、はっきりと「におう」。
「硫黄のにおい」だ。
川北温泉の硫黄のにおい成分が体と下着に残っていた。

寝袋の中で「ペットボトルの行方」を考えつつ、「硫黄のにおい」につつまれて眠りについた。


次へと続く。

旅2005.06.08 - 写真日和

2006年04月07日 18時06分23秒 | 旅2005
この日はいい天気でした。
今まで開陽台では天気の良い日に写真を撮っていませんでした。
写真を撮りたくなったので、どこにも行かずにシャッターチャンスを待ってみました。


2005.06.08

雲が少なくて天気が良い。
昨日は一日中曇り空だったから気分爽快だ。
天気予報も晴れ。
「今日は移動せずに、のんびり開陽台の写真でも撮ろう」と決めた。

朝9時ころ、テントサイトを手前に入れ、武佐岳を撮影。
(一番上の写真)

テントサイトからの写真を撮る時は武佐岳を入れることが多い。
持参のコンパクトデジカメに適当な大きさの被写体は武佐岳と展望館くらいなのだ。
南側の展望館に比べ、北側に位置する武佐岳は順光の時間が長いので撮りやすい。
東側には遠方に国後島、西側には少し離れた牧場が、それぞれ見える。
テントサイトから見た東側と西側は広々している。
ここの広々とした風景を自分の目で見渡すと、見晴らしが良くて気持ちがいいことこの上ない。
しかし、「すごい風景だ」と感動して写真を撮っても、後で見ると「遠くに小さい何かが写っている広い場所の写真」にしかならないことが多い。
ここの風景は「自分の目で楽しむ」のが一番いい。
但し、朝日や夕日や雲などの「アクセントとなる被写体」が現れた時にはいい写真が撮れるので、油断は禁物だが。


時間を置いて、また撮影した。


砂利の近くだけ「タンポポ」が濃い。
太陽に暖められた砂利から熱が伝わり、タンポポの成長を促進しているようだ。
もう少し気温が上がってくると、テントサイトにもタンポポが広がってくる。
まだ見たことのない「タンポポが咲き乱れるテントサイト」を見たいと思った。


夕方。
もう一人のテントの住人は買い物に行って、ここには居ない
夕焼け待ちの為、一人で柵に腰掛けて西の方向を眺めていた。
しばらくして、帯状の「ひつじ雲」が徐々に西からこちらに向けてのびてきた。
白いひつじの群れの行進だ。
ひつじが仲良く並んでいる。見ていて楽しい。
なんとなく後ろを振り向いた。
展望館に向かって「白いひつじの群れ」が吸い込まれていた。


この後の夕焼けはキレイな色にならなかったが、良い写真が撮れたので満足した。


次へと続く。

旅2005.06.07 - 音楽の流れる道

2006年03月29日 18時02分05秒 | 旅2005
開陽台に連泊することにして、テントを置いて「音楽の流れる道」を見に行ってきます。


2005.06.07

今日は天気はパっとしないが雨は降りそうも無い。
昨日1番後に到着した旅人を見送った。

自宅にいる時に「音楽の流れる道」が標津町にあるという情報を入手していた。
是非行ってみたいと思っていた。
ハイジーの家にその道の地図が壁に貼ってあった。
その道の正確な場所を確かめた後、テントに戻ってバイクに乗る準備をした。

バイクに跨り発進する。
空荷の為、軽快そのものだ。
砂利がまばらに残っている土の小道をゆっくりと下りていく。

駐車場を出て一方通行の下り道をゆっくり進んだ。
この道の谷側となる左側にはガードレールが無い。
緩いカーブの後、少しきつめの右コーナーにさしかかった。
緩やかでは無い斜面に笹薮が敷きつめられている状態だ。
右側には草木が生え、見通しが良くない。
左側の笹薮の斜面を見下ろしながらゆっくりと進んだ。
クリッピングポイント延長上の笹薮が潰れていた。
「まだ潰れていたかぁ。」
昨年の出来事を思い出してヘルメットの中でつぶやいた。

昨年8月ごろ、2台のバイクがココから落ちたのだ。
夜8時ごろ、数人で風呂に行くと言って出発していった人達がいた。
長期滞在していた人が先導し、その後ろを当日着いた旅人が数人。全員バイクだ。
先導したバイクはこの道に慣れているので暗くなったこの道をスムーズに駆け下りていった。
直後に付いて走っていたバイクがこのコーナーを曲がりきれず、落ちた。
その後に続いていたバイクは停止して救助を始めた。
先導していたバイクは一方通行の出口で停まって後続車を待っていたのだが、誰も下りてこないので一方通行の上り道を走って駐車場まで様子を見に戻った。
駐車場では誰の姿も見えなかった。落ちた場所は駐車場からは見えないのだ。
置いていかれたら困ると思い、急いで一方通行の下り道を駆け下りていった。
しかし、落ちたコーナーのアウト側には救助中のバイクがハザードを点灯させて停まっていたのだ。
急いで駆け下りていったバイクはバンク中に停車しているバイクが視界に入ったが、イン側に避ける余裕は無かった。
選択の余地は無い。アウト側に進んだ。
先に落ちたバイクと救助している人達の頭の上を、回転しながら飛んでいった...
幸い2人とも笹薮がクッションになったおかげで軽症。骨折も無かった。
バイクは2台とも走行不能になってしまったが...

昨年の9月ごろにも、もう1台落ちた。
時間は朝9時少し前だった。
バイトに行くといって出発していった人達だ。
先導していたのは、またもや8月に落ちた長期滞在の人。
前回のバイクは修理不能だった為、大きいバイクに変わっていた。
後ろに付いて走っていた人は道に慣れていない。2日目か3日目だったと思う。
朝だったのでテントサイトに居た人達が彼らを見送った。
少し経ったと思ったら、先導して行った1台のバイクだけが戻ってきた。
どうしたんだろう。そこに居た数人が注目した。
「バイク落ちたー!」
後続のバイクが落ちたのだった。
こりゃ大変だと数人が現場まで走りだそうとした時、助けを呼びに来たはずのバイクが、少し低くなっている左側にゆっくりと倒れた。
跨っていた長期滞在の人もバイクと一緒になって倒れた。
Uターンしようとしての、立ちごけだった。
左足をバイクの下に挟まれて動けないでいる。
「あぁ~、まずは俺を先に助けてくれ~!」
普段よりも一段高い声で彼は助けを求めた。
そこに居た数人は走る方向を急遽変更し、倒れたバイクを起こした。
ゆっくり倒れた為、挟めた左足は問題が無かった。
彼はバイクで先に下りていった。
その後を、すぐに動かせたバイク1人と徒歩の数人で駐車場下の現場まで走っていった。
落ちた人は元気そうだった。
数人で落ちたバイクを道路上まで引き上げた。
大きくは壊れているところは無い。走れそうだ。
エンジンをかけようとしたところ、セルスイッチが押せない。
見ると奥のほうでポッキリ折れていた。
何か細いモノで奥のほうを押すとセルが回った。
エンジン始動、そして試運転。
問題無く走れた。
後で押し掛けした人が割り箸を加工して「木目セルスイッチ」を作った。
すげー、すげー、と皆で賞賛した...

思い出してヘルメットの中でしばらくの間、ニヤニヤと笑っていた。

中標津市街地方面へ走り、空港を過ぎたところの信号付き交差点を直進する。
川北の町を通り過ぎて民家が無い道を走った。

「音楽の流れる道」は標津町の酪農地帯を走る「町道川北北7線」に在る。
最近、曲がり角の周辺に看板が立てられたというので見落とさないように道路右側に注意しながら走った。

少し走ったところで「メロディーロード→」の看板を発見。
減速して右折した。
進入した側が終点なので、1度通りすぎてからUターン。
始まりを示す「ト音記号の標識」が少し遠くに見える位置で停車した。

「メロディーロード」という名前が付けられたこの道路は、60km/hで走行すると「知床旅情」が聞こえるという。
アスファルト表面に彫られた幾つもの溝の上を走ることで、その振動が車に伝わり音階となって耳まで届くというものだ。
車で走ると聞こえるのは判っていた。
しかし、バイクではどうなのか?
開陽台で話を聞いてもバイクで走ったという話は無かった。
自分の耳で確かめるしかなかったのだ。

発進し、ト音記号の標識で60km/hになるようにアクセルを開けて加速した。
スピードメータで60の数字を確認しながらト音記号を通過した。
息を止め、耳に神経を集中した。

..
...
終点の「八分音符の標識」まで走りきったが、聞こえない。
「風の音」と「バイクのエンジン等のノイズ音」が一定の音量音階で聞こえるだけだった。
んー、バイクだとダメなんだろうか。

Uターンしてもう一度走った。

..
...
やっぱり聞こえてこない。

今度はクラッチを切り、ヘルメットを左手でずらして左耳が良く聞こえるようにして走った。

..
...
ダメだった。やっぱり聞こえてこない。
バイクだと聞こえないのだ。
聞きたかったが、聞こえないものはしょうがない。
結論が出てしまってする事が無いので、来た道を引き返した。

開陽台に戻る前に「中標津保養所温泉旅館」に寄り、温泉に入った。
ココも久しぶりだ。
中標津の街中には何件も温泉があるのだが、ココが一番のお気に入りだ。
建物は新しくないが、手入れが行き届いていて清潔だ。
客の年齢層が少し高いということもあるのだろう。一番混んでいる時間を外せば落ち着いて入浴できる。
一番好きなのは露天風呂だ。
少し広めの露天風呂の向こうには、冬になると白鳥と丹頂が飛来する「池」が有り、「林」が有り、「空」が有る。
明るい時間にすいている露天風呂でのんびりすると、とても心地がよい。
風呂から上がって少しだけ体を冷ましてから開陽台に向かった。

開陽台に到着し、「メロディーロードはバイクでは聞こえなかった」という話をした。

昨日からテントを張っている「軽トラの人」も行ってきたという。
車なので当然聞こえたらしかったが、それよりもその後に聞いた話が少し悔しかった。
彼が車から出て「ト音記号の標識」の写真を撮っていた時の話だ。
写真を撮っていたところ、他の車がメロディーロードを通過した。
その時彼の耳にメロディーが聞こえたのだ。
路面とタイヤの摩擦音なので、車の中はもちろん外にも聞こえたのだった。

そうか、停まってヘルメット脱いでたら聞こえたのか。
そういえば他の車もチラホラ走ってたっけ。
曇り空を理由に写真を撮っていなかったのがいけなかった。
おしいことをした。

次に「メロディーロード」へ行った時には、ちゃんと停まってメロディーを聞こうと思った。


次へと続く。

旅2005.06.06 - 開陽台に行こう

2006年03月17日 19時32分41秒 | 旅2005
上士幌航空公園キャンプ場を出発します。
走り出したらコンビニおにぎり派なワタシも、たまにはおいしいモノを買ったりします。
天気の良い中、開陽台に向かいます...


2005.06.05

まだそんなに日の出が早くは無いけど、テントの中は家の中よりずっと早く明るくなる。
少し早めに目が覚めた。
昨日買っておいたパンを食べてからテントの外に出た。

北の方に「青い青い」空が広がっている!
ど、ど、ど、どうしよう。
タウシュベツ青空じゃないの!?

今すぐ橋まで行くか、撤収してから行くか。
そんなに時間に余裕があるワケではないので、迷う。
うーむ。
撤収してからも青空なら行ってこようかな。
そう決めて、撤収に取り掛かかった。
撤収が終わったころには青空は白い雲で覆われていた。
おぉ、撤収前に橋まで行ってたらちょうど曇ってたトコロだよ。行かなくて良かった~。
(少し距離があるのでホントの天気はわかるハズ無いのだが。)
勝手に納得して荷物をバイクに積んで出発した。

時間に余裕があるので国道をのんびりペースで帯広へと向かう。

「おいしい」と評判のスイートポテト。
札幌のデパートに時々出張してるのは知っていたが、まだ食べたことが無い。
本日の第一目的地、帯広の「クランベリー」だ。
出発前に地図で場所は確認済み。
いつもは走り出すと曲がる場所を忘れることが多くて地図を見直すことが多いのだが、今回は覚えている。なんか調子いい。帯広近くから青空が広がってきたせいかな。

「クランベリー」に到着。
屋根着きの駐車スペースが空いていたのでそこにバイクを停めて店内に入る。
甘い匂いがする。御目当ての「スイートポテト」発見。美味しそう~。
すぐに食べたい衝動にかられたが、今回は開陽台で食べるのだ。ガマンガマン。
「スイートポテト」。買ったはいいが、以外に大きい。
バイクの横で一服しながらプラボックスの上に積む。
太陽がもろにあたるので日よけを追加した。

再び走り出す。
国道はペースが遅いので道道73号を通って池田町まで抜ける。
空の青さは足りないが、雲がほどよい配分で空を覆い日差しも適度で気持ちがいい。深呼吸してみた。
通行量の少なさも手伝って、いつもよりペースが上がった。

池田町から国道を北上して足寄を目指して走った。松山千春を口ずさみながら。
足寄市街に入った。昼飯には少し早いが、トイレには行きたい。
何も買わずコンビニに入るのもなんなので、大きい駐車スペースとトイレがある「千春の生家」へ向かった。

道路左側にある小さい郵便局を目印に右折して住宅街に入る。
学校を目印に左折、そして右折。
「絵」の正面で一時停止。
車庫の上に「若い頃」と「最近」の2枚の特大の絵が飾られているのだ。
一度「ニヤリ」としてから少し進んで駐車スペースにバイクを停めた。
少し離れたところから絵を見ながら一服する。
頭の中では千春の唄が流れている。
本当は声に出して唄いたいところだが、ここは静かな住宅街のど真ん中。恥ずかしいのでやめておいた。
トイレを済ませて出発した。

ここからは足寄峠を経由して阿寒湖を目指して走る。
天気は良いが足寄峠手前あたりから風が冷たい。
まだ6月の初めなのだ。

阿寒湖近くのコンビニに入り昼飯を買って駐車場で食べた。
暖かいコーンスープで冷たくなった手を暖めながら。
これから先、阿寒横断道路を抜けるまでは確実に寒いはずだ。
抜けた後に気温が上がってくることを想像してから走り出した。

阿寒横断道路はコーナーが連続し、楽しい道路だ。
はみ出し禁止区間が多いのが難点だが、抜かせないクルマがいなければかなり気持ち良く走れる。
体が冷えているので抑え目に走る。
路面温度も低いようだ。粗くブレーキを掛けるとタイヤが少し滑る。
コーナーの切り返しを楽しみながら走る。
幾度もコーナーをクリアしていくうちに体も少し暖まったようだ。
下りのコーナーの少ない道を走り高度を下げていく。
高度とは逆に気温が少しずつ上がってきた。
暖まった体が冷え切らないうちに「道の駅 摩周温泉」に到着した。

「道の駅 摩周温泉」は日本一小さい道の駅。
建物こぢんまり。売店こぢんまり。
「こぢんまり」を横目で見ながら一服してこれからの道のりを考える。
中標津市街で買い物とガソリンを済ませてから開陽台に行くことに決めた。

虹別を経由して道道13号に入った。
時間に余裕があるので、のんびりスピードで走る。
日差しがポカポカと暖かい。
眠くなりそうな心地良い感覚を楽しんだ。

中標津市街に到着。
コンビニで食料を買い込み、ガソリンスタンド給油を済ませた。
中標津空港の前を通って開陽台に向かう。

開陽の信号を過ぎ、T字路を左折した。
「ミルクロード」だ。
直線道路が地平線に消えていくように見える、有名な記念撮影スポットだ。
夏になるとライダーが道路脇にバイクを停め、この道路をバックに写真を撮る光景が多く見られる。
オフシーズンだからか今日は誰もいない。
右側の上のほうに見えてきた開陽台展望館を目で追いかけてみる。
軽いアップダウンの後、上り坂を進んでいく。
どんな景色かな?と思いミラーを覗くが良く見えない。
走りながら振り返ってみる。
「変わってないこと」を確認してから前を向いた。
ここに初めて来たのは何年も前だ。
その時は写真をたくさん撮った。
その後も数回来ているので、余程きれいな空じゃない限り撮影する気にならないのだ。今回も撮影はパスした。

上り坂を上がりきって下り坂を少し進んでから右折する。
開陽台の駐車場へ続く一方通行道路だ。
一段と坂がきつくなる。
左側に牧場が見えてきた。いい景色だ。
坂の頂点まで進んだ。
展望館より奥に少し雪を残した山々が見える。
夜になると冷えそうだ。このぶんじゃ誰もテント張って無いんじゃないか?と思った。

車もまばらな駐車場に到着し、ぐるっと一周して景色を確認した。
うん、この景色だ。
一周し終わると、駐車場にあるトイレの左脇にバイクを進めた。
幅の狭い、テントサイト脇まで続く砂利の小道へ入った。
もう一息で到着だ。荷物満載でコケたくない。
しっかりとラインを選び、アクセルを開け気味にして登っていく。

終点に到着した。
予想どおりテントは無い。
時計を見ると、まだ3時だ。
エンジンを止め、バイクを降りて周囲を見渡す。
テントサイトの草はきれいな緑色だが、柵の外の笹はまだ緑色になっていない。

ヘルメットを脱ぎ、お土産のスイートポテトを持って展望館へと向かった。
展望館の中にある喫茶店「ハイジーの家」に入る。
昨年大変お世話になったので顔を覚えてくれているようだ。
笑顔で暖かく迎えてくれた。
すごく嬉しいかった。自然と笑顔になった。
お土産を渡し、いろいろ話をする。

テントはまだ張らないの?という話になった。
まだ疲れた体がだるく、もう少し休んでいたい。
店が終わった後に張ることにした。
「誰かテント張りたい人が来ても1人も張ってなかったら帰っちゃうかもよ。」
「見せテントとして張っておいたほうがいいかもよ。」
という意見が出る。
考えてみると、今までテント泊で一人ぼっちになったことが無い。
照明が無いテントサイトで一人ぼっち...
寂しくてたまらなくなってしまうんだろうか。
それとも全然平気なのだろうか。
試してみたい。
でも平気じゃなかったらどうしよう。
うーむ。結局は試してみなきゃわかんないだよな。
少し考えてから「まだダルイし、やっぱり後にするよ。」と答えた。

スイートポテトを切ってもらい、みんなで食べた。
切った面を見ると層になっている。
下のほうにはカスタードクリーム。その上にスイートポテト。
見た目のイメージより甘さ控えめで食べやすい。
「やさしい味」と表現するのが適当か。
さつまいもの柔らかい甘さが生きている。
すこし幸せになった。

そうこうしているうちに閉店時間となった。
テントサイトには誰もいない。

ハイジー家のスタッフを見送ったら一人ぼっちになった。
もう少しすると陽が沈む。
誰も来ないかもしれない。
初めての一人ぼっちテント泊を想像して少しワクワクした。

そうだ。暗くなる前にテント張ってしまわなければ。
テントを張る場所をバイクからそう遠くない場所に決め、バイクから荷物を移動してテントを張り始めた。

すると、体格の良い短髪の一人の男がコチラのほうに歩いてきた。
車に乗ってきたと思われる軽装で荷物は持っていない。
普通の観光客だろうか。
ただ様子を見てるだけかもしれない。用事があれば声をかけてくるだろう。
その男を視界に入れながらテント張りを続た。
その男性はゆっくりと、コチラを見ながら更に近づいてきていた。
テント設営の手を止めて男性のほうを向き、「何でしょうか?」と声に出さず顔の表情だけで聞いてみた。
「あの~、ここはテント張っていい場所なんですか?」と男は答えた。
ここに泊まるつもりのようだ。
少し怪しげな風貌から出てきた丁寧な話し方を意外に思いつつ答える。
「この柵の内側、芝生の上だったらどこに張ってもいいんですよ。」
男は安心した表情を浮かべた。

話を聞くと、少し前に到着したという。
テント張って良い場所が開陽台にあるのは知っていたけど、人もいないし看板も無いのでどこに張ったら良いかわからない。
キャンプ道具を積んだバイクだけが1台だけポツンと停まっていた。
そのうち人が現れるだろうと、展望台の周辺をぶらぶらしながら待っていたそうだ。
少し話しをしてから男は駐車場の軽トラまでテントを取りに階段を下りていった。

一人ぼっちでは無くなってしまった。
覚悟を決めていたぶん少し残念にも思ったが、現れた人が面白そうなので良かったと思った。

テントを張って荷物をテントに入れて完了。
もう一人は取りに行ったテントを張リ終えて荷物を整理している。
あと、もう一人の旅人が到着しテントを張った。

陽が沈みそうだ。今日はまだ1枚も写真を撮っていなかった。
なかなかキレイなので写真を撮った。
(一番上の写真。)

沈みきってオレンジ色が一層と鮮やかに見えた。
オレンジ色がしっかり写るように、露出を押さえてもう一枚撮影した。


陽が沈むと急に気温が下がった。
少し話しをしてからテントに入った。

ガソリンストーブを取り出し、数回ポンピングを行い、プレヒートする。
今回は「オプティマス 8R」だ。

バーナーに着火し、米を炊き、蒸らす。
おいしく炊けた。
「擬似とろ火用」に用意した、東急ハンズの理科実験用品コーナーで見つけた「セラミック金網」が絶妙な火加減を実現させたのだった。
米の味に満足しながら食事を済ませた。

テント内4度。
上士幌より少し寒いが、全部着れば問題は無い。
寝袋に入ってぬくぬくした。
AMラジオをイヤホンで聴きながら、今日見た風景を思い返しているうちに眠りについた。


次へと続く。

旅2005.06.05 - 幻のタウシュベツ橋梁を目指せ!

2006年03月13日 21時01分32秒 | 旅2005
渇水期にのみ姿を現すという幻の橋、タウシュベツ橋梁。

過去に2度、糠平湖のタウシュベツ橋梁を見に行ったことがありました。
が、2度とも水量が多くて「橋の一番上の平らなところだけ」しか見たことがありませんでした。

2005年は平年より雪融けが遅めだったので少し早めに行けば見れる!と判断。
まだ夜になると気温が低くて走りたくないので日帰りはイヤだ→テント持って行こう→それなら他のところも回ってこようという計画です。

そのことを友人M(クルマ)に話をしたら、1日目だけ日帰りで一緒に行くヨ!ってことになりました。
天気予報を見て出発日を決め、前日夜にテントなど10日間ぐらいの荷物を準備しました...


2005.06.05

バイクに荷物を積む。
プラボックス、サイドバッグ、デイパック。
固定した後、積載状態を再確認。
一服+暖気運転後、出発。

友人Mと「道の駅 マオイの丘公園」で9時に待ち合わせ。
朝の通勤時間帯と重なるので気持ち早めに出発したが、いつもより道がすいていて10分前ぐらいに到着。
数分後に友人M到着。
トイレを済ませて道順を確認して出発した。

夕張を通過し、日高で一服。
日高のセイコーマートはなんだか落ち着かないので、いつもの「道の駅 樹海ロード日高」で一服。

日勝峠を通過。
十勝平野が良く見える。天気が良いので気持ちがいいことこの上ない。
頭の中では「青空バックのタウシュベツ橋梁」を想像していた。

鹿追町のコンビニで昼飯を買い、然別湖を目指した。

然別湖の手前「扇ヶ原パーキング」。
眺めはそこそこ。少し雲が出てきた。
先ほど買った昼飯を友人Mと話をしながら食べる。
ちょっと離れた他の地元ナンバー観光客親子3人のクルマ付近にキツネ2,3匹が寄っていくのが見えた。
人慣れしすぎている。
「観光客にエサを貰って生きているキツネ」だ。
地元の人間みたいなので、エサ与えることは無いだろう。幼い子供も一緒なのだ。
そしたら、そんなこと考えてるのはオレと友人Mだけだったらしく、親に見える人間はスナック菓子をキツネに与え始めた。
「あらら~」
「エサやっちゃダメだよな」
「子供見てるのにな」
ちょっと離れていたので注意はせず、友人Mと話をしながら様子を伺っていた。
しばらくしたらエサやりを止めて出発していった。
エキノコックス知らないのか?
アタマ弱い人なのか?恐いな~。
他の人に感染したらどーすんだか。
エサやるからあとに来た人にも近づくんだぞ~。
「野生動物にエサ与えるな!キタキツネとか危険なヤツには特に!」
と、ココロの中で叫んでから出発。

然別湖で止まって周辺を観察する。
湖畔を少し歩いてみたりする。曇り空なので写真は撮らないでブラブラする。
「ナキウサギってこのあたりにもいるんだぁ。」
「見れる場所まで結構歩くみたいだよ。」
「うーん。見たいけど時間無いね~。」
「そだな~。また来た時かなぁ~。」
「あそこのトンネル入り口の絵、ナキウサギみたいだな。」
「お。ナキウサギだ。でっかいナキウサギ見ちゃった。」
「見た見た~。」
オレ達は強制的にナキウサギを見たことにして、本日の目的地へと急いだ。

糠平湖だ。
友人Mがクルマのため、タウシュベツ橋梁への道「糠平三股林道」には北側の入り口に向かった。
南側(ダム側)から北上すると道幅が狭くアップダウンが有りブラインドコーナーが多い為、クルマでの通過はお勧めしない。

入り口までの国道を走っていると、右側に橋が見えそうな場所が何箇所かあった。
クルマが入れる場所を見つけて進入停車。
徒歩に切り替えて橋が見えそうな場所を探し草むらに突入する。
対岸っぽいところなので、目標物は遠い。
「見えるね。」
「おぉ。こんなところから見えるんだ。」
「遠いけどね。」
「かなりの望遠ならカッコ良く写せそうなんだけどね。」
コンパクトデジカメしか持ってきてないオレは撮影をあきらめ、とりあえず眺めの良さそうな場所をウロウロする。
友人Mもコンパクトデジカメのはずだが、
「おーい、そこは危ないぞー!」
「滑ったら確実に上がってこれないぞー!」
ってくらいの所々木が生えただけの崖をホイホイと進んでいく。
撮影をあきらめたオレも良いアングルは確認しておきたいので友人Mについていってみた。
おわっ、かなーり恐いじゃーん。
よくこんなところ行けるよなー。
途中で引き返して友人Mを観察する。
撮影を終了した友人Mが戻ってきて出発。

「糠平三股林道」の北側入り口から橋までは1本道だ。
最近追加された「クマ出没しました」看板を横目にオレが先行する。
あぁー。久しぶりの林道だぁー。
今年に入ってからは石狩川沿いのダートに遊びに行ったくらいで林道らしい林道は走ってなかったのだ。
やっぱいいな。林道は。
道路状況は、少し砂利が深いかな?というところが少しある程度で、後は水たまり跡の凹み程度。見通しも良いので緊張感なく走れた。
あっという間についた。
先客のクルマが3台ほど止まっていた。
一服しながら友人Mを待つ。
しばらくして友人Mが到着。

橋までわずか。徒歩で林の中の土道を進む。
その道の入り口にはロープが張られ進入禁止と書いてある。
前の年まではそんなの無かったからバイクごと橋の近くまで行ったっけ。道が悪いので荷物満載=ゆっくりだったけど。橋付近も大きい石ゴロゴロしてるし。
そんなことを思い出しながら歩いているうちに林が切れ視界が開け、石ゴロゴロの向こうに橋が見えてきた。
そこには日勝峠で思い描いた青空はコレっぽっちも無かったが。

「おぉ。全然水無いねえ。」
橋脚が丸見えだ。
「ホントだ。でもちょと汚いね。」
橋近くまで迫った雪融け水の第一陣が汚れを伴って接近してるのだ。
あんまり良い感じとは言えないが、しょーがない。

とりあえず写真とっておこう。

上のほうから撮ったり、

下まで下りて撮ったり、
(一番上の写真)

近づいて撮ったり、


また上に登って撮ったり、


撮影タイム終了~。

雨が降りそうな雲になってきたし、とっとと移動しよう。
テント張るのは上士幌航空公園キャンプ場と決めていた。
日帰りの友人Mは夕飯を一緒に食べてから帰るという。
コンビニ弁当買ってからキャンプ場に行き、テント張ってから一緒に夕飯食うコトに決定。
バイクのガソリンも残り少ないのでのんびりペースで上士幌の町へ南下した。

途中路面がかなり濡れていた。
カッパ着なきゃいけないのかぁ~と思いつつ走ってたら雨にあたるコト無く上士幌の町へ入った。ラッキー。

向かいにコンビニがある小さなガソリンスタンドまで数百mだ。
なんとかガソリンがもってくれたようだ。安心した。
町役場のあたりで信号待ちをした。
信号が青になった。
なんかエンジン音が頼りないなーと思いつつ発進したら息つきを起こした。
さっきの安心は撤回~。
少しふらついたが頼りないエンジン音で進んでいった。
「あと少しなんだから止まるなよー。」
ココロの中でバイクにお願いしつつ、ガソリンスタンドに無事とーちゃーく!
空のタンクを満タンにしてもらい、向かいのコンビニで夕飯を買った。
今来た道を北へと少し戻り、キャンプ場向かった。

上士幌航空公園キャンプ場に到着。
普通の人には寒い時期なので、テント張ってる人もかなり少ない。
バイクを停め、荷物をリヤカーに載せ、広々とした芝生の中からテーブルの近くの場所を選んでテントを張った。まだ明るい。

落ち着いてから、2人でテーブルに陣取っておやつや夕飯を食べる。
今日あったコトなどをネタに話をしてたら、旅人登場。
多摩ナンバーのジムニーで一人旅を楽しんでいるそうだ。
席に着き、話をする。
声は大きめ。楽しそうに話をする人だ。
然別湖の近くでナキウサギを撮ってきたと言ってデジカメのモニターを見せてくれた。
おぉー。そんなに簡単に出てくるのか。
今度行くわー。
いろいろ話をし、楽しい時間が過ぎていく。

夕飯を食べ終えて友人Mが帰るので見送った。

陽が沈んで気温も下がってきたのでテントに入る。
想像していたとおりの気温。
装備的にも少し余裕が有る。この調子ならどこに行っても寝れそうだ。
明日は帯広に寄ってから開陽台へ向かう。
そんなに早起きしなくていいかな...と思いつつ就寝。


次へと続く。


書いてみての感想。
思い出したことを書き連ねていったら、またもや長くなってしまった。
もし、飽きずに最後まで読んでくれた方がいたら、頭が下がる思いです。

旅2005.05.20 - 支笏湖方面日帰り

2006年03月12日 17時22分25秒 | 旅2005
そろそろバイクに乗りたい気持ちが高まる季節になってきました。

でもまだ乗れません。
現在幹線道路上はドライですが裏道に入れば雪や氷+融けた汚い水が溜まっています。
それにまだまだ寒いです。雪だって降るし。
今年の根雪は3月末あたりに無くなる予想が出ているみたいです。
軟弱者の予想としては、4月に入って暖かい日があれば初乗りってカンジです。

ウズウズしててもなんなので、昨年のバイク乗って遊びに行ったコトを思い出してみます。
新しく作ったこのカテゴリー「旅2005」で、2005年の旅について振り返ってみるとしましょう。

2005年の札幌では裏道も含め、4月中ごろには雪は完全に無くなっていたと思います。
それでも山の中は雪が残っているし寒いのでツーリングっぽいモノはもう少し先にしようと思っていました...


2005.05.20

天気も良くツーリング日和!ってコトで支笏湖方面に向かった。
昼飯には林道入って適当に落ち着いたところを見つけてカップラーメンでも食べようと思い、カセットコンロガスのストーブ持参。
気温は少し低いですが、太陽光線の恩恵を受けながら走りました。
空も青いし気持ちがいいよー。

千歳林道に行こうと、恵庭湖を目指す。
恵庭湖の少し手前、何年もゲートが開いたことが無い「旧道道恵庭公園線 道道117」の入り口に自衛隊の車両が2台止まっていた。
こんなところで自衛隊?
...数日前のニュースで砲弾か何かが山の中のどっかに飛んでっただかで捜索中というのを思い出した。
どーせ通れない林道だから問題無いか。と先へ。

千歳林道の入り口にくると、またもやゲートが閉まってる。
ゲート脇には自衛隊のなんやら...という看板が。ガーン。
この季節は山菜取りとかのクルマも入ってるし、いつもゲートは開けてくれてるのにー。
ココだけじゃないしな、林道は。ということで一旦国道へと戻り次を目指す。

「旧道道恵庭公園線 道道117」に途中で交差している名前は忘れた林道へ向かう。
到着し、少し先へと進む...
あらら。雪じゃん。
雪残ってるよ。
日陰の部分だけみたいだけど。
道路幅いっぱいに。
この林道は日陰部分も多く坂もなだらかなほうではないが、頑張れば走破できそうだが...
今日は体力使わないでノンビリ走りに来たのサ。と言い訳して引き返す。

林道入り口付近に眺めのいいところがあるのでそっちで写真を撮った。(一番上の写真)
青い空。高い山には残雪。風が冷たい。
一服しながら考えてみる...
このあたりの林道は入れるところ無いだろな~。自衛隊め...
どこ行こうかなぁ~。
一服し終わっても決まらない。だって林道走りにきたんだもんな。
もう一服...
やっぱりコレといった場所が決まらないので、しょーがなく支笏湖畔に向けて走り出した。

しばらくして支笏湖が見えてきた。
うひょー!
青いぜ青いぜ!
空が青い。その青空を湖面に映した支笏湖も青い。
冷たい風と直線的な日差しも心地よい。今日走りにきて良かった~。

いつも寄る湖畔の売店&トイレをパスして湖畔道路を適度なスピードで流した。
あー気持ちがいい~。

お腹がすいてきたので、支笏湖北東側の道路脇にバイクを止めて湖畔へ下りる。
ちょっと風があるので囲いを作って湯をわかして昼飯。

ん~。
飯がうまい。
気持ちいい。
気持ち良すぎる。
バチがあたってもおかしくないくらいだ。

食後の一服をすませ、写真タ~イム。
湖畔から写したり、道路まで戻って写したり...


日向ぼっこして景色を眺め、ぼーっとしているとずーっとこうしていたくなる。

が、太陽が隠れると寒いぐらいの装備しかしてこなかったので帰らなきゃー。

来た道をのんびり戻って自宅へと帰ったのだった。

もう少し気温が上がってきたら、またどっかに行ってこよう。


終わり。


書いてみての感想。
写真と地図を見て思い出しながら書いてみたけど、結構憶えているもんですね。
この日だけかもしれないですけど。
記憶力には自信が無いので今後の振り返りレポートはもっとアッサリしてるかもしれません。
どうなることやら...

そういえば砲弾が見つかったってハナシ、今になっても全然聞かないです。
見つからずに捜索打ち切りしたのでしょうか?