前回の開陽台はタンポポの花でいっぱいでしたが、一斉に綿毛に変わっていました。
今回は6/26~6/30をまとめて振り返ります。
2005.06.26
3日前に静岡県からZⅡでやってきた男が、開陽台を去る。
その男に帰りはどうやって帰るのかを聞いたら、「中標津空港」と答えた。
中標津空港!?
昼過ぎの1便だけ、バイクを載せられる便があるという。
短い休みの中、出来るだけ開陽台に長く居たいという気持ちから選んだようだ。
その男は、よほど開陽台が好きらしい。
なるほど。
それじゃぁ、来る時はどうしたの?
「釧路」。
釧路ってフェリー無いハズだよね?
「飛行機で」。
男は、釧路から開陽台までしか走ってなかったのだ。
旅道具を積んだZⅡの姿に惑わされたのか、すっかり長距離を自走してきたものだと思い込んでいた。
みんなそのことについて質問してなかったし、男もそのことを言ってなかっただけだ。
「な~んだ~」と笑いが起きた。
小説「振り返れば地平線」に多大な影響を受けたこの男、本心は自走して来たかったに違いない...。
昼前、男が乗る飛行機の出発には少し早い時間。
事前にバイクを預ける為、男は出発の準備を整えた。
男は挨拶をし、ZⅡで丘を降りていった。
ちょっと寂しそうな男の背中を、みんなが笑顔で見送った。
行っちゃったね...。
と言いつつ、時間のある数人で中標津空港へ見送りに行った。
中標津空港の2F、みんなで話をした。
時間になり、男は別れを告げて持ち物チェックを済ませた。
ガラスの向こう側、搭乗待ちをする男の姿が見える。
帽子を深くかぶり、下を向き、寂しそうだ。
搭乗が開始された。
並んだ人の列が、順々に短くなっていく。
ガラス越しにこちら側から手を振った。
男は泣きそうな顔で、手を振り返した。
搭乗する人の列が残り少なくなった。
男は帽子を取り、目元に光るものを見せながら深いおじぎをした。
搭乗口へ向かう途中で何度も振り返り、手を振った。
その男が見えなくなるまで、こちらも手を振った。
展望デッキに移動し、飛行機が見えなくなるまで見送った。
2005.06.27
雨。
一日中、雨。
ハイジで読書...。
2005.06.28
今日は青空の中、雲が適度に浮かんでいい感じの天気。
タンポポの綿毛の写真を撮った(上の写真)。
少し強めの風が吹いている為、キレイな形の綿毛はどんどん少なくなっていった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/54/28/401fbece7ba0d5e4b86f5c2ceda5bbfc_s.jpg)
テントサイト奥には、違う花も咲いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/67/29/683c89a039b0bf49df081187e7e251b1_s.jpg)
久しぶりに街中で夕食を食べた。
真っ暗な道を通って開陽台に帰ると、満天の星空が広がっていた。
雲一つ無い、100%の星空だ。
流れ星、当たり前。
人工衛星、当たり前。
すぐにテントに入らず、しばらくの間空を見上げていた。
2005.06.29
朝起きると、天気が良かったが少し風が吹いていた。
なんだかテントが狭い。
チェックしたら、インナーテントのフレームが1本折れていた。
放っておくと生地を突き破るので、破断した箇所をガムテープで巻いた。
午後になって雨が降り出し、風が強まった。
断続的に強い風が吹いていた夕方、テントの中で夕飯の準備をしていた。
強い風でテントが「バババババ」と音をたてた。
直後、頭上から「バキン」という金属が折れる音がした。
インナーテントのもう1本のフレームが折れた音だった。
折れたフレームは2本とも、インナーテントの頂点で折れていた。
ドーム型だったテントの形は、四角錐になっていた。
出入り口のファスナーが固い。
だぶついたテント生地のおかげでテント内が狭い。
テント生地が風で揺れるので、落ち着かない。
落ち着かない中、なんとか夕飯を作って食べた。
今までテントのフレームが折れたことは無かったので、心配でしょうがない。
「テント崩壊」
の言葉が頭をよぎる。
念の為、濡れたら困るものを退避してから寝袋に入った。
寝袋の中でテントがつぶれた時のことを考えた。
真っ暗な中、テント生地が顔に覆いかぶさり、パニックになっている自分が頭に浮かんだ。
枕元にLEDライトを点けっ放しにして、置いた。
もう一つのLEDライトをポケットに入れて眠りについた...。
2005.06.30
風は少し収まっていたが強めだ。
頭上には、昨晩の雨がウソのように青空が広がっていた。
何度も目が覚めた為、寝不足だ。
テントはなんとか持ちこたえたようだ。
新たに折れたフレームを、ガムテープで応急処置した。
まだしばらく連泊するつもりだ。
壊れたテントをなんとかしないといけない。
使っているテントは、通常通りに使っていて壊れた場合には無料修理してくれる。
しかし、フレームを送ったら泊まるところが無くなってしまう。
予備テントを買って、フレームの修理は自宅に帰った時にしようと決めた。
それなら前から気になっていたテントを買おう。
しかし寝不足の為、お目当てのテントが売っていそうな釧路町まで行く気力が無かった。
とりあえず天気が良いので、パノラマ写真の元写真を撮って現実逃避。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1b/0f/27f90064a4d7942d55467cde8611b0ec_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/11/10/c96087394c1b64a7bd04d1abe18013f9_s.jpg)
1周を9枚に分けて撮影、2セット撮った。
(自宅に帰ってから見返したら、上下がずれていた為NG。次回に期待。)
現実逃避はまだ続いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/4b/35/043c48fd1b9bc99d5648ae49d8906b63_s.jpg)
しばらくして軽トラの旅人と話をしていた。
話のネタは、新テントについて。
そしたら、「釧路にはちょうど行きたかったし、鉄板焼きスパゲティを奢ってくれるなら、乗せてってあげるよ。」と言ってくれた。
よし、決まりだ。
崩壊が進まないようにと、テントのフレームを抜いてから軽トラで釧路に向かった。
途中、いつも目にするけど撮影したことのなかった、中標津町の「カントリーマーク(カントリーサインとも言う)」を撮影。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/78/34/f2817efbc18eabfcb74f0b38714387f4_s.jpg)
話をしながら、時々助手席で寝そうになりながら、釧路町へ。
テントの売っていそうな店を数件見た。
どの店も、欲しいテントの低グレード版しか置いてなかった。
しょうがないので、欲しいテントが買えるかどうか聞いてみた。
「帯広か札幌の店に在庫があるので、今日送って明日この店に着きます。」
うーん、明日またココに来るのもめんどうだ。
宅配便で送ってもらえるか聞いたらOKとのこと。
こういう場合を考えて事前に許可をもらっていたハイジ宛てに送ることにした。
明後日に届く予定だ。
代金を払って店を出た。
居心地の悪いテントで寝るのもあと2晩。
たった2晩だけガマンすればいいんだ...。
そう思うとやっと安心した。
安心したと同時に腹が減ってきた。
釧路市内にある、鉄板焼きスパゲティの店「レストラン泉屋」に行った。
ステーキのように、鉄板の上に載せられたスパゲティだ。
入り口のサンプルを見ると、非常に種類が多い。
その中から「泉屋風」、軽トラの旅人は「スパゲティカツ」を選んだ。
どうせだからと、お互い味見してみた。
「スパゲティカツ」はミートソース+トンカツで満足感有り。
でも、個人的にはハイジの「ミートカツ」のほうが好きかな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1a/70/0e519c7c3e9c1875b43830d9ce8c4c72_s.jpg)
「泉屋風」はハムや野菜、玉子が入っている塩味なスパ。
少々塩味が濃い目だが、チャーハン味のスパゲティは意外と美味しかった。
開陽台に帰り、テントにフレームを入れた。
相変わらず落ち着かないテントだった。
しかし、新テントが来ることが決まっていた為、安心して眠りにつけた。
次へと続く。
今回は6/26~6/30をまとめて振り返ります。
2005.06.26
3日前に静岡県からZⅡでやってきた男が、開陽台を去る。
その男に帰りはどうやって帰るのかを聞いたら、「中標津空港」と答えた。
中標津空港!?
昼過ぎの1便だけ、バイクを載せられる便があるという。
短い休みの中、出来るだけ開陽台に長く居たいという気持ちから選んだようだ。
その男は、よほど開陽台が好きらしい。
なるほど。
それじゃぁ、来る時はどうしたの?
「釧路」。
釧路ってフェリー無いハズだよね?
「飛行機で」。
男は、釧路から開陽台までしか走ってなかったのだ。
旅道具を積んだZⅡの姿に惑わされたのか、すっかり長距離を自走してきたものだと思い込んでいた。
みんなそのことについて質問してなかったし、男もそのことを言ってなかっただけだ。
「な~んだ~」と笑いが起きた。
小説「振り返れば地平線」に多大な影響を受けたこの男、本心は自走して来たかったに違いない...。
昼前、男が乗る飛行機の出発には少し早い時間。
事前にバイクを預ける為、男は出発の準備を整えた。
男は挨拶をし、ZⅡで丘を降りていった。
ちょっと寂しそうな男の背中を、みんなが笑顔で見送った。
行っちゃったね...。
と言いつつ、時間のある数人で中標津空港へ見送りに行った。
中標津空港の2F、みんなで話をした。
時間になり、男は別れを告げて持ち物チェックを済ませた。
ガラスの向こう側、搭乗待ちをする男の姿が見える。
帽子を深くかぶり、下を向き、寂しそうだ。
搭乗が開始された。
並んだ人の列が、順々に短くなっていく。
ガラス越しにこちら側から手を振った。
男は泣きそうな顔で、手を振り返した。
搭乗する人の列が残り少なくなった。
男は帽子を取り、目元に光るものを見せながら深いおじぎをした。
搭乗口へ向かう途中で何度も振り返り、手を振った。
その男が見えなくなるまで、こちらも手を振った。
展望デッキに移動し、飛行機が見えなくなるまで見送った。
2005.06.27
雨。
一日中、雨。
ハイジで読書...。
2005.06.28
今日は青空の中、雲が適度に浮かんでいい感じの天気。
タンポポの綿毛の写真を撮った(上の写真)。
少し強めの風が吹いている為、キレイな形の綿毛はどんどん少なくなっていった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/54/28/401fbece7ba0d5e4b86f5c2ceda5bbfc_s.jpg)
テントサイト奥には、違う花も咲いていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/67/29/683c89a039b0bf49df081187e7e251b1_s.jpg)
久しぶりに街中で夕食を食べた。
真っ暗な道を通って開陽台に帰ると、満天の星空が広がっていた。
雲一つ無い、100%の星空だ。
流れ星、当たり前。
人工衛星、当たり前。
すぐにテントに入らず、しばらくの間空を見上げていた。
2005.06.29
朝起きると、天気が良かったが少し風が吹いていた。
なんだかテントが狭い。
チェックしたら、インナーテントのフレームが1本折れていた。
放っておくと生地を突き破るので、破断した箇所をガムテープで巻いた。
午後になって雨が降り出し、風が強まった。
断続的に強い風が吹いていた夕方、テントの中で夕飯の準備をしていた。
強い風でテントが「バババババ」と音をたてた。
直後、頭上から「バキン」という金属が折れる音がした。
インナーテントのもう1本のフレームが折れた音だった。
折れたフレームは2本とも、インナーテントの頂点で折れていた。
ドーム型だったテントの形は、四角錐になっていた。
出入り口のファスナーが固い。
だぶついたテント生地のおかげでテント内が狭い。
テント生地が風で揺れるので、落ち着かない。
落ち着かない中、なんとか夕飯を作って食べた。
今までテントのフレームが折れたことは無かったので、心配でしょうがない。
「テント崩壊」
の言葉が頭をよぎる。
念の為、濡れたら困るものを退避してから寝袋に入った。
寝袋の中でテントがつぶれた時のことを考えた。
真っ暗な中、テント生地が顔に覆いかぶさり、パニックになっている自分が頭に浮かんだ。
枕元にLEDライトを点けっ放しにして、置いた。
もう一つのLEDライトをポケットに入れて眠りについた...。
2005.06.30
風は少し収まっていたが強めだ。
頭上には、昨晩の雨がウソのように青空が広がっていた。
何度も目が覚めた為、寝不足だ。
テントはなんとか持ちこたえたようだ。
新たに折れたフレームを、ガムテープで応急処置した。
まだしばらく連泊するつもりだ。
壊れたテントをなんとかしないといけない。
使っているテントは、通常通りに使っていて壊れた場合には無料修理してくれる。
しかし、フレームを送ったら泊まるところが無くなってしまう。
予備テントを買って、フレームの修理は自宅に帰った時にしようと決めた。
それなら前から気になっていたテントを買おう。
しかし寝不足の為、お目当てのテントが売っていそうな釧路町まで行く気力が無かった。
とりあえず天気が良いので、パノラマ写真の元写真を撮って現実逃避。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1b/0f/27f90064a4d7942d55467cde8611b0ec_s.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/11/10/c96087394c1b64a7bd04d1abe18013f9_s.jpg)
1周を9枚に分けて撮影、2セット撮った。
(自宅に帰ってから見返したら、上下がずれていた為NG。次回に期待。)
現実逃避はまだ続いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/4b/35/043c48fd1b9bc99d5648ae49d8906b63_s.jpg)
しばらくして軽トラの旅人と話をしていた。
話のネタは、新テントについて。
そしたら、「釧路にはちょうど行きたかったし、鉄板焼きスパゲティを奢ってくれるなら、乗せてってあげるよ。」と言ってくれた。
よし、決まりだ。
崩壊が進まないようにと、テントのフレームを抜いてから軽トラで釧路に向かった。
途中、いつも目にするけど撮影したことのなかった、中標津町の「カントリーマーク(カントリーサインとも言う)」を撮影。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/78/34/f2817efbc18eabfcb74f0b38714387f4_s.jpg)
話をしながら、時々助手席で寝そうになりながら、釧路町へ。
テントの売っていそうな店を数件見た。
どの店も、欲しいテントの低グレード版しか置いてなかった。
しょうがないので、欲しいテントが買えるかどうか聞いてみた。
「帯広か札幌の店に在庫があるので、今日送って明日この店に着きます。」
うーん、明日またココに来るのもめんどうだ。
宅配便で送ってもらえるか聞いたらOKとのこと。
こういう場合を考えて事前に許可をもらっていたハイジ宛てに送ることにした。
明後日に届く予定だ。
代金を払って店を出た。
居心地の悪いテントで寝るのもあと2晩。
たった2晩だけガマンすればいいんだ...。
そう思うとやっと安心した。
安心したと同時に腹が減ってきた。
釧路市内にある、鉄板焼きスパゲティの店「レストラン泉屋」に行った。
ステーキのように、鉄板の上に載せられたスパゲティだ。
入り口のサンプルを見ると、非常に種類が多い。
その中から「泉屋風」、軽トラの旅人は「スパゲティカツ」を選んだ。
どうせだからと、お互い味見してみた。
「スパゲティカツ」はミートソース+トンカツで満足感有り。
でも、個人的にはハイジの「ミートカツ」のほうが好きかな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/1a/70/0e519c7c3e9c1875b43830d9ce8c4c72_s.jpg)
「泉屋風」はハムや野菜、玉子が入っている塩味なスパ。
少々塩味が濃い目だが、チャーハン味のスパゲティは意外と美味しかった。
開陽台に帰り、テントにフレームを入れた。
相変わらず落ち着かないテントだった。
しかし、新テントが来ることが決まっていた為、安心して眠りにつけた。
次へと続く。