ハナママゴンの雑記帳

ひとり上手で面倒臭がりで出不精だけれど旅行は好きな兼業主婦が、書きたいことを気ままに書かせていただいております。

BBCの "The Zelensky Story"

2024-10-03 22:08:15 | ホリデー

先月始めにBBC2で、ゼレンスキー大統領のこれまでを追うドキュメンタリー番組、

"The Zelensky Story"

が放映され、遅ればせながら私も先週、ようやく見ました。

 

1時間のエピソード x 3回から成り、最初のエピソードは彼が大統領に選出されるまで、2回目は彼が大統領になってから

ロシアに侵攻されるまで、三回目は侵攻開始から現在までを、彼をよく知る、あるいは彼と一緒に近しく働いてきた人々、

あるいは彼と直接面談したことのある欧州のVIPなどの話を散りばめつつ、伝えてくれます。

 

もちろん奥様のオレナ夫人も登場しますが、びっくりしたのは、彼が大統領選に打って出ることを、

奥様は事前に知らされていなかったこと!

一般国民と同様に、彼の意図がテレビで発表されたときに、初めて知ったそうです。

ゼレンスキー大統領、先に奥様に言ってしまえば、反対されると心配したのかもですね。

 

ウクライナの大統領になってからプーチンと対面したのは、2019年のノルマンディー・フォーマット・サミットでの一度きりだったそうです。

ゼレンスキー大統領、失礼ながら経験不足により、かなり居心地悪そうに見えました。

 

 

ウィキによると、大統領に就任してからの政策は成果が上がらず、国民からの支持率は急速に降下していったとのこと。

それはそうでしょうね、実際の大統領としての国の舵取りは、勘案事項が無数にあって、本当に困難だと思います。

そんな中、2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻、ウクライナは非常事態に。

当時のイギリスのボリス・ジョンソン首相は、ゼレンスキー大統領に、イギリスへの避難を勧告したそうです。

しかしゼレンスキー大統領はキエフに留まることを決意、議会の面々とともに、自分のスマホを使って

その旨を世界に向けて発信。あのビデオは後世に残り、語り継がれることでしょう。

 

ロシアによる侵攻によって、ゼレンスキー大統領の人相が、就任時からのたった5年ですっかり変わったのがわかります。

 

このようなハッピー・ファミリーだったのに、ロシアによる侵攻後は、家族ともなかなか会えないそうです。

(ゼレンスキー大統領の表情、家族写真でのプーチンのそれとは対照的!

 

ゼレンスキー大統領は、大統領になったことを、今は後悔しているでしょうか?

後悔しているとしても、不思議はありませんよね。

微塵も予想していなかった軍事大国による侵攻という、誰もが逃げ出したくなるような状況下で、

多くの国民の命を左右するであろう自国の針路を決めなければならない立場にあるのですから。

 

ただひとつ言えるのは、ゼレンスキー大統領がキエフを脱出してしまっていたら、それは国民の士気を大いに削ぎ、

ウクライナはとっくの昔に抵抗を続ける気力を失い、ロシアに取り込まれていただろうということです。

でも、そうはならなかった。

それがプーチンの、最も大きな誤算だったことでしょう。おそらくプーチンは、ロシア軍がキエフに前進して行けば、

政治家として未熟なゼレンスキー大統領は、怖れをなして逃げ出すだろうと考えていたのでしょう。

ところが大統領はキエフに留まることを決断、それは国民の士気を高め、団結を強め、信じ難いほどに

強固な抵抗へと繋がりました。当時他の誰が大統領だったとしても、ゼレンスキー氏でなかったら、

ウクライナは今日まで持たなかったのでは、とすら思います。

 

この番組を見て最も強く私の印象に残ったのは、プーチンとゼレンスキー大統領の、

これ以上はないほどに対照的な、人間性の違いでした。

ロボットのように表情に乏しく、笑うことのない死んだ魚のような目をしたプーチン。

プーチンにとってはウクライナはあくまでもロシアの一部なのだということを、私は確信しました。

否、ウクライナのみならず、ポーランド、バルト三国、果てはフィンランドまでもが。だからソ連邦の崩壊は、

彼にとっては最低最悪の屈辱で、その後の日々を、腸を煮えくり返らせつつ生きてきたのでしょう。

幸いロシア大統領の地位に就いたので、チャンスを窺いつつ、好機をずっと待っていたのでしょう。

でも自分自身も年老いてきている。

失われたロシアの「領地」を取り戻した偉大な大統領として歴史に名を残すには、時間が限られてきている。

ん?政治家としてはまったく経験のない若造が、ウクライナ大統領に就任したぞ。これはチャンスだ!

というところでしょうか。プーチンは狂信者だと、私は思います。自分の老い先が短くなってきているから、

ウクライナ奪還が叶わないとなったら、世界を道連れに自殺するつもりで核兵器のボタンを押してしまうのでは・・・

という怖さすらあります。本当に、心不全でも脳出血でもいいから、今すぐ○んで欲しい!

 

対するゼレンスキー大統領は、プーチンとは真逆、明るく陽気で情熱的な、人間味のある方とお見受けしました。

祖国ウクライナを何としてでも良い国にしたいという、一途な気持ちが伝わってきて・・・

政治家としては未熟だったでしょうし、大統領になってからの政策は失敗が多かったかもしれませんが、

ロシアに侵攻されたときに彼が大統領職にあったことは、大正解だったと私は思います。

 

The Zelensky Story、個人的にはとても興味深かったので、見て良かったです。

日本でも見られるのかわかりませんが、もし見られるのなら、視聴をお勧めします。

 

ウクライナは、負けるわけにはいきません! だって、ゼレンスキー大統領が繰り返し言っているように、ロシアが

ウクライナを負かしてしまったら、世界からは秩序が失われ、軍事大国が好き勝手をし始めかねませんから!

図に乗ったロシアはその他の旧ソ連邦だった国々にもちょっかいを出すかもしれないし、ついでに日本の北方領土だって、

完全に占領してしまうかも。中国は、軍事力で台湾を支配下に置こうと動き出すかも。

悲しいことに、国連が何の影響力も持たないことは、もう明白になっていますからね・・・。

 

「自由のための戦争よりは、占領下での平和」 って、誰の言葉でしたっけ?

人類初の原爆まで落とされ、戦後に焼け野原になった日本は、平和の尊さ有り難さを、

世界のどの国民よりも身をもって知っています。

でも、祖国が一方的に侵攻されたら?黙って占領されるがままになる?

指をくわえて見るだけで一切抵抗しないというのは、とても難しいことではないでしょうか。

 

ロシアによる侵攻が一刻も早く終結し、ウクライナの人々が死の恐怖から解放されることを、

心から祈ります。・・・

 

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