はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

映画&買い出し

2011年03月26日 | 日々のよしなしごと
5日ぶりに駅前まで出てみた。昨日、今日と計画停電がないので、映画館も通常通り営業しているようだ。昨日からネット予約も復活したらしい。

息子が無事に自宅に戻って来たので、およそ3週間ぶりに、家族3人で映画を見に行った。映画館は11日の地震直後暫く休館したり、続いて起きた原発事故で計画停電が実施されることになり、短縮営業を余儀なくされる等、他のサービス業同様、かつて経験したことのない苦境に陥っていると言えるだろうか。

どうにか再開はしたものの、節電の為にスナックや飲み物を販売しているコンセッションはふたつの内ひとつは休業。映画も予告編の上映はなく、本編のみの上映。いつも10分近くを費やして見せてくれる近日公開作品の予告編は、私にとっては映画館に行く楽しみのひとつでもあったので、事情が事情だけに仕方ないとは言え、少し残念な気がする。予告編上映は目を暗がりに慣らし、本編鑑賞へのウォーミングアップの意味もあったと思うので、いきなり本編が始まるのは、目も心も準備なしに作品の世界に入って行くような感じで、やっぱり違和感がある。

上映開始前にも、大きな余震が発生した際には上映を直ちに中止し、避難誘導する旨のアナウンスが映画館スタッフよりあった。やっぱり、今は非常時なんだな、と思う。それでも映画を見る私はお気楽者で、よほどの映画バカなのかもしれない。

東電管内の電力供給量の約15%を担っていたと言う福島第一原発が使用不能になってから慢性的な電力供給不足で、計画停電は暫く続くと言われているので、映画館の変則的な営業は今後も続くのかもしれない。そうでなくともミニシアターの閉館が続く昨今。これがトドメを刺す形で、中小の映画館が経営に行き詰まることがなければ良いけれど。

首都圏は、甚大な被害に喘ぐ東北地方をはじめとする被災地の復興支援の為に、今まで以上に経済を活性化させる必要があるのに、原発事故に伴う電力供給不足で市民生活は混乱し、生産活動も滞り、経済は寧ろ減退傾向にある。

このままでは日本全体が大変なことになってしまうので、行政の中枢機関も、企業の本社機能や生産拠点も、半分を西日本に移して業務の停滞を防ぎ、同時に首都圏の一極集中状態を解消させる必要があるのではないだろうか?そうすれば、逼迫した電力事情も好転するような気がする。また、放射線数値が通常より高い値を示している地域の、特に放射能に対して感受性の強いと言われる中学生未満の子ども、乳幼児を、目に見えない放射能被爆及び被曝から守る為に、一時的にでも関西以南、もしくは九州以南に退避させる必要があるのではないか?

今日の外出は買い出しの意味もあった。自宅近くのスーパーマーケットやコンビニはどこも品不足なのだ。特に、牛乳、水、卵、納豆、ラーメン、カップ麺が店頭から消えてしまった。幸い、卵は先日、階下のAさんから、田舎から送られて来た物をお裾分けしていただいた。しかし、牛乳が地震の3日後辺りから全然手に入らない。そこで駅ビルの地下にある(唐辛子だけでも5種類以上揃えているような、所謂、高級?)スーパーマーケットに行ってみると…普通にあった。横浜のタカナシ乳業の低温殺菌牛乳。品薄に乗じてバカ高い値段で売られているわけでもない適正価格で。とまれ、久しぶりに牛乳が手に入って嬉しかった。

パック入りの牛乳が入手困難になった理由は、牛乳パックの製造工場が、先の地震で壊滅的な打撃を受けたからだと言う。乳牛を飼育している酪農家も、生乳の処理と今後の経営にさぞかし頭を抱えているに違いない。以上のことはヨーグルトの宅配業者から聞いた話である。その業者には、びん詰め牛乳の注文が殺到しているらしいが、生産が追いつかず、断っている状態らしい。

納豆も、主要な産地である茨城県が先の地震で被害を受けた上に、計画停電で生産に支障を来していると言う。停電によって納豆菌の働きが鈍り、納豆が生産できないとは困ったものだ。そこに流通の問題も絡んで来るから、牛乳だけでなく牛乳を原料とする乳製品も、納豆も、安定供給までの道のりは険しいものになりそうだ。

被災地の困窮ぶりに比べたら、首都圏の混乱などたいしたことではないのかもしれないが、この混乱が長く続けば首都圏の人々を疲弊させ、企業活動の生産性を著しく低下させ、結果的に復興支援の足枷になるであろう。

計画停電を実施するに当たっては、その長期化を踏まえて、特に今、問題になっている医療機関や生産拠点に配慮した実施システムの構築を望むし(対象区域の拡大により、1回当たりの停電時間の短縮化や停電頻度を抑制し、かつ実施決定の迅速化を図る等)、重大な事故を防ぐ為に、特に交通量の多い交差点の信号機に発電機を順次備えて行って欲しい。そして利用者側も、特に電力消費量の多い施設は、より一層の節電に努めるべきだろう。例えば下らない特番を長時間垂れ流す民放テレビ局や、乱立ぎみで過飽和状態のパチンコ店をはじめとする遊技場は、計画停電対象区域外であっても、稼働時間の短縮か輪番休業制で、電力消費の抑制に協力すべきだと思う。

また、不可視であるがゆえに恐怖感が増幅しがちな放射能に関する冷静かつ適正な情報を、東電、政府、マスコミの三者は発信して欲しい。現状は情報が錯綜して、混乱に拍車をかけている。専門家と言われる人達でさえ、危険性に対する認識が各々違うし、発言が二転三転するので、誰の発言を信じて良いのか分からない。これは結局、未曾有の事態に、誰一人的確な判断ができない状態ということなのだろうか?

信頼に足る二つの"チ"~"治"と"知"のリーダーの不在が、この国の行く末を不透明なものにし、国民を徒に不安に駆り立てているように見える。



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