2000年までの16年間に
何と千回も仮病で病院に駆け込み続けて
病院に大迷惑をかけていたスペインの男性が、
16年目に「脳腫瘍」だと訴えた時には、
もうどの医者にも相手にされずに
死亡したとのことです。
男性は、イソップ寓話の
オオカミ少年(狼と羊飼い)のような
悲しい結末を迎えました。
身体の不調の訴えの嘘や勘違いが、
千回、二千回繰り返されたとしても
個人を大切に尊重する日本では、
診察をしてくれるとは思うのですが、
何故ゆえにスペインのこの男性は、
千回もの診察費用を厭わずに
仮病を装い病院に駆け込んだのだろうかと
気になるところです。
病院や医師に恨みをもっていた?
それとも、医者を困らせて楽しんでいた?
あるいは、誰かに相手をしてもらいたかった?
そして、
精神障害の心気症だった
可能性も捨てきれません。
心気症とは、身体のちょっとした
違和感や不快感に注目し、
自分は何か見過ごせない病にかかっていると思い込み、
著しい心の苦痛や不安を体験します。
また、
その著しい心の苦痛が原因となり、
身体にも不調があらわれたりします。
(起き上がれない。食欲不振。頭痛。眩暈。動悸等々)
心気症のアプローチとして、
思い込みに一旦歩調を合わせ、
訴えの病気の原因が見つかったと伝えてから、
偽薬を処方するなどして
ブラシボー効果に期待する方法も
あるかと思いますが、
ブラシボー効果的な試みは、
根本的な施療とはなっていないので
効果が見られた場合にも、
後に別の身体への不安や怖れを
訴える可能性もあります。
心気症の方は、病気に対する思い込み
不安や怖れが心の大半を占めている状態なので
急がば回れで、
丁寧に粘り強く思い込みの牙城を
崩していくことの方が良いように思います。