催眠誘導を行う時に、被験者に対して
リラックス誘導を行うことが一般的です。
その結果、被験者がリラックス状態へと至ったとしても、
被験者がリラックス状態にあるのであって
催眠状態にあるとは限りません。
リラックス状態と催眠状態とは、
同じものではありません。
被験者をリラックス状態に導くのは、
催眠状態へと至ることを邪魔する
顕在意識(論理的思考力、計算、等)の働きを
弱めることが目的で、それによって
潜在意識(感覚、イメージ、気持ち、感情等)へ
コンタクトしやすくすることが目的です。
悩みの状態を解消、軽減するには、
悩みの状態を創り出している心の動きを直接的に
変えようとするよりも、
悩みの状態を維持している
それまでの何らかの心の反応パターンを
違う心の反応パターンに変更することの方が、
解決、解消しやすくなるのと同じです。
催眠誘導の場合は、
それまでの心のパターンを変えるというよりも
休息してもらうと言った方が近いかと思われます。
リラックス誘導を行う際には、
被験者が睡眠状態にならないように
十分に注意しなければなりません。
被験者が寝息何て立て始めたらもう要注意です。
催眠誘導の初心者は、被験者が睡眠状態へ
両足を踏み入れていることに気が付かないまま、
何らかの暗示を語ったり、イメージを語ったりしても、
睡眠状態では、
被験者と誘導者との繋がりは断ち切れていて、
被験者に施したその暗示やイメージは、
全くと言って良いほど無意識に届かず、
ただ少しの間睡眠状態を体験してもらっただけになります。
催眠被験者を催眠体験へと導くために
リラックス誘導は、必ずしも必要な手法ではありませんが、
かなり効果的な手法の一つです。