
「後悔、先に立たず。」「覆水盆に返らず。」と申します。
これは、してしまったことは取り返しがつかないとか、
元に戻せないと言う意味だったと思いますが、
逆に何もしなかったことについて後悔することもあります。
この後悔の気持ちは悪者扱いされることが多いですが、
時には、私達の心にある種の喜びを感じさせてくれる
働きをしてくれるように思います。
学生の頃に、こんなことがありました。
電車の中で、自分の目の前にとても、とても素敵なひとが立っていて、
声をかけたいなあ、いや、迷惑がられるに違いない、やっぱり止めとこう。
そんなこちらの気持ちを察知していたのか、
ホームから離れゆく電車の中と外で目があって、
その人が微笑みかけてくれる。
微笑みかけてくれているように見えただけかもしれませんが、
「あ~もっと勇気を出して声をかけていれば。。。」
そして、後悔。後悔。後悔。そして、まあ良いか。
もし、声をかけてつき合えることになったとして、
それが幸せに直結しているとは限らなかったりします。
ドロドロの恋愛となり、お互いが傷つけあったかもしれません。
その顛末を知ることが大切なのかもしれませんが、
決して誤魔化しや、言い訳や、ただの負けん気ではなくて、
何から何まで知り尽くさなくとも良いものもあるはず、
心の中が後悔で埋め尽くされるのは行き過ぎですが、
神秘であるとか、ロマンであるとか、思い出は思い出としてと言うような、
知らないからこそ、分からないからこそ、
心の中に、そっと持つことが出来るある種の感じ。
「ほどほどの後悔は、ほどほどのファンタジーへと変化する。」
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計