
小学生頃に学校行事でタイムカプセルを埋めたような、埋めてないような、
何年後に開けるのだったか、確か50年後と言っていたような、
記憶が定かではないのですが、ふっとそんなことを思い出しました。
入れたものなんて記憶にあまり残っていないことを考えると、
20世紀少年の予言書のような面白みのあるものではなくて、
その時書いた絵か、作文程度だと思います。
私の記憶錯誤でなければ、まだ開けたという話も聞いてないので、
きっとまだなのでしょう。開ける日が全く分かりませんが、
その当時の空気と自分に出会える日が楽しみです。
以前、奥さんが家事も何も出来なくなったとのことで、
御主人に連れ添われて相談に来られた方がいました。
病院では鬱と診断されてから3年経過していたようです。
なんとなく奥さんから哀しみのようなものを感じ取ったので、
それについて話をお聞きしていくと、
以前に、まだ小さい子供を病気で亡くしたそうで、
その時、全く涙も出ず、悲しいとも感じなかったそうです。
そんな奥さんに対して、御主人が怒鳴ったようです。
「子供が無くなったのに悲しくもないのか!お前は冷たい奴だ!」
もう少し早く気がついていてあげればと言う罪悪感と、
涙も出ず、悲しくもなかった、そんな自分に対する疑いと責め。
そして、御主人さんも気持ちにゆとりを無くしていたのだと思いますが、
厳しい言葉を向けられショック。
御主人は、奥さんに何のわだかまりも持っていなかったのですが、
奥さんは、その出来事、その場面、その感情を
自分の心のタイムカプセルにしまいこんでしまってたようです。
人は、怖さでも悲しさでも同じですが、それがあまりにも大きいと、
何も感じなくなったり、気を失ったりします。
これは、あまりの感情が大きいので精神が崩壊しないように、
精神のブレイカ―が落ちるのだと考えられます。
「人が持つ、そのような機能について考えられたことがありますか。」
と尋ねたことで、全くと言って良いほど表情が無かった奥さんの目から、
溢れるものと一緒に表情を取り戻していきました。
人はあまりもショックなことがあると、
心の中のタイムカプセルに、それらを閉じ込めてしまうことがあります。
閉じ込めたものは外に出ようと圧力をかけます。
一方では、出さないように抑え込もうとします。
そして、このしのぎ合いが延々としまう事があります。
前に、何とかの古墳発掘で、
それまで何千年も鮮やかな色合いを保っていた壁の絵が、
現代の空気に触れたことで急激に色あせ始めたそうです。
それと同じで、心のタイムカプセルの蓋を開けることで、
中のものと現在のものとが触れて風化し始めることがあります。
私達は歴史ある建築構造物を見ることが出来ます。
これらも言うならば埋められてはいないタイムカプセルです。
その時代の空気が漂っていて、それらに近づいた時に時折私は、
タイムスリップしたような不思議な感覚になり、
私の隣をちょんまげの刀を差した侍や町民が歩きます。
催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計