安倍首相から見れば無難に終わった臨時国会という感じでしょうか。重要法案の成立が確定してきたときに、ついホッとして天然ぶりを発揮してしまったのが以下のくだりでした。
記者「今年一年を漢字一文字で表すと“命”が選ばれたそうですが、安倍総理ご自身の一年を漢字一文字で表した場合はいかがでしょうか?」
安倍「・・・・・“変化”ですね」
記者「(苦笑)一文字ですが・・・?」
安倍「・・・・・それでは“責任”ですかね」
テレビの報道番組で映し出されていた安倍首相へのインタビューの一コマでした。このような「天然?」のパフォーマンスを発揮した安倍首相でしたが、自民党側の老獪議員たちにはすっかり手のひらの上で転がされてしまいました。
自民党は小泉時代に牙を抜かれた議員たちが、ゾンビの如く復活の兆しが見えた臨時国会でした。
野党は「やらせ問題」「高校の必修未履修問題」と攻め込むチャンスがありながらそれを活かせませんでした。特に民主党に覇気が感じられませんでした。
覇気のなさと言えば、鳴り物入りで就任した小沢代表が代表格。安倍首相との党首討論でも昔年の迫力はなく健康問題も取り沙汰されました。
また若手議員のスキャンダル、政策的にも「ぱっとしない」民主党というマイナスイメージが定着してしまった感じでしょうか。
自民党内は緊張感のあった国会だったでしょうが、それ以外は緊張感の無い国会でした。
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宮崎日日新聞の記事の見出しで確認します。
12月14日<そのまんま東氏が立候補表明 出直し知事選>
12月18日<経済団体が持永氏推薦決定 「自民候補」確実>
その他の記事も確認してみると、
タレントのそのまんま東(49)=本名・東国原英夫
元経済産業省課長の持永哲志(46)=自民党推薦
共産党県委員長の津島忠勝(61)=共産党推薦
の3名での選挙になるようです。
談合事件の後の出直し選挙ですから、共産党候補もそこそこ検討はするでしょうが当選圏内は難しいです。
となると、そのまんま東と持永哲志の激突になってくると考えていいでしょう。こういった構図で思い出すのは、田中康夫が初めて出馬したときの長野県知事選挙。多くの方も同じではないでしょうか。
今回、宮崎県知事選挙ではおそらくマスコミ各社や政治評論家が、展開しそうなのが県民の“民度”という言葉です。
長野のように選んでみたら“不可”ではその後の県政の混乱を見るとよろしくありません。
宮崎県民の判断がどういった方向性にいくのか注目しています。<そのまんま東の後援会HP>の日記に、現時点での状況がわかることが書かれていましたので以下に抜粋してみます。
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色々な声を聞く。「よく、決断しゃったね~」「何で、宮崎に帰って来てると?」「宮崎を変えて下さい」「あんただけは、汚職せんでね~」「あんた、さんまさんですがね?」・・・・・・・
吉川と二人でいるとよく兄弟に間違われる。ちょっとショックである(笑)。
もっとショックなことに「どっちが出やっと?」とあるお婆ちゃんに聞かれた。
「写メ撮って下さい」と言って、おでこだけ撮っている女子高生。とにかく、ゲラゲラ笑われる(笑)。
何せ手作りの選挙である。真剣である。金も足りなければ、人手も経験も知識も足りない。
誤解を恐れずに言えば、でも、何か楽しい。というか、生きている実感がある。共同作業の感動がある。こういう風に宮崎を創ることが、僕の理想である。
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おそらくは県政に対して「変えて下さい」、「汚職せんでね」というのが多くの県民の声でしょう。しかし、それがイコール「そのまんま東」となるかと言えば難しい。
そのことを端的に現しているのが「どっちが出やっと?」です。顔と名前が一致しない、そして何をするのか分からないまま投票することがどんな結果になるのでしょうか。
もちろん自民党推薦候補となる持永哲志が全県で名前と顔が知られているとも思えません。
急遽行われる選挙だけに、投票日まで残された日数は少なく地上戦には限りがあります。知名度だけの勝負になると意外な結果になるかもしれません。民度とは厳しい言葉だとつくづく思います。
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モノは言い様です。小沢一郎民主党代表のコメントを産経新聞<民主・小沢代表「野党間対立は自民を利するだけ」>という記事から引用します。
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民主党の小沢一郎代表は16日午後、長崎市内で記者会見し、首相問責決議案提出をめぐり野党の対応が分かれたことを受けて「対立していれば自民党を利するだけだ」と述べ、早期に関係修復すべきだとの認識を示した。
小沢代表は「野党共闘について亀裂が多少あるとすれば、お互いに修復しなければならない。選挙はお互いが協力しなければならない」と強調、自ら関係修復に努力する考えを示した。また参院選挙区での候補者擁立について「できれば年内が望ましい」と述べ、党地方組織に努力を求めた。
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これほど責任を転嫁するような発言でいいのでしょうか。誰がどう見ても、野党共闘の亀裂を生じさせたのは民主党側にあります。
民主党と社民党、国民新党、共産党との間ではなく、党内のなかで亀裂が生じたからバラバラな国会戦術になったのです。
こうした姿を露呈してままでは、野党共闘で選挙を戦うより民主党候を擁立することさえ難しくなります。
現実、これまでの候補者決定でも衆院選で敗れた候補が転出しているケースが目に付くだけです。小沢代表は年内にも候補者擁立を決めたいようですが、政策も決まらず、党内もバラバラではいったい誰が手を上げるでしょうか。
参考までに同じ記者会見を<党のHP>で確認してみると、すばらしいコメントを小沢代表が述べていました。最後にそれを引用してみます。
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小沢代表は政治家としての資質についての質問にも答え、「現在の政治家に最も欠けているのは、ひたむきさ、真面目さ、真心、誠心誠意といったものだ」とし、「政治家は、国民の代表として国民のために汗を流すことが仕事」であるにも関わらず、「最近の自民党・公明党の政治を見ていると、およそ国民のためにという意識はないのではないか。自らの目先の利益のために政治の権力を道具にしているとしか、私には映らない」と厳しく指摘した。
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まず自らが反省して実行に移してもらいたいものです。
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民主党に闘う意志があるのかないのか不明なまま、重要法案の採決が行われて国会が事実上閉幕しました。これなら会期の延長も入らなかったはず。
そこは自民党参院執行部が、民主党参院執行部に「会期延長に追い込んだ」と言える一芝居を打てるために配慮してあげたことが原因のようです。
今だから言えるのですが、週の初めに民主党の若手参院議員と話していたときに、すでに「ごく短い延長が決まっている」と言っていました。
参院側の青木・片山コンビと輿石の連携は蜜月と言われます。ですから民主党の執行部が同じ政党の参院側を従わせることができないという事実が、法案採決の土壇場で露呈してしまいました。
こうした状況を毎日新聞<改正教育基本法:「成立阻止」の野党共闘が崩壊>の記事から抜粋します。
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民主党内も内閣不信任案を提出した衆院側が、参院執行部に首相問責提出で同調するよう求めて拒否される混乱ぶり。参院議院運営委員会の理事会で与党が首相問責決議案の採決見送りを主張したのに民主党理事が異を唱えなかったことにも共産、社民が反発。衆院側では高木義明国対委員長が代議士会で「彼ら(参院側)は言うことを聞かない」と嘆いた。
自民党幹部は会期延長などをめぐる民主党との事前調整があったことを示唆しつつ、「タウンミーティングのやらせを批判しながら、自分たちも国会でやらせをやっている」と自ちょう気味に語った。
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国対委員長が代議士会で「彼ら(参院側)は言うことを聞かない」と嘆いてしまうぐらいです。
自民党でもそうですが、民主党も参院では独自の城を築いているのです。もちろん民主党だけで城は築けないので、当然、自民党側からの手助け長年続いてきています。
これでは民主党執行部が手を出そうにも手が出ない訳です。
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昨日のパーティでは、案の定、石原伸晃都連会長は父親のネタで話しをまとめていました。これで今年のパーティ出席は終了し、あとは来年の準備作業です。
国会の方は会期の延長が決まりました。とは言っても土曜、日曜を挟んだごくごく短期間の延長、本会議で法案採決をできる日程を確保するだけのものです。
自民党としては予想通りの展開ですから、粛々と採決に向けて進むだけでしょう。
一方、民主党は最後までお粗末でした。野党第一党なのにフラフラしてばかり。野党共闘路線でいくのかと思ったら腰を引いてしまう。不信任決議案を提出するのかしないのかで迷ってばかり。
迷いに迷ってから提出しても、与党にキッチリ対応策を練られてからでは形だけのものに終わります。
今回の臨時国会では、特に鳩山幹事長の発言がフラフラしていた点が気になりました。
この背景には小沢代表にすべてを報告して「決めて」もらわないないといけなかったせいもあるでしょう。鳩山幹事長では「決められない」のです。
「決められない」のを分かりながら発言を続けたことで、その後、発言を修正するはめになるのです。
何度、同じ失敗をしてもまた発言してしまうところに、鳩山幹事長の「宇宙人」ぶりがあるのですが。
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