はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1025 ~ レミニセンス

2021-09-19 | 映画評
今日は「レミニセンス」を見てきました。

『グレイテスト・ショーマン』などのヒュー・ジャックマン主演のSFサスペンス。世界中が海に水没した近未来を舞台に、他者の記憶に潜入したエージェントが凶悪事件の鍵を握る女性の行方を追う。監督はドラマ「ウエストワールド」シリーズなどに携ったリサ・ジョイ。『ドクター・スリープ』などのレベッカ・ファーガソン、『リトリート・アイランド』などのタンディ・ニュートン、『クリミナル・アフェア 魔警』などのダニエル・ウーらが出演する。

主演:ヒュー・ジャックマン
共演:レベッカ・ファーガソン、タンディ・ニュートン、クリフ・カーティスなど


<ストーリー>
世界中が海に沈んでしまった近未来。他人の記憶に潜入する能力を持ったエージェントのニック(ヒュー・ジャックマン)のもとに、検察からある仕事が舞い込む。それは瀕死の状態で発見されたギャングの男性の記憶に潜入し、謎の多い新興ギャング組織の正体と目的を探るというものだった。男の記憶に登場する女性メイが、鍵になる人物だとにらむニック。メイを追ってさまざまな人の記憶に潜入していくが、その裏では巨大な陰謀がうごめいていた。


ネットでの評判が意外と低かったので、どうしたものかと思っていたのだけど・・・

解説のところで「世界中が海に水没した近未来を舞台に、他者の記憶に潜入したエージェントが凶悪事件の鍵を握る女性の行方を追う」とあるが、内容はずいぶんと違う。

まず、近未来というが、単に海面上昇によって街が水浸しになっているものの、それ以外は現代のままのような街並みであり、他人の記憶を見ることができるという装置だけが異様にSF的となっている。

さらに「記憶に潜入」とあるが、潜入しているわけではなく、記憶を呼び起こして、それを立体スクリーンに映し出して見るだけだ。

つまり、主人公が被験者を誘導して、見たい時期の記憶を呼び起こさせるというものだ。

当然のことながら、他人の記憶に入ることなどできない。

そして「凶悪事件の鍵を握る・・・」云々とあるが、これだけ見ると主人公がエージェントとして未解決の事件の謎を追って、それを解決するというストーリーのように思えるが、実態はそんなカッコいいものではない。

主人公が、一度会っただけの女性(メイ)一目惚れし、そのメイが急に姿を消したことで、なぜかメイが何かの悪事に関係していると思い、自分の身も顧みずに、ただひたすらメイを探すという話だ。

とにかく、主人公がメイを諦めきれず、未練がましく行動するので、とても感情移入できない。

簡単に言うと「何でメイはいなくなったんだ。これは何かある、そうに違いない。メイは何かに巻き込まれたんだ。メイは被害者に違いない。オレはメイを助けるぞ。どんな手を使ってでも・・」という感じ。

そこには何の根拠もなければ、そう思わせるものは一つもない。

ただただ主人公がメイに一目惚れして、一夜を明かした結果、身も心も吸い尽くされただけのこと。

そういう主人公だから、その後の行動を見ても応援したいという気持ちにはとてもなれない。

そして、ギャングの親分のアジトに何の用意することもなく単身で乗り込み、そして予想通り殺されそうになる。

単なるバカにしか見えない。

物語はもう少し複雑で、いろいろと仕組まれた罠があることがわかり、中盤以降謎解きみたいなものがあって、最後は意外な結末(?)にはなるのだけど、途中からはもう「どうでもいい」感がスゴかった。

しかも、メイは元々ある目的のために主人公を騙すために近付いたのだけど、途中からは主人公を本当に愛してしまう、という実にベタな展開なのである。

だから、本来であればもう少し感動できそうな物語であるはずなのに、なぜかまったく感情移入できなかったのは、主人公がメイに出会ってから恋に落ちるまでの時間が短すぎた、ということに尽きると思う。

短い、というより、出会った瞬間だもの。

女々しいと言うよりは恋にトチ狂ったダメ男みたいなヤツなのだ。

「何だ、こいつ?」と思うしかないので、その後の展開にハラハラ・ドキドキ感なんかなかった。

ということで、全体的に違和感はなかったものの、冒頭から呆然として見たいたので、特に感動することもなく、お決まりの結末でもあったので、評価は「C」にします。

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