はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1024 ~ マスカレード・ナイト

2021-09-18 | 映画評
今日は「マスカレード・ナイト」を見てきました。

東野圭吾のミステリー小説シリーズを、木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した『マスカレード・ホテル』の続編。カウントダウン仮装パーティーが開催されるホテルを舞台に、招待客の中に紛れ込んだ殺人犯を逮捕すべく、破天荒な潜入捜査官と優秀なホテルマンが奮闘する。メガホンを取るのは前作に続き『HERO』シリーズなどの鈴木雅之。そのほか小日向文世、梶原善、石橋凌、渡部篤郎といった前作からのキャストをはじめ、中村アン、田中みな実、石黒賢、沢村一樹、勝村政信らが新たに出演する。

主演:木村拓哉、澤まさみ
共演:小日向文世、梶原善、泉澤祐希、東根作寿英、石川恋、中村アン
その他:田中みな実、石黒賢、沢村一樹、勝村政信、木村佳乃、凰稀かなめ、麻生久美子、高岡早紀、博多華丸、鶴見辰吾、篠井英介、石橋凌、渡部篤郎など


<ストーリー>
ある日、警察に匿名の密告状が届く。それはホテル・コルテシア東京で大みそかに開催されるカウントダウンパーティー“マスカレード・ナイト”に、数日前に起きた殺人事件の犯人が現れるというものだった。パーティー当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した刑事・新田浩介(木村拓哉)は、優秀なホテルマン・山岸尚美(長澤まさみ)の協力を得て任務に当たる。しかし、500人の招待客は全員仮装し顔を仮面で隠しており、二人は殺人犯の特定に苦戦する


前作「マスカレード・ホテル」は珍しく原作を読んでいたのだけど、映画版もそこそこ面白かった。

だからと言って、今回も期待していたわけでは、もちろんない。

だいたいにおいて、2作目以降はクオリティが下がる場合が多いからだ。

まず、冒頭で木村拓哉と中村アンのダンスシーンが延々と流れる。

殺人事件発生によって、警察の捜査本部がバタバタしているシーンの合間にも、ず~っと流れている。

実にムダなシーンだ。

終盤で、キムタク演じる新田刑事が犯人を捕まえる時に、タンゴを踊るシーンが出てくるので、そのためだけに流したような映像だった。

その犯人逮捕の時のダンスシーンも、何のために踊るのかまったく意味不明で、ただただキムタクの「ちゃんと踊れるんだぜ」というのを見せるだめだけのシーンとしか思えない。

そんなキムタクありきの映画だったのだけど、登場人物は豪華だ。

だけど、この手の謎解き映画にありがちな、「登場人物のほとんどが怪しい行動を取る」というのが健在で、結果的に意味のないシーンも結構あった。

その最たる人物が沢村一樹演じる日下部という男で、彼は映画の随所に出てきて、長澤まさみ演じる山岸に無理難題を吹っ掛ける。

「ホテルマンは、『それは無理です』とはゼッタイに行ってはいけない」というルールがある、というのは別にいい。

だけど、要求が異常すぎて、それに応える山岸の対応も「ホントにそれでいいのか?」と思えるものがあり、見ていて違和感というより不快感の方が先に立つ。

特に「バラを100本用意してくれ」と言われて、実際にはスイートピーを100本揃えたというシーンは、私が依頼主だったら激怒するぞ。

実は日下部は、ホテル・コルテシアのロス(?)在住の幹部で、今度新しく展開するホテルに優秀なホテルマンを1名派遣してほしいということで、その候補に挙がっている山岸と石黒賢演じる氏原のホテルマンとしての対応を見にきた、ということになっている。

その割には、無理難題を吹っ掛ける相手は山岸ばかりで、氏原の方にはまったく何もしない(ように見えた)

しかも、突如支配人室を訪れるのだけど、こんな一般の客が簡単に支配人室なんかに入れるのか?

この支配人室のすぐそばに捜査本部が設けられているのだから、余計に部外者立入禁止のはずなのだから、とても違和感のあるシーンだった。

結局、この随所に流される無理難題のシーンは、観客をミスリードするためだけのムダ以外の何ものでもなかった。

さて、そんな意味ありげだけど意味のないシーンが連続する中、ついに犯人が逮捕されるのだけど・・・

犯人は、見かけは女だけど心は男、そして双子の妹がレイ〇され、その後の警察での取り調べの際のセカンドレイプのせいで自殺してしまったので、警察に復讐するために今回の犯行を計画したのだそうな。

だから、付き合った女性にロリータファッションをさせ、2度も殺害したあげく、たまたま2度目の殺人の時に殺された女性を望遠レンズで見てしまった(殺害現場を見たわけではない!)ことから、強請られたのを逆手に取って、逆に脅迫者を殺そうとして、あのホテル・コルテシアでのカウントダウン仮装パーティーを利用することを思いついたのだそうだ。

えっ???

意味がさっぱりわからない。

まず、2度目の殺人の時には、殺された女性には二股をかけている男性がいて、しかも妊娠していたのだけど、その恋人たちは二人とも警察の網にかかっていない。

妊娠していたということは、二股の男性とはそういう関係にあったということになるのだが、犯人とはどういう関係だったの?

わざわざロリータファッションをさせるほどの関係だから、ただのお友達ということは考えられない。

まさか相手が女性であることに気が付かなかった?

そんなわけがないだろうから、この被害者の素性そのものが謎だ。

だいたい、目撃(のぞき?)をしていたヤツは、どうして犯人がわかったの?

殺人現場を目撃したわけではないのだから、そこから犯人にたどり着く理由がよくわからない。

また犯人も、脅迫者の正体をどうして知ったの?

その後にいったい何があったの?

もしかしたら、そういう謎解きの場面があったのかも知れないが、少なくとも私には理解できなかった。

また、1回目の殺人は2年前の出来事ということで、2回目とまったく同じ殺害方法とであることが小日向文世演じる能勢刑事の調べによって明らかになっているが、そんなこと警察内で2つの事件の関連性について思いつく人は一人もいなかったのか?

そんな立憲民主党のような無能集団とはとても思えないので、このあたりの展開にはかなり無理がある。

だいたい1回目の殺人の時に、当然被害者の女性と付き合っていた者について調べていたはずだけど、今回の犯人の名前は出てこなかったのか?

犯人がそこまで用意周到に関係を隠していたとしても、女性の側がまわりにどんな話をしていたかなんて予測できるはずがない。

容疑者の一人として名前が挙がっていたとしたら、今回のホテル会場に現れた時点で、当然マークするはずだし、そもそも1回目の殺人と2回目の殺人の関連性なんかわかるはずがないと思う犯人の頭の中が理解できない。

とにかくこの犯人は、どう見たって頭のいいようには思えないわけだ。

それは、脅迫者を殺害しようとした方法にもそう感じられる面がある。

犯人は、山岸がはめていた時計の時刻が狂っていることに気が付かなかったせいで、脅迫者と山岸の二人を殺し損ねるのだけど、ということは、犯人は最初から山岸まで一緒に殺害しようとした、ということ?

何で、そんな危険なことをするの?

山岸をチャペルにおびき寄せるということは、新田をはじめとした警察が一緒に来る可能性も高いということなので、わざわざそんなバカなことをするわけがない。

山岸はあくまでも「ついでに」殺そうとしたのだとしたら、逆にあの時計のトリック(?)は成立しなくなる。

そもそも脅迫者を電流時限装置で殺害しようとした時に、何で時間を確認するつもりだったの?ということになるからだ。

そんなことより、警察はあのチャペルはまったくノーマークだったのか?

誰もいない空間とは言え、そこに近づく者に誰も気が付かないなんて、ちょっと考えられない。

しかも、一度でも怪しいと思ったうちの二人があのチャペルに入っていっているわけで、それにまったく気が付かない警察は、まるで立憲民主党である。

などなど・・・

犯人の二人の女性殺害の動機もよくわからないし、それに対する警察の対応も杜撰極まりないし、2度目の殺人を目撃された後の犯人と脅迫者とのやり取りも理解できないし、とにかく映画の肝である推理・トリックの部分がいいかげんすぎて、見終わった後の呆然感はハンパなかった。

そして、最後の新田と山岸、というよりは、キムタクと長澤まさみのツーショットも、次回以降まだまだ続くよ、というだけの見せ場みたいだった。

しかも映し方がわざとらしすぎるので、見ていて「どうでもいい」感が、これまたハンパなかった。

原作は読んでいないのだけど、どうやら犯人の性別が変えられているようだ。

東野圭吾としては、犯人は普通に男に設定しているのに、それをわざわざ変更して、「女性なのに男性」とかいう、今流行りのLGBTの話を混ぜようとするから、根本的な部分で辻褄が合わなくなってしまうのだと思う。

ということで、いろいろイチャモンもつけたけど、年末にもう一度振り返るとしたらキムタクを目立たせるだけの演出に文句をつけるだけになってしまいそうなので、ここはぎりぎり「C」にとどめておきます。

やっぱり、一度目の成功で調子に乗ってしまうと、こうなっちゃうという典型かも知れない!?

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