静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

もやい結びと係船

2019年04月22日 11時41分50秒 | 授業・講演

もやい(舫い)結び(舫い)とは、ロープの端に固定した輪をつくる結び方です。
「もやい」は係船のこと。
船を岸壁に固定するのに使う、信頼度の大きい結び方です。
使い勝手のよさや用途の多さから「結び目の王」(King of knots)と呼ばれます。

ですから、学園のロープワーク実習でも基本中の基本です。
作る輪が手前でも、反対でも出来るようにします。


さて、最初に結び方を覚えるのは使いやすい細いロープです。
実際の係留では、もっと太いロープを使います。
覚えたはずの「もやい結び」が、あら不思議。
できなくなります。
学園では、太いロープを使い、現場に近い状況で練習します。


学園の見学、お待ちしてます。
詳しくはホームページをご覧ください。
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
今年度の見学会の日程もご紹介しています。

 園長のつぶやき
残念ながら1人の退学者がでました。
「漁師になるきはない」との理由です。
でも、AO入試で漁師になることを断言して入学したんですよ。
だから、ほんの数日で、学園生活ができないと結論を出したことになります。

昨年は、入学式前に辞退する人がいました。
今回は入学後なので、それより良かったと思います。
自分のために、新しい環境に飛び込む決断をしたんですから。
それは評価すべきです。さりとて・・・

入学直後は誰でもストレスがかかります。
これは船酔いみたいな物です。
多くの人が体験するし、しばらくすると乗り越えられます。
我々職員からすると、「誰でも経験するし、何日かの辛抱」なんです。

漁師希望で漁船に乗った人の半数が、最初の船酔いで辞めるという話しもあります。
小舟で酔ったことがないので「自分は大丈夫」と自信満々。
ところが大型船で簡単に酔ってしまうと、一気に自信が崩壊です。
人によっては思ってもいなかったストレス。
船酔いの辛さがずっと続くと思ってしまいます。

漁師になるために学園に入学するのは、昨日や今日の決断ではなかったはずです。
それが、入学後の数日で「漁師になる気はない」と自分の決断をひるがえしてしまったんです。

入学者を全員漁師として卒業させたい。
・・・毎年、そう思いますが現実はきびしいです。
そして思うのが、彼にとって退学という判断が良かったかどうかです。どうなんでしょうねぇ?

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水産技術研究所の授業1

2019年04月19日 13時32分34秒 | 授業・講演

毎年おなじみ、水産技術研究所から講師を呼んでの授業です。
第1回は何かと話題のサクラエビ。
サクラエビがどんな生物か?
どんな漁業をしているか?
などが説明されました。

サクラエビですが、日本では駿河湾でしか漁獲されません。
「漁獲されない」と言うことは、
「漁業が出来ないレベルで、他にもサクラエビはいる」
と言うことです。


こんな魚種は他にもあります。
例えばホタルイカ。
静岡県でも、まれに定置網に入ることがあります。
大発生したんですね。
でも、ふだんは少なくて、ホタルイカの漁業は出来ないんです。

環境変化でホタルイカが駿河湾の名産に・・・
と言う可能性もゼロではありません。

写真がさびしいので、学園の一日のスタート写真。
寮の前で点呼、体操です。
みんな元気です。


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 園長のつぶやき
近年よく使われるようになった言葉の一つに「無理」があります。
会話ではよく使われます。
みなさんはどうですか?

「無理」いくつかの意味がありますが、会話で使われるのは「するのが困難な場合」が多いです。
例えば
「漁師になるのは無理です」
など。

私は、このような使い方に違和感があります。
「無理」にはニュアンスに自分の気持ちを通り越して、世の中的な判断が意味されるからです。
だからこそ、簡単に使うべきでない言葉だと思います。
逆に言えば、近頃の「無理」は軽く使われるようですが、
背景には「自分の意見ではなく、世の中の意見ですよ」との主張が込められているんでしょうか?

どちらにしても。
できるか、できないか・・・本来は簡単には分かりません。
漁師になれるか、なれないか。
どうしたら断定できるんでしょうか?

「無理」と口にすると、「もうできません」と敗北宣言したことになりませんか?

世の中での「無理」の使い方はともかく、私はなるべく使わないようにしています。
できるか、できないか?
可能か、不可能か?
私ならダメでも、別の人ならできるかも知れません。

「無理」という言葉で、可能性を潰さないようにしたいと思っています。

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機関の講義

2019年04月18日 09時11分51秒 | 授業・講演

今年度から学園職員になった青木先生の授業です
私と同じ青木です。
ちょっと、ややこしいです。
この青木先生ですが、元調査船の機関長であり、元学園職員でもあります。
漁船の経験もあります。


これは「補機」の説明。
主機関であるエンジンに対して、発電機やポンプなどが補機です。


授業をのぞいたら、眠そうな生徒が数人。
でも、起きて授業を聞こうとがんばっていました。

職員が1人増えて、航海担当が2名、機関担当が3名です。
昨年は機関専攻が航海専攻を上回りました。
就職では絶対有利な機関。
今年も多くの生徒が選択して欲しいです。

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 園長のつぶやき
そろそろ、私の大事な仕事の一つが始まります。
高校を巡回して学園の紹介です。
伊豆半島から浜名湖周辺まで回ります。
加えて、昨年は長野県の農業高校(全校)もいきました。

これ、実はかなり憂鬱(ゆううつ)な仕事です。
訪問しても門前払いはあるし、明らかに「聞きたくない、早く帰れ!」ってオーラがでていることが少なくありません。
こっちの都合で押しかけているので、仕方ないかな。営業マンの気持ちがわかります。
なかには、本当に熱心に聞いてくれることもあるんですけどね。

ですから、学園や漁業に興味のある方はぜひご連絡ください。
聞きたい方に説明する方が私も張り合いがあります。
基本は高校ですが、中学でもOK!
特に中学の先生は出張が大変らしいので、私を呼んだ方が簡単ですよ!
ただし、県外の場合はご相談させてください。
なるべく、遠方でも行こうと思っています。

中学、高校以外の場合は...どうしようかな?
とりあえず連絡ください。
お待ちしてます。

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ベールを脱いだ秘密兵器

2019年04月17日 11時12分23秒 | 実習

本格的に実習も始まりました。


で、秘密兵器の登場です!
・・・なんと、改造物干し台。

今までは、実習棟に整備された手すり?状のパイプを使っていました。
これだと、先生に背を向けることになってしまいます。
先生から見えないし、そのために生徒はムダ口をもらします。
また、頑丈(がんじょう)なので背負い投げみたいにロープでひっぱったり。
写真を撮るときに顔が写らないし!これが昨年です。


そんな多くの問題を、これで解決です!

実習の久保山先生の発明です!!


この日のメニューです。

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 園長のつぶやき
今週末の学園見学の申し込みがありました。
今年度最初、そして平成最後かな?

さて、「学園生活が始まる」それは「寮生活が始まる」ことでもあります。
寮生活で生徒は大きく成長します。
これはまちがいありません。

ですが、楽しいことだけで成長するには限度があります。
寮生活で苦労が大きい人は、それに比例して成長できるはずです。

以前にも紹介した過去の生徒です。
学園では優等生でしたが、入学当初は生活の激変で
「ベットに入ると自然に涙がこぼれた」
そうです。
その彼も、卒業近くになると
「もうすぐ、この天国のような学園の生活が終わってしまう」
となりました。
卒業後は遠洋カツオ一本釣り漁船で活躍しています。
船頭からも頼りにされる人材です。
寮生活で自分を成長させることが出来たんですね。

逆に残念ながら、入学早々に寮生活への適応をあきらめてしまう生徒もいます。
二年で一人くらいかなぁ。
少ないけど、確実にいます。
これを、できればゼロにしたいです。
ただ、寮生活の何がストレスになるのかは人それぞれ。
・・・難しい課題です。

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実習の始まり

2019年04月16日 09時00分00秒 | 実習

年度初めて大事なのが、避難経路の確認。
徒歩で避難場所の公園に行き、帰りに漁港内を見学。
カツオの竿釣りが停泊していたので、ちょっと見学させてもらいました。


そして、学園で最も大事な授業である実習も始まりました。
最初にやったのは、今年度にどんな実習を行うかの説明です。
実習の先生が手作りでテキストを作成。
ロープの結び方、加工方法、竿や網などの漁具の作りなど・・・
どんなことを身につけていくのかが分かります。
この白黒版を先日の「焼津みなとまつり」で配布しました。
今年度の学園見学者にも差し上げる予定です。


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 園長のつぶやき
実習棟にあるホワイトボード。
生徒の名前の下に、課題のできた日付を書いていくものです。
今年度は生徒が増えたことから、二段書きになります。

実習の久保山先生から、授業の最後に注意がありました。
「実習は自分の時間。
 ムダ話をすれば、自分が練習する時間も、話しかけた相手の時間も使ってしまう。
 作業を覚えるのは個人差が大きい。
 がんばっても遅いのはかまわない。
 でも、遊んでいて遅いのは違う。
 毎日の自分の時間を大事に使って欲しい」
こんな話が出るのも「手より口が動いている」生徒が毎年いるからです。
ちょっと出来たからと言って、ムダ話をしていれば、覚えたこともすぐに忘れます。

実習棟で行うロープワークなど、資格をとる物ではありません。
でも、漁師としては「出来て当たり前」の技術。
へたな資格より、ずっと価値ある物です。

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