静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

生徒諸君の実習や講義の感想 3(序)

2024年08月07日 09時14分05秒 | 授業の感想
御前崎地区施設見学

生徒諸君の感想文を紹介する前に、御前崎魚市場、漁協のブランド魚、磯焼け及び温水利用研究センターを簡単に解説します。
生徒諸君の感想を補完する内容にしたつもりです。
感想を読んで、”???”となりそうな部分を想像して書いています。


御前崎魚市場
御前崎魚市場では、近海かつお(生)、しらす、きんめだい、さわらなどが水揚げされています。
秋から春にかけては、刺網で獲れた生きたいせえびも水揚げされます。
また、多種多様な魚が入網する小型定置の漁獲物も水揚げされ、見学時にはブリやカンパチなどが水揚げされていました。


漁協のブランド魚「波乗り鰆」
近年、御前崎市場を運営する南駿河湾漁協では、同市場に水揚げするさわらのブランド化に取り組み、厳しい基準をクリアしたものをトップブランドの「波乗り鰆」として出荷しています。その基準は、11月から2月末までに曳縄漁法で漁獲、船上での脱血処理、魚体に傷が無い2.5~4kgであって脂肪量10%以上などとなっています。


御前崎周辺海域の磯焼け
かつて御前崎周辺海域には東京ドーム1,700個分ほどの広大な藻場が存在していました。
昭和の終わり頃から「磯焼け」と呼ばれる藻場が衰退していく現象が見られ、平成12年頃にはほとんどが消失してしまいました。
磯焼けの原因については特定されていませんが、藻類の移植や藻類を食べる魚類を駆除することが藻場の回復・保全に役立つことがわかりました。
漁業者などがこれらの活動を続けたことで徐々に藻場が回復しています。


温水利用研究センター
原子力発電所からの温排水を活用して、マダイ、ヒラメ、アワビなどの有用水産物を卵から稚魚まで育てる(種苗生産と呼びます)施設。
マダイやヒラメは、この施設で概ね3cm程度の大きさまで育て、漁業者により海に浮かべた生け簀などで6cm程度になるまで育成された後に、海に放流されます。
放流された魚たちは、海で大きく育ち、翌年以降に漁獲されます。
また、全国的にも珍しいクエの種苗生産と養殖を行っています。
*人工的作った稚魚の放流による積極的な資源増殖行為を栽培漁業と呼んでいます。


読んでいただき感謝です。
次は、生徒諸君の感想です。


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