漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。
用宗・・・何と読むでしょう?
正解は「もちむね」です。
静岡市駿河区には用宗漁港があります。2艘船曳によるシラス漁が盛んです。
先日行った由比でもシラス漁をしていますが、1艘船曳です。
静岡県では用宗から西では2艘船曳になります。
シラス組合のご厚意で、すでに漁が始まっている船に用宗漁港から運んでもらいます。
そして、5隻のシラス船に分乗。シラス漁の様子を見学させてもらいました。
この日は大漁ではありませんでしたが、捕れたシラスを船上で生徒に食べさせてくれました。
この表情。そりゃ、うまいよ。
せっかくシラス船に乗ったので、使われているロープワークを先生が解説しました。
学園で学んでいることが、実際の現場で使われることが分かったと思います。
漁が終わると、漁協用宗支所の会議室で斉藤しらす組合長からお話しをいただきました。
そして47期生で斉藤組合長の船に就業しているS君も来てくれました。
シラス漁の楽しさを語ってくれましたよ。
今年の生徒も、来年はシラス漁師になっている人がいるかも知れません。
そして、釜揚げシラスを作っている「まるかい」さんを見学させてもらいました。
水揚げされたばかりのシラスを釜揚げにする工程を説明していただきました。
シラスのほとんどは加工されるので、地元ではダブルの付加価値商品です。
8月19、20日は模擬授業も体験できるオープンキャンパスを行います。
事前に申し込みが必要です。
詳しくはホームページをご覧ください。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/harunokengakukai.html
お問い合わせ、お申し込みは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
【沿岸漁業への就業】
静岡県では静岡市より西側は主要な沿岸漁業がシラス漁になります。
そして、どの地域も深刻な後継者不足となっています。
シラス漁船は減少の一途です。
漁船が減ると、地域の漁業が破綻します。
漁協も製氷などの施設、市場も運営が難しくなります。
その影響は加工業者など周辺産業に波及します。
用宗地区は、かなり前から対策に取り組んでいますが、他の地域は厳しいです。
海の資源は限りがあるので、漁船が半数になると、一隻当たりの漁獲は2倍になる...
との単純な計算にはなりません。漁協は合併して存続していますが、それも限度があります。
しかし、沿岸漁業共通の問題は収入が低いこと。
これを解決しないと就業者は増えません。
各船主だけではなく、地域として取り組んでいく必要がある課題です。
園長のつぶやき
漁師になりたくて学園に来る人。
実は大変な幸運の持ち主だと思うのです。
これから、東京、大阪などで漁業就業支援フェアがあります。
漁師になりたい人が集まるイベントですが、学園に入学できない30才を越える人が大半です。
そして海技士の資格がなく、漁船の経験もない。
家族を養うために、学園で1年間勉強する余裕はなく、すぐに乗れる漁船を探します。
乗せてくれる船は見つかると思いますが、その先、仕事をしながら資格を取り、給料の高い役職に登っていくのは、そりゃあ大変ですよ。
学園に入学できるのは30才以下。その年齢なら求人がたくさんあります。
そして、学園で技術や資格の勉強ができます。自分にあった漁業がわかります。
さらに、卒業後は同級生とのネットワークもできるし、学園に相談に来ることもできます。
しかも、県立で入学金も授業料も要らないんです。
大型漁船の幹部を目指す学校は全国に学園だけ。知名度が低く知る人ぞ知る!
どうですか。
縁があって学園に入学できるのは、とてつもなく幸運じゃないですか?
しかし、せっかく手に入れたチャンスを自覚せず学園を退学する生徒もいます。
これから入学する方には、ぜひ自分の幸運を自覚し、手に入れたチャンスを最大限に使って欲しいと願っています。
学園の卒業生でも就職直後は仕事がつらいと言います。でも、同時にやり甲斐や達成感を口にします。
大型漁船の仕事は大変だけど、それに見合うモノがあります。