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静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

第50期生の思い出2(一海特講習)

2020年03月24日 08時46分53秒 | 所感

第50期生は新しいチャレンジがありました。
その一つが無線資格のレベルアップです。

今まで学園で取得する無線資格は
 第二級海上特殊無線技士、略して二海特でした
これを第一級海上特殊無線技士、一海特に変更したのです。

なぜかと言えば、学園生の多くは遠洋漁業、または沖合で操業する大型漁船に就職します。
これらの漁船の航海士は一海特が必要となります。
実際には四級、三級と言った海技士試験に合格した人は一海特の講習に行かなくてはなりません。
大型船の航海士なら、一海特が必要なのです。

もちろん、二海特より内容が難しくなります。
講習も2日から7日になります。
そして、大きなハードルが英語が加わること。
簡単な内容ですが、ほとんどの学園生は英語が苦手ですからね。

そこで研究所の調査船「駿河丸」の鹿島通信長が大活躍。
本番の講習前に英語の特訓を引き受けてくれました。

本番の講習も、余裕を持って迎えることができました。

鹿島通信長のおかげで、全員が一海特取得を達成しました。
もちろん、生徒もがんばってくれました。

静岡県立漁業学園
電話 054-627-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ gyogaku.com

学園の見学は随時(ずいじ)、受け付けています。
新しいホームページから申し込みできますよ!
https://gyogaku.com/recruitment/

 園長のつぶやき
一海特は講習日数が増えるので、受講料も大幅アップとなりました。
この経費を捻出するための「やりくり」が大変でした。

加えて、9月に講習があったことが、10月の海技士定期試験の勉強時間に影響しました。
結果的には、その遅れを2月、3月の海技士試験で挽回してくれました。

一つ新しいことをすれば、いろいろ影響が出ますね。
それでも、一海特の取得は就職先の漁業会社にも喜んでもらえましたし、生徒の自身にもなったはずです。

51期生は一海特講習を7月に変更し、10月の海技士試験への影響がないようにする予定です。
ところで、一海特の英語ですが短大卒以上の学歴があれば免除になります。
高学歴の人が漁師になるときの、数少ないメリットです。

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第50期生の思い出1

2020年03月18日 09時38分47秒 | 所感

今年度は生徒数が増えたことから、想定外のことがたくさんありました。
まずは一学期の授業に使う講義室に生徒が入り切らなかったこと。

昨年度までは、このように教育棟3階の講義室を使っていました。
この部屋、二人がけの机を10個並べるといっぱい。
もっと、机が入ると思ってたんですが、実際に机を入れると狭くてダメ。
26人の生徒が入りません。
そこで、入学式などに使う研修室に教室を変更しました。
研修室だと広すぎるので、一部を仕切って2/3の面積で使いました。

こちらは第50期生の入学説明会の様子。
広げた研修室もいっぱいです。

前年までは、こんな感じでした。

学期末の三者面談も人数が増えて、お待たせする時間が長くなってしまいました。
保護者の方にも、ご負担をかけました。

実習船「わかたか」やマイクロバスの定員を超えることはわかってたんです。
定員のない教室、面談の待ち時間は盲点でした・・・
4月からは再び講義室を使うことになりそうです。

静岡県立漁業学園
電話 054-627-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ gyogaku.com

学園の見学は随時(ずいじ)、受け付けています。
新しいホームページから申し込みできますよ!
https://gyogaku.com/recruitment/
入学試験の願書受付は終了しました。
間に合わなかった方は、園長にご相談ください。


 園長のつぶやき
今年度は入学早々(しかも一週間以内)に退学者がありました。
二年前も同様な生徒がいて、退学理由は「思っていたのと違った」です。
学園では魚をとる作業ばかりやると思っていたようです。
毎日、釣りをする気でいたのかな?

今回はホームシックが理由です。
高卒者でしたが、家以外に宿泊するのは修学旅行でしか経験がなかったようです。
月~木曜日の4日間、家から離れるのがつらいと。

自主退学する人のほとんどは、本当の理由を言ってくれません。
言えない理由があったのかもしれませんが、少なくとも学園がどんな学校か理解してなかったのでしょう。
つらいことから逃げて、楽しいだけの世界を求めるのも・・・ね?

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平成30年度(第49期生)をふり返って 3

2019年03月22日 09時20分16秒 | 所感

5月の実習はカッター訓練が加わります。    
毎年
 「手にマメができた」
 「ケツが痛いから休みたい」
 「手を抜いているやつがいる」
 ....
などの不平、不満が続出するカッターです。
49期生は、それを職員にこぼす生徒がゼロ。
これは、本当にすばらしかった。
仕事でも与えられたことを、しっかりやってくれるでしょう。


一方、残念だったのが魚をおろす練習。
これは生徒に責任はありません。
魚を提供してくれる水産技術研究所が少し離れた影響なのかな。
もらえる魚が減って、練習する回数が少なくなりました。
ちょっと残念です。
50期生は人数が増えるので、練習用の魚の確保を考えないといけませんね。


Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
学園の見学、お待ちしてます。
詳しくはホームページをご覧ください。

 園長のつぶやき
県職員の異動内示がありました。
(航海専攻担当のM先生が近くの水産技術研究所に異動です)

学園は1人が転出で、転入が2人。
つまり、プラス1です。
職員が増えるなんて、県の職場ではめったにないんですよ!
それだけ、学園が大事にされていると言うことです。

転入の1人は、元学園の職員。
ちょっとブランクはありますが、スタートからエンジン全開でやってもらいます!
機関担当ですしね!
もう一人は航海担当となる水産技師。
彼は学園の経験はありませんが、乗船は慣れているし、適応力も高い優秀な人物。
こっちもガンガンやってもらいます。

あとは園長を替えれば完璧!
...なんですが、もうしばらく先になりそうです。

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平成30年度(第49期生)をふり返って 2

2019年03月20日 09時29分21秒 | 所感

話しは49期生に戻ります。
入学後に、さっそくロープワークの実習が始まります。
ロープワークを練習するとき、お馴染(なじ)みなのが、この光景。



実習棟にはロープワーク練習用の手すりがあります。
この手すりを使うんですが、問題があります。
 先生が生徒の手元を見にくい
 ムダにロープを力まかせに引っぱる生徒がいる
 先生を背にするので、見られていないと思っておしゃべりが増える
・・・などです。
私としても、「写真が撮りにくい!」と言う切実?な問題があったりします。

そこで、人数が増える50期生には別の方法でやります。
ヒントは「さば祭りのロープワーク教室」にありました。


実習棟で使うものを職員が自作しました。
実物は4月にご紹介します。

そして、「わかたか実習」。
初めてのときは、べた凪が多くなります。
それでも、毎年数名が船酔いダウンです。
なかには船酔い初体験でビックリする生徒もいます。


わかたか実習も、来年度から少し変わります。
それは船の生徒定員が20人となっているからです。
分割して乗船させるしかありません。
ただし、午後は風が吹いてくることが多くなります。
どうなるかなぁ?

ご質問のEメールはこちら。
学園の紹介はホームページでもやっています。
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940

 園長のつぶやき
昨日、4月からの給食業務を委託する業者さんが入札で決まりました。
今年度とは違いますが、一昨年にやっていただ業者さんです。
学園の給食は小学校、中学校の給食と違いがあります。
それは、業務委託費を県で負担していることです。
県の予算は年単位なので、毎年業者さんと新しい契約になるんです。

内情を言うと、県の予算も厳しいし、学園は生徒数が少ないので現場で調理してもらうのは割高です。
以前は一部の食事を宅配弁当にしたときもありました。
苦労は多いですが、作りたての食事を提供することに拘(こだわ)っています。
漁船生活でも、食事は一番の楽しみですからね!

そんな理由もあって、入札で無事に業者さんが決まると私も一安心です。
毎年、入札の日まで心配です。

業者さんが変わると、食事のメニューもガラッと変わります。
4月からはどんな食事を作ってもらえるのか?
私も楽しみです。

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平成30年度(第49期生)をふり返って 1

2019年03月18日 09時33分14秒 | 所感

年度末と言うことで、一年をふり返りたいと思います。
まず入学オリエンテーション。
ここで私が入学者に話したのは
「入学おめでとうは言いません。
 私がおめでとうと言うのは卒業式です。
 全員が卒業してください」
と言うこと。


オリエンテーション前に問題が起きていました。
入学試験合格者の入学辞退です。
それも「併願校に行く」なら例年あります。
どうも理由を聞いてもハッキリしません。
「気が変わった」ってことでしょうけど、私はショック。
その結果、追加募集も間に合わず、入学者が19人でスタートしました。

そして、入学式。
1人の生徒が来ていません。
入学式のスタート時刻を集合時間と思っていたんですね。
結局、ギリギリで間に合いましたが式の前から職員は疲労困憊(ひろうこんぱい)でした...


式後にさっそく整列と点呼の練習を行い、旗の掲揚を指導。
みんな表情が硬いのがなつかしいです。


波乱の幕開けとなった49期生。
果たして卒業できるのは何人いるのか?
毎年、職員の悩みは尽きません。

Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
ホームページ www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940
今週末は見学会があります。詳しくはホームページで!

 園長のつぶやき
ある入学辞退者です。
親に「タバコが吸えないのはガマンできない」と漏らしたそうです。
でもね、この人は高校を出ていますが未成年です。
いろいろ聞くと、タバコは口実。
引きこもりの過去もあって、寮で集団生活をする自信がなくなったのが本音のようでした。

彼のような人は実際には多くて、その場合、ほとんどは学園の受験すらしないと思われます。
彼は勇気をだして受験をした。
もう一歩のところまで来ていたんです。
もったいないなぁ。

集団生活に馴染めない若者は明らかに増加しています。
例え漁師でなくても、周りの人と協調して生活するのは社会人の基本です。

だから、集団生活への適応(てきおう)は誰しも通る道なんです。
あと一歩、踏み出す勇気が未来を拓(ひら)くんですよ。

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