江國香織さんの小説は『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』以外は、好きでも嫌いでもありません。でも、新刊が出ると、ついチェックしたくなる不思議な作家さんです。
そんな江國ウォッチャーの私的に、久々のヒットとなりました『間宮兄弟』。
間宮兄弟 (小学館文庫 え 4-1)江國 香織小学館このアイテムの詳細を見る |
30代、独身、彼女ナシ。
やせっぽちの兄と、ややメタボな弟は、2人だけの暮らしを楽しんでいる。
2人ともそれぞれに職に就いているし、読書をしたり、レンタルビデオを借りてきて映画を観たり、ジグソーパズルをしたり。遠くに住んでいる母親に会いに行くこともあるし、誕生日には小洒落たレストランの予約だって取る。冬至にはゆず湯に入る・・・。
そんな2人の、穏やかできちんとした暮らしの中に入り込んでくる恋の気配。戸惑う兄弟。
でも、やっぱり恋愛物語の主人公にはなれないのかなぁ・・・。
所謂「いいひとなんだけど、それでお仕舞い。恋愛には発展しない」タイプの男性(しかも兄弟)の話で、しかもそれだけの話なわけです。劇的な展開は一切ありません。
だから、何が面白いのかと言われると、ちょっと困るのですが・・・。
「ここが面白い!」というのではなく、淡々と過ぎていく物語そのものを味わう小説なのだと思います。
そう言えば、映画化されているとか。
兄は佐々木蔵之介、弟は塚地武雄というキャスト、なかなか良さそうです。
関係ありませんが、佐々木蔵之介さんは2枚目も3枚目もいける、ステキな役者さんですね。