gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)

ゲーム・アニメ・ライトノベルの感想サイトを目指します。Twitterでもつぶやいてみたり。

狼と香辛料Ⅱ第3話『狼と埋まらない溝』の感想レビュー

2009年07月23日 15時44分31秒 | 今まで見てきたアニメ
ファンには甘茶と呼ばれて人気のアマーティですが、いきなりの恋敵宣言にロレンスはどう動くのか?というお話です。
人目につかないように修道女を装っているホロですが、ロレンスと同道している理由が借金によるものだと説明していたことが、アマーティの恋の炎に油を注ぐ結果となりました。

大勢の証人の前でロレンスに宣言するアマーティ。
要するに、ホロの身代金を肩代わりして自由の身にする事で結ばれようという訳ですが、これを愛ゆえの若気の至りと解釈するか、惚れた女すら金でモノにしようとする商人の性と解釈するかで評価が別れそうな気がします。

実力はあっても、世間知らずで一目惚れ状態の若造を相手に、果たしてホロが本気になるのか?というのはさておき、一度デートしたからといってそこまでホロからの好意を信じて疑わないアマーティの様子はやや滑稽かなと思ったり。
周囲の人間に働きかけて外堀を埋めるよりもまず、ホロに堂々と告白なりなんなりをすることの方が、個人的に重要ではないかと思うわけですが、そんなアマーティからの決闘に受けて立ったロレンスもまた、頭の中で色々と皮算用していたりで、商人としてはともかく、良き雄とは言い難いあたりがどっちもどっちかなと。
ホロがため息をつきたがるのも無理はないところかと。

ただ、アマーティには勝算があり、手持ちの資産ともう少しの利益があれば、ホロのためのお金を実際に集められるという状態。
これが後々ロレンスを追い詰める事になる訳ですが、商人として情報を集めつつも、ホロと祭を満喫する事にしたロレンスは、選択自体は悪く無かったものの、それが原因で出し抜かれてしまった辺りが皮肉でした。
商人としても、男としてもアマーティに叶わないとなってしまっては、さすがに立つ瀬がないロレンスですが、やはり以前の失言が尾を引いている分、精彩を欠く印象かと。
言葉のやり取りだけならホロとそこそこ渡り合えるようにもなってきたロレンスですが、女心は貨幣の価値よりも移ろいやすいものですし、常にホロを安心、満足させる域にはまだまだ遠い、といったところでしょう。

麦商人のマルクも、麦の純度に細工をして、かさを水増ししていることをあっさりと見破られてタジタジでしたが、この辺りは麦の豊穣と縁の深い賢狼ホロらしい感じでしたね。

そんなマルクの情報で、実はアマーティが黄鉄鋼を利用したボロ儲けを企んでいたことを知ったロレンス。
当面はそれにどう対処するかが、ロレンスの腕の見せどころとなりそうですね。
思えば、アマーティと別れてすぐ、バトスからも忠告されていたわけで、ロレンスが自分の迂闊さを呪ったのも無理ないところかと。

情感豊かで楽しげなな祭の描写とのギャップ演出が、彼の苦悩を浮き彫りにする感じで好印象でした。

アマーティのやっている方法は、効能的な価値は実際には無いものの、商売の効率的には濡れ手に粟といったところ。
しかし、仮にアマーティが借金を肩代わりしたところで、もう一度ホロに選んでもらって旅を続けるとマルクに語ったロレンスの様子は、ホロへの好意が素直に出ていて良かったと思います。

しかし、ディアナからの手紙を読んだホロは、ヨイツが既になくなってしまっていることに気付いて号泣。
字が読めないと前回語っていたのはハッタリでした。
かなり多くの方が意外という感想を持たれていた様子でしたが、案の定、頭が良かったホロ。
ロレンスをおどろかせてやろうという感じで覗いた手紙が、一番知りたくなかった事実を記したものだったのは可哀想でしたね。

手紙の文面を読み、ロレンスの表情と、今までの旅の様子から全てを悟ってしまうホロ。
なまじ優れた知恵があるだけに、こういった場面でも断片化された情報から結論を導いてしまったホロの絶望感が良く表れていたと思います。

孤独を心から恐れているホロは、遂にはロレンスに子作りをせがむまでに。
狼狽えるという字がここまで似合うシチュエーションも珍しいですが、彼女にとってはそれ程のショックだったという事でしょう。
流石にこんな歪な据え膳に手を出すようなロレンスでは無いわけですが、だったら自分を好いているアマーティを相手にすれば!と思い詰めたホロは、普段の余裕が全くなく、追い詰められてしまっているのがよくわかります。

ホロに対しての、ロレンスの『俺が居るだろ』発言は、彼のありったけの勇気が込められていた気がしましたが、その後のホロの質問に即答できなかったのは惜しかったと思います。
しかし、アマーティの名前を出された後、ホロに近付こうとした時のロレンスの胸中では、ひょっとしたらこのままホロを失ってしまわないように、安心させられるなら抱くという決意もあったのかもしれませんね。
実際にはホロが少し冷静さを取り戻し、すまぬと呟いた事で、その手が触れることは無かったわけですが、却ってやりきれなさだけが残ってしまうことに。
大の大人が本気で落ち込むという状況のまま、次回へ続く。

次回、第4話、『狼と浅知恵の末路』

タイトルだけを見るとバッドエンド一直線な感じになっている訳ですが、果たしてどうなるのか、目が離せませんね。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。