昇交点

五藤テレスコープ的天文夜話

パンスターズ彗星とらえました

2013-03-12 09:36:08 | 天体観測

Panstarrs130311_ss

先週末からパンスターズ彗星が国内でも観測されるようになってきました。しかし、まだ太陽に近いこと、高度も低く条件が良いわけではありません。とはいえ、観測事例が続々入ると早くその姿を自分でもとらえたいというのが天文屋の性でしょう。

昨日、筆者は8倍42mm双眼鏡でパンスターズ彗星を捜索したのですが、低空にうす雲があり残念ながら初観測になりませんでした。そんな中、社長の鈴木から連絡があり、彗星を観測できたとのこと。焦点距離2800mmと長焦点のおかげか薄暮中にも関わらず、核とかすかな尾が写っています。また低空なので、大気の分散で彗星核の色が虹色に分かれていることがわかります。

なお、本日(12日)の天候も良さそうなので今日こそは筆者もとらえてみたいと思います。(kon)

画像:3月11日のパンスターズ彗星 28cmシュミットカセグレン望遠鏡による直焦点 撮影地:埼玉県入間市


マークX物語(5)

2013-03-08 13:33:42 | マークX物語

  Mx_04

第5話 Mark-Xの設計を開始する。

小型望遠鏡委員会はアマチュア天文家が理想とする望遠鏡の姿を求めて、1975年6月にその会議を終了し、製品化の依頼を技術部(開発・設計を担当)に提出します。当時の五藤光学研究所には学校向けの赤道儀として6.5cmと8cm赤道儀が2機種販売されていました。大きさはこの2機種の中間とし、ただし8cmの鏡筒が載せられる強度を確保して欲しい、という要求を出しました。設計は望遠鏡に造詣の深いM氏が担当、驚くほど短期間で仕上がり、試作が開始されたのです。

まず赤道儀を架台、ベースモデル(極軸)、赤緯軸、筒受の4つのパーツに分解しなくてはなりません。分解方法はちょうど工作機械の接合部のように「印籠継ぎ」と呼ばれる接合部分をつくり、ここに4本の六角穴ボルトで接合するという方法がとられました。しかしパーツの分解を重ねるとアルミでできたボルト穴がしばらくすると摩耗してくる恐れが懸念されたのです。この解決策として「ヘリサート」というステンレスのばねでできたメスねじを、アルミ鋳物の中に挿入することになりました。

また、赤道儀としての強度を増すために、ウォームホイルと軸、ハウジングの嵌(は)め合い精度(軸と軸受の直径差)を高め、強度を増す工夫を行いました。さまざまな赤道儀を用意し、同じ長さの鏡筒を装着し、端をばねばかりで引っ張って力を加え、どの程度たわむかを毎日のように試験し、このクラスの赤道儀としては随一の強度があるという自信がついてきました。(Suzu)

添付写真 Mark-X赤道儀のアップ写真


野鳥の楽園?

2013-03-01 17:15:42 | 野鳥

130301bird

しばらく天体ネタが続いていましたが、望遠鏡や双眼鏡で見るものとして天体同様人気がある野鳥についても少し取り上げてみることにします。

弊社入口のそばに、他のテナントの方がエサ台を置き、そこにパンや穀物を置いています。そうすると野鳥がやってきてエサを食べる光景を間近に見ることができます。とはいっても来るのはスズメ・ムクドリ・ヒヨドリ・ハクセキレイといった街ではおなじみの鳥ばかりです。そんなおなじみの鳥たちも双眼鏡や望遠鏡で見ると色彩や羽根のディテール、エサの食べ方など見ているとなかなか楽しめるものです。

そんなある日のこと、エサ台に一羽黒っぽい見たことがない鳥がやってきました。あわてて双眼鏡を引っ張り出し、窓から良く観察したあと「もしかして・・・」と思い調べたらイソヒヨドリのメスでした。知っていたもののイソヒヨドリを初めて見ることができて得した気分でした。

野鳥も見る(撮る)ようになったのは3年前くらいなので天文に比べれば初心者なのですが、このブログでもおいおい語っていこうと思っています。(kon)

画像:デジスコで撮影したエサ台のヒヨドリ