ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

マイアミ・バイス(マイケル・マン監督)

2008-01-16 | Weblog
ストーリー;売春組織の摘発のためにマイアミ警察のメンバーは地下バーで潜入捜査。しかしその潜入捜査の最中に情報屋アロンゾからソニー・クロケットの携帯電話に連絡が入ってくる。妻を人質に取られて、自宅にもどる途中、FBIの潜入捜査官の情報を組織に漏らしてしまったというのだ。麻薬取引の潜入捜査にあたった覆面捜査グループは壊滅。FBIの担当捜査官フジマは、マイアミ警察のクロケットとタブスに連邦麻薬捜査班として潜入捜査を依頼する。目標はコロンビアのイエロという元締めのAVCという組織。製造から精製まで一貫して作業を行うコロンビアの巨大麻薬組織だ。イエロの麻薬をハイチ経由でコロンビアからマイアミに密輸するという運び屋だったが、AVCの上にさらにロシアの武器なども売買しているモントーヤを発見。組織のかなり奥深く入り込んだ二人はモントーヤの秘書であるキューバ人のリタと出会う…。
出演;コリン・ファレル、ジェイミー・フォックス、コン・リー
コメント;マイケル・マンの「マイアミ・バイス」のリメイクと聞いて嫌な予感がしたが、的中。ソニー・クロケットとリカルド・タブスの二人は麻薬と売春の摘発のために言語もぺらぺら、ヘリコプターや飛行機、船舶の操縦もうまいという設定だが、リタというキューバ人との恋愛関係までに至り、「苦渋」の色がにじみはじめるあたりから映画にあきてくる。フロリダ半島というと名作「キー・ラーゴ」とかのイメージのほうが強いが…。コロンビアのグアヒラ半島→ハイチのポルトー・フランス、そしてマイアミと地図で見てみると国境を2つ越えることになる。カリブ海はともかくとして、衛星による国境監視などをくぐりぬけてフロリダ海からもぐりこむテクニックというのはおそらく映画で描かれていたような飛行機の後ろに追尾してレーダーに1機しか映らないようにするとか、船尾をくっつけて2つの船が1つのように見えるとかかなりの術を必要としそうだ。マイアミから小型船舶でキューバに行ってしまうというのも地図を見るとなるほどと思うが、実際にはどうかなあ…。1キロ3,000ドルの運送料となるとだいたい30万円。全体の取引量の18パーセントのマージンを運送料として応諾するシーンがあったが、究極の物流の様子を描いたものとしても見れなくはない。サン・ホセ・デル・グアビアーレというコロンビアの山奥の街が映画にでてくるが、オリノコ川の上流にあるグアビアーレ川の横。船舶で行くのには相当な距離のように見える。
 コリン・ファレルの「チンピラ」ぶりはなかなかのものだったが、FBI捜査官に対してあそこまで地元警察が大きな権限をふええるとはとても思えず、また巨大組織の潜入捜査にしてはデータ照合がUSBメモリというのもなんだかなあ。コン・リーの無表情な演技もなかなかよかったがちょっとコリン・ファレルの相手役としては物足りない面も。現在公開されている「ハンニバル・ライジング」にも出演している。「始皇帝暗殺」や「紅いコーリャン」などに出演していたコン・リー。国際的女優になったという証拠か。
 夜中の銃撃戦はアル・パチーノとロバート・デ・ニーロが共演したというのに散々の出来具合だった「ヒート」を連想させる訳のわからなさ。いくら夜だからって本当に画面を真っ暗にしてどうするといった感じ。「ラスト・オブ・モヒカン」で見せた男性の独特の感情のゆれを背中で表現するというのはうまいのだが、はたして「マイアミ・バイス」でそんなうざったい展開されてもなあ…。
(モヒート)
 キューバのハバナが発祥のラムベースのカクテル。映画の中でコン・リーがハバナのお店にモヒートを飲みに行くシーンあり。確かに美味しそう。
(ポロックの抽象画)
ジャクソン・ポロック。20世紀のアメリカの抽象画の画家だが、おそらく「訳わかんない」という皮肉もあるのかも。
(クレアール語)
 一種の英語のなまりとでもいおうか。「言語の本能」という本ではじめてクレアール語というのがあるのを知ったが(スティーブン・ピンカー著作NHK出版から翻訳)、マイアミ警察の二人は潜入捜査のためにこのクレアール語などもマスターしているという設定。

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