ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

すべては愛のために(マーティン・キャンベル)

2007-12-02 | Weblog
ストーリー ;イングランドでは飢餓地帯に長年援助を続けてきた老人をいたわるパーティが開催されていた。それを外から見守る背の高い白人と飢えた黒人。そして二人はその会合の中へ‥。
出演;アンジョリーナ・ジョリー ,クライブ・オーウェン ,シャーロット・ジョーダン
コメント ;UNCHRとは、国際連合難民高等弁務事務所のこと。「ツゥームレーダー」でトレジャー・ハンターとして世界をかけめぐったアンジョリーナ・ジョリーが今度はイングランドの貴族階級の家に嫁入りしたところから場面が始まる。
 正直言って、ストーリー自体はとてつもなく「くだらない」のであるが、この映画のすごいところはなんといっても「画面」である。特撮効果も使用しているのだろうけれども、とにかくエキストラの人数がすごい。またエチオピア、カンボジア、チェチェンと難民多発地帯の映像は、ニュースでみよるよりも切実さが伝わる。特にチェチェンの爆撃シーンは「最前線物語」なみに低い角度から爆撃をとらええており、ワイド画面でみるともっと迫力が増すだろう。監督のマーティン・キャンベルの「マスク オブ ゾロ」もなかなか面白い映画だったが(ストーリーはやはりくだらなかったけれども)、独特の映像作りの才能は賞賛に値すると思う。やや最後のメッセージなどでこれがニュース性を帯びてしまうのが残念ではある。
 エチオピアは、1974年に海岸沿いのエリトリア地域を併合。その後ソマリアとの抗争や軍事政権、共産主義政権という苦難の道を歩む。国名だけは、エチオピア人民共和国とかエチオピア人民革命民主主義戦線(EPRDF)のように「りっぱ」であるが、実際のところ、ソマリアとの抗争の時には75万人の難民を発生させた。ただし1995年以後は普通選挙がおこなわれ、農業生産力も上昇しつつある。
 カンボジアのクメール・ルージュのインテリ上がりの集団は同じ国の民族の知識階層を皆殺しにしたのは有名。仏教系統の国だがそうした背後関係もカメラや衣装はしっかり認識して画面作りをしてくれている。
 チェチェンは現在進行中の紛争地帯。カフカス地域はもともとイスラム教徒が多い地域であるうえにこの地帯は帝政ロシアの南下政策以後かなり搾取されてきた地帯。スターリン時代にも大規模な虐殺や民族の中央アジア移動などがなされている。2002年のモスクワ劇場爆破事件では人質128人、犯人41人が死亡。また9月1日に発生したロシアの北オセチア地方の学校占拠事件なども背後にチェチェン問題があるといわれている。5月に爆破テロで前大統領が死亡したのち現在ロシアに近いといわれているアルハノフ新共和国大統領が誕生。アルカイダとも提携する過激派やマスハドフを中心とする穏健派が混在しており今後の展開はまったく予想できない。ロシアは強硬姿勢でアメリカもそれを追認する方向。あるアンケートではチェチェンでは294人の誘拐事件が発生(そのうち市民が100人程度)、20人が殺害されて128人が行方不明とされている。こうしたエピソードも映画の下敷きになっているがこれは別に映画を楽しむ上でのチップスにすぎない。

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