ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

イノセンス(押井守監督)

2008-01-15 | Weblog
ストーリー;前作「甲殻機動隊」の続編。草薙素子少佐が謎の失踪を遂げてから時が過ぎ、公安9課では暴走したガイノイドの対策捜査を続けていた。購入者と警官を惨殺したガイノイドの音声バッファには「助けて」と記録されており、メーカーのロックスソルネル社への疑いが強まる。捜査の過程で問題になってきたのは「人間」と「人形」の境目で、捜査員たちはこの事件の真相に迫ろうとするときに自分にとっての「現実感覚」とも戦う必要性が出てきた。そして真相を探るために北端とよばれるエトロフ経済特区に向けてさらにヘリコプターで飛び立つが、そこに待っていたのは…。
出演 ;大塚明夫 、竹中直人、RUBY
コメント ;デカルトの「フランシーヌ」、リラダンの「未来のイブ」旧約聖書の「詩篇」、ミルトンの「失楽園」といたるところから引用がなされ、画面には朗々とした漢詩が流れ出したりする。「ブレードランナー」以上のアジアハイテク未来を描写する押井監督は、「甲殻機動隊」の部隊設定(ゴースト、電脳、ガイノイド…)といったものを引用しながらも、機械と人間の境界線を限りなく縮小していくことで人間の「存在」を見事なアニメーションで追及しようと試みている。正直、すべてが成功しているとは思えないが、かといって無視はできない作品だ。人間の「魂」=ゴーストすらダビング可能な時代に、なおかつデカルトやリラダンが引用され、そしてエトロフ経済特区では日本とも中国ともなんとも形容のしがたい異様の世界が展開される。そうした「異様の世界」の「展開」ぶりだけでもこの映画ではかなり楽しめる。ネットワークとハイテクが限界まで発達したときに人間はそれでもなお古典に帰っていく…というのが面白い。


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