ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

ポセイドン(ウォルフガング・ピーターゼン監督)

2008-01-16 | Weblog
ストーリー ;サザンプトンからニューヨークに向かう豪華客船ポセイドンでは新年を祝うパーティの準備が始まっていた。「海は再生の力」「宝石の宮殿で新年を迎える」と司会者はパーティを盛り上げる。そしてその大人数の中にまぎれてコックのバレンタインの手引きで密航しちえるエレナ。何気ない会話をまじえながらポーカーの勝負をする男たち。5,000ドルのコールが4万ドルにもはねあがる。冷静に勝負をみきわめる勝負師デュラン。さらに息子を連れた独身女性マギーとその息子コナー。失恋の腹いせに1988年もののロマネ・コンティをやまほど注文する初老の老人ネルソン。
 そこへ突然の巨大な波(ローグウェーブ)が襲い掛かり、ポセイドンは上下さかさまの状態に。GPS信号を発したと船長は報告し、客室の空気を密閉して救助がくるまでこの部屋にとどまるべきだと指示。その意見に反対の設計士のネルソン、勝負師デュラン、元ニューヨーク市長で妻に逃げられたラムゼイは娘のジェニファーと娘の婚約者クリスを探す。この寄せ集めのグループはプロペラ穴からの脱出をめざして艦艇をめざして上に上り始める。フラッシュファイヤーが炸裂する中、「thinking」「道具」「機転」「協力」「手段」といったアイテムを用意して、数々の困難をうちやぶるこの寄せ集めのグループ。途中、デュランが海軍に長期いたことや勝負師特有の「裏を読む」という発想が画面の中で小道具を使って展開されるのが面白い。
出演;ジョシュ・ルーカス、カート・ラッセル、リチャード・ドレイファス
コメント;「運頼み」のラッキー・ラリーや敬虔なクリスチャンと思しきエレナのストーリーがかつての「ポセイドン・アドベンチャー」とは一味違うリメイクストーリーになっている。前作のケースでは牧師を演じるジーン・ハックマンの宗教的救済映画の様相を呈していたが、このリメイクは明らかに「合理的判断をどこまでおこなうべきか」という視点で同じ話をリメイクした。冒頭の賭博のシーンも男三人のキャラクターの違いをポーカーで表現しているし、賭博に合理的に勝とうとしているデュランが次第に人望を信頼を集める根拠も納得のいく展開。かなり無謀に思えるバラストに水をためて別のタンクへ移動(せざるを得ない状況)というのも理解可能。最後はやはり助かるべくして助かるメンバーが助かるのだが、かなり合理的なストーリー展開だ。
 危機的状況の中で意思決定をするのには知識と判断しかないのだが、肝心の船長が「判断を間違える」…というのはおそらく実際にはない。もう少しそのあたりを描写してほしかったような気がする。徹底的な「近代的サバイバルゲーム」にするには、なぜ大多数が同じ場所にとどまったのかを丁寧に描くべきだったような気がする。いわゆるパニック映画だが、パニックの描写に終わらないで緻密に「架空の合理性」を追求する姿勢はリメイクにふさわしい。宗教的ポセイドンから近代的ポセイドンへ移行したともいえる。となると次はポストモダンな「ポセイドン」のリメイクを是非展開してほしいものだが、主人公は牧師から賭博師となったわけで、次は小説家になるのだろうか…。「ビューティフル・マインド」で頭の切れる数学者を演じたジョシュ・ルーカスがかなりいい。アクション向きの俳優だったのだなあ…。また「ミスティック・リバー」「オペラ座の怪人」のエミリー・ロッサムが超美形…。
(maybe)
 バラストにあえて水をためて水ごと脱出する作戦に対して、デュランが答えた台詞。ライトハウス英和辞典によるとこの場合、「もしかするとね」という感じで「likely」よりも確率は低く、「possibly」よりは若干確率が高いことがわかる。

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