清潔好きはよいことですが、度を超した入浴(シャワーも含む)は、肌に悪影響をおよぼすので注意が必要です。
過度の入浴は、肌にうるおいを失うドライスキンや感染症にかかりやすくなるのです。 皮膚の表皮には、ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌などの常在菌が住みついています。この常在菌が、皮膚の脂肪をつかって脂肪酸である膜をつくり皮膚を保護しています。これを皮脂膜といい、病原体やアレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)を体内に侵入することを防いでいます。
一回の入浴で石鹸を使いますと、皮膚についている常在菌の9割が流されてしまい、残りの1割の菌が再び増えて回復するのに12時間かかります。
皮膚を石鹸で洗うのは、1日1回洗えばよいことになります。しかし、1日に数回も洗うようですと、皮膚にいる常在菌がいなくなり、皮膚を保護する皮脂膜が十分に作られず、病原体やアレルギー物質が侵入しやすくなります。
また、洗いすぎると皮脂膜がはがれてしまい、その下にある角膜層を傷つけやすくなります。この傷口から皮膚にうるおいを与えている水分が蒸発すると、カサカサ肌であるドライスキン(乾燥肌)になります。
つまり、肌を洗いすぎることは、病原体やアレルギー物質を侵入しやすくし、潤いのないドライスキンにしてしまいます。肌の洗いすぎには気をつけましょう。