団塊の青春と昭和の東京

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昭和の音風景 ②早稲田大学剣道部の大太鼓と稽古音

2012年02月12日 | Weblog

     

0369 早大剣道部の大太鼓(昭和8年製作)

     平成24年寒稽古と大太鼓の音風景 ↓クリック↓
      http://www.youtube.com/watch?v=JIOP3VVbj5E    
剣道の稽古というものは、やらない人にとっては騒音以外の何物でもない。
あまたの競技の中、これほど声と音が強烈な種目はまず見当たらない。

学生時代この中に身をおいてきたボクが、竹刀を置いて久しかったが、昨年40年ぶりに再開した。
この正月には、早大剣道部の寒稽古に参加し、皆勤賞の竹刀も獲得した。

そこでは40年ぶり見る剣友の顔よりずっと懐かしい物に対面してきた。
それは、道場に80年近く鎮座する大太鼓である。
現在の師範(ボクの一年先輩)から、「一年ほど前に大太鼓の皮を張り替えた」と聞いたが・・・

この大太鼓は確か昭和45年、当時学生だったボクが近くの八百屋でトラックを借り、浅草の老舗『宮本卯之助商店』(文久元年創業)へ運び、昭和8年の新調以来37年目にして初めての張り替えに出した物だ。
店に運び込むと、女将さんとおぼしきが胴の内側に記されている銘を発見し、「おじいさんの名前だ!」と感激していたのを思い出してしまった。
今では、さらにそのお孫さんの代くらいになったのではないだろうか?
と・・するとこの大太鼓は『宮本卯之助商店』の五代に渡りお世話になっていることになる。

一度目から40年後に二度目の張替え修理を施したのだから、皮は大体40年前後は持つようだ。
今回の張替えは一回目より長く持ったようだが・・・色々推理すると、
一度目の張替えは、戦後GHQの“剣道禁止令”による8年間の空白期間が含まれるにも関らず37年で修理したことになる。
ボクが入部したとき既に真ん中は破れて継ぎが施されていたので、相当回数多く叩き込んでいたと思われる。
今回の二度目張替えが41年後と、前回よりも長いのは、一回あたりの稽古で叩く回数が少なかったと思われる。
昔は稽古の始まりと終わりは、初めゆっくり、だんだん早く一度に30~40回くらい連打していたが、今ではそんな叩き方はしないようだ。
最近は付近の住人から、太鼓と稽古音がうるさいと苦情が出るため、窓を閉め切ってやっているのだとか・・
そのため空調完備で夏は熱中症もなく、寒稽古も裸足の冷たさなど全く感じないようだ。
一年を通し快適で、剣道の稽古にも季節感が感じられないのも今の時代を反映しているようだ。

叩く回数が減って長持ちする大太鼓・・・道場の窓を閉め切っているため昔よりくぐもった音で響くけれど、ボクにとっては懐かしき “昭和の音風景” の一つだ。

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