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昭和28年2月といえばボクが小学校に入学する直前だ。
団塊の世代はまだ、4~5歳位のクリクリ坊主だ。
このころ夕方になると、女湯が空ッポになるという現象があったらしい。
NHKのラジオドラマ 「君の名は」 で日本中のお姉さん、お母さん、お婆ちゃんまでもがラジオにしがみついて涙したとか・・TV放送が始まる直前の世相だった。
大人の入浴料金が15円、子供が12円・・湯上りに飲む牛乳は6~7円位だろう。
この時代はまだ、湯桶は「ケロリン」のプラスチック製ではなく、木製のものだろう。
石鹸箱も木製か、せいぜいセルロイド製の軽いもので、フタでない方の底には小さな水抜き穴が5~6つあって、そこから湯を落として遊んでいたら、石鹸がふやけてしまった記憶がある。
スポンジもそれほどはなく、「へちま」 の果肉を除いた本物で洗っていたのだと思う。
中には、亀の子束子で坊主頭をガシガシ洗っている爺さんがいたりして・・浴槽の中で浪花節を唸れば、ガキも聴いているから、おもしろい風景だった。
(写真) 昭和28年当時の銭湯 「入浴料金表」